著者
菅原 敬
出版者
Japanese Society for Plant Systematics
雑誌
植物分類,地理 (ISSN:00016799)
巻号頁・発行日
vol.49, no.1, pp.1-17, 1998-07-28 (Released:2017-09-25)
参考文献数
17

1996年新潟県北部の荒川流域で奇妙なカンアオイ属植物が確認された。この植物は,同地城周辺から従来報告されていたコシノカンアオイ(Asarum megacalyx F.Maek.),あるいはユキグニカンアオイ(A.ikegamii [F.Maek.ex Y.Maek.] T.Sugaw.)によく似るが,花の形態はそれらの中間型のようにみえる。一方,新潟県西部から富山県東部の地域には未記載種クロヒメカンアオイ(Heterotropa yoshikawai nom. nud.)が知られていた。この植物もコシノカンアオイに近縁と見なされてきたが,いまだその実体は充分に解明されていない。そこでこれら問題の植物の分類学的位置づけ,ならびに既存の2種との関連を明らかにするため,花の形態ならびに染色体からの比較研究を進めた。その結果,未記載種クロヒメカンアオイは独立種とみなしうることが判明したので,Asarum yoshikawae T. Sugaw.の学名で正式な記載を行った,また荒川流域の問題のカンアオイ属植物はユキグニカンアオイの新変種と位置づけられ,アラカワカンアオイ(A. ikegamii var. fujimakii T. Sugaw.)として記載した。クロヒメカンアオイは萼筒が上方に狭まった筒形で,萼筒口が径4mm以下と著しく狭く,萼筒内壁の襞は著しく複雑化する。また中期染色体でも4本の次中部型染色体を含む固有の核型をもつ特異な種である。一方新変種のアラカワカンアオイは狭義のユキグニカンアオイ(var. ikegamii)に比べて萼筒がより大きく,口環もより発達して目だつ。また,花柱附属突起はユキグニカンアオイのように萼筒口の高さにまで達することはなく,常に萼筒内におさまっている。この新変種は荒川流域に沿って新潟県関川村から山形県小国町付近まで分布する。

1 0 0 0 OA 小学書方手本

著者
文部省 編
出版者
文部省
巻号頁・発行日
vol.尋常科用 第6学年 下(乙種), 1938
著者
三宅弼 著
出版者
東洋図書
巻号頁・発行日
vol.尋常科1学年, 1933
著者
柴嵜 雅子
出版者
大阪国際大学
雑誌
国際研究論叢 : 大阪国際大学紀要 (ISSN:09153586)
巻号頁・発行日
vol.23, no.1, pp.11-24, 2009-10-31

At the 50th anniversary of the liberation of Auschwitz, Eva Kor, a former subject of Mengele's experiments, declared that she would forgive all Nazis. This statement has stirred outrage among many Holocaust survivors. In order to review her intent, this paper first clarifies the meanings of forgiveness in general, referring to the latest philosophical and psychological studies. The second chapter examines some comments on Simon Wiesenthal's "The Sunflower" which poses a conundrum about whether we should forgive a dying remorseful Nazi. The opinions of those like the Dalai Lama and Desmond Tutu, based on the Buddhist weltanschauung and the African concept of "ubuntu" respectively, introduce us to a new dimension for forgiving criminals of heinous atrocities. The third chapter analyzes Kor's proposal to heal both victims and perpetrators of the genocide, which proves to be in line with restorative justice.
出版者
巻号頁・発行日
vol.[4], 1600
著者
吉田 信明 田中 正之 和田 晴太郎
雑誌
情報処理学会論文誌教育とコンピュータ(TCE) (ISSN:21884234)
巻号頁・発行日
vol.3, no.1, pp.36-45, 2017-02-22

動物園の主要な社会的役割に環境教育・命の教育があるが,学校の遠足・校外学習を含め,多くの来園者は動物を単に眺めるにとどまり,十分な観察・学習ができていないと指摘されている.この課題に対し,著者らは,動物の行動やその意味への理解を促す教育プログラムでの利用を想定し,単に動物を「眺める」にとどまらない,より深い動物観察の機会を来園者に提供するための,動物行動観察支援システムを開発した.このシステムでは,プログラムへの参加者は,タブレット端末を用い,観察対象の動物の位置・行動を時系列データとして記録する.このようにして記録された行動データは,システムによりデータベースに集約される.著者らは,本システムの評価実験を行い,被験者の動物への理解が高まったことを検証した.その一方で,本システムを用いた教育プログラムの開発に向けた課題も明らかになった.
著者
甚野 尚志 大稔 哲也 平山 篤子 踊 共二 三浦 清美 青柳 かおり 太田 敬子 根占 献一 関 哲行 網野 徹哉 大月 康弘 疇谷 憲洋 皆川 卓 印出 忠夫 堀越 宏一
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2013-04-01

我々のプロジェクトは、中近世のキリスト教に関わる諸問題をさまざまな視角から分析することを目指した。それも地域的には、ヨーロッパ世界に広がったキリスト教の問題だけでなく、布教活動とともにキリスト教化した他の世界の諸地域も対象とした。これまでの研究は主として、中近世キリスト教の非妥協的態度、迫害社会の形成、異教徒との対決の視点から研究がなされてきたが、我々は最近の研究動向に従い、中近世キリスト教世界の多様性やことなる宗教の共存に光があてつつ研究活動を行ってきた。この間の多くのワークショップなどの成果に基づき、各分担者が論文などで中近世のキリスト教史の新しいイメージを提示できた。
著者
有沢永貞
出版者
巻号頁・発行日
vol.[3],
著者
Samanpachin Kanit 中川 毅史 野口 修平 三原 誠
出版者
日本学術連携医学会
雑誌
Academic Collaborations for Sick Children (ISSN:1884426X)
巻号頁・発行日
vol.1, no.1, pp.16-19, 2009-08-25 (Released:2010-05-11)
参考文献数
15
被引用文献数
1 1

昨今、若年女児の医原性不妊症を回避するための妊孕性温存を目的として、未受精卵凍結、卵巣凍結の研究が進んできているが、その一方で若年男児に関しては、精子凍結技術の発達からあまり大きな問題とされていない。しかしながら、思春期前若年男児においては、精子形成が未熟なため精子を採取することができず、未だ妊孕性温存の治療法は開発されていない。今回我々は、思春期前小児癌男児の妊孕性温存を目的とした血管付精巣移植実験モデルを開発し、ラット精巣動静脈の血管吻合が現実のものとなった。さらに、マウス精巣組織を磁場環境下凍結技術によって凍結し、既存の凍結方法よりも組織破壊が減少できることを見い出した。超微小血管外科技術と精巣凍結技術の応用によって、精巣の長期保存と移植研究の道を切り開いた。
著者
天野 徹
出版者
横断型基幹科学技術研究団体連合(横幹連合)
雑誌
横幹連合コンファレンス予稿集 第8回横幹連合コンファレンス
巻号頁・発行日
pp.A-2-3, 2017 (Released:2018-02-18)

Foreigners who visit Japan exceeded 30 million a year. It is inevitable that they will be disaster vulnerable people when a large-scale disaster occurs during their stay. But, countermeasures for that is not enough. In this report, we consider a way of evacuation induction, a plan of two step guidance, a possibility of business model for sufficient supply of private shelter by contract between private companies, and an activities to carry it out.

1 0 0 0 OA 明道書

著者
和泉真国 [問]
出版者
中島広足 写
巻号頁・発行日
vol.[1], 1821
著者
坂本 麗仁 鈴木 利保
出版者
日本臨床麻酔学会
雑誌
日本臨床麻酔学会誌 (ISSN:02854945)
巻号頁・発行日
vol.38, no.1, pp.50-57, 2018-01-15 (Released:2018-03-08)

本邦においてインフォームドコンセント(以下IC)は医療行為を行う上で外すことのできないものになっている.最近の民事訴訟を概観すると,説明義務違反などのICに関する過失について争点となっていることが散見される.しかし緊急時には医療行為を迅速に行わなければ,患者の生命・身体に重大な危険が生じることから,患者からICを取得することなく医療行為を行うことが容認されているのが現状である.これにより各病院での緊急時ICの取り扱いはさまざまであり,今まで全体像について知る由がなかった.本稿では,神奈川県下の各病院群での緊急手術時の麻酔ICの状況を俯瞰し,問題点を抽出したのち,今後のあり方について述べさせていただく.

1 0 0 0 OA 射御秘伝書

出版者
巻号頁・発行日
vol.[46],