著者
長谷川 純一
出版者
Japanese Society for Medical Virtual Reality
雑誌
VR医学 (ISSN:13479342)
巻号頁・発行日
vol.1, no.1, pp.21-29, 2002

In this paper, the present state and the future of virtual endoscopy (VE) are stated. VE is a system which can generate endoscopic images of inner organs only using 3D CT images of a real human body. This new diagnostic tool has advantage that can be applied to patients without pain, and that enables us to observe the state of inner human body from any position and direction. Usually, VE should have several basic functions including rendering, segmentation, measurement and user interface. Recently, some advanced functions for abnormal lesion detection, simultaneous display of real and virtual endoscopic images and organ deformation with force feedback have been also investigated. VE can be applied to many fields including diagnosis, surgery and medical education, and some systemd have already been in clinical use.
著者
荒井 良徳
出版者
一般社団法人 画像電子学会
雑誌
画像電子学会誌 (ISSN:2186716X)
巻号頁・発行日
vol.44, no.4, pp.621-626, 2015

コンピュータ(機械)による人工知能・知的処理の大きな目的の一つに人間機能の代行があり,これにより精度の向上や処理時間の短縮等が期待できるため,様々な分野で応用されている.その一方で人間の感性を工学的に解明・模擬・応用しようという試みも盛んである.これは,人間と機械がそれぞれに得意な部分で棲み分けし,人間の高度な知的処理を最大限に活用できるようにサポート及び促進することを目的とするもので,人間の感性など未知な機能に対して逆に刺激を与える効果も生まれると考えられる.<br>本論文では,人間の有する知的処理能力をサポートする試みをとりあげ,視覚における認知促進のステージを一般的に考察した上で,動画像の認知の模擬例として先入観逐次ファジィ推論を,画像処理における感性の応用例として推論による図形の感性的輪郭抽出を,さらに人間の知的処理を刺激することによる認知の促進の例として感性的画像分類をそれぞれ紹介し今後の展望についても言及する.
著者
林 康紀
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理学雑誌 (ISSN:00155691)
巻号頁・発行日
vol.113, no.2, pp.73-83, 1999-02-01
参考文献数
38
被引用文献数
4

代謝活性型(メタボトロピック型)グルタミン酸受容体(mGluR)には8つのサブタイプが存在するが,それぞれの機能については特異的なリガンドの欠如もあり不明な点が多かった.この一連の研究では,種々のグルタミン酸アナログのmGluRのリガンドとしての活性を,各サブタイプを発現した細胞株のセカンドメッセンジャーを測定することで検討した.その結果,(2S,1'R,2'R,3'R)-2-(2,3-dicarboxycyclopropyl)glycine(DCG-IV)がサブグループIIの特異的なアゴニスト,(+)-α-methyl-4-carboxyphenylglycine(αM4CPG)がmGluR1とmGluR2の両者に対するアンタゴニストとして同定された.次にDCG-IVを用い,mGluR2が副嗅球樹状突起間シナプスにおいて顆粒細胞からのGABAの放出をシナプス前性に抑制していることを見出した.この機構により僧帽細胞がGABAによる抑制から解除され,周辺の僧帽細胞への側方抑制をかけると考えられた.また,雌マウスの副嗅球にDCG-IVを注入することで,mGluR2の活性化が妊娠阻止現象にて観察されるのと同様の嗅覚の記憶を引き起した.この一連の研究は中枢神経に於ける特定のmGluRサブタイプの機能を明らかにした初めてのものである.
著者
大熊 信行
出版者
高岡高等商業學校文藝部
雑誌
志貴野
巻号頁・発行日
no.22, pp.58-61, 1939-02-09
著者
川口 顯弘
出版者
千葉商科大学
雑誌
千葉商大紀要 (ISSN:03854566)
巻号頁・発行日
vol.41, no.4, pp.35-48, 2004-03-31

学習意欲が欠如している大量の学生群を相手に,はたしてどんな授業が可能だろうか。私見によれば勉学意欲をもたぬ学生相手の現下一般の授業は,「ごっこ授業」であるか 「多数派黙殺(見殺し)授業」の二つしかない。両者はともに本物の教育とは言えないが,少なくとも前者については,これを単に否定するのではなく,積極的に評価すべきである。たとえば見かけ上は多少の努力や勉強(一例。インターネットで検索させる)を要求し,それなりの達成感や満足感を味あわせつつ,じつは予習も復習も必要ではないため学生にとっては全然なんの苦労もない授業を想定してみよう。いわばただの遊びに過ぎないこうした授業(勉強ごっこの「ごっこ授業」)には,どんな学生も容易に授業参加が可能である。しかしその結果,授業自体に対する関心が芽生え,その中からさらに本格的な勉学を志すものが必ず現れるとすれば,こんにち我々に可能な唯一の教育は,この方法による以外ないのではないか。我々としても伝統的な授業に対する未練は断ちがたいものがあるが,現状を直視し,敢えてこの「ごっこ授業」をより効果的に推進すべきである,と私は考える。
著者
小島 肇
出版者
日本毒性学会
雑誌
日本毒性学会学術年会
巻号頁・発行日
vol.39, pp.S12-1, 2012

製薬業界において、医薬品の探索試験としてのin vitro試験の活用が増えつつある。これらの試験法を用い、多くの創薬候補物質のスクリーニングを進めることは、新規医薬品の開発を短期かつ安価に促すことになり、国際的な新薬開発競争が激化する昨今、極めて有用であると思われる。この試験法にはもちろんin vitro毒性試験も該当する。市場から撤退を余儀なくされる医薬品のほとんどが動物実験では検出できなかったものや、個人差の大きい副作用によるものであることもあり、ヒト細胞を用いた探索毒性試験に掛ける期待は大きい。 これら試験は探索毒性試験法であることもあり、行政的な公定化はもちろん不要であり、JaCVAM(日本動物実験代替法評価センター)の出番はない。しかし、新規に開発された技術やキットを利用する場合は、専門家による第三者評価が十分になされていないこともあり、科学的妥当性はあるのか、偽陽性の判断で有用な候補物質を見殺しにすることはないのか、偽陰性の判断で余分な追加実験を科すことにならなかいという利用者の不安を払拭できないことも確かである。このような試験法を導入する場合、学会や業界などにおける有志の協力を得て、共同研究を行うことにより、試験法の意義やプロトコルを見直すことが無難である。これにより、試験法が揉まれ、より有用性の高い試験法に磨かれていくと感じている。 このような試験法の開発に、協力者を呼び掛け、少ないながらも金銭的な支援をする、バリデーションのノウハウを用いて技術的な協力をすることも、国立医薬品食品衛生研究所にある新規試験法評価室の使命でもあると考えている。
著者
萩原 智子 高島 三幸
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネスassocie (ISSN:13472844)
巻号頁・発行日
vol.8, no.18, pp.82-88, 2009-09-01

1980年山梨県生まれ。山梨学院大学大学院修了。2000年シドニー五輪200m背泳ぎ4位、200m個人メドレー8位入賞。200m個人メドレーや100m自由形など多くの種目で日本記録を更新。「ハギトモ」の愛称で親しまれる。アテネ五輪の代表選考会で代表入りを逃し、引退を表明。
雑誌
Hōrin - Vergleichende Studien zur japanischen Kultur
巻号頁・発行日
vol.16, pp.19-34, 2010-05

This study presents a detailed analysis of the introduction of Western medicine into 17th century Japan and its impact on allied sciences, especially botany.
出版者
日経BP社
雑誌
日経コンストラクション (ISSN:09153470)
巻号頁・発行日
no.589, pp.46-47, 2014-04-14

こうした人材投資が奏効し、長野県が04年度から始めた優良技術者表彰を10年連続、計21工事で受賞。受賞の年数、工事数ともに県内で最多を誇る。優良技術者表彰は、総合評価落札方式の入札で加点対象となる。
著者
藤田 徹也
出版者
富山大学
巻号頁・発行日
2007

平成29年6月26日学位取消
著者
平野 実 小池 祐一 広瀬 幸矢 森尾 倫弘
出版者
一般社団法人 日本耳鼻咽喉科学会
雑誌
日本耳鼻咽喉科学会会報 (ISSN:00306622)
巻号頁・発行日
vol.76, no.11, pp.1341-1973_2, 1973-11-20 (Released:2008-12-16)
参考文献数
11
被引用文献数
16 5

研究目的:声帯は発声中,極めて高頻度の激しい運動を行う振動体である.このような声帯の構造を主として組織学的レベルで検討し,振動体としてみた声帯の特長的構造を解明することを目的とする.研究方法:1) 正常人声帯10例について,パラフィン包埋切片標本を作製し,各種染色を施して,声帯膜様部中央の構造を組織学的に検討した.特に声帯遊離縁部における粘膜固有層の構造に主眼をおき,弾力線維,膠原線維の分布上の差を検索した.2) 人摘出新鮮喉頭3例を用いてVan den Berg類似の装置を使用して吹実験を行い,声帯の振動状態をストロボスコープで観察,写真に記録した.その後同一喉頭の組織標本を作製して,ストロボ所見と組織像との対比を行い,振動部位の検討を行つた.研究結果:1) 人声帯は組織学的に粘膜上皮,粘膜固有層,声帯筋の3部分から構成される.声帯遊離縁部では上皮は重層扁平上皮から成り,この部の粘膜固有層は,弾力線維および膠原線維の分布の差によつて,浅層,中間層,深層に区別される.上皮直下の浅層は組織そのものが疎であり,中間層は弾力線維が主,深層は膠原線維が主でともに密な組織より成る.各層ともそれぞれの中では,ほぼ均質の構造をなす.固有層浅層と中間層との結合は疎で明確であるが,固有層中間層と深層,固有層深層と声帯筋との結合部は密で互いに入り組んでいる.弾力線維,膠原線維はともに声帯の長軸に対して平行に走る.また,この領域には大きな血管や喉頭腺などの存在を認めない.2) 摘出喉頭による吹鳴モデル実験で,ストロボ所見と組織像とを対比してみると,粘膜表面にみられる波動は重層扁平上皮領域内のみに生じる.従つて,振動に最も強く関与する部位は声帯粘膜固有層の中でも,弾力線維の最も密な,いわゆるLig. vocaleのある部位に相当することになる.まはストロボで観察される最大開大位の場合の粘膜側方移動距離は代表的1例では0.8mmであり,組織像での計測で上皮より声帯筋迄の距離1.5mmより小さい.3) 以上の2つの研究結果から,声帯の振動に関与する重層扁平上皮領域は組織学的には4層に分けられ,発声時にはこれら全体が一様に動くとは考えにくい.声帯を振動体として物理的にモデル化して考えると,声帯筋を主体とするボディーと上皮および固有層浅層からなるカパーの二重構造が想定され,固有層中間層および深層は両者の移行部と考えてよい.喉頭調節や呼気圧の状態によつては,移行部やボディー迄波動が及びこともあると考えられる.しかし,概て粘膜波動の主役は粘膜固有層浅層であろう.
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1481, pp.35-37, 2009-03-09

確かに、日本経済を牽引してきた輸出型産業を中心に企業を取り巻く環境は厳しい。ただ、企業の存続を前提とすれば、厳しい時こそ将来の成長の源泉たる人材戦略を冷静に見つめ直すことが肝要だ。 戦後日本の経営は、終身雇用、年功序列、企業内労働組合を労働の「三種の神器」としてきた。そこに訪れた非正規社員の拡大。
著者
山下 裕 古後 晴基 川口 直輝 溝田 勝彦
出版者
日本ヘルスプロモーション理学療法学会
雑誌
ヘルスプロモーション理学療法研究 (ISSN:21863741)
巻号頁・発行日
vol.5, no.3, pp.129-133, 2015-09-07 (Released:2015-09-10)
参考文献数
30
被引用文献数
2

[目的]虚弱高齢者の咬合力と身体機能の関連を検討するために行った。[対象と方法]デイケア利用の虚弱高齢者55名を対象とした。測定項目は,咬合力,残存歯数,握力,下肢筋力,片脚立位時間,Timedupandgotest,Functional reach test とした。ステップワイズ法による重回帰分析を用いて咬合力と独立して関連する項目を抽出した。[結果]咬合力と独立して関連の認められた項目は残存歯数と片脚立位時間であった。[結論]咀嚼能力の客観的評価指標の一つである咬合力は残存歯数という歯科的要因と,静的バランス能力の指標である片脚立位時間が関連していることが示された。
著者
鈴木 哲也 熊谷 宏 内田 達郎 吉富 信幸 渡邊 竜登美 石鍋 聡 水口 俊介 関田 俊明 平野 滋三 宮下 健吾 小林 賢一 長尾 正憲
出版者
社団法人 日本補綴歯科学会
雑誌
日本補綴歯科学会雑誌 (ISSN:03895386)
巻号頁・発行日
vol.38, no.2, pp.476-484, 1994-04-01 (Released:2010-08-10)
参考文献数
40
被引用文献数
2 4

The distribution of occlusal support of 366 aged patients of over 70 years was surveyed and analyzed in this study. Their masticatory abilities were also evaluated by the questionnaire on the masticatory aspects of 20 kinds of foods, and their maximum occlusal forces were measured with the pressure sensitive foil. The relations among masticatory ability, maximum occlusal forces and the distribution of occlusal support were analyzed.The results were as follows.1. 52.8% of the upper and lower dentulous patients had less than 5 occlusal tooth contacts.2. Posterior tooth contacts were less than anterior ones, and even in posterior areas, occlusal contacts tended to be less from the second molar to the first premolar.3. 61.2% of the upper and lower dentulous patients had no occlusal support or only unilateral occlusal support. It is evident that occlusal support is extremely ill-conditioned in elderly patients.4. It was found that if the aged have more occlusal tooth contacts and wider occlusal support areas, they would show better masticatory ability and greater maximum occlusal forces.5. In thier initial visits to our clinic they had poor occlusal support with their dentures.6. It is suggested that occlusal tooth contacts and occlusal support areas should be important for maintaining a healthy oral function in elderly people.