著者
金 熙榮
出版者
公益社団法人 日本金属学会
雑誌
まてりあ (ISSN:18845843)
巻号頁・発行日
vol.53, no.1, pp.11-17, 2014 (Released:2014-01-01)
被引用文献数
5
著者
渡部 友晴
出版者
一般社団法人日本心身医学会
雑誌
心身医学 (ISSN:03850307)
巻号頁・発行日
vol.53, no.7, pp.653-659, 2013-07-01

災害後の学校における中長期の心理支援を考えるうえで,子どもたちが自らの体験に触れ,それを表現する機会をもつことは大変重要である.それはトラウマ反応への対応として有効なだけでなく,喪の作業としても意味がある.またアニバーサリー反応の軽減にも役立っ.そのためにも,そうした表現活動は,適切な時期に,適切な配慮のもと行われる必要がある.時期としては,発災から3カ月あるいは半年くらいが過ぎた以降の中長期対応の時期が望ましい.また表現活動の導入前,事前準備,当日,事後とそれぞれの段階に応じた配慮が必要となる.またこれらの活動は,災害後,子どもたちとともに歩んできた教員らが中心となって行うのが望ましい.実際に表現活動が行われた学校では,心身の反応を呈する子どもたちも少数いたが,そこでの教員らの適切な対処により,反応を成長につなげていくことができた.2年目以降の表現活動としては,心の整理に加え,語り継ぐという観点が加わる.
著者
橋本 鉱市 小原 明恵 加藤 靖子 HASHIMOTO Koichi KOBARU Akie KATO Yasuko
出版者
名古屋大学高等研究教育センター
雑誌
名古屋高等教育研究 (ISSN:13482459)
巻号頁・発行日
vol.17, pp.81-99, 2017-03 (Released:2017-03-29)

本研究は、女子大学の自己認識の布置構造と変容を、学長(の言説)から計量的に分析することを目的とした。まず各大学のウェブサイトに掲載された学長メッセージを収集してその内容分析を行い、いずれの大学にも共通する、もしくは差異のある要素を抽出し、さらに女子大学から共学化した大学群との比較においてその変容を分析した。分析の結果、学長メッセージでは「育成する人物像」に関する言及量の割合が最も高かった。さらにその内容を精査すると「感性・品性・人間力」を挙げる大学が最も多く、次いで「自立・主体性・向上心」「社会貢献」「専門性」「倫理観・奉仕の精神」「教養・知性」など女子大学共通の項目が析出された。とくに共学大学との比較において、「感性・品性・人間力」「自立・主体性・向上心」の両者が、最も女子大学としての自己認識の中核であることがわかった。さらに大学の属性別の分析によって、各大学の育成人物像は内面的に豊かな人間像と社会的に活躍するそれとに大きく二分されており、それらは偏差値構造および伝統校か否かの影響を強く受けていることがわかった。This article presents content analysis of presidents’ messages of women’s colleges from the viewpoint of self-recognition. It examines how presidents recognize their own colleges under difficult conditions in order to survive. Concretely, the following research measures were taken: collecting presidents’ messages on each college’s website, analyzing all the texts using quantitative text analysis, and extracting common core features and differentiation strategies. The findings were as follows: 1) In presidents’ messages, the content with the largest amount of words was “the model of student development,” followed in order by “the college’s history and mission” and “the educational policy.” 2) Women’s colleges tend to list “an emotionally intelligent person,” “a self-reliant person,” “a person with high levels of expertise,” “a person who can contribute to society,” and “a person who is cultured and educated” as models of student development. This indicates that these personalities embody the central ideals of women’s colleges. 3) Colleges that were previously women’s colleges are less likely than women’s colleges to refer to “an emotionally intelligent person,” “a self-reliant person,” and “a person who has good leadership skills” as models of student development. This shows that only women’s colleges prefer and retain such models.
著者
今野 博行
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
ファルマシア (ISSN:00148601)
巻号頁・発行日
vol.50, no.5, pp.452-452, 2014

天然物由来の医薬品リード化合物が枯渇していると言われて久しい.重要な標的の1つであるケモカインレセプター阻害剤に限ると,天然物由来阻害剤は海綿由来異常アミノ酸含有デプシペプチド(エステル結合を持つぺプチド)類,アニバミン類のみではないだろうか.しかし,その阻害能は強力であり,これらの全合成,構造活性相関研究は,いまだ魅力的である.なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.1) Pelay-Gimeno M. et al., Marine drugs., 11, 1693-1717 (2013).2) Zhang F. et al., J. Org. Chem., 76, 7945-7952 (2011).3) Albericio F. et al., Nature Commun., 4, 2352 (2013).4) Coellp L. et al., Int. Appl. Pat., WO2010/070078A1 (2010).
著者
内館 牧子
出版者
日経BP社 ; 1985-
雑誌
日経マネー (ISSN:09119361)
巻号頁・発行日
no.408, pp.136-138, 2016-06

54Makiko Uchidate1948年9月、秋田市生まれ。武蔵野美術大学造形学部卒業。2006年に東北大学大学院文学研究科修士課程修了(宗教学)。三菱重工業で13年半のOL生活を経て、1988年に脚本家デビュー。2000年9月から日本相撲協会横綱審議委員会審議委員(10年1月退任)。
著者
高崎 智彦
出版者
獣医疫学会
雑誌
獣医疫学雑誌 (ISSN:13432583)
巻号頁・発行日
vol.15, no.2, pp.114-116, 2011

チクングニア熱はチクングニアウイルスを原因とする蚊媒介性急性熱性ウイルス性疾患である。時に激しい関節痛,発疹を伴う。近年,アフリカ,南アジア,東南アジアの熱帯・亜熱帯地域を中心に流行が報告されている。2007年には温帯地域で初めての流行がイタリアで確認され,さらに2010年9月にはフランス南部においても国内流行が発生した。イタリア,フランスにおけるチクングニア熱の国内流行は日本にも生息しており活動の活発なヒトスジシマカにより媒介されているため,チクングニアウイルスの日本への侵入,定着の可能性は否定できない。平成23年2月1日付けで「感染症の予防および感染症の患者に対する医療に関する法律」で4類感染症全数把握疾患に指定された。当該患者を診断した医師はただちに保健所を経由して都道府県知事に届け出ることが求められる。また,同時に検疫法にも検疫対象疾患として指定された。
著者
日名 淳裕
出版者
東京大学大学院ドイツ語ドイツ文学研究会
雑誌
詩・言語 (ISSN:09120041)
巻号頁・発行日
vol.73, pp.39-56, 2010-10

本稿は2009年度に提出した修士論文を大幅に改稿したものである。オーストリアの詩人ゲオルク・トラークルは1914年11月に従軍したガリチア地方クラカウの病院で自死したが、それ以来残された作品の解釈をめぐって多くの詩人、思索家らに言及されてきた。彼を経済的に支援したヴィトゲンシュタイン、1950年代に二つのトラークル論を書いたハイデガー、あるいはハイデガーとは真逆の理解を示したアドルノ、初期の作品にその影響が顕著な詩人ツェランらによる受容は有名であるが、現代詩人トーマス・クリングやテクノミュージシャンのクラウス・シュルツェといった比較的若い世代による解釈も注目に値する。彼らの受容評価は多様であるが、いずれもトラークルを詩人として捉えている点は共通している。散文や戯曲も残しているにもかかわらず、もっぱらその抒情詩のみが注目されてきた理由としては、生前から独占的にトラークルの作品を出版してきたチロル地方の文学グループ・ブレンナーの活動が指摘できる。本論はもうじき100年になるトラークル受容史の根幹においていまだ支配的なブレンナー・クライスによる理解を批判的に検討する。晩年の散文詩『啓示と没落』の評価をめぐって、ブレンナーの主張するような抒情詩の系譜においてではなく、同時期に制作された戯曲断片『小作人の小屋で...』との関わりにおいて草稿段階にまで遡り比較分析する。そこからアヴァンギャルドとしてのトラークルの功績を創作過程に探り、戯曲家ビュヒナーの影響に着目する。
著者
池田 碩
出版者
奈良大学
雑誌
奈良大学紀要 (ISSN:03892204)
巻号頁・発行日
no.17, pp.p99-114, 1989-03

筆者は気候を異にする世界の諸地域で,花崗岩にみられる地形の相異を,気候地形学・組織地形学的立場から調査し,いくつかの地域についてはすでに報告を行なってきた.今回は,1987年8月に調査したフランス南部の地中海性気候下に位置する Corsica (Co-rse) 島の花崗岩地形について報告する.短期間の調査結果だが,既存の文献・資料と合せ紹介したい.花崗岩地形は,その特徴的な地形景観をできるだけその周囲とのかかわりを含めて理解できるように写真で示したので,本論ではそれに沿って説明を加えていくことにする.

1 0 0 0 OA 平家物語 7巻

出版者
鱗形屋孫三郎
巻号頁・発行日
vol.[7], 1694
著者
中山 昭則
出版者
別府大学会
雑誌
別府大学紀要 (ISSN:02864983)
巻号頁・発行日
no.53, pp.169-180, 2012-02

本研究は、フランス南部ラングドック地方における近年の地域構造の特性を明らかにすることを目的とした。ラングドック地方は1960年代後半から大規模な観光開発が国家プロジェクトとして実施された。また、その中心都市モンペリエ市は1980年代以降大胆な都市再開発およびトラム導入が行われ市街地の構造は大きく変化した。このように、事例地域では地域構造は大きく変容していることが判明した。尚、本研究は2011年3月モンペリエにて研修の機会を得た際に行った現地視察をもとに進めた。