著者
永田 智子 赤松 純子 榊原 典子 鈴木 真由子 鈴木 洋子 田中 宏子 山本 奈美
出版者
日本家庭科教育学会
雑誌
日本家庭科教育学会大会・例会・セミナー研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.56, 2013

1.問題の所在と研究の目的  家庭科教員を取り巻く現状は厳しい。小学校においては継続的に家庭科の実践研究を行う教員は少なく,家庭科授業の手本を示してくれる先輩教員や情報交換できる同僚が身近にいないことが多い。別の方法で小学校家庭科の授業者を支援する手立てが必要である。  小倉ら(2007)は,全国の小中学校における日々の理科授業の改善に役立てるため,優れた特徴をもつ理科授業をビデオ収録するとともに,その実践の何が優れているかを具体的に示すことによって,理科を指導する教師が参考にすることを目的とした研究を行った。本研究の基本的な発想は小倉らの研究に依拠する。つまり家庭科授業をビデオ収録し,その指導案を集めるだけでなく,家庭科教育の有識者が,その授業の何が優れており,何が課題なのかを具体的に示すことによって,家庭科の授業実施や改善を支援できると考えた。  ただし,小倉らの研究では,授業ビデオと報告書に掲載された評価コメントを,視聴者自身が対応付けながら視聴しなければならない点で不自由がある。そこで,共有された授業風景動画の特定場面と討論中の発言内容の対応を明示化する動画共有システムVISCO(小川ほか2009)を利用することにした。VISCOではコメントを具体的な映像場面に直接付与すると,吹き出しのように表示することなどが可能になるため,視聴しやすくなることが期待できる。  そこで,小学校家庭科授業の実施・改善を支援することを目指し,優れた点や課題点などのコメントを授業ビデオとともに閲覧することのできる動画共有システムと家庭科授業ビデオを一つのパッケージとして開発することを本研究の目的とした。 2.パッケージの開発手順と特徴  今回開発したパッケージには,VISCOおよび7本の小学校家庭科授業の動画ファイル,各授業の指導案が含まれている。   VISCOはWindows7を推奨環境とするシステムで,動画の映像場面にコメントを付与すると,インターネットを通じてコメント情報がサーバに蓄積される。視聴時には,インターネットを通じて,蓄積された複数人のコメント情報を動画上に吹き出しの様に重ねて表示させることができる。またコメントはリスト表示され,そこからコメントを挿入した場面に動画を移動させることもできる。  小学校家庭科授業およびその指導案は日本家庭科教育学会近畿地区会の有志によって収集・編集された。授業は学習内容A~Dから各1本以上とし(A=1本,B=2本,C=3本,D=1本),題材(テーマ)は重ならないように調整した。授業は学校長の許諾を得た上で撮影し,かつ子どもの名前や顔にはモザイク加工を施した。音声が聞き取りにくい場面にはテロップを付け,授業内容がわかる程度の長さにカットした(最短約16分,最長約38分,平均約24分)。  このように編集された7本の授業ビデオに,教員養成系大学・学部で家庭科教育に携わる研究者7名が分担して,VISCOを使って優れた点や課題・助言,解説等のコメントを付与した。1本当たりのコメント者数は3名,コメント数は平均48.3±11.5件であった。 3.今後の課題 小学校と同様の手続きで中学校・高等学校家庭科教育のパッケージを開発するとともに,研究者の付与したコメントの妥当性や有効性を検証することが今後の課題である。 本研究はJSPS科研費 24531124の助成を受けたものである。参考文献 小倉康ほか(2007)優れた小中学校理科授業構成要素に関する授業ビデオ分析とその教師教育への適用,平成 15 年度~18 年度科学研究費補助金 基盤研究(A)(1) 研究成果報告書 小川修史・小川弘・掛川淳一・石田翼・森広浩一郎(2009)協調的授業改善を支援するための動画共有システムVISCO 開発に向けた実践的検討,日本教育工学会論文誌,Vol.33, Suppl., 101-104
出版者
巻号頁・発行日
vol.[5],
著者
河野 光久
出版者
山口県水産研究センター
巻号頁・発行日
no.5, pp.81-98, 2007 (Released:2011-12-19)
著者
西村 直樹 樋口 正信
出版者
日本蘚苔類学会
雑誌
日本蘚苔類学会会報 (ISSN:02850869)
巻号頁・発行日
vol.6, no.5, pp.98-99, 1994-08-25

最近,私達は"パキスタンの蘚類のチェックリスト"を発表したが,その時,北西ヒマラヤからの16種の頂生性蘚類の新種を扱ったDixon(1942)の論文を参照することができなかった.この度,英国のD.G.Long氏の好意により,その論文を見ることができ,ホウオウゴケ属の1種(Fissidens brevidorsus)とセンボンゴケ科の1種(Rhamphidium laticuspe)がパキスタン産蘚類のチェックリストに加わることが分かった.また,英国のC.C,Townsend氏はパキスタンで採集した標本に基づき,40種の蘚類を,最近報告した.その報告を検討したところ,新たに8種がパキスタン産蘚類のチェックリストに加わることが分かった.この結果,パキスタンの蘚類相は32科,122属,334種になった.
著者
風山広雄 編
出版者
風山広雄
巻号頁・発行日
vol.巻之3, 1903
著者
勝田 仁美 片田 範子 蝦名 美智子 二宮 啓子 半田 浩美 鈴木 敦子 楢木野 裕美 鎌田 佳奈美 筒井 真優美 飯村 直子 込山 洋美 村田 恵子
出版者
公益社団法人 日本看護科学学会
雑誌
日本看護科学会誌 (ISSN:02875330)
巻号頁・発行日
vol.21, no.2, pp.12-25, 2001-08-31
参考文献数
17
被引用文献数
14 1

子どもが検査・処置をどのように体験しているのかを明らかにすることを目的として参加観察を行い, 子どもが処置を体験するプロセスの中で「覚悟」という現象と, 覚悟に至る要因が抽出された. 処置を受ける子どもと親, および処置を担当した看護者・医師の4者18組を対象とし, おもにgrounded theory approachを用いて, 処置場面の参加観察, および処置に対する思い・説明内容等について半構成的インタビューを実施し分析を行った. その結果, 以下のことが明らかとなった.<BR>子どもの"覚悟"という現象は,「処置を受けるにあたり, 情緒的・認知的・精神運動的側面のバランスをとり, 処置を主体的に受容している状態」であった. そして, 覚悟に影響を与える要因として【まわりのゆとり】【過去の経験のイメージ】【子どもが選択できる可能性】【まわりとの一体化】【処置に対する代償利益の確認】【自らする覚悟の宣言】が挙げられた.<BR>覚悟に影響する6つの要因はどれもが子どもの自我機能強化につながっており, その強化の仕方によって, (1) 子ども自身がもともと持っている認知・情動との調整をはかって行動化する力 (自我機能) が十分に発揮されるあり方, (2) 子どもが認知と情動との調整をはかる主体であるということをまわりも認めることで, 子どもが自己コントロール感を取り戻し, 自ら行動化しやすくなるあり方, (3) 子どもの中で拭いきれない強い情動のゆれ (自我機能を弱めさせる外界からの力) にタイミングよくふんぎりをつけさせて行動化できるあり方, の3つに大別され構造化されていた.

1 0 0 0 OA 日本伝説研究

著者
藤沢衛彦 著
出版者
大鐙閣
巻号頁・発行日
vol.第1巻, 1925
著者
西堀 眞弘 渡邊 憲 宮崎 安洋 田中 直文 荒川 真一 千葉 由美 二宮 彩子 大橋 久美子 田中 博 上村 健二 宮田 公佳 中口 俊哉 津村 徳道 三宅 洋一 滝脇 弘嗣 鬼頭 伸一郎 洪 博哲 橋本 憲幸
出版者
Japan Association for Medical Informatics
雑誌
医療情報学 = Japan journal of medical informatics (ISSN:02898055)
巻号頁・発行日
vol.25, no.3, pp.161-166, 2005-12-20
参考文献数
5
被引用文献数
2

マルチスペクトルイメージングは医用画像の色再現の問題を解決できるだけでなく,さまざまな方面への応用により医療に飛躍的な進歩をもたらす画期的な技術である.しかし,あまりに多様な可能性が存在するため,個々の応用形態の実現に至る道筋にはいくつもの分かれ道があり,少しでもアプローチを間違えると行き止まりになってしまう.著者らはマーケティング的な視点からこの迷路のような医療市場に一定の法則を見い出し,それを基に成功の可能性が高い2つのアプローチ法を明らかにした.すなわち各ピクセルに分光反射率を記録できる分光画像技術と,見え方が実物にきわめて近い実物色画像である.前者は人間の視覚能力を超えた形態学的診断につながる技術であり,後者はデジタル画像に基づく形態学的診断の精度向上につながる技術である.なお,前者は多くの開発資源を必要とし,ごく限られた症例において,きわめて画期的な医学的効果を発揮する一方,後者の医学的効果は一定の範囲に留まるものの,必要となる開発資源が比較的少なく,かつ広範な臨床現場において膨大な利用機会が見込まれる.
著者
久保田 哲
出版者
日本法政学会
雑誌
法政論叢 (ISSN:24321559)
巻号頁・発行日
vol.52, no.1, pp.35-52, 2016-02-25 (Released:2017-11-01)