出版者
同志社大学
巻号頁・発行日
2014

従来の近代「文学史」では、明治後期に流行した紀行文が閑却されてきた。本論文では、明治30年代から40年代を代表する紀行文作家の一人、小島烏水の紀行文および紀行文論の分析を行った。彼が紀行文に求めるものが「歴史」から「科学」的知識と正しさ、そして自然の「真実」を観察する姿勢へと変化したことを明らかにし、同時代の紀行文との距離、小説をめぐる言説との影響関係なども視野に入れつつ、明治後期に起きた紀行文流行の内実を考察した。
著者
馬場,安希
出版者
日本教育心理学協会
雑誌
教育心理学研究
巻号頁・発行日
vol.48, no.3, 2000-09-30

本論文では現代女性の痩身化の実態に注目し, 痩身願望を「自己の体重を減少させたり, 体型をスリム化しようとする欲求であり, 絶食, 薬物, エステなど様々なダイエット行動を動機づける心理的要因」と定義した。痩身は「幸福獲得の手段」として位置づけられているとする立場から, 痩身願望の強さを測定する尺度を構成するとともに, 痩身願望が体型への損得意識を媒介に規定されるモデルを検討した。青年期女子に質問紙による調査を行い, 痩身願望尺度の一次元構造を確かめ, ダイエット行動や摂食行動との関連について検討し, 尺度の信頼性, 妥当性が確認された。また, 体型への損得意識に影響を及ぼすと考えられる個人特性と, 痩身願望との関連性を検討した結果, 「賞賛獲得欲求」「女性役割受容」「自尊感情」「ストレス感」などに関連があることが示された。そこで, これらの関連を検討したところ, 痩せれば今より良いことがあるという「痩身のメリット感」が痩身願望に直接影響し, それ以外の変数はこのメリット感を媒介して痩身願望に影響することが明らかになり, 痩身願望は3つのルートによって高められると考えられた。第1は, 肥満から痩身願望に直接至るルートである。第2は, 自己顕示欲求から生じる痩身願望で, 賞賛獲得欲求と女性役割受容が痩身によるメリット感を経由して痩身願望と関連しており, 痩身が顕示性を満足させるための手段となっていることが示唆された。第3は, 自己不全感から発するルートである。自尊感情の低さと空虚感があいまったとき, そうした不全感の原因を体型に帰属し, 今の体型のせいで幸せになれないといった「現体型のデメリット感」を生じ, さらにメリット感を経由して痩身願望に至ることが示された。これらの結果から, 痩身願望が「女性的魅力のアピール」や「自己不全感からの脱却」を目的として高まるのではないかと考えられた。
著者
木村 友香 加藤 敦子
出版者
一般社団法人 日本皮膚アレルギー・接触皮膚炎学会
雑誌
日本皮膚アレルギー・接触皮膚炎学会雑誌 (ISSN:18820123)
巻号頁・発行日
vol.11, no.2, pp.158-164, 2017

<p> 22歳, 男性。初診の2年前に寿司屋に就職し, 生の魚介類を扱うようになった。1ヵ月前に生のアワビ, クルマエビとアカエビを調理中に手に瘙痒感を伴う発赤が生じ, その後全身の瘙痒感, 呼吸困難感を訴え救急搬送された。その後も仕事を継続し, アワビとクルマエビを調理した際には, 時折手の瘙痒感や咳嗽を自覚する。アワビとクルマエビはいつも同時に扱うという。精査目的に当科初診した。血液検査ではアサリ, カキとホタテの特異的IgEがクラス2であった。プリックテストを施行し, 生のアワビで強陽性, 加熱したアワビ, 生のクルマエビ, 生のタコで陽性であった。アワビのプリックテスト中, 軽度の呼吸困難感が出現したが, 5分ほどで自然に軽快した。また, 生と加熱したアカエビを含むほかの各種魚介は陰性であった。タコは接触しても摂取しても症状は生じない。以上より, 生のクルマエビに対する接触蕁麻疹を合併したアワビによる接触蕁麻疹症候群と診断した。</p>
著者
吉田 博
出版者
新潟国際情報大学
雑誌
新潟国際情報大学情報文化学部紀要 (ISSN:1343490X)
巻号頁・発行日
vol.10, pp.135-142, 2007-05-30
被引用文献数
1

地域経済の振興、地域イメージを向上させていく方法として地域ブランドの確立がある。ここでは、その一例として、岩手県の県都盛岡市で推進している盛岡特産品ブランドの認証制度の導入と、より多くの人々に認証品が認知され、浸透していくための展開方法について考察した。盛岡市には、南部藩の伝統を継承する南部鉄器や南部染の伝統工芸品、庶民に親しまれる南部せんべい、わんこそば等全国的にも広く知れ渡っている特産品があるが、より多くの優れた特産品をブランドとして認証し、個々の商品はもとより、盛岡産品全体の価値・信用を高めていくために盛岡特産品ブランドの確立を目指している。
著者
小林 宗三郎
出版者
春秋会
雑誌
読書春秋 (ISSN:04162234)
巻号頁・発行日
vol.7, no.7, 1956-07
著者
林 修三
出版者
春秋会
雑誌
読書春秋 (ISSN:04162234)
巻号頁・発行日
vol.6, no.9, 1955-07
著者
大原 武夫
出版者
春秋会
雑誌
読書春秋 (ISSN:04162234)
巻号頁・発行日
vol.2, no.12, pp.4-6, 1951-12
著者
渋川 驍
出版者
春秋会
雑誌
読書春秋 (ISSN:04162234)
巻号頁・発行日
vol.3, no.6, pp.10-23, 1952-06
著者
福田 耕佑
出版者
東方キリスト教圏研究会
雑誌
東方キリスト教世界研究 = Journal for area studies on Eastern Christianity (ISSN:24321338)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.27-45, 2017-05-01

Cet article s'occupe de l'idéé de théologico-métaphysique de Nikos Kazantzaki (1883-1957) et analyse son oeuvre « Ascèse » avec pour objectif de démontrer que son concept le plus important 'la Salvation de Dieu' est dérivée de la théologie orthodoxe. D'abord nous exposerons une courte biographie de Kazantzaki ainsi que le contexte historique en Grèce à cette période. Ensuite, après avoir vérifié les études pour Kazantzaki, nous analyserons « Ascèse » en nous aidant de ses autres oeuvres et comparerons l'idéé kazantzakienne avec les trois notions de la théologie orthodoxe, 'Synergie' et 'Ascension' et 'Liberté'. Cela mettra clairement en exergue la relation entre Kazantzaki , la théologie orthodoxe ainsi que le motif de la 'Salvation de Dieu'.
著者
土屋 十圀 中村 良夫
出版者
社団法人日本造園学会
雑誌
造園雑誌 (ISSN:03877248)
巻号頁・発行日
vol.56, no.5, pp.229-234, 1993-03-24
被引用文献数
3 3

本研究は,親水河川・公園の設計・デザインのための基礎的な調査として,親水公園の人工水路における流れと自然河川の流れの流水音,流水形態(水理量)の測定を行い,それらの類似性及び相違点を比較検討し,考察を行ったものである。調査対象の河川と親水水路は都内の多摩川,秋川等の渓谷河川の早瀬,チャラ瀬,跳水などの流れと,小松川・境川親水公園における変化に富んだ流水形態である。その結果,快適な流水音とされる『ゆらぎ』を伴う音は早瀬や人工の滝ではなく,比較的流速の遅い『さざ波の流れ』や規則的な『誂水』などに見いだすことができた。また,変化に富んだ流水形態を創り出すには必ずしも流量の多少が支配要因とならないことが分かった。

1 0 0 0 OA 草木性譜 3巻

著者
清原重巨 撰
巻号頁・発行日
vol.[3], 1823
著者
藤田 卓 高山 浩司 加藤 英寿
出版者
日本植物分類学会
雑誌
分類 (ISSN:13466852)
巻号頁・発行日
vol.9, no.2, pp.131-142, 2009
参考文献数
14

南硫黄島において過去に記録があった絶滅危惧種(準絶滅危惧も含む)23種の内17種を本調査で確認した.このうち,本島で確認した個体数が全国の推定個体数の50%以上を占める種が6種あり,本島は絶滅危惧植物の保全を考える上で重要な地域と言える.25年前の調査と比較すると,分布範囲が変化しない種が多かった.しかし,個体群の消失や新規出現などの入れ替わりが半数近くの地域にみられた.本島において25年前に分布範囲が広かった種の多くは,今回の調査においても分布範囲が維持され,絶滅の危険性が低いと判断されたため,準絶滅危惧種とすべきかもしれない.一方,25年前に分布範囲が狭かった種の中には消失した種があったため,これらの種は従来通り絶滅危惧種とすべきである.本研究は調査が困難な島々においては,分布範囲の変遷という限られた情報のみを用いて,絶滅リスクを評価できる可能性を示した.
著者
神田 隆
出版者
山口大学医学会
雑誌
山口医学 (ISSN:05131731)
巻号頁・発行日
vol.54, no.1, pp.5-11, 2005 (Released:2006-02-09)
参考文献数
22
被引用文献数
1

中枢神経では血液脳関門(Blood-brain barrier, BBB),末梢神経では血液神経関門(Blood-nerve barrier, BNB)が神経系の内外を隔てるバリアーの実体であるが,現在ではBBB,BNBは物質交換を妨げる単なる壁ではなく,現在では神経系に対する物質透過を選択する能動的なシステムであると考えられている.臨床的な立場からは,BBB,BNBは炎症細胞や各種液性因子が神経実質内へと侵入する際の窓口であると共に,難治性神経疾患治療薬が神経細胞・神経軸索へと到達するのを阻む最大の障壁ともとらえることが可能で,BBB,BNBの人為的な操作は各種神経疾患の新たな治療法開発へ新たな地平線を開くものである.

1 0 0 0 OA 御赦例書

出版者
巻号頁・発行日
vol.[25] 向方御赦例書 八 役人并武家江対し不法之類,