著者
林 和生 德永 章二 春口 幸太郎 石津 章 大谷内 輝夫 下瀬 堯之
出版者
西日本整形・災害外科学会
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.65, no.2, pp.234-236, 2016

【目的】H19年からH21年に行ったゆうきプログラムでは,統計学的に有意な改善は見られなかったことを第120回西日本整形外科学会で報告した.今回,九州臨床研究支援センターに同じデータの分析を依頼し異なった結果を得たので報告する.【方法】H19年10月からH21年11月まで8の字ゆらしとCKC中殿筋調整訓練によるゆうきプログラムを行った片側性変形性股関節症99例99関節を対象とした.男性17例(67±8歳),女性82例(63±12歳)であった.治療開始時と3ヵ月後でのJOAスコアー,NRSを比較した.前回は,Wilcoxonの符号順位検定を行い,両側P<0.05を有意とした.今回,九州臨床研究支援センターに当時と同じエクセルデータの分析を依頼した.【結果】今回は,1標本t-検定での分析が行われJOAスコアー,NRSともに統計学的に有意な改善が見られていた.【考察】診療機関ではデータの入力のみを行い,データの抽出・解析は,専門の第3機関に依頼する必要があると思われた.
著者
伊野 唯我 栗原 伸一 霜浦 森平 大江 靖雄
出版者
千葉大学園芸学部
雑誌
食と緑の科学 (ISSN:18808824)
巻号頁・発行日
no.63, pp.83-88, 2009-03

近年、わが国ではBSE(牛海綿状脳症)や高病原性鳥インフルエンザ、そして各種の偽装表示の発覚など、食品に対する消費者の信頼を失墜させる事件や問題が次々に発生している。ここ最近でも、2007年1月に起きたテレビ健康番組での納豆に関するデータ捏造事件や、2008年9月に発覚した事故米の不正転売事件など、枚挙にいとまがない。そして、カイワレ大根や低脂肪牛乳の様に、一度(ひとたび)問題が明るみになると、その消費がなかなか回復されない食品も多い。こうした状況を生んだ原因の一つは、経済成長と共に進んだ食の外部化が、結果としてフード・チェインを延長したことにある。そのため、安全性を自ら調べることの出来ない末端の消費者が、新聞やテレビなどから得た一方的な安全性に関する情報のみに頼って購入せざるを得ない状況になってしまったのだろう。そこで本研究では、そうした食品の安全性や危険性に関する情報が、消費者行動にどのような影響を与えているのかを計量的に分析する。
著者
宮村 倫司
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集 (ISSN:21879761)
巻号頁・発行日
vol.83, no.852, pp.17-00070-17-00070, 2017 (Released:2017-08-25)
参考文献数
24
被引用文献数
1

The balancing domain decomposition (BDD) method is an effective preconditioner for the substructuring-based iterative solver, which is a kind of the domain decomposition method. The BDD method is a powerful tool for the large-scale implicit structural analysis using the finite element method. It is a kind of the multi-grid method whose coarse grid is defined by the null spaces in subdomain problems. Shioya et al. proposed a method to construct the null spaces for the structural analysis using the rigid body modes of each subdomain. In the present study, the Shioya's method is improved, that is, the rigid body modes are defined using a local coordinate system of each subdomain instead of using the global coordinate system. In the original method, components with very different values are contained in the prolongation and restriction matrices that are used for making the coarse grid stiffness matrix. The proposed method reduces the difference of the values and improves the property of the coarse-grid stiffness matrix. In the numerical experiments, the proposed method reduces computation time and amount of used memory when the coarse grid problem is solved by a sparse direct solver with the pivoting. In addition, the convergence property of the CG method is improved in some numerical examples.
著者
小林 逸雄
出版者
仁愛大学
雑誌
仁愛大学研究紀要 (ISSN:13477765)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.99-118, 2007

戦後のメディアは新聞と放送が牽引してきたと言って良い.中でも放送メディアの進展には目を見張るものがある.そこには日本における経済社会の発展が背景としてあり,国民の暮らしに直結する放送との相互関係があったのである.スイッチをオンするだけでニュースや話題など生活情報がふんだんに送られてくる.早くて手軽,しかも便利で有益であった.そして60年.放送局と視聴者は信頼関係を築いてきた.しかし近年,受け手であった視聴者は同時に送り手でもある双方向の情報化社会となり,番組は放送局が勝手に作るものではなく,視聴者も見る側の意見や考え方を番組に反映し,局と視聴者が一緒に制作する時代の到来と考えることが出来る.従って,番組や情報にウソがあれば視聴者はそれを簡単に見破り,相互信頼関係の瓦解がはじまるのである.放送局にとって視聴者は,民間放送におけるスポンサー以上の大切な存在となったのである.そのことが去る1月のデータ捏造に端を発した社会問題の側面である.つまり,視聴者の感覚は敏感さを増してきたと考えなければならない.放送ジャーナリズムの自立は視聴者に真摯に耳を傾ける姿勢の向こうにある.システムの標準化によって情報はデジタルに,リアルタイムで世界を駆け巡る.主役は今やインターネットである.それによって既存のメディアのありようが問われる時代となったのである.それはメディアの危機というより放送ジャーナリズムの危機である.データ捏造に伴って,放送に対する視聴者の危惧はかつてない高まりを見せていると言えないだろうか.小論では,今年(平成19年)1月に発生した関西テレビの「発掘!あるある大辞典II」におけるデータ捏造を通して,一連の報道と社会の反応や筆者が担当する「マスコミ論(放送)」講座における学生たちとのやりとりなどを踏まえながら,テレビと視聴者の信頼関係の崩壊と課題,放送ジャーナリズムの自立について,その一端を考察するものである.

1 0 0 0 OA 編集後記

出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.67, no.10, pp.558-558, 2017-10-01 (Released:2017-10-01)

1 0 0 0 OA 協会だより

出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.67, no.10, pp.556-557, 2017-10-01 (Released:2017-10-01)

1 0 0 0 OA 行事予定表

出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.67, no.10, pp.555-555, 2017-10-01 (Released:2017-10-01)
著者
豊田 恭子
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.67, no.10, pp.550-553, 2017-10-01 (Released:2017-10-01)

シカゴのハロルド・ワシントン・ライブラリ・センターには,大人向け,中高校生(ティーンズ)向け,子供向けの3か所にメイカースペースが設置され,そのすべてに3Dプリンタをはじめとしたハイテク機器が置かれている。背景には,オバマ政権の進めた「STEM教育」の重視や,「ものづくり立国」戦略がある。政府方針にのっとり,全米の学校,図書館,博物館に3Dプリンタの設置が急速に進んだ。特に図書館は,新技術を地域の若者や創業者,中小企業に広げ,地元の産業競争力をつけるのに重要な役割を担わされている。メイカースペースを内包することで,地域における図書館の存在が,再評価されているといえる。
著者
小野 永貴
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.67, no.10, pp.539-545, 2017-10-01 (Released:2017-10-01)

日本の大学における情報リテラシー教育は,大学図書館における利用者教育の発展形と,情報処理教育の一般教育化の2つの文脈がある。これらは異なる経緯や視点をもち,複数の組織から独立的に実施される場合が多い。一方で,現在の大学の現場では両者とも「情報リテラシー教育」という共通の目標語のもと展開されることがあり,本来は大学全体で接続的・統合的に実施されるべきと考える。本稿ではこれらの議論を振り返りつつ,両者の視点を接続・統合して実施された情報リテラシー科目の事例を解説する。そのうえで,小中高大が接続した情報リテラシー教育の実現にむけて,将来展望と課題を考察する。
著者
有山 裕美子
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.67, no.10, pp.533-538, 2017-10-01 (Released:2017-10-01)

ICT技術の発達に伴い,教育現場にもかなりのスピードでICTを活用した教育が進行している中で,「情報リテラシー」は,ともすればコンピュータやインターネット活用に重点を置かれがちである。しかし当然のことながら,我々が受け取る「情報」は,インターネットからの情報だけではない。この予測不可能な高度情報化社会において学校図書館が担うべき使命は,紙の情報も含めたあらゆる情報に適切にアクセスし,それらの中身を自ら取捨選択し,活用することができる「情報リテラシー」を身につけた人材の育成である。本稿では,中学および高等学校における情報リテラシー教育の実践の一例を,思考のプロセスに重点を置きながら紹介する。
著者
塩谷 京子
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.67, no.10, pp.527-532, 2017-10-01 (Released:2017-10-01)

小学校現場において情報リテラシーとほぼ同様の概念で使われている用語に,情報活用能力,情報活用スキルがある。これらを習得・活用する場は,主に情報教育,図書館教育であるが,これらは,各教科等の学習における問題解決学習や探究的な学習の中に組み込まれていることが多い。そこで,本稿では,実践事例を紹介しながら,情報リテラシー教育を推進するための視点を整理した。その結果,情報リテラシー教育が行われるためには教科や学年を超えた教員間の連携が必要であり,このような連携が生まれると,教科横断的な視点である授業デザインや探究の過程が教員間の話題になることがわかった。
著者
古橋 英枝
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.67, no.10, pp.513-513, 2017-10-01 (Released:2017-10-01)

今月号の特集タイトルは「情報リテラシー教育のいま」です。日本国内における情報活用能力の教育の必要性に関する議論は,1985年6月の臨時教育審議会第一次答申に始まった,と言われています。1998年から1999年にかけて中学校の技術家庭科において「情報とコンピュータ」が必修になり,高等学校に教科「情報」が新設されました。情報教育における「情報活用能力」は「情報リテラシー」と同義として扱われるようになり,小・中・高等学校図書館(以下,学校図書館)では「調べ学習」や「探究的学習」において一定の役割を果たしてきました。また,大学図書館においても1996年に学術審議会が「大学図書館における電子図書館的機能の充実・強化について(建議)」を公表し,この中で情報リテラシー教育への支援と教育体制の整備が挙げられています。本特集では,学校図書館における情報リテラシー教育と,大学図書館で実施されている情報リテラシー教育について制度と実際の取り組みについて概観し,相互の連携における課題を明らかにするとともに,初等・中等・高等教育機関全体での情報リテラシー教育のデザインの可能性について論じることを目的としています。総論では,鶴見大学の河西由美子氏に米国における情報リテラシー概念の発展から日本の情報教育との関連,学校教育及び学校図書館における課題を中心に論じていただきました。関西大学の黒上晴夫氏には,学校教育における思考スキルの育成に一定の役割を果たしているシンキングツールについて,具体的な思考の過程を解説いただきながら,詳細にご紹介いただきました。この思考スキル・情報リテラシーを,実際の教育現場においてどのように育んでいるのか,初等教育(小学校)については学校図書館の司書教諭のご経験もある,関西大学の塩谷京子氏に,中等教育(中・高)については工学院大学附属中学・高等学校の司書教諭である有山裕美子氏に,高等教育(大学)については大学における情報リテラシー授業の授業設計のご経験のある日本大学の小野永貴氏に,それぞれ実践例を交えつつ,課題や展望について論じていただきました。本特集が,各教育課程の現場に関わるみなさまにとって,また,学校図書館・大学図書館のみならず,生涯学習を支える地域の公共図書館で勤務されるみなさまにとっても,日々受け取る多くの情報をいかに判断し,正しく活用し,他者とのコミュニケーションにつなげ,新たな視点を得ることで成長していくのか,という人類の基本的な行動について,改めて考える機会になれば幸いです。(会誌編集担当委員:古橋英枝(主査),小山信弥,中村美里,久松薫子)
著者
白井 康雄 竹村顕大朗 上善 恒雄 高田 秀志
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告コンピュータと教育(CE) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2007, no.12, pp.77-84, 2007-02-16
参考文献数
6
被引用文献数
1

SqueakeToysは,小学生でも直感的にプログラミングを行うことができる環境として注目されてきており,近年,Squeakを利用した教育の実践例が増えてきている。我々も京都市内の2つの小学校を中心としてSqueakを利用した授業実践を行ってきた。本稿では、それらの実践経験から得られたいくつかの知見や,Squeakの授業導入に関心を持つ教師らを対象としたアンケートの結果を踏まえ、今後のSqueak教育のあり方として,コンピュータ内外の活動を関連させたカリキュラム作りについて提案する。またその一例として 時計を題材に,自然現象を観察する能力や身の回りのものの仕組みに対する興味・関心を養うことを目指した,"時計の再発明,,カリキュラムを紹介し,その実践結果についても報告する。Squeak elbys is an easy-to-learn environment that allows even elementary school students to create their own projects intuitively through programming. Recently, the number of educational activities using Squeak has been increased And we have practiced Squeak-based workshops at two elementary schools in Kyoto. In this paper, based on such experiences and responses to our questionnaire for teachers who are interested in introducing Squeak to their classes, we propose a new design of Squeak-based curricula that include two aspects of activities with and without computers. In addition, as an example of such kind of curricula, we introduce '"Reinvention of the Clock" curriculum aiming for the acquisition of scientific thinking process and interest in the mechanism of industrial products, and report the workshop using this curriculum.