著者
菅沢 勉 笹倉 和幸 日高 哲郎 豊田 達郎
出版者
The Pharmaceutical Society of Japan
雑誌
Chemical and Pharmaceutical Bulletin (ISSN:00092363)
巻号頁・発行日
vol.22, no.4, pp.757-762, 1974-04-25 (Released:2008-03-31)
被引用文献数
1 2

Attempted synthesis of 3-substituted (alkoxycarbonyl, hydroxymethyl or cyano)-2, 3-dihydro-2-benzyl (acyl or alkoxycarbonyl)-1H-pyrrolo [3, 4-b] quinolines (II), (III), and (VI) as potential ring A-B-C components for a total synthesis of dl-camptothecin (I) is described.
著者
野本 晃史
出版者
The Association of Japanese Geographers
雑誌
地理学評論 (ISSN:00167444)
巻号頁・発行日
vol.33, no.6, pp.300-311, 1960
被引用文献数
1

日本には現在パルプ用材供給地域として北海道北東部,奥羽南部,中部地方西部,中国山地,四国南西部,九州南西部がある.なかでも北海道と中国山地は主要供給地域となつている.北海道がエゾ松,トド松供給地域であるに対し,中国山地は赤松供給地域である.赤松利用は昭和25年頃を契機として盛んとなり,広葉樹利用の始まる昭和35年まで赤松は主要用材となつてきた.パルプ工業立地の南下現象は世界的傾向であるが,日本の場合,旧領土喪失による資源不足が南下を促進している.戦後の工場立地は,赤松資源林周辺の工場適地に誘致された.中国山地地域は約15の工場に用材を供給している.他の供給地域が1工場の独占的供給構造をなすに対し,争奪的であり,分配的である.各工場の用材仕入圏の形態と仕入量をみれば,工場立地と生産能力を知りうる.中部地方各工場の仕入圏は北日本に伸展せず,赤松を求めて西南日本に拡大している.北睦,東海道の各工場は中国山地に用材を求めている点注目すべきである.中国山地でも広島県山地地域が問題であり,用材争奪の結果は,資源涸渇と水害問題,坑木および一般用材コストの高値をよび,地域経済に波及するところ大である.
著者
中村 徳郎 大熊 純一 佐々木 郁生 北浦 貞夫
出版者
社団法人 日本化学会
雑誌
工業化学雑誌 (ISSN:00232734)
巻号頁・発行日
vol.61, no.9, pp.1073-1077, 1958

脱脂絶乾トド松木粉に, 常温減圧下, 暗所において臭素ガスを反応させると, 臭素は木材中のリグニン( プロトリグニン)の芳香核および側鎖に主として置換反応を起す。このようにしてえられた臭素化木粉を水酸化第二コバルトと酸素によって酸化し,6-ブロムバニリンをえた。このことからリグニンの芳香核に置換した臭素はメトキシ基のパラの位置に入ったことがわかる。6-ブロムバニリンのほか少量の4,5-ジブロムグアヤコールと5-ブロムバニリン酸もえられた。また水素化ホウ素ナトリウムによってリグニン中のカルボニル基を還元した木粉も未処理の木粉とほとんど同様に臭素化される。すなわち,プロトリグニンの側鎖に存在するカルボニル基の有無は臭素の置換量にあまり大きな影響を与えないことがわかった。
著者
稲垣 道夫 川原 彰裕 林 剛
出版者
愛知工業大学
雑誌
愛知工業大学研究報告. B, 専門関係論文集 (ISSN:03870812)
巻号頁・発行日
vol.36, pp.69-78, 2001-03

Fibrous component in fir tree was separated and carbonized to 900℃ in inert atmosphere. Carbonized fir fibers thus prepared were found to have very high sorption capacity for heavy oils, both less viscous grade-A and viscous grade-C oils, which showed very strong dependence on bulk density of fir fibers. Heavy oil sorbed could be recovered from carbonized fir fibers with high efficiency as about 90% by either filtration under suction or washing with n-hexane. Sorption capacity showed a reduction with cycling of sorption and recovery to about 60% of the first cycle. Viscous grade-C oil could be recovered by less viscous grade-A oil, a mixture of grade-A with grade-C being called grade-B oil. Adsorption of water, particularly sea water by 900℃-carbonized fir fibers was very small in comparison with sorption capacity for heavy oils. The mousse-like mixture of grade-C heavy oil with water was sorbed into carbonized fir fibers, although sorption rate became a little slower.
著者
土橋 力太 榛澤 亨
出版者
社団法人 日本化学会
雑誌
日本化學會誌 (ISSN:03694208)
巻号頁・発行日
vol.61, no.10, pp.1041-1047, 1940
被引用文献数
2

トド松,エゾ松を原料とせるサルファイト・テレビン油を試料として之を分溜に附し高沸點部(〓化價約200)を〓化して融點58.5°を示す結晶酸を得たり.本酸はトド松材中に含有せられ居る可きを推斷してトドマツ酸と命名せり.本酸は分子式C<sub>15</sub>H<sub>24</sub>O<sub>3</sub>なるケトン酸にして炭素間の二重結合1個を有す.而して試油中に於てトドマツ酸のメチルエステルとして存在し其含量は鹸化價より計算する時は原油に對し約20%を示す.<br>次にトドマツ酸の諸誘導體を生成し該酸がセスキテルペンの酸化成果體なる可きを記述せり.
著者
横山 晋 岡本 毅彦 石井 忠雄 武谷 愿
出版者
社団法人 日本化学会
雑誌
工業化学雑誌 (ISSN:00232734)
巻号頁・発行日
vol.72, no.1, pp.353-358, 1969
被引用文献数
1

トド松,ブナ,ナラ樹皮の各MWリグニンおよび赤松チオリグニン等の原リグニンにはDMSO-<I>d</I><SUB>6</SUB>を,また原リグニンのアセチル化誘導体にはクロロホルム-<I>d</I>を,それぞれNMR溶媒に用いて,高分解能NMRスペクトルを測定した。次いでアセチル化誘導体のNMRスペクトルから求めたフェノール性,アルコール性水酸基含量の測定結果を併用して,原リグニンのNMRスペクトルから各種結合形態の水素の含量を測定した。<BR>その結果MWリグニンとチオリグニンとの間の各種水素の分布には特徴的な差異が見られた。すなわちMWリグニンはチオリグニンと比べてアルコール性水酸基水素および芳香族環側鎖の脂肪族水素H<SUB>α</SUB>,H<SUB>β</SUB>(側鎖脂肪族α,β,γ位炭素に酸素が結合する)の含量が多い。これに対してチオリグニンはフェノール性水酸基水素および芳香族環側鎖の脂肪族水素H<SUB>α'</SUB>,H<SUB>β'</SUB>(側鎖脂肪族α,β,γ位炭素に酸素が結合していない)の含量が多い。<BR>高分解能NMRスペクトル分析によって求めた各種結合形態水素の含量および元素分析値を用いて,リグニンの基本構造単位に関する構造指数を求める新たな構造解析法を導入した。
著者
中洞 正 赤崎 勇次
出版者
養賢堂
雑誌
畜産の研究 (ISSN:00093874)
巻号頁・発行日
vol.67, no.12, pp.1205-1209, 2013-12

第一義に,日本において乳類を販売するにあたり一定の菌数を超える大腸菌及び一般細菌が検出された製品は販売してはならない規定がある。この規定をクリアするためには製造現場に,製品中の大腸菌及び一般細菌の陰・陽性を知り得る技術が必要となる。生産された乳製品は例外なくこの検査の対象となり,細菌検査を通過した物のみが出荷販売が可能となる。これは昭和26年12月27日に施行された「乳等省令(乳及び乳製品の成分規格等に関する省令)」による取り決めである。菌検査は菌数をコロニー(斑点)の数により判定し,陰・陽性が判断される。乳製品の場合,大腸菌は1コロニー以上,一般細菌は5万以上で陽性の判定となり陰性以外は再検査をかけ再判定する。再検査の段階で陽性結果が出た場合において,販売不可の製品となる。これを怠った場合,または何らかの事象により一定の菌数を超えた製品が市場に流れた場合,販売責任者は回収の義務が課せられる。場合によっては,営業停止という重い罰を与えられることもある。このことから,検査は製造の末端工程ではあるが販売においては第一に重要な必須事項であることは言うまでもない。また乳自体の検査(比重・糖度・酸度・クリームライン・アルコール凝集など)も行うため,適正な検査を行えるか否かによって製品の安心・安全が保たれるのと同時に,品質保持の役割を担っているのが製品検査といえよう。検査においては製造現場に検査専用の部屋があること,必要機材があることが求められる。検査員は特に資格(公的には食品衛生資格者というものもある)は必要としない。各細菌の検査方法に則って行い,製品が生産されるごとに一定量のサンプルを採取して調べる。
著者
薛 佳 藤掛 一郎 大地 俊介
出版者
林業経済学会
雑誌
林業経済研究 (ISSN:02851598)
巻号頁・発行日
vol.61, no.1, pp.108-117, 2015-03

戦後造林資源が成熟期を迎え,素材生産の拡大が課題となっている。民有林での主伐は,主に所有者と事業体が相対交渉を経て立木売買をすることによって実施されている。本研究は,主伐が発生するプロセスとしての立木売買相対交渉に注目し,相対交渉の実態を明らかにすべく,主伐が活発化している宮崎県において,森林組合を含む41林業事業体に聞き取り調査を行った。調査結果の分析から次の諸点が明らかとなった。立木売買の相対交渉は,何らかの既存の人的繋がりを辿って行われていることが多かった。森林組合と民間事業体では,所有者との関係性の違いから,相対交渉の始まり方が異なっていた。また,土地・立木の所在や境界・権利関係の確認,搬出路確保の問題などで資源が成熟していても伐採不可能な場合があることが分かった。今後,このような伐採不可能資源の存在が主伐の制約要因として重要性を増す可能性があると考えられた。
著者
野田 俊之 藤原 久義
出版者
The Japanese Society of Internal Medicine
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.86, no.2, pp.196-200, 1997-02-10
参考文献数
4

狭心症は,一過性心筋虚血に起因する胸部絞扼感・圧迫感などの発作を生ずる症候性疾患である.症状に関する問診は診断上重要な役割を果たす.痛みの性状,部位および放散,広がり,持続時間,始まり方,頻度,誘因,寛解のしかたなどを詳しく聞き取ることにより,かなりの症例で胸痛が狭心症によるものか否かを鑑別できる.胸痛がSAVES(突然発症,前胸部,漠然とした不快感,労作による発症,短い持続)という5つの特徴をもっていれば労作狭心症が強く疑われる.ニトログリセリンが有効であれば更に確実である.一方,胸痛発作が安静時,特に夜間から早朝にかけて起こりやすい場合は冠れん縮性狭心症が強く疑われる.発作時間はしばしば長く,全身症状を伴うこともある.鑑別すべき胸痛をきたす疾患としては,心筋症,不整脈などの心血管疾患,心臓神経症,食道けいれんなどの消化器疾患,頸椎疾患などがある.
著者
河竹新七 作
出版者
[ ]
巻号頁・発行日
vol.[1], 1800
著者
市山 紗弥香 谷口 雄一郎 小島 博己
出版者
耳鼻咽喉科展望会
雑誌
耳鼻咽喉科展望 (ISSN:03869687)
巻号頁・発行日
vol.53, no.6, pp.420-426, 2010 (Released:2011-12-15)
参考文献数
18
被引用文献数
1

今回我々は非常に稀である成人型特発性髄液耳漏を経験したため報告する。症例は83歳男性。数年前より左聴力低下, 耳漏の量が持続するため近医を受診したところ, テステープにて糖陽性であり, 髄液漏の疑いにて佐久総合病院を紹介受診となった。左耳の鼓膜穿孔を認め, また左耳内はやや湿潤していた。側頭骨CTでは中頭蓋窩天蓋の菲薄化を認めたが, 耳小骨や内耳に奇形などの異常は認められなかった。初回手術では乳突削開を行い, 髄液の漏出の有無を観察したが, 明らかな所見はなく, 上鼓室周囲の炎症による水様性耳漏と判断し, 鼓膜を閉鎖して手術を終了した。しかし1回目手術終了2週間後より, 耳後部の切開部に小瘻孔が生じ, その部位より少量の透明な液の排出がみられた。このためやはり髄液漏があると判断し, 術後1ヵ月目に2回目の手術を施行した。前回不十分であった天蓋周囲の蜂巣を十分に削開し, 念入りに観察をしたところ, 中頭蓋窩のわずかな骨欠損部より硬膜が突出しており, 髄液の間欠的な漏出を認めた。瘻孔部位を小さな結合織を挿入する型でパッキングし, 筋膜と骨パテにて被覆し, さらにフィブリン糊を用いて瘻孔の閉鎖を行った。術後1年以上経過しているが再発は認められない。
著者
山﨑 真大 加納 塁 原田 和記 村山 信雄 佐々木 崇 折戸 謙介 近藤 広孝 村井 妙 山岸 建太郎 西藤 公司 永田 雅彦
出版者
日本獣医皮膚科学会
雑誌
獣医臨床皮膚科 (ISSN:13476416)
巻号頁・発行日
vol.23, no.3, pp.127-134, 2017 (Released:2017-09-28)
参考文献数
20
被引用文献数
2

犬の表在性膿皮症は,皮膚表面に常在するブドウ球菌(Staphylococcus pseudintermedius,S. schleiferiなど)が表皮や毛包に存在,あるいは侵入して発症する。近年では薬剤耐性菌が病変部から分離される症例が増加しており,治療に苦慮することも多い。そこで,日本獣医皮膚科学会では犬の表在性膿皮症の治療ガイドラインの作成を試みた。近年,海外では複数のシステマティックレビューや,ガイドラインが報告されていることから,これらを参考にしつつ日本独自のガイドラインの作成を目指したが,エビデンスとなる論文が十分でなく,現時点では困難であることが明らかになった。この中で,現時点で有効であると考えられるいくつかの知見が得られたので治療指針として提示したい。また,現時点での問題点についても述べる。

1 0 0 0 OA 市中取締類集

出版者
巻号頁・発行日
vol.[127] 身分扱方之部,
著者
石川 乃梨子 道本 武志
出版者
日本獣医皮膚科学会
雑誌
獣医臨床皮膚科 (ISSN:13476416)
巻号頁・発行日
vol.23, no.3, pp.135-138, 2017 (Released:2017-09-28)
参考文献数
5

3頭のウェルシュ・コーギー・ペンブロークがトリミングサロンでシャンプーを実施後に沈うつ,食欲不振,発熱をみとめた。3頭とも体幹を中心とした皮膚に斑状紅斑・丘疹がみられ,検査所見では白血球数増加,C反応性蛋白(CRP)上昇が認められた。プレドニゾロンを用いた対症療法を行い,全身状態の改善とともに皮疹も消失した。3症例の発症までの経過や臨床症状,検査所見,同一のシャンプー剤を使用していたことからシャンプー剤による皮膚薬物有害反応が疑われた。