出版者
日経BP社
雑誌
日経コンストラクション (ISSN:09153470)
巻号頁・発行日
no.356, pp.99-101, 2004-07-23

建設会社に勤めるA君は,図のような水路を施工した。施工区間は300m。水路には最大で毎秒4m3の水が流れる。現場で鉄筋と型枠を組んだ後,設計基準強度が21N/mm2のコンクリートを水路の下流側から順に打設した。ところが,完成から数年後,現場を訪れたA君は水路を見てがく然とした。一体,何が起こっていたのだろうか。
著者
二村 年哉 中川 道子
出版者
日本語教育方法研究会
雑誌
日本語教育方法研究会誌
巻号頁・発行日
vol.6, no.2, pp.12-13, 1999

This paper analyses phonological errors in kanji reading tests. Errors involved the mora geminate, mora nasal and voiced consonants, as well as vowel shortening and vowel lengthening. In a listening comprehension test focussing on phonological length, a tendency was found, especially in initially accented words, to shorten long vowels in the last syllable. By contrast, vowel lengthening occurs especially in unaccented words. It also appears that palatalized sounds affect learners' perception of length contrasts.
著者
中川 道子 二村 年哉
出版者
北海道大学留学生センター = Hokkaido University International Student Center
雑誌
北海道大学留学生センター紀要
巻号頁・発行日
vol.4, pp.18-37, 2000-12

日本語学習者の漢字読みテストの誤答にみられた短音化と長音化の傾向が、学習者の聴覚的な音の長短の認識の違いに起因すると推測し、その確かな傾向を探るために2音節語の聞き取り調査を行った。その結果、長母音を短母音と聞く誤り(短母音化)には(1)前音節より後音節に起こりやすい、(2)前音節では拗音を含む長母音が短母音化しやすい、(3)前音節では平板アクセントに、後音節では頭高アクセントに起こりやすい、の傾向があった。短母音を長母音と聞く誤り(長母音化)には(1)前音節より後音節に起こりやすい、(2)「よ」音を含む音節は含まない音節より長母音化率が高い、(3)前音節ではアクセントによる差はあまりないが、後音節では頭高アクセントより平板アクセントに多い、の傾向が見られた。さらに、聞き取り調査に用いたテスト語の持続時間を測定し、前音節と後音節の持続時間の割合を調べたところ、この割合は学習者の誤聴傾向と高い関連性があった。よって前音節と後音節の持続時間の違いが母音の長短の認識のずれの一因となっていると考えられる。An analysis of errors in kanji reading tests showed vowel shortening and vowel lengthening by beginning learners of Japanese. A listening comprehension test focussing on phonological length showed tendencies for vowel shortening to occur more often in the first syllable than in the last syllable of two-syllable words, and vowel lengthening to occur more often in the last syllable than in the first syllable. It also showed that differences of accent and the presence of palatalized sounds affected learners' perception of length contrasts. To investigate the cause of these tendencies in errors of auditory perception, the actual duration time of Japanese sounds was measured and analyzed in comparison with errors made by learners. The results showed that there appears to be a close relation between the tendencies of errors in auditory perception by learners and actual duration time.
著者
富濱 毅 西 八束 荒井 啓
出版者
日本植物病理学会
雑誌
日本植物病理学会報 (ISSN:00319473)
巻号頁・発行日
vol.72, no.1, pp.3-13, 2006 (Released:2007-09-14)
参考文献数
31
被引用文献数
5 9

赤焼病細菌の運動性やバイオフィルム形成, 葉圏での生存, 病原力に及ぼす菌体外多糖質 (EPS) 産生および鞭毛の影響について, 突然変異株を用いて検討した. EPS産生はバイオフィルム形成, 葉圏における細菌集合体の形成, 無傷部位での乾燥耐性に関与したが, 病原力に対する影響はなかった. 鞭毛は, Swim型の運動性, バイオフィルム形成, 葉圏における細菌集合体の形成, 有傷部位での生存, 組織内での増殖に関与した. さらに, EPSと鞭毛との交互作用が, バイオフィルム形成および無傷部位での生存に関与することが明らかとなった. Swarm型の運動性には, 鞭毛およびEPS以外の要因が関与し, Swarm型の運動性と病原力との間には高い相関が見られた. 以上の結果から, 赤焼病細菌のEPS産生は主に葉圏の無傷部位における生存に, 鞭毛は葉圏の有傷部位における生存および組織内での増殖に重要な役割を持つことが明らかとなった.
著者
佐藤 和宏 市瀬 龍太郎 栗原 聡 相澤 彰子 沼尾 正行
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本知能情報ファジィ学会 ファジィ システム シンポジウム 講演論文集 第25回ファジィ システム シンポジウム
巻号頁・発行日
pp.139, 2009 (Released:2009-12-15)

科学研究費の申請データを解析した結果について,報告する.本研究の目的は,研究助成金申請データから研究分野間の関係性を抽出する手法を,研究領域の時系列変化の解析と予測に応用することである.従来,学術研究の動向を調べる研究としては,論文のデータを用いる事が一般的であった.しかし論文を用いる方法には,研究分野によってバイアスがかかるという問題がある.これに対し著者らは,研究分野間の関係性の抽出に研究助成金申請データを用いることを提案し,その有効性を2005 年度の科研費申請データを用いて示した.本論文では,その手法を複数年度のデータに対して適用し,研究領域の時系列変化の解析と予測を行った結果について説明する.解析結果として,時系列変化の抽出に対する有効性を示唆する結果が得られた.予測もある程度は可能であったが,解決すべき課題が多く残っている.
著者
黒田 勇 水野 由多加 森津 千尋
出版者
関西大学
雑誌
関西大学社会学部紀要 (ISSN:02876817)
巻号頁・発行日
vol.38, no.1, pp.159-174, 2006-10

スポーツイベントにおいて、近年、公式スポンサーに対抗する「アンブッシュ・マーケティング」という新しい手法が広がっている。本稿では、これまでのアンブッシュ・マーケティングをめぐる議論を紹介し、その大規模な具体的事例として、2002年W杯の際の、韓国SKテレコムのマーケティング、および2006年W杯における日本のテレビCMを中心としたアンブッシュ・マーケティングの、いわゆる「グレーゾーン」展開について明らかにする。そして、企業のスポンサーシップの論理を超えたスポーツイベントの社会的・文化的価値という視点から、スポンサーシップの歴史的展開と社会的意味について仮説的に論じる。
著者
浅川 智恵子
出版者
日経BP社
雑誌
日経コンピュータ (ISSN:02854619)
巻号頁・発行日
no.809, pp.92-94, 2012-05-24

文字や画像の認識精度をより高めれば、これまでとは違う世界が見えるはず―。こんな夢を追うのは、情報へのアクセスしやすさを意味する「アクセシビリティー」研究の第一人者である浅川智恵子氏だ。全盲の研究者は、ビッグデータ解析にも障害者向けの技術が生きると強調する。―現在最も力を入れているテーマは何ですか。
著者
小阪 玄次郎
出版者
特定非営利活動法人 組織学会
雑誌
組織科学 (ISSN:02869713)
巻号頁・発行日
vol.48, no.1, pp.78-91, 2014-09-20 (Released:2015-02-17)
参考文献数
28

本稿は,専業メーカーと総合メーカーの技術開発体制の比較を行い,その相違が開発成果にもたらす影響を探索したものである.蛍光表示管業界を対象とした事例分析の結果,総合メーカーは特定の専門領域を持つ人員の異動により,要素技術の構成を適時変化させているのに対し,専業メーカーでは領域横断的な共同開発のネットワークがあり,中心人物の世代交代によって開発の焦点が緩やかに変化する,というパターンの違いが示される.
著者
井田 良
出版者
法曹会
雑誌
法曹時報 (ISSN:00239453)
巻号頁・発行日
vol.66, no.11, pp.2989-3016, 2014-11
著者
井田 良
出版者
誌友会事務局研修編集部
雑誌
研修
巻号頁・発行日
no.806, pp.3-14, 2015-08
著者
杉田 貴洋
出版者
慶應義塾大学法学研究会
雑誌
法学研究 (ISSN:03890538)
巻号頁・発行日
vol.89, no.1, pp.51-76, 2016-01

宮島司教授退職記念号一 はじめに二 問題意識の提示三 新旧株主間の富の移転の認識と会社に損害が発生するとの認識との相違 1 有利発行一般の利益状況と二つの認識 2 既存株主の一部のみに損失が発生する(一部株主侵害類型) 3 小括四 直接損害説の意義 : 株式価値稀釈化の意味と株式の特殊性 1 株式価値稀釈化をもたらす諸制度との整合性 2 株式の特殊性五 裁判例の分析と仮説の提示 1 株主への直接賠償と会社への賠償 : 東京地判平成四年九月一日 2 一部株主侵害類型 : アートネイチャー事件 (第一審・第二審) 3 これまでの裁判例六 諸学説の検討・法改正の影響 1 「あるべき状態」論とその反対解釈 2 集団的解決の合理性 3 二重の利得論と損害額不一致論 4 法改正と直接損害説七 若干の提言