著者
金子 泰徳 池田 寛人 藤島 雄磨 梅田 亜友美 小口 真奈 高橋 恵理子
出版者
日本パーソナリティ心理学会
雑誌
パーソナリティ研究 (ISSN:13488406)
巻号頁・発行日
vol.31, no.1, pp.1-11, 2022-04-27 (Released:2022-04-27)
参考文献数
29
被引用文献数
2

本研究の目的は,日本語版Pure Procrastination Scale (PPS-J)を作成し,その信頼性と妥当性を検討することであった。本尺度の原版は,行動の遅延によって事態がいっそう悪化することが予想されるにもかかわらず自発的に遅らせる事象である先延ばしを測定するものとして開発されている。本研究では,大学生195名を対象に確認的因子分析を行った結果,「実行の先延ばし」「決断の先延ばし」「非適時性」からなる12項目3因子構造が示された。十分な内的整合性と構成概念妥当性を有することが確認された。また,大学生57名を対象として,再検査信頼性を検討した結果,許容範囲の値が得られた。大学生44名を対象とした日常生活の調査から,PPS-Jの十分な構成概念妥当性が示された。これらの結果から,PPS-Jは国内においても先延ばしを測定する尺度として使用可能であることが示された。
著者
三上 修 三上 かつら
出版者
特定非営利活動法人バードリサーチ
雑誌
Bird Research (ISSN:18801587)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.T11-T21, 2010 (Released:2011-01-08)
参考文献数
15
被引用文献数
1

近年,日本においてスズメ Passer montanus がサクラ Prunus sp. の蜜を吸い,その結果,花を落とす行動がよく見られるようになっている.これにより,サクラを愛でる個人や団体が不利益を被ることになる.そこで、,その程度を定量化する方法を考案した.その方法とは,サクラの樹の下に落ちている花を拾い,スズメによって落とされたものかどうかを判定するものである.本論文では,この方法の利点,問題点をまとめた.また,この方法を用いて評価する限り,盛岡市内および近郊の4つのサクラの名所では,スズメによるサクラへの害は軽微であることが示された.

39 0 0 0 OA 鉄道省年報

著者
鉄道省 編
出版者
鉄道省
巻号頁・発行日
vol.昭和10年度, 1937

39 0 0 0 OA 官報

著者
大蔵省印刷局 [編]
出版者
日本マイクロ写真
巻号頁・発行日
vol.1950年09月30日, 1950-09-30
著者
大坪 舞
出版者
九州大学基幹教育院
雑誌
鷹・鷹場・環境研究 (ISSN:24328502)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.116-126, 2018-03-20

本稿は、鷹狩りが盛んに行われ、多くの鷹書が編纂・書写された戦国時代から江戸初期にかけて、鷹狩り文化の中心にいた近衞前久の鷹書『鷹百首』と『皇鷹記』の引用書目の検討を通じて、前久が継承した鷹書を明らかにし、室町時代後期から江戸初期にいたる鷹の言説を探ったものである。豊臣秀吉・徳川家康のために書写された『鷹百首』にたびたび引用される書が、『諸木抄』である。これは鷹書ではなく、細川高国による武家故実書でありながら、「当流」の説とされるほど重んじられている。対して、『皇鷹記』には、『持明院宰相殿旧記』が引用されている。『持明院宰相殿旧記』は「鷹の家」である西園寺家の言説を継承したものである。前久は武家故実の鷹の言説、公家の「鷹の家」の鷹の言説を継承し、武家を享受者とした『鷹百首』、天皇の鷹狩りを伝える書『皇鷹記』の典拠として使い分けていたのである。In this thesis, we consider the titles of books quoted "Takahyakushu' and "Koyoki' written by Konoe Sakihisa, who had authority of the culture of falconry from Sengoku era to the beginning of Edo era, during these eras falconry was very popular and a lot of Takasho were written. We also characterize the Takasho inherited by Sakihisa and explore the discourse of falconry from the latter period of Muromachi era to the beginning of Edo era. The book often quoted in "Takahyakushu," which was written for Toyotomi Hideyoshi and Tokugawa Ieyasu, is "Shobokusho." This is not a Takasho, but a Bukekojitsusho by Hosokawa Takakuni, and is very important as the main stream of that period. On the other hand, "Jimyoinsaishodonokyuki" is quoted in "Koyoki." "Jimyoinsaishodonokyuki" is the book inheriting the discourse of Saionji-ke whose family business is falconry.

39 0 0 0 OA 官報

著者
大蔵省印刷局 [編]
出版者
日本マイクロ写真
巻号頁・発行日
vol.1903年03月23日, 1903-03-23

39 0 0 0 OA 官報

著者
大蔵省印刷局 [編]
出版者
日本マイクロ写真
巻号頁・発行日
vol.1945年09月02日, 1945-09-02
著者
松田 南 小谷 通泰 松中 亮治
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.43.3, pp.799-804, 2008-10-25 (Released:2017-01-01)
参考文献数
5

本研究では、わが国で初めての本格的な導入事例である富山市のLRTを対象に、利用者へのアンケート調査を実施し、交通行動への影響やまちづくりへの効果に対する利用者の評価意識を明らかにすることを試みた。この結果、LRTの利用者は、旧富山港線等からの移行者が最も多かったが車からの転換者もみられ、その選択理由として、待ち時間の短さ、駅へのアクセスのしやすさ、運行時間帯の長さ、乗降のしやすさ、乗り心地のよさなどが評価されていた。開業後、外出頻度を増加させた利用者がみられ、車を使えない利用者でその割合が大きく、また車の利用頻度を減らして、外出頻度を増やした利用者もみられた。こうした交通行動の変化は、高齢者、自由目的の外出で顕著であり、LRTの利便性、快適性の高さがその要因として寄与していた。さらに導入後のまちの変化としては、まちのシンボル化・バリアフリーの改善などの点で満足度が高く、大半が全体としてまちが良くなったと答えており、まちづくりへの効果を高く評価していた。さらにCVMにより、LRTの運行を維持・継続するための寄付への支払い意思額を尋ねた結果、運賃に加えて、一定金額の支払いに対し肯定的な意向が示された。
著者
浜口 正博
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.52, no.3, pp.142-149, 2009 (Released:2009-06-01)
被引用文献数
2

読売新聞は,創刊以来135年分の記事を検索し閲覧できるデータベース「ヨミダス歴史館」を構築し,2009年2月,オンラインでのサービスを開始した。このデータベースには検索支援システムとして「ヨミダス用語辞書」が搭載されている。ヨミダス用語辞書の仕組みとこれを利用したキーワード登録作業,そしてキーワードにより検索精度がいかに向上するかについて報告する。
著者
森 雄兒
出版者
日本物理教育学会
雑誌
物理教育 (ISSN:03856992)
巻号頁・発行日
vol.43, no.3, pp.269-272, 1995
参考文献数
12
被引用文献数
3

日用品の素材を組み合わせて,5分ほどで液体窒素の霧箱を作ることができる。この霧箱では,熟練を要せず簡単にα線の飛跡を見ることができる。またアルコールの量を増やすと,β線,陽電子,コンプトン散乱などの飛跡もみることができる。
著者
西上 智彦 壬生 彰
出版者
保健医療学学会
雑誌
保健医療学雑誌 (ISSN:21850399)
巻号頁・発行日
vol.5, no.1, pp.45-51, 2014-04-01 (Released:2014-07-31)
参考文献数
31
被引用文献数
2

痛みに対しての知見はアメリカ議会の2001 年からの“痛みの10 年”宣言の影響もあり,ここ10 年で飛躍的に進歩してきた.しかしながら,未だ本邦におけるリハビリテーション現場において臨床応用されてないのが現状である.今回,臨床での実践に役立つように痛みの「感覚的側面」,「情動的側面」,「認知的側面」に対する各種評価と関節不動化の痛み,慢性腰痛,求心路遮断性疼痛に対してのリハビリテーション方略について概説する.
著者
牧野 晶世
巻号頁・発行日
2013-03-31

ムッソリーニのファシズム政権は、自らのイデオロギーを大衆に広め、政治体制に対する同意を形成する手段として映画を積極的に利用した。しかし、ファシズム体制が崩壊した直後から映画製作が活発に行われ、ネオレアリズモの映画が誕生し、世界的に注目された。この背景には、ファシズム体制下における映画産業の制度整備や基盤強化があったと考えられる。本研究では、ファシズム体制下の映画政策の成果が、戦後のイタリア映画にどのように継承されたのかを考察する。考察では、特に、ファシズム体制下で創設された映画関連の施設や機関、制度などの役割に注目する。また、イタリアと同じく枢軸国であったナチス・ドイツと日本の映画政策と比較し、イタリアの映画政策の独自性を明らかにする。著者はファシズム体制下における映画政策は、戦後のネオレアリズモの映画を生み出す基盤となったと考える。そして、その主な要因は、ハードウェア、ソフトウェア、ヒューマンウェアの3つの面から見ることができる。ハード面では、映画実験センターやチネチッタなどの施設、設備の整備によって映画産業の基盤を強化した。ソフト面では、LUCE の活動などを通じた映画技術の向上、Cineguf などによる映画に関する情報提供と知識の深化が行われた。人材面では、LUCE や映画実験センターで戦後のイタリア映画を担う監督などが育成された。さらには、この政策の背景にあったファシズム政権の文化に対する姿勢も重要であった。芸術の多元的共存の容認や、その結果として芸術家が比較的自由に活動できたこと。また、ナチス・ドイツと比較して、亡命した芸術家が少なかったという事実も挙げられる。このように、ファシズム体制下の文化政策が一枚岩的でなかったこと、映画政策が統制と併せて映画産業の基盤強化を目的としたことが、技術面、人的面で戦前から戦後にかけてのイタリア映画に連続性をもたらし、ネオレアリズモの誕生に繋がったといえる。
著者
今北 哲平 田治米 佳世 池成 早苗
出版者
独立行政法人 労働安全衛生総合研究所
雑誌
労働安全衛生研究 (ISSN:18826822)
巻号頁・発行日
pp.JOSH-2019-0018-GE, (Released:2020-02-21)
参考文献数
44

医療現場では,患者や患者家族から職員に対するセクシュアルハラスメントが問題となっている.そこで本研究では,病院に勤務する職員478名を対象として,患者等から職員に対するセクシュアルハラスメントの実態調査を実施した.その結果,患者等からのセクシュアルハラスメントの被害経験率は42.7%であり,すべての職種,性別に被害経験があった.被害内容は「身体の一部への接触」,「容姿のことを言われる」,「性的行為を迫られる」,「性差別的発言や扱い」など多岐にわたっていた.ロジスティック回帰分析の結果からは,看護・介護職は「容姿」(aOR = 2.64 [1.12-6.20]),リハビリ職は「抱きつき」(aOR = 4.04 [1.41-11.60])や「性的話題」(aOR = 2.50 [1.06-5.87]),事務職は「性的質問」(aOR = 5.17 [1.39-19.20])というセクシュアルハラスメントを,他の職種よりも有意に受けやすい可能性が示された.一方,被害について一度も相談したことがないと回答した人は被害経験者のうちの46.5%であり,相談しなかった理由は「大したことではないと思った」,「相談しても意味がないと思った」,「我慢しなければならないと思った」,「患者の疾患特性によるものだと思った」など多岐にわたっていた.本研究の結果から,職種や性別を限定せず,かつセクシュアルハラスメントの定義や具体例を示すことで,適切な実態把握ができる可能性が示された.さらに,被害についての相談を促進するためには,相談行動の阻害要因ごとに取り組みを検討することが有効と考えられた.
著者
志賀 くに子 SHIGA Kuniko 日本赤十字秋田看護大学
雑誌
日本赤十字秋田看護大学・日本赤十字秋田短期大学紀要 = Journal of Japanese Red Cross Akita College of Nursing and Japanese Red Cross Junior College of Akita (ISSN:21868263)
巻号頁・発行日
no.20, pp.77-80, 2016-03-31

秋田県における「性教育講座」は、1990年代の秋田県における10代の人工妊娠中絶率(15-19歳の女性人口1,000対)が全国平均より高い数値であったことに端を発している。この状況から秋田県教育庁・秋田県教育委員会では、秋田県内の全高等学校へ、性教育講座講師派遣事業を開始した。また秋田県医師会でも、秋田県の若年出産・中絶数の多さや日本におけるHIV/AIDS増加の現状をふまえ、2003年、性教育プロジェクト委員会を立ち上げ性教育派遣講座への医師派遣の窓口になった。中学校・高校での「性教育講座」では、生命の大切さ、性感染症、男女交際、妊娠・出産・避妊、妊娠中絶などについて、学校ごとの実態に即した講演が行われている。私は秋田県性教育研究会会員として2003年(平成15年)から県事業である「性教育講座」を担当している。この「性教育講座」の目的は、様々な性情報が氾濫するなかで性感染症や性に関する正しい知識を身に付け、社会的な風潮に流されることなく、正しい行動を選択できることである。講座では生命や生命を育む女性の心と身体について、そして自分を大切にし、他人にも思いやりをもつことを学習する。本稿では秋田県内の中学生・高校生を対象とした性教育講座の実際の一部を紹介している。