著者
小野 昌彦 小林 重雄
出版者
一般社団法人日本認知・行動療法学会
雑誌
行動療法研究 (ISSN:09106529)
巻号頁・発行日
vol.25, no.2, pp.37-45, 1999-09-30

小学5年生女子不登校(10歳)に対して、再登校行動の形成を目的として介入を実施した。そして、その有効性と問題点の検討を行った。 本症例は、不登校発症前の要因として、社会的スキル、特に書三張的スキルの欠如が考えられた。主養育者が祖母から母親に交替した後、彼女の対人関係困難場面からの回避行動を母親が強化的対応をしてしまったことにより、不登校が誘発されたと考えられた。彼女が家庭に滞留する行動が、母親からの世話やき、電話掛けといった強化刺激が提示され、維持されていると分析された。 彼女への介入として、かかわりの形成、社会的スキル訓練、体力訓練、学習指導、単独通室訓練、親指導が導入された。2期(2ヶ月間)、9セッションの介入の結果、再登校が開始した。予後も良好であった。 かかわり形成が困難な事例の場合、行動アセスメント項目として、友人関係における正の要因が何であるか、欠如しているか、習得の可能性や手順はどうかが問題となる。
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1084, pp.36-39, 2001-03-26

3月9日。外には小雪が舞っていたが、兵庫県西宮市役所に隣接するアミティホールは、熱気に包まれていた。ダイエー近畿地区のマネージャーが集まった総会は、開演から30分が過ぎていた。社長の高木邦夫が話を終えると、会場は主役の登場を前に静まり返った。その沈黙を破るように、会場にナレーションが流れる。
著者
兵吾 勇貴 鈴木 浩子 古川 忠延 三末 和男
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2014, no.1, pp.1-6, 2014-05-15

甚大な被害をもたらす降雨災害を防ぐためには,現況の把握ならびに降雨地域の拡大を見極めることが重要である.我々は降雨メッシュデータに基いて,降雨を受けた地域および当該地域が移動する方向を静止画によって表現する手法を開発した.開発した手法は,矢印により降雨地域の移動の方向を表し,同時に現時点で雨の降っている地域と累積の雨量を色によって表現する.そのため,アニメーションに頼らずに位置情報付き時系列データである降雨データを静止画によって表現できる.本手法により消防団員の意思決定や情報伝達を行うことが容易になる.In order to prevent rain disasters bringing serious damage, it is important to grasp the situation and understand the expansion of the rain area. We developed a technique of expressing the area where rain falls and the direction of movement of the affected area. This technique is based on rain mesh data and uses a still image. The developed technique expresses the direction with arrows and shows the values of rainfall or rainfall accumulation with colors. Therefore, it is possible to express the rain data (which is time-series data with location information) using a still picture, without being dependent on animation. Using this technique, it becomes easy to perform decision-making and communication of information between fire brigade members.
著者
安藤 一憲
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.46, no.7, pp.758-761, 2005-07-15
参考文献数
2
被引用文献数
8

spamメール対策の中にあってフィルタリングはユーザの手の届く範囲に実装されるべき技術である.spamメールの定義は個々人によって微妙に異なっており,その違いを吸収するためには,ユーザがフィルタをコントロールできることが必要になるからである.従来から多く使われているメールサーバに届いたメールを手元に持ってくるためのPOP3プロトコルが単一のメールボックスだけを念頭において設計されていることも,フィルタの存在形態に少なからず影響を与えている.spamメールは万人に平等に降るわけではなく,1日数万通という人から1通も来ない人まで非常にバリエーションが広い.自分に1日15通しかspamメールが来ないから自分のいる組織に対策は必要ないと考えるのは早計で,隣の席の人間が数千通のspamメールを受信している可能性があることを知るべきである.このような状況のもと,ユーザから見た場合にspamメール対策の最後の砦となるのがフィルタである.
著者
阪口 雅弘 井上 栄 宮沢 博 岡部 俊成 安枝 浩 赤坂 徹 武藤 敦彦 田中 生男 Wu Chii-Huei Chapman Martin D. Schou Carsten
出版者
一般社団法人 日本アレルギー学会
雑誌
アレルギー
巻号頁・発行日
vol.43, no.11, pp.1309-1315, 1994
被引用文献数
10

クロゴキブリアレルゲンに対する感作状況を調べるため, 喘息児171名のゴキブリに対する IgE抗体陽性率と家庭内のゴキブリ主要アレルゲン量を測定した. 喘息児171名のクロゴキブリおよびチャバネゴキブリとダニに対する IgE抗体をCAP法で調べたところ, 喘息児の特異IgE陽性率はクロゴキブリ16%, チャバネゴキブリ9.9%とダニ85%に比べ, 低かった. ゴキブリアレルゲンは10軒中8軒にみられた. 居間, 台所, 寝具のゴミ中のゴキブリアレルゲンは台所で最も高かったが, いずれの場所でもダニアレルゲンに比べ, 低かった.
著者
経済学会
出版者
京都大學經濟學會
雑誌
經濟論叢 (ISSN:00130273)
巻号頁・発行日
vol.110, no.5, pp.335-337, 1972-11
著者
Shusuke Yagi Ken-ichi Aihara Daiju Fukuda Akira Takashima Tomoya Hara Junko Hotchi Takayuki Ise Koji Yamaguchi Takeshi Tobiume Takashi Iwase Hirotsugu Yamada Takeshi Soeki Tetsuzo Wakatsuki Michio Shimabukuro Masashi Akaike Masataka Sata
出版者
一般社団法人 日本動脈硬化学会
雑誌
Journal of Atherosclerosis and Thrombosis (ISSN:13403478)
巻号頁・発行日
pp.26914, (Released:2014-10-24)
参考文献数
29
被引用文献数
8 29

Aim: The consumption of n-3 polyunsaturated fatty acids (PUFA), including docosahexaenoic acid DHA), reduces the incidence of cardiovascular events, and reduced serum levels of n-3 PUFA may be associated with an increased risk of cardiovascular events. However, controversy remains regarding which components of PUFA are associated with the endothelial function in patients with coronary artery disease (CAD). We therefore examined the associations between the n-3 and n-6 PUFA levels and CAD.Methods: We retrospectively reviewed 160 consecutive Japanese patients with CAD whose endothelial function was measured according to the percent change in flow-mediated dilation (FMD) and the serum levels of n-3 PUFA, including eicosapentaenoic acid (EPA) and DHA, and n-6 PUFA, including arachidonic acid (AA) and dihomo-gamma-linolenic acid (DHLA).Results: A single regression analysis showed no relationships between the FMD and the serum levels of PUFA, including EPA, DHA, AA and DHLA. In contrast, a multiple regression analysis showed that the DHA level was a positive (P<0.01) and age was a negative (P<0.001) contributor to an increased FMD; however, sex, body mass index, systolic and diastolic blood pressure, current/past smoking and the levels of HbA1c, triglycerides, low-density lipoprotein cholesterol, high-density lipoprotein cholesterol, EPA, AA and DHLA did not significantly affect the outcome.Conclusions: The serum level of DHA is associated with the endothelial function evaluated according to the FMD in patients with CAD, thus suggesting that a low serum level of DHA may be a predictive biomarker for endothelial dysfunction.
著者
友部 謙一
出版者
慶應義塾経済学会
雑誌
三田学会雑誌 (ISSN:00266760)
巻号頁・発行日
vol.92, no.1, pp.81-103, 1999-04

小特集 : 経済史シンポジウム : 経済史における「停滞」と「没落」
著者
Saito Akira
出版者
東京大学大学院人文社会系研究科・文学部インド哲学仏教学研究室
雑誌
インド哲学仏教学研究 (ISSN:09197907)
巻号頁・発行日
vol.18, pp.13-22, 2011-03-31

初期サーンキヤ派が導入した学説の一つにpratibimba(影像)説がある。この学説は、原質(prakṛti)と純粋精神(puruṣa)との二元論に立脚する同学派にとって、いかにして、原質由来の非精神的な知性(buddhi)等が知覚という精神的ともいえる行為をなし、他方また、行為主体でないと規定された純粋精神が対象を知覚しその結果を享受する行為をなしうるのか、という根本問題への回答という文脈において導入された。じっさい同学派において純粋精神は、行為主体でなく、変化することがなく、遍在すると規定される一方、見る者、知る者、結果を享受する者等と伝統的に特徴づけられている。// サーンキヤ派のpratibimba 説については従来の研究も少なくない。『中観心論』Madhyamakahṛdayakārikā およびその注釈『論理炎論』Tarkajvālā を通して、バヴィヤによる同学説批判を論じた研究も複数ある。しかしながら、これらはいずれも『中観心論』のサンスクリット語写本の公開と本格的な校訂研究以前の成果であり、同写本とその校訂作業を基礎にした本論題に関する再検証が待たれていた。一方また、同派のpratibimba説は、イーシュヴァラクリシュナ(4–5世紀)作『サーンキヤ・カ-リカー』には見られず、伝説では第二祖のアースリ頌に帰せられるという。しかしながら、じっさいに同偈頌が引用されるのは、後代のヴァイシェーシカ派やジャイナ教徒等の手になる論典あるいは注釈文献であり、そのテキストと解釈についても今なお問題を残している。// このような意味で、『中観心論』およびその注釈『論理炎論』の第6 章「サーンキヤ派の真実[説への批判的]入門」は、サーンキヤ派による最初期のpratibimba 説を伝える資料としてきわめて重要である。本稿では、総計65偈からなる同章の中から、pratibimba 説の前主張を示す第2偈、および後主張にあたる第22,23両偈を、それぞれに対するバヴィヤの注釈内容とともに分析する。これと併せ、『中観心論』第3章「真実知の探求」第53偈と同偈に対する注釈を手掛かりとして考察し、以下のような結論を得た。// (1) バヴィヤが紹介するサーンキヤ派のpratibimba 説によれば、純粋精神は、その上に月の影像などが映し出される静かな水に喩えられる。すなわち、影像を映す水に喩えられるのは知性(buddhi)ではなく純粋精神(puruṣa)である。// (2) したがって、このばあい静かな水に喩えられる純粋精神は、知性によって確認された知覚対象を間接的に映し出すのであり、あたかもその映像の前後において水自体に変化がないように、純粋精神そのものに変化はないとサーンキヤ派は主張する。// (3) 以上のような前主張に対して、pratibimba 説は「他のものを生じる原因とはならない」「変化しない」等といわれる純粋精神の特質に矛盾する、とバヴィヤは批判する。// (4) バヴィヤはまた、初期のサーンキヤ派には、純粋精神が知性に似てはたらくことの理由を、pratibimba 説とならび、純粋精神の変異(pariṇāma)によると説く学説があったことを紹介する。この学説に対してバヴィヤは、精神性、非原因、遍在性という純粋精神本来の特質との矛盾を指摘して批判を加える。
著者
小川 泰右 池田 満 鈴木 斎王 荒木 賢二
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会論文誌 (ISSN:13460714)
巻号頁・発行日
vol.30, no.1, pp.37-46, 2015-01-01 (Released:2015-01-06)
参考文献数
16

PROBLEM is a key concept used in sharing intentions of medical services among health professionals belonging to different domains. PROBLEMs represent the necessity for medical services from each domain. PROBLEMs serve as a reference point for unifying multiple domain knowledge, when health professional team designs services. However, there is confusion on sharing intentions of the medical services using PROBLEMs. The confusion arose from the ambiguity of the role which the PROBLEMs are playing on intention expressions. Hence, the authors developed a media equipped with a function which specifies roles of PROBLEMs, and tried to control of this confusion. The result of the trial use suggests that the media suppresses the confusion and prompts users to externalize intentions of medical services.
著者
牛山 佳菜代 姜 英美 川又 実
出版者
日本社会情報学会
雑誌
日本社会情報学会全国大会研究発表論文集 日本社会情報学会 第19回全国大会
巻号頁・発行日
pp.197-200, 2004 (Released:2006-02-01)
参考文献数
3

今日のCATVは、デジタル化の進展の下、これまでと異なる環境に置かれている。その状況下において、CATVにおける地域情報の役割が改めて問われている。そこで重要な役割を果たすのは、各CATVで実際に地域情報を携わる制作者であると考えられる。それを踏まえ、本調査においては、各局の自主制作に対する取り組みの把握、さらに制作者意識調査を行うことにより、今後の自主制作番組の行方を検討したものである。
著者
牛山 佳菜代
出版者
日本社会情報学会
雑誌
日本社会情報学会全国大会研究発表論文集 日本社会情報学会 第20回全国大会
巻号頁・発行日
pp.153-156, 2005 (Released:2006-02-23)

地域構造が大きく変わりつつある今日、本稿では、地域情報の形成及び送出において、地域に立地するメディアがどのような役割を果たすことができるのかを考察する。各地域メディアの現状と課題を踏まえた上で、特に地域紙(コミュニティペーパー)とCATV に注目し、事例分析により、その役割及び今後の可能性を検討する。
著者
牛山 佳菜代
出版者
日本社会情報学会
雑誌
日本社会情報学会全国大会研究発表論文集 日本社会情報学会 第23回全国大会
巻号頁・発行日
pp.142-145, 2008 (Released:2010-02-10)

Recently, the number of senders in community media increase gradually. This report is about sender education in community media. The purpose of this report are to classify sender in it from their features, to reveal the actual state and issues in sender education, and to consider it in the future. This report is mainly based on questionnaire survey to CATV in Nagano prefecture.