著者
鹿島 茂
出版者
朝日新聞社
雑誌
一冊の本
巻号頁・発行日
vol.13, no.1, pp.5-8, 2008-01
著者
田中 幸夫 中山 幹康
出版者
水文・水資源学会
雑誌
水文・水資源学会誌 (ISSN:09151389)
巻号頁・発行日
vol.23, no.2, pp.144-156, 2010-03-05 (Released:2010-04-08)
参考文献数
59
被引用文献数
2 5

本稿では,中東に位置するティグリス・ユーフラテス川流域を事例に国際河川紛争の解決要因の検討を行う.同流域では主にトルコ・シリア・イラクによる水争いが20世紀後半以降顕在化し,流域国間での合意形成が幾度にもわたって試みられたが,いずれも不調に終わり,現在に至っている.このような膠着状態を脱却する要件として,本稿では「イシューのパッケージ化」に着目した.特定の争点の妥協を誘引するためにその他の争点を交渉に導入する(イシューをパッケージ化する)という手法は意識的または無意識的に様々な資源交渉もしくは国際交渉の場で行われている(本稿では米国とメキシコの間のコロラド川水質汚染問題におけるイシューのパッケージ化を例示した).ティグリス・ユーフラテス川の事例においても,流域国間でトレードオフが可能な争点としてエネルギー,国境貿易および経済開発,民族(クルド人)問題などが挙げられた.これらを水資源配分の問題と合わせて流域国間交渉に導入することにより,流域国の協調が達成可能となることが期待される.
著者
服部 亜由未
出版者
名古屋大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2010

本年度の研究計画に基づき、以下のように研究活動を実施した。1.出稼ぎ者送出地域の新聞(『遐邇新聞』『秋田遐邇新聞』『秋田日報』『秋田魁新報』マイクロフィルム版)の記事を収集した。記事の経年分析により、ニシン漁業出稼ぎ状況、ニシン漁業に対する考え方やその変化を読み取ることができた。今回は秋田県のみであったが、こうした出稼ぎ者送出地域における報道を、他の地域と比較分析することで、労働力の輩出構造とその展開が明らかになると考えられる。2.ニシン漁獲地域の新聞(『小樽新聞』マイクロフィルム版)の記事を収集した。特に、ニシン漁衰退期にいかなる報道がなされ、各関係者がどのような対策を講じたかを検討し、その結果を『歴史と環境』の1章で述べた。1.の出稼ぎ者送出地域の報道と組み合わせることで、両側面から重層的にニシン漁業を論じることが可能となる。本年度は、後志沿岸地域のニシン漁業転換期である1935・1936年に年代を絞って検討を加えた。3.ニシン漁家経営の衰退にともなう変容に関して、『人文地理』に掲載された中規模ニシン漁家の事例と比較し、より一般性を高めるために、本年度は大規模ニシン漁家青山家の事例について実証し、両漁家の結果を比較検討した上で『歴史地理学』にまとめた。4.最終年度にあたり、これまでの研究成果を、学位論文「近代北海道における鰊漁業の歴史地理学的研究-衰退期に注目して-」にまとめた。この論文は、近代北海道の発展の基となったニシン漁業を取り上げ、従来議論されることが少なかった衰退期に焦点をあてて、ニシン漁業従事者がいかにその危機を脱しようとしたのかを考察したものである。実証研究では、3年間特別研究員として取り組んできた「近代における北海道ニシン漁業出稼ぎ」を中心に、近代北海道のニシン漁業をニシン漁家やニシン漁獲地域のみならず、出稼ぎ者や出稼ぎ者送出地域側からも検討することで、立体的に分析する方法論を展開した。
著者
服部 亜由未 HATTORI Ayumi
巻号頁・発行日
2013-03-25 (Released:2013-05-22)

名古屋大学博士学位論文 学位の種類 : 博士(地理学)(課程) 学位授与年月日:平成25年3月25日
著者
下方 浩史
雑誌
Audiology Japan (ISSN:03038106)
巻号頁・発行日
vol.51, no.3, pp.177-184, 2008-06-30
被引用文献数
6
著者
山本 淳
出版者
山形県立米沢女子短期大学
雑誌
山形県立米沢女子短期大学紀要 (ISSN:02880725)
巻号頁・発行日
vol.42, pp.101-121, 2007-01-31

近世期京都の戯作『井中水』には、九州侍・奥州侍が登場するが、その会話部に見られる俚言について、当世最大級の全国方言書『物類称呼』の記述に照らして検討した。その結果、『物類称呼』採録語からの転載がかなり認められた。正しく援用した例の外に、無批判に受け容れたために現地での実態にそぐわないもの、勝手な解釈を用いたために『物類称呼』の記述に逆らう例のあることが判明した。また、両人物の描き分けについては雑駁であり、両方言が同一人物の会話部に入り交じっている実態が明確になった。しかし一方で、『物類称呼』採録語ではない俚言もしくはその記述に相違する語形も存し、しかもそれが今日的な九州方言・東北方言に連続することも明らかになった。