著者
J.H. Boot
出版者
日本細胞生物学会
雑誌
Cell Structure and Function (ISSN:03867196)
巻号頁・発行日
vol.21, no.4, pp.221-229, 1996 (Released:2006-03-27)
参考文献数
35
被引用文献数
6 8 8

Effects organic mercurials (PCMBS, PCMB, mersalyl) an alkylating reagent (NEM), disulphide reagents (DTP, CPDS) and the dithiocarbamate agent DSF (disulflram) were studied in hepatocyte culture. Cytotoxicity, was on a high level (organic mercurials), moderate (NEM, DTP), or none (DSF, CPDS). The organic mercurials and NEM induced glutathione depletion. Disulphide compounds were detoxified by metallothionein binding. Organic mercurials inhibited the cellular glucose uptake. The most prominent effect of NEM, DTP and DSF was an inhibition of the TCA-cycle. The hepatocellular BSP metabolism was delayed by all tested compounds. Albumin synthesis was stimulated by pyruvate and blocked by PCMB and PCMBS, by inhibiting the hepatocellular amino acid uptake. Phase I and II biotransf ormation reactions were inhibited by PCMBS and PCMB by direct binding to Cyt. P450 cysteinyl-residues and active sites of UDP-glucuronyltransferases. DSF probably reacts by diminishing the availability of the cofactor NADPH. Isolated ALDH (EC 1.2.1.3) was inhibited by all studied compounds. In cellular systems, DSF and the organomercurials inhibited ALDH, thereby reducing the cell's capacity of ethanol catabolism. All tested compounds showed, in low doses, the anabolic ability of insulin mimicking, as demonstrated in a balanced endocrine in vitro testsystem. Morphology. Exposure to NEM, DTP, CPDS, DSF did not result in any morphological alterations in the cell cultures. However, an exposure to PCMBS and PCMB, resulted in extensive bleb-formation, as a result of SHgroup blocking at the cell's outer membrane. It can be concluded, that cultured hepatocytes from human or rat origin, resist an exposure to alkylating and disulphide SH-reagents up to relatively high dose (1.0 mM). However, organic mercury compounds triggered an extensive bleb formation, as a result of SH-blocking, thereby disturbing the osmotic balance by blocking Na+/K+ carriers. Of all tested reagents, organic mercury compounds arose as the most toxic reagents.
著者
佐藤 甲癸 樋口 和人 勝間 ひでとし
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会誌 (ISSN:03866831)
巻号頁・発行日
vol.45, no.7, pp.873-875, 1991-07-20
被引用文献数
11

本論文では動く物体に対するホログラムの作成・伝送およびその像再生を行うホログラフィテレビジョンの実現に向けて基礎実験システムを作成し, その特性について検討を行った.すなわち, 動画像として文字物体を用いて, 平面参照光との干渉によりテレビジョンの受光面に直接ホログラムを作成し, 次にそれを電気信号に変換した後にテレビ信号の伝送系を用いて伝送し, 液晶表示デバイス(LCD)を用いて実時間で再生像を得ることができた.また, 文字物体を動かすと再生像の位置もほぼリアルタイムに移動することを確認した.さらに, 空間フィルタを用いて0次透過光および高次回折光を取り除くことができた.これらの結果から, ホログラフィテレビジョンの基礎的な動作を確認でき, 本研究の有効性を明らかにすることができた.
著者
岡本 徹
出版者
大阪大学
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2012-08-31

日本脳炎ウイルス感染によってアポトーシスを抑制するタンパク質Mcl1が顕著にプロテアソームによって分解を受けることを示しCRISPR/Cas9を用いた遺伝子破壊技術を用いてヒトの肝癌由来細胞株であるHuh7で、Mcl1欠損細胞とBcl-x欠損細胞を作製し、各ウイルス感染における細胞死の変化を調べた。すると、日本脳炎ウイルス感染では、Bcl-x欠損細胞で顕著に細胞死が亢進したが、Mcl1欠損細胞では野生型のHuh7と同程度だった。Bcl-x欠損細胞では、その生存がMcl1に依存しているため、日本脳炎ウイルス感染によってMcl1が分解され、死に至ったと考えられた。
著者
山本 結花
出版者
岡山大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2012

真社会性ハチ目やシロアリ目に見られる不妊カーストがどのように進化したのか。これは、ダーウィンの自然選択理論における最大の難点であった。ハチ目は半倍数性であり、血縁度に雌雄非対称性が生じるため、血縁選択説によって社会性の進化を説明することが出来る。一方、シロアリ目は倍数性である故に血縁選択説による社会性の進化を説明できず、真社会性シロアリ目の存在は、血縁選択だけでは説明しきれない部分を浮き彫りにしている。シロアリの真社会性はハチ目の真社会性とは全く独立に進化したものであり、シロアリの研究が進むことによって、昆虫における社会性の進化を総合的に理解することが可能になる。候補者は真社会性昆虫の最大の特徴である繁殖分業に着目し、以下の研究を行った。これまでに、二次女王の分化を抑制する女王フェロモンの成分がヤマトシロアリにおいて特定されていた。本研究では、シロアリの女王フェロモンにおける種間交差活性試験を同属7種のシロアリ(R. speratus, R. amaminanus, R. miyatakei, R. yaeyamanus, R. okinawanus, R. flavipes and R. virginicus)を用いて行った。その結果、ヤマトシロアリR. speratusの女王フェロモン成分は近縁の2種(R. amamianusと、R. miyatakei)においても女王分化を抑制する効果を持ち、これら2種ではヤマトシロアリと同じ成分が女王フェロモンとして利用されていることが示唆された。さらに、他の同属他種に対する抑制効果の有無と種間の系統関係から、フェロモンの分化は単に系統学的な要因だけではなく、生態学的な要因の両者から影響を受けていることが示唆された。本研究は、女王フェロモンの種間交差活性に対する初めての報告であり、女王フェロモンの進化過程を理解する上で重要な知見となる。
著者
梅澤 正樹 今泉 薫 樋口 大輔 丸山 淳 本村 一朗 吉野 智子 胡田 由美子 船登 雅彦 川和 忠治
出版者
Showa University Dental Society
雑誌
昭和歯学会雑誌 (ISSN:0285922X)
巻号頁・発行日
vol.16, no.3, pp.195-203, 1996-09-30
被引用文献数
12 7

本研究は, 平成5年度に昭和大学歯科病院第一補綴科で装着されたクラウンおよびブリッジに関して, その総製作数, 種類および割合, 支台歯の有髄, 無髄等を統計的に調査し, 歯冠補綴治療の現状を把握することを目的として行われ, 以下の結果が得られた.1.クラウンとブリッジの総数は1,202個で, クラウンが1,022個 (85.1%), ブリッジが180個 (14.9%) であった.2.クラウンにおいて最も多いのは全部鋳造冠572個 (56.0%) であった.次いで陶材焼付鋳造冠183個 (17.9%) とレジン前装鋳造冠183個 (17.9%) で, 陶材焼付鋳造冠は平成4年度の288個と比較して大幅に滅少した.また平成3年度に一例も装着されなかったレジン前装鋳造冠が平成4年度では110個 (10.2%), 平成5年度では183個 (17.9%) と大幅な増加を示した.3.クラウンは前歯部ではレジン前装鋳造冠が約50%, 小臼歯部では全部鋳造冠が約70%を占め, 大臼歯部では約90%が全部鋳造冠であった.4.ブリッジは臼歯部に約60%, 前歯部および前歯部から臼歯部にわたるものが, それぞれ約20%ずつ装着されていた.5.ブリッジは前歯部, 臼歯部において1歯欠損2本支台歯が最も多かった.前歯部から臼歯部にわたるものにおいては, 2歯欠損3本支台歯が多かった.6.クラウンにおける保険診療は74.3%であり, ブリッジにおいては76.7%であった.7.クラウンの支台歯における無髄歯は88.8%, インプラント支台0.9%であり, ブリッジにおいては無髄歯が75.4%であった.
著者
杉万 俊夫
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2003

「住民主導による教育・医療」を軸とした地域コミュニティ活性化の可能性を、当事者との協同的実践を推進、貴重な実例をつくりつつ検討した。同時に、「閉鎖的な専門的組織・専門家集団への依存」を前提に運営されてきた教育・医療制度を、住民の主体的参加を前提にした制度へと転換する方途について、Y.Engestromの活動理論(activity theory)を理論的枠組みにして考察した。具体的なフィールドには、(1)住民主導の教育実践として、大阪府寝屋川市で展開されている「寺子屋Neyagawa」の活動(毎週土曜に学校を舞台に住民が手作りの教育をする活動)、(2)住民主導の医療実践として、京都市小野郷地区における「地域医療の拠点づくり」の活動(無医地区に住民主体で診療所を設営・運営する活動)をとりあげた。いずれにおいても、研究者が当事者と共に活動を推進しつつ、その経過を追尾し、問題点や失敗経験をも含めて発信した(著書「コミュニティのグループ・ダイナミックス」)。とくに、(1)に関しては、学校側の抵抗に抗して敢えて学校を活動の場とすることによって、学校そのもののあり方を問い直し、地域の教育機能を復権させる可能性を指摘した。(2)に関しては、「医者と患者(住民)の上下関係を是認した上で、医者が患者重視の医療サービスを提供すること」をもって理想的な医療とみなす風潮の中、「住民主体の地域医療」という理念に理解を得ること自体が、最初に乗り越えるべき大きな壁として立ちはだかっていること、また、高齢化した地域における住民主体の診療所運営は、医療以外の領域でも住民が地域活性化に積極的に取り組み出す起爆剤になりうることを指摘した。
著者
新井 宏
出版者
コンパス社
雑誌
バウンダリ- (ISSN:09162402)
巻号頁・発行日
vol.15, no.9, pp.28-32, 1999-09
著者
高田 洋吾 中村 毅志 小山 圭介 田尻 智紀
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集C編 (ISSN:18848354)
巻号頁・発行日
vol.78, no.792, pp.2924-2934, 2012 (Released:2012-08-25)
参考文献数
21
被引用文献数
2 5

It is necessary for a small aqua robot to search for a target in order to investigate creatures such as fishes in a river or lake. However, control signals by electric wave from outside do not reach a robot easily in water. Therefore, aqua robots must search the target autonomously without signals from outside. It is important for a robot to gaze forward and recognize the target in water. In this study, we have used a fish robot named FOCUS which can swim in water by using the tail fin. This robot has some micro CMOS cameras and a FPGA circuit board for data processing. A red object is detected with the CMOS camera. In addition, FPGA calculates where the red object is located in the image. This robot controls the tail fin mechanism and submersible system in order to decide the course of the robot in response to the calculated positional coordinates. We have confirmed that this robot can recognize a color target and follow the target in water.
著者
辻岡 政男
出版者
渋沢栄一記念財団
雑誌
青淵 (ISSN:09123210)
巻号頁・発行日
no.787, pp.30-32, 2014-10
著者
植地 勢作
出版者
渋沢栄一記念財団
雑誌
青淵 (ISSN:09123210)
巻号頁・発行日
no.787, pp.24-29, 2014-10
著者
玉田 芳史
出版者
渋沢栄一記念財団
雑誌
青淵 (ISSN:09123210)
巻号頁・発行日
no.787, pp.21-23, 2014-10

1 0 0 0 苔の森へ

著者
北沢 房子
出版者
渋沢栄一記念財団
雑誌
青淵 (ISSN:09123210)
巻号頁・発行日
no.787, pp.18-20, 2014-10
著者
小宮山 茂樹
出版者
渋沢栄一記念財団
雑誌
青淵 (ISSN:09123210)
巻号頁・発行日
no.787, pp.12-14, 2014-10
著者
長谷川 和雄
出版者
渋沢栄一記念財団
雑誌
青淵 (ISSN:09123210)
巻号頁・発行日
no.787, pp.3-5, 2014-10
著者
久保 晴信
出版者
素粒子論グループ 素粒子研究編集部
雑誌
素粒子論研究 (ISSN:03711838)
巻号頁・発行日
vol.91, no.3, pp.51-129, 1995-06-20

共形場理論は様々な問題を扱う上での強力な手法となっている。近年、境界を持った共形場理論(Boundary CFT)を応用した解析が、多方面で精力的に行われるようになってきた。これは、Boundary CFTの基礎的な事項と、それを用いて行われた解析の例についてまとめた修士論文である。