著者
大浦 清 東 泰孝 篠原 光子
出版者
大阪歯科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1998

本研究では、白血球機能に対する化学療法薬の影響を評価する第一歩として、感染初期の非特異的な自然免疫機構において重要な機能的役割を演じているマクロファージおよび好中球機能に対するニューキノロン薬の影響について検討を行った。ニューキノロン薬はオフロキサシン、ロメフロキサシン、トスフロキサシン、フレロキサシン、スパルフロキサシン、およびレボフロキサシンの6種類を使用した。平成10年度は、ニューキノロン薬のマクロファージ機能に対する影響について検討を行った。マクロファージ遊走能および貪食能は、用いたすべてのニューキノロン薬によって有意に減少することが明らかとなった。さらに、スーパーオキサイド産生能を検討した結果、用いたすべてのニューキノロン薬において産生能の有意な増加が認められた。平成11年度は、ニューキノロン薬の好中球機能に対する影響について検討を行った。好中球接着能に対する影響は、ロメフロキサシン、およびスパルフロキサシンでは好中球接着能を有意に増加させたが、他の薬剤では接着能に有意な変化は見られなかった。また、貪食能に対しては、オフロキサシン、ロメフロキサシン、フレロキサシン、およびレボフロキサシンにおいて有意な増加が見られたが、他の薬剤では貪食能に有意な変化は見られなかった。次に、スパーオキサイド産生能を検討した結果、トスフロキサシンでは、産生能の有意な増加を示したが、これ以外の5種類のニューキノロン薬においてはスーパーオキサイド産生能の有意な減少が認められた。さらに、過酸化水素産生能に対しては、トスフロキサシンによる有意な増加とスパルフロキサシンによる有意な減少が観察された。上記成績により今回検討した6種類のニューキノロン薬は、マクロファージおよび好中球機能に対して異なった影響を与えることが明らかとなった。
著者
宮原 誠 石川 智治 小林 幸夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EA, 応用音響 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.235, pp.9-15, 2001-07-20
被引用文献数
1

高度感性情報再現を目的としたスピーカの新設計理論を示す.高度感性情報とは人に感動を呼び起こすもの(深々さ, 凄み, 実在感など)である.コーン型のスピーカによる電気音響信号の再生(主として低温の再生)は, 制御理論の臨界制動(ζ┤0.7)の考え方を基本とする設計とは全く異なり, むしろ軽く, サスペンションの柔らかい振動板が, 複雑な電気信号に高度高く駆動されるように設計することが重要である.具体的には, 目標をQ_0<0.2, 高周波数帯域はボイスコイル近傍のみを振動板のピストン運動領域とする, などである.又, スピーカが空振りせずに空気をしっかりとらえて, 自由空間に精密な波面を放射させるようなメインアンプも含んだ新しいスピーカ駆動理論を示す.
著者
Mayumi TAKEUCHI Kenji MATSUZAKI Yoshimi BANDO Mika SAKAKI Hiroyuki FURUMOTO Masafumi HARADA
出版者
日本磁気共鳴医学会
雑誌
Magnetic Resonance in Medical Sciences (ISSN:13473182)
巻号頁・発行日
pp.2013-0078, (Released:2014-07-02)
被引用文献数
3

Villoglandular papillary adenocarcinoma (VGPA) is a rare subtype of cervical adenocarcinoma that generally affects young women and has a favorable prognosis. Its preoperative diagnosis is important to avoid excessive surgery. We report the magnetic resonance (MR) findings of a case in which the cervical tumor showed a fern-leaf-like appearance on high resolution T2-weighted images obtained at 3 tesla. MR imaging clearly showed this pathological feature that may suggest this disease.
著者
藤井 慶輔
出版者
京都大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2011

本研究の大きな目的「球技の1対1における防御のメカニズムを解明すること」に沿って、当該年度は前年度以前に実験を行った、以下3つの研究成果をまとめた。(1)攻撃者と防御者が実際に、リアルタイムで対峙したバスケットボールの1対1の状況を設定し二者の動作分析を行った。1対1の結果・過程を定義・分類し、防御者が攻撃者を阻止した試行は、「早い動き出し」「速い動作」「攻撃者の停止」という3つに分類できることが明らかになった。このことから、実際の球技の1対1において防御者が攻撃者の動作に与える影響を考慮に入れる必要性が明らかになった。(2)防御者の運動制御過程に着目し、準備状態が防御者の動き出しを早めることを床反力分析によって明らかにした。実験室的課題により動作を制約した準備動作(地面反力を体重よりも軽くする「抜重状態」を引き起こす自発的な垂直連続振動)を用い、大学バスケットボール選手にLED刺激に対するサイドステップ反応課題を行わせた。その結果、LED点灯時刻付近での抜重状態が動き出し時刻を早め、動き出し時刻付近での加重状態がターゲット到達時刻を短縮させたことが明らかになった。(3)実際の1対1の状況において床反力を測定することで、(2)で示された準備状態が防御者の動き出しを早め、攻撃者の防御を可能にするかどうかを検討した。その結果、実際の攻撃者との相互作用が起こる課題においても、防御者の大きくない(体重の1.2倍を超えない)動き出す前の地面反力が、攻撃者に対する防御者の動き出しの時刻を早め、防御が成功する確率を高めることが明らかになった。
著者
吉田絃二郎 著
出版者
斎藤書店
巻号頁・発行日
1947
著者
小西 匡
出版者
京都府立医科大学
雑誌
校友会雑誌
巻号頁・発行日
vol.72, pp.25-33, 1915-10-20

1 0 0 0 OA 水雲徴

著者
小林幸次郎 (浅洲) 著
出版者
小林幸次郎
巻号頁・発行日
1908

1 0 0 0 OA 関東の山水

著者
大町桂月 著
出版者
博文館
巻号頁・発行日
1909
著者
布川 隆三 川本 達雄
出版者
大阪歯科学会
雑誌
歯科医学
巻号頁・発行日
vol.53, no.3, pp.325-338, 1990
被引用文献数
9

矯正歯科臨床分野において, 成長発育期の患者に対して, より効果的な顎の垂直的な成長コントロールを行うのに, ヘッドギアーと併用して嚥下時舌圧を利用したパラタルバーが使用されている. そのパラタルバーが上顎骨に及ぼす作用を調べるために, 成人および小児乾燥頭蓋骨各1体を試料とし, ストレインゲージ法を用いて力学的実験を行った. その結果, ストレートとカーブの2つのタイプのパラタルバーに荷重を加えた場合, 以下に示すような結論を得た.<br> 1) 上顎骨の歯槽骨頬側板における歪分布は, パラタルバーのタイプによって異なるが, 成人および小児頭蓋を問わず, ストレートタイプでは上顎第一大臼歯を中心とする側方歯の歯槽骨頬側板において, 咬合平面に対して垂直方向の圧縮歪が認められた. それに対して, カーブタイプでは同部位における圧縮歪は前者よりも小さい値を示した.<br> 2) 歯槽骨舌側板での歪分布は, 成人および小児頭蓋において, ストレートタイプでは上顎第一大臼歯を中心とする側方歯の歯槽骨舌側板で, 咬合平面に対して垂直方向の圧縮歪が認められた. それに対して, カーブタイプでは同部位における圧縮歪は前者よりも大きい値を示した.<br> 3) 小児頭蓋ではパラタルバーのタイプを問わず, ヘッドギアーの後上方牽引時のような反時計まわりの回転に近い上顎骨の変形が認められた.<br> 4) 成人および小児頭蓋ではパラタルバーのタイプを問わず, 上顎骨に隣接する周囲骨にも歪が及んでいた.<br> 以上の結果から, パラタルバーは成長発育期のII級I類不正咬合および下顎下縁平面角の大きい不正咬合の患者に対してヘッドギアーと併用することによって, 上顎第一大臼歯を中心とする側方歯群の歯槽骨の垂直的な成長コントロールが行える. また, 成人に使用した場合も, 顎間ゴムなどの矯正力による上顎第一大臼歯の提出および近心移動などに抵抗する固定源の加強として役立つことが示唆された.
著者
大庭 昇 山本 温彦 富田 克利
出版者
鹿児島大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1989

桜島火山灰は,黒灰,すなわち通常の火山灰,3価の鉄酸化物が多いこととクリストバル石・石コウ・無水石コウの存在で特徴づけられる赤灰,および発泡状火山ガラス粒子の多いことで特徴づけられる白灰の主に3グル-プに分けられる。通常の火山灰における発泡状火山ガラス粒子の存在および含水硫酸カルシウム結晶の存在は,火山灰の噴出時,断熱膨張や火山ガスによるある種の化学反応を経験したという意味で重要である。自然環境および社会環境は,火山灰と随伴火山ガスに起因する主な2要因,すなわち火山灰構成物の質と粒度による物理的要因および火山ガスによる化学的要因によって影響をこうむっている。農園芸作物,人体健康および土石流が,火山灰および随伴火山ガスに起因する物理的化学的要因によって影響されるメカニズムについて考察した。農園芸作物は,火山灰微粒子が気孔をふさぎ,呼吸機能を止め,機能不全を起こすという物理的要因と,火山ガスが水と結合し,酸として働くという化学的要因の双方からなる複合要因で,枯死落果する。一方,人間が毎日相当量の火山灰を吸入し続けていくとすれば,そう遠くない将来に,珪肺症または塵肺症あるいはそれらの類似症の呼吸器疾患を示す人が間違いなく出てくるであろう。火山灰はまた,土石流発生に関与している。桜島火山には18の枯れ川があるが,これらの枯れ川は,少量の雨が降っても,火山灰の物理的化学的特性に起因して、大規模な土石流を頻繁に発生させる。
著者
水林 章
出版者
上智大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

「共和国の思想と文学-他者との出会い」を主題とする研究過程で,フランス啓蒙主義時代の文学の精力的な再読をおこなうと同時に,この主題に関係の深い現代フランス文学作品であるダニエル・ペナックの『学校の悲しみ』の翻訳をおこない,さらには,研究の一部をフランスのガリマール書店より刊行されたUne langue venue d'ailleursにまとめることができた.
巻号頁・発行日
1878

経済-勧業授産 / 和装 / 明治11年2月20日
著者
廣部 千恵子 ヒロベ チエコ Chieko Hirobe
雑誌
清泉女子大学紀要
巻号頁・発行日
vol.49, pp.17-43, 2001-12-25

前2論文において、日本の民間薬のうちで風邪に使用する食物、民間薬について述べてきた。本論文は、皮膚のトラブル、美容に対する民間薬の一部について検討してみた。本論文において、それぞれの症状に対する利用法を簡単にアイウエオ順に記載し、一番左の列に使用する植物名などを、二番目に簡単な利用法を、そして最後に文献番号を記載した。今回の調査でまとめたものの中には使用法のはっきりしないもの、効果のはっきりしないものも多くあるので、諸氏のご意見をいただきたい。メールアドレスはhirobe@seisen-u.ac.jpである。
著者
村山 茂代
出版者
舞踊学会
雑誌
舞踊學 (ISSN:09114017)
巻号頁・発行日
vol.1996, no.19, pp.23-23, 1996 (Released:2010-04-30)
参考文献数
6
著者
井関 裕靖
出版者
慶應義塾大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2012-04-01

本研究は離散距離空間の高次元的な構造を見出すことにより離散距離空間の「形」を捉え、さらにこれを離散群の剛性理論等へ応用することを目標としていた。離散距離空間の「高次元的な構造」を満足な形で捉えることは叶わなかったが、その研究過程で得られた観察や結果から、ある種のランダム群が非正曲率空間に対する強い固定点性質をもつことを示すことができた。また、離散距離空間の非正曲率距離空間への埋め込みに対するスペクトルギャップの幾つかの評価を与えることにも成功した。
著者
佐波一郎 訳
出版者
[ ]
巻号頁・発行日
1879