著者
足立 勝司 木船 久雄
出版者
一般社団法人 日本原子力学会
雑誌
日本原子力学会 年会・大会予稿集 2003年秋の大会
巻号頁・発行日
pp.017, 2003 (Released:2003-12-17)

福井県民のふだんの暮らしの中で、地域社会への関わりや地域振興について、どのように捉えているのか調査した。
著者
砂川 和範
出版者
日本マネジメント学会
雑誌
日本経営教育学会全国研究大会研究報告集
巻号頁・発行日
no.43, pp.63-67, 2001-06-22
被引用文献数
1

昨今、終身雇用制と結びついた企業内教育システムが変化を余儀なくされる状況にある。一方で国公立・私立を問わず大学(院)改革が進行しており、その一環をなすのがビジネススクール設立ブームである(とくに労働市場の流動性の高まりから起業というテーマが生涯教育の需要を喚起じている)。この経営教育に関連する両現象は、(1)企業内教育システムと学校教育システムの相互浸透(2)両者の新たな境界設定、以上二点に集約される問題を探索することを要求する。そこで本報告では、新たなシステムの設計に向け組織理論の知見を応用した基礎付けを試みる。まずH.A.サイモン以降の意思決定論(とくに情報処理モデル)以降の近代組織論の学説的展開を踏まえて問題を整理する。その延長線上に、とくに認知科学と学習理論の複合領域に位置する「正統的周辺参加」(Legitimate Peripheral Participation, LPP)モデルを取り上げ、それが経営教育の実践にむけて持ちうる可能性を見積もる。その結果、LPPモデルのいくつかの要因についての拡張が分析上必要であることを示す。
著者
大石 直樹
出版者
慶應義塾大学
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2012-08-31

加齢性難聴の病態を、有毛細胞が障害される感覚細胞障害型と、らせん神経節細胞死による神経障害型モデルに分け解析した。それぞれのモデル動物に対して、小胞体ストレスをブロックする薬剤TUDCAを長期投与した。その結果、感覚細胞障害型モデルではTUDCAの治療効果は認められなかった。一方、神経障害型モデルでは、TUDCA投与により難聴の進行が統計学的に有意に抑制される傾向を認めた。小胞体ストレスの予防が加齢性難聴の進行を抑制させる可能性について、意義のある結果が得られた。
著者
藤原 美樹 松本 靜夫 フジワラ ミキ マツモト シズオ Miki FUJIWARA Shizuo MATSUMOTO
雑誌
福山大学工学部紀要
巻号頁・発行日
vol.27, pp.111-116, 2003-12

The Chinese classical literature "KIN PEI BAI" is known as one of the four most valuable books in China and it is said to be written in the middle of Banreki years in the Ming period. It is a long novel consisting of 100 stories. In this paper the order maintained by the wealthy feudal family in relation to the room arrangement is examined considering the relationship between the ceremony of marriage, one of the ritual initiations clear that, and women's territory. As a result it becomes women's territory in a house divided in accordance with hierarchy such as a wife, a mistress and a maid and family hierarchy was clearly reflected in the room arrangement. Physically it was divided by a fence, a wall and a door and was secluded from society. It was clear that Confucianism and moral discipline were strict with, especially, women. For a man it was one of the important conditions to get a lawful wife with well-balanced social status Only one woman had the right to become the lawful wife and other women could be nothing but a mistress. A mistress was a kind of goods purchased by money. A marriage was a ceremony to take a wife from the outside to the inside. A bride, when she got married, went to a bridegroom's house on a closed palanquin and entered into a given territory. Women's room was closed and secluded from the outside world.
著者
岡本 藍 小谷 宏志
出版者
日経BP社
雑誌
日経アーキテクチュア (ISSN:03850870)
巻号頁・発行日
no.963, pp.16-31, 2011-11-10

太平金融大厦(上海)は、高層オフィスビルが立ち並ぶ上海・浦東地区の中心部で、金融関連企業が集まる陸家嘴に建つオフィスビルだ。日建設計が特命で受注した。 太平金融大廈の周囲には、金茂ビルや環球金融センターなど有名な超高層ビルがそびえ立つ。日建設計の陸鐘驍氏は、織物のように折り重なるカーテンウオールを提案した。
著者
三輪 哲也
出版者
独立行政法人海洋研究開発機構
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2009

本研究は、海洋における生物サンプリングにおいて、生存捕獲を試み、新しいバイオリソースの提供を行うための、装置開発を実施した。ネットやROVなどの装置で取れる生物は、運動動作の遅い、比較的動かない生物のみが、選択的にとれる事実がある。深海調査においての生物多様性の情報は、調査研究のうち映像から証明されているが、サンプリングできている生物種との格差がみられてきている。それは映像に移った生物が必ずしも採取できている状況に無い。その矛盾を解決する方法として、センシングや視認性の向上を採取装置に付加することが必要と感じた。そこで同軸タイプのカメラシステムで、それぞれ性質の異なるカメラの近紫外領域(可視光範囲)の画像と、近赤外(赤外)画像の差分を取り、認識の難しかった海底生物分布状況把握を的確にし、迅速に生物の位置を把握するシステムを構築することを目的とし、本研究課題によって基礎的検証をおこなった。同軸によるマルチカメラシステムと、イーサーケーブルによる長距離の画像伝搬システムを用い、差分画像を得るための画像処理システムとプログラム制作を実施した。その結果、2つのカメラ映像の差分観察画像を構築することが出来た。次に光源を単波長の異なるLED光源とし、光源を切り替えることで、いくつかの異なる照明による生物画像を入手できた。これらの生物画像から、表面の色素の異なる成分抽出し、同一画像における生物識別が出来るようになった。水中の撮影においては、耐圧ハウジングが必要であり、10mの防水容器の中で、実験水槽中で検討を行った。窓材における制限はあるものの、水中での差分映像も入手できた。今後さらに水中撮影における条件の最適化を実施し、実用に耐えるものに改良を加える予定である。
著者
谷口 義明
出版者
愛媛大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2011-04-01

UltraVISTAプロジェクトはVISTA望遠鏡(VISTA=Visible and Infrared Survey Telescope for Astronomy)はチリ共和国にあるVery Large Telescopeのサイトに設置された口径4mのサーベイ専用の望遠鏡である。我々はハッブル宇宙望遠鏡のトレジャリー・プログラムで観測された宇宙進化サーベイの天域の近赤外線撮像探査を行い、赤方偏移 z=7 の銀河を多数発見した。広視野サーベイのおかげで、従来想定されていなかった明るい光度の銀河が発見され、銀河の初期進化及び宇宙再電離源の研究に大きな貢献をした。
著者
松本 耿郎 岩見 隆
出版者
英知大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1994

本研究は平成5年1月に78歳の生涯を終えた井筒俊彦博士の学問の方法と思想を分析解明することを目的としたものであった。井筒俊彦博士はコーラン研究、イスラーム思想研究、ギリシア思想研究、ロシア文学研究、東洋思想研究などの諸分野にわたって多くの業績を残している。また晩年には独自の言語哲学と存在認識論の総合を目指して、広い意味での東洋哲学に基礎をおいた独自の哲学の確立を構想していた。当初、この研究計画ではその思想と方法の全貌を明らかにすることを目指していたが、井筒博士の該博極まりない知識に基づく学問的営為を見るにつけ、その全貌を解明することは時期尚早であるとの結論に到達した。そこで、この研究においては井筒俊彦博士のこうした学問と思想的営為の基礎となる部分をまず明らかにすることが急務であると考え、同博士が所蔵し、同博士の学的営為の源泉となった1万5千冊の中近東諸語の蔵書の整理を研究の中心的作業とすることにした。中近東語の蔵書の多くはアラビア語、ペルシア語、トルコ語のもので、内容的には主としてイスラーム思想に関係するものである。このため蔵書の整理についてはアラビア語、ペルシア語、トルコ語の文献学に精通している慶応義塾大学非常勤講師岩見隆氏の全面的協力を得ておこなった。この結果、井筒博士の蔵書のなかには極めて資料的価値の高いイランの石版図書が含まれていることが明らかになった。石版図書はその性質上、分析に時間と労力を要するものであるが、本研究計画の最終年度にこれら石版図書のなかから特に資料的価値の高い図書90点をえらび「故井筒俊彦博士旧蔵イラン石版本目録」を作成し、研究課題報告書の一部として印刷した。
著者
佐藤 眞明 吉田 哲矢 林辺 義人 紺野 進
出版者
一般社団法人 日本人工臓器学会
雑誌
人工臓器 (ISSN:03000818)
巻号頁・発行日
vol.22, no.3, pp.639-642, 1993-06-15 (Released:2011-10-07)
参考文献数
8

大動脈内バルーンパンピング(以下IABP)が後負荷を減少させるのに対して, 遠心ポンプは前負荷を減少させ, また遠心ポンプの定常流はIABPにより拍動流化されるため, 両者の併用により相乗効果が得られる。1989年から1992年までの3年間に薬物療法およびIABPを用いても心肺離脱困難な10例に対して遠心ポンプを用いて補助循環を行った。補助循環の様式としては, 左心バイパス(以下LHB)が9例, 静―動脈バイパス(以下VAB)が1例であった。対象疾患は, LHBではA-Cバイパス術4例, A-Cバイパス術+大動脈弁置換術, 2弁置換術, 弓部大動脈置換術, 左室破裂および急性心筋梗塞はそれぞれ1例であり, VABでは再々大動脈弁置換術1例であった。LHBでは, 9例中3例が補助循環より離脱でき, そのうち2例が長期生存している。VABでは1例中1例が補助循環より離脱し, 長期生存している。
著者
星野 修一 今井 康晴 石原 和明 沢渡 和男 竹内 敬昌 寺田 正次 三隅 寛恭 新岡 俊治 太田 淳 杉山 喜崇 大野 英昭 久保 英三
出版者
一般社団法人 日本人工臓器学会
雑誌
人工臓器 (ISSN:03000818)
巻号頁・発行日
vol.22, no.3, pp.816-819, 1993-06-15 (Released:2011-10-07)
参考文献数
8

小児(15歳未満)における生体弁置換術の遠隔期成績, 特に弁機能不全につき検討した。1975年1月より78年12月までの4年間に当院で生体弁置換術を行った15歳未満症例中, 病院死亡を除く29症例, 30回の弁置換術症例を対象とした。平均手術時年齢は5.5±3.9歳であった。遠隔死亡は4例で, 実測生存率は82.2カ月で83.0±7.9%であった。人工弁合併症は, thromboembolismは1例(0.93%/patient-year), prosthetic valve endocarditisは2例(1.85%/p-y)であった。structural deteriorationは26例に認められ, 25例が再置換術を行った。再弁置換術は遠隔死亡4例を除く26例に, 術後14カ月から82カ月平均3年9カ月後に行われた。予測非再弁置換術の%Freedomは48カ月で52.3%に低下し, 82.2カ月で0%となり生存症例全例が再置換術を必要とし, 成人例に比し早期かつ高率であった。原因は1例は感染弁, 他の25例はstructural deteriorationであった。
著者
中島 淳博 福村 文雄 富永 隆治 久原 学 鐘ヶ江 靖夫 深江 宏治 宮本 和幸 安井 久喬 徳永 皓一
出版者
一般社団法人 日本人工臓器学会
雑誌
人工臓器 (ISSN:03000818)
巻号頁・発行日
vol.22, no.3, pp.600-604, 1993-06-15 (Released:2011-10-07)
参考文献数
19

雑種成犬閉胸正常心モデル10頭に対し左心バイパスを行い, 左心補助(LHB)施行時に呼気終末陽圧呼吸(PEEP)が右心機能に及ぼす影響について検討を加えた. 0, 5, 10, 15cm水柱のPEEP負荷に伴い右室拡張末期圧の上昇, 右室拡張末期容積, 収縮末期容積の減少, 後負荷の上昇と心拍出量の低下が認められた. これらのPEEPによる血行動態の変化はLHB施行の有無にかかわらず同様であった. LHB on, offの比較では心拍出量はPEEP 0cm水柱時にはLHB on, offによる差は認めなかったが, PEEP 15cm水柱時にはLHB onによって肺動脈入力部抵抗の15%の上昇と共に(1968±736 dynes・sec・m2/cm5LHB off vs 2254±790dynes・sec・m2/cm5LHB on: p=0.056)心拍出量の20%の有意な低下を認めた. (1.07±0.45L/min, LHB off vs 0.86±0.34L/min, LHB on:p<0.05)PEEP負荷時には左心補助は心拍出量の低下をもたらす可能性が示唆された. よってLHB施行中にはPEEPの適用に対し, より慎重である必要があると考えられた.
著者
合田 俊宏 大場 淳一 安田 慶秀 田辺 達三
出版者
一般社団法人 日本人工臓器学会
雑誌
人工臓器 (ISSN:03000818)
巻号頁・発行日
vol.22, no.3, pp.807-810, 1993-06-15 (Released:2011-10-07)
参考文献数
8

AS症例におけるAVR後の心機能を使用弁サイズ毎に検討した。対象は成人AS症例30例で, 年齢は15~87(平均56.5)歳であった。使用したSJM弁は19mm:11例, 21mm:11例, 23mm:7例, 25mm:1例で, 2例に弁輪拡大術を, 1例にパッチ拡大術を合併施行した。術後の心エコー及び心カテーテルの計測値を19mm, 21mm, 23mm, 25mm弁の順に示す。LV-Ao圧較差(mmHg)は35.5±10, 26±11, 14±6, 10と19mmvs23mm(p<0.01), 21mmvs23mm(p<0.05)で有意差があった。FS(%)は29.9±5.5, 33.2±5.5, 31.9±4.0, 35.2と各群共, 術前より改善し各群間の差はなかった。ESWS (kdynes/cm2)は84.2±16.2, 81.4±20.4, 90.2±14.8, 76.6と術前より有意に低下し各群間に差はなかった。CI, PAWPには各群間に差はなかった。NYHA心機能分類では術前平均3.0から術後1.3へ改善し, 19mmと21mmでも同様に改善していた。BSA<1.5m2の症例では19mm弁で充分な心機能と臨床症状の改善を得た。
著者
高味 良行 有木 弘 宮田 義弥 大宮 孝 石原 智嘉 伊藤 敏明
出版者
一般社団法人 日本人工臓器学会
雑誌
人工臓器 (ISSN:03000818)
巻号頁・発行日
vol.22, no.3, pp.785-788, 1993-06-15 (Released:2011-10-07)
参考文献数
8

大動脈弁置換術後65症例に連続波およびパルスドップラー心エコー法を施行し、大動脈弁位人工弁の評価法としての連続の式を用いた指標:有効弁口面積(EOA), Doppler velocity index(DVI=V 1max/V 2max), 大動脈弁狭窄率(aortic stenotic ratio(ASR)=EOA/LVOTA=V1 flow integral/V2 flow integral)の有用性について、Bernoulliの式を用いた圧較差(maxPG)と比較し検討した。(1) maxPG, EOAは、弁のサイズに強く影響され、DVI, ASRは、弁のサイズと無関係であった。(2) EOA, DVI, ASRは、maxPGと有意に負の相関を示した。(3) 種々の理由で人工弁を通過する血流量が少ないために、lnaxPGが低く算出され、連続の式の指標との間で不一致を示す例で、人工弁の開放角の低下が示された。(4) 人工弁の機能異常を示唆する指標として、DVI<0.25, ASR<0.27が得られた。以上より大動脈弁位人工弁の機能評価には、影響因子が多いInaxPGよりも、連続の式を用いたDVI, ASRが簡便かつ有用と考えられた。
著者
近藤 健一郎 梶村 光郎 藤澤 健一 梶村 光郎 藤澤 健一 三島 わかな
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

本研究は以下の諸点において従来の近代沖縄教育史研究を発展させた。第一に標準語教育実践に関して、方言札の出現時期とその歴史的意義、また発音矯正が全県的な教育課題となる契機と過程を明らかにした。第二に宮良長包に関して、沖縄の音楽教師の系譜の中に位置づけ、また彼の作詞作曲した「発音唱歌」(1919年)の教育実践上の特質を明らかにした。第三に沖縄県初等教育研究会の討議内容を通史的に明らかにした。さらに、沖縄県教育会機関誌『沖縄教育』(1906~1944年)の悉皆的な収集においても成果を収めた。
著者
熊谷 元 林 義明 廣岡 博之
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2012-04-01

タイでは、キャッサバパルプと液状ビール酵母を組み合わせた発酵混合飼料と、核酸系およびアミノ酸系調味料副生液を用いた新規飼料のin vitro第一胃発酵は良好で、ウシに対する嗜好性は高く、核酸系発酵副生液(脱塩母液)の給与が繊維成分の消化率を向上させた。フィリピンとネパールで地場産の牧草と野草を網羅して化学成分とin vitro第一胃消化率を測定した結果、粗タンパク質含量や乾物消化の季節変化が少ない上に高値を示す草種があり、それらのウシ、スイギュウ、ヤギに対する有効性が示された。ネパールではヤクのエネルギー不足とリン、カルシウムおよび銅栄養状態の低下が冬季に認められ、補助飼料の給与が推奨された。