著者
帝国興信所 編
出版者
帝国興信所
巻号頁・発行日
vol.大正9年(9版), 1920
著者
久保 武
出版者
一般社団法人 日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
雑誌
日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌 (ISSN:18817319)
巻号頁・発行日
vol.25, no.2, pp.180-185, 2015-08-31 (Released:2015-10-06)

胸部X線写真は肺病変の評価に必須の検査である.評価のポイントは多いが,病態の把握に特に重要な項目として肺容積,肺野透過性,肺血管影がある.肺容積は肺の病態を評価するのに基本的な情報で,通常は横隔膜の位置を指標として判断する.正常の横隔膜の位置には幅があるが,立位で背側第10肋間に重なることが標準的である.肺透過性の異常はほとんどの肺病変で認められる所見だが,境界不明瞭な場合は意外に指摘することが難しい.左右肺の対応する部位を比較しながら読影する習慣をつけると良い.肺血管については,明瞭さ,太さ,数に注意する.立位では正常の肺血管は上肺よりも下肺で太い.肺血管は肺野病変の評価にも利用できる.血管影が局所的に不明瞭化している場合,その部位の肺野に病変があることを疑う.上記のポイントを意識して胸部X線写真を見ることにより,肺の病態についてより的確な情報を得ることができる.
著者
倉橋 愛
出版者
日本南アジア学会
雑誌
南アジア研究 (ISSN:09155643)
巻号頁・発行日
vol.2017, no.29, pp.124-143, 2017-12-31 (Released:2018-10-31)
参考文献数
17

フォート・ウイリアム・カレッジ(FWC)は、1800年にインド総督ウェルズリー(Richard Wellesley, 1760-1842)によって、カルカッタ(現コルカタ)に設立された。このカレッジの目的は、インドの政府機関に配属される予定のイギリス東インド会社若手官吏に、インド統治業務に必要な教育を行うことであった。しかし、会社取締役会からの反対を受け、FWCは最初の5年程で、その規模を縮小せざるを得なくなった。 縮小命令後も開講が許されたのは、インド諸語科目であった。特に、ペルシア語とヒンドゥスターニー語が、FWC内では重視された。ベンガル語は当初重視されていなかったが、学生の関心が高く受講者も多かった。また、アラビア語はペルシア語やイスラーム法の研究のため、サンスクリット語はインドの伝統的な思想を学ぶ上で不可欠であるとして、教育が続けられた。 FWCは、縮小命令を受けながらも約半世紀の間存続した。教育内容がインド諸語のみに制約されながらも多くの官吏を輩出したことは、FWCが残した功績の一つであると言える。
著者
小西 達男
出版者
日本気象学会
雑誌
天気 (ISSN:05460921)
巻号頁・発行日
vol.57, no.6, pp.383-398, 2010
参考文献数
35

過去300年で最も強大とされる1828年シーボルト台風(子年の大風)について,古文書,シーボルトによる観測記録等を元に,災害の実態,原因,台風の勢力,高潮の状況を調べた.その結果,(1)佐賀藩の被害は,死者数が8,200~10,600人,負傷者数が8,900~11,600人,全壊家屋が35,000~42,000軒,半壊家屋が21,000軒程度である.佐賀藩の人口を36~37万人とすると死亡率は2~3%となる.また家屋数を8万軒とすると,建物の全壊率は約50%,全半壊率は75%程度となる.(2)北部九州での被害は,死者数が13,000~19,000人,全半壊家屋が120,000軒以上である.(3)台風は長崎県の西彼杵半島に土陸し,佐賀市北部を通って北部九州を縦断し,周防灘から山口県へ再上陸したものと思われる.中心気圧は935hPa程度,最大風速は55m/s程度と考えられる.(4)顕著な高潮被害が有明海,周防灘,福岡湾等で生じている.上の推定を基にした高潮数値シミュレーションによれば,それぞれの港湾で4.5m,3.5m,3mを超える最大潮位偏差となり,古文書による被害地域とよく一致する.(5)台風による高潮害の特徴は,類似のコース,勢力で九州北部を通過した台風9119号で観測された高潮とよく一致しており,台風経路の推定が妥当であること及びこのコースが北部九州地域にとって極めて危険であることがわかった.
著者
佐藤 麻衣
出版者
京都女子大学
巻号頁・発行日
2020

identifier:http://repo.kyoto-wu.ac.jp/dspace/handle/11173/2921
著者
渡辺 真人
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
E-journal GEO (ISSN:18808107)
巻号頁・発行日
vol.9, no.1, pp.4-12, 2014-03-31 (Released:2014-04-23)
参考文献数
16
被引用文献数
6 7

日本の各地にジオパークの活動が広まった経緯について解説し,ジオパーク活動のこれまでの成果と問題点について解説した.日本のジオパークでは,地形・地質遺産の保全に関する意識の向上や,地元の子供たちへのジオサイトを利用した野外教育の振興,教育旅行を含むジオツーリズムが徐々に盛んになるなどの成果が出始めている.一方で,ジオパークの主要なコンテンツである地球科学的なストーリーの構築に関する問題など,さまざまな課題も山積している.それらの課題を解決していくためには,日本ジオパークネットワークを通じたジオパーク間の交流,日本ジオパーク委員会の再認定審査などを通じて,各ジオパークが自らの問題に気付き,自己修正していくことが重要である.
著者
齋藤 義雄 西田 裕介 河野 健一 竹内 真太
出版者
日本理学療法士学会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
pp.11405, (Released:2018-09-08)
参考文献数
27

【目的】目的は管理職の臨床指導場面における怒りの一次感情を明らかにすること,性格特性と怒り喚起の関係を明らかにすることである。【方法】自記式アンケートにて,基本項目,性格特性,怒り感情を調査した。対象は30 ~54 歳(平均40.4 歳)の管理職の男性理学療法士22 名とした。怒りの一次感情は12 個の選択語から抽出した。各調査項目間の相関にはSpearman の順位相関分析を用いた。【結果】怒りの生じる指導場面は,後輩指導が21 件で最多。怒りの一次感情は,「困った」「心配」が高頻度出現。性格特性と各調査項目の相関は,外向性と敵意(r = –0.46),協調性と怒り喚起(r = 0.52),自尊感情と怒り喚起(r = –0.49)などに有意な相関が認められた。【結論】管理職の指導場面における怒りの一次感情は,「困った」等が多かった。また,協調性があり,勤勉でなく,自尊感情が低い指導者に怒り喚起しやすいことが示唆された。
著者
Munehiko Yamaguchi Hiromi Owada Udai Shimada Masahiro Sawada Takeshi Iriguchi Kate D. Musgrave Mark DeMaria
出版者
Meteorological Society of Japan
雑誌
SOLA (ISSN:13496476)
巻号頁・発行日
vol.14, pp.138-143, 2018 (Released:2018-10-06)
参考文献数
22
被引用文献数
1 15

This study investigates prediction of TC intensity in the western North Pacific basin using a statistical-dynamical model called the Statistical Hurricane Intensity Prediction Scheme (SHIPS), with data sources in operations at the Japan Meteorological Agency (JMA) such as the JMA/Global Spectral Model forecast fields. In addition to predicting the change in the maximum wind (Vmax) as in the original SHIPS technique, another version of SHIPS for predicting the change in the minimum sea-level pressure (Pmin) has been developed. With 13 years of training samples, a total of 26 predictors were selected from among 52 through stepwise regression. Based on three years of independent samples, the root mean square errors of both Vmax and Pmin by the 26-predictor SHIPS model were found to be much smaller than those of the JMA/GSM and a simple climatology and persistence intensity model, which JMA official intensity forecasts are currently mainly based on. The prediction accuracy was not sensitive to the number of predictors as long as the leading predictors were included. Benefits of operationalizing SHIPS include a reduction in the errors of the JMA official intensity forecasts and an extension of their forecast length beyond the current 3 days (e.g., 5 days).
著者
松田卯太郎 編
出版者
江東出版協会
巻号頁・発行日
1926

5 0 0 0 OA 腹診の全て

著者
山田 光胤
出版者
一般社団法人 日本東洋医学会
雑誌
日本東洋医学雑誌 (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.60, no.6, pp.573-582, 2009 (Released:2010-03-03)
参考文献数
10
被引用文献数
2 4

日本漢方は,診察法として腹診の手法を行う。腹診は,四診,すなわち望,聞,問,切診の中の切診の一部ではあるが,診断である証の判定の為に,最も有力な情報が得られる手技である。また,腹診は,東亜諸国,諸地域に伝承されている伝統医学の中で,日本で,唯一,独自に発展した診察法である。なお,現代行われている腹診は,主に古方,傷寒論系医学におけるものであるが,折衷派医学にも影響が及んでいる。さらに,腹診は,形式的認識ではあるが,手技,手法である故,一応の修練,習熟が必要である。本稿で,古昔より長年にわたって集積された腹診の知見を解説する。
著者
鈴木 高宏
出版者
東京大学生産技術研究所
雑誌
生産研究 (ISSN:0037105X)
巻号頁・発行日
vol.63, no.2, pp.319-324, 2011-03-01 (Released:2011-05-28)
参考文献数
4

長崎県はEV・PHVタウンの一つとして,特に離島におけるEVおよびPHV(プラグインハイブリッド車)の実用化普及モデル構築を目指して「長崎EV&ITSプロジェクト」を進めている.本プロジェクトではまず五島列島を対象地域に,世界遺産候補の教会群をはじめとした観光資源を活用し,環境にやさしく島を巡る「未来型ドライブ観光」の実現を目指している.その第一段階として,ITS車載器を搭載したEV100台とPHV2台,急速充電器8箇所15基を導入している.導入したEV・PHVは主に観光用のレンタカーとして運用され,全国でも例を見ない高い頻度で利用されており,それにより多くの課題とその対応方法が明らかになってきている.本発表ではそのような実運用の状況について第一報を行う.