著者
風間 信隆 松田 健 清水 一之
出版者
明治大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

本研究は,近年のドイツの企業システムとコーポレート・ガバナンスの動向を検討し,その結果,1)1990年代以降,ドイツの株式市場が外国人機関投資家の株式保有の増加とともに変容し,株式市場による外部コントロールが増大してきたこと,2)「株主価値重視経営」(「選択と集中」によるリストラと短期的利益重視による企業価値の極大化)が経営者に支持されてきたが,これが逆に長期的視点に立つ能力構築を妨げるとともに,業績連動報酬による経営者の高額報酬と社会的格差の拡大に結び付くものとして批判されてきていること,3)1990年代末から2000年代初頭にかけてドイツ工業連盟(BDI)会長ロゴウスキーの「共同決定は歴史の誤り」発言に見られるような,労使共同決定批判が展開されてきたが,今日ではむしろ共同決定に対する再評価が起きていること,4)しかし,グローバル化に伴い,ドイツの伝統的企業システムを支える諸制度(共同決定や労使関係,株式市場,会社機関等)も大きく変化しており,これによってドイツの企業統治の在り方も進化を遂げていることを明らかにした。
著者
田村 智昭 谷口 登志悦 青城 優 脇 功巳
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理学雑誌 (ISSN:00155691)
巻号頁・発行日
vol.95, no.4, pp.167-175, 1990
被引用文献数
1 1

マウスを用いた低酸素性脳障害モデルにおける生存時間の延長を指標に,中枢性鎮痛薬eptazocineの脳保護効果について検討した.KCN(3mg/kg,i.v.)負荷致死試験においてeptazocine 1,3,10mg/kgは生存時間を13.8,21.5,45.1%と用量依存的に延長し,この効果はnaloxone(5mg/kg)によって完全に抑制された.オピオイドκ-アゴニストのEKC,U50,488Hも有意な効果を示したが,その効力はeptazocineと比較すると弱かった,eptazocine(3,10mg/kg),EKC(10mg/kg)は減圧(190mmHg)負荷致死試験においても有意な脳保護効果が認められた.しかし,morphine(5mg/kg),pentazocine(10mg/kg)は逆に生存時間の短縮を示した.eptazocineの効果はnaloxone(5mg/kg),atropine(0.5mg/kg)いずれの前処置によっても減弱され,その作用態度はphysostigmine,diazepamの場合とは異なっていた.さらに,eptazocine(1mg/kg)とphysostigmine(0.075mg/kg)を併用した場合には相乗となった.一方eptazocine(10mg/kg)の脳保護効果は,オピオイドκ-受容体選択的なアンタゴニストMR-2266によってnaloxoneの1/5量で拮抗された.以上の結果から,eptazocineはその鎮痛用量でオピオイド炉受容体を介して脳保護効果を惹起し,その機序に脳ACh神経系の賦活化が関与する可能性が示唆された.
著者
志田義秀 著
出版者
大東出版社
巻号頁・発行日
1941
著者
影山 悦子 吉田 豊 島津 美子
出版者
独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

本研究では、法隆寺・東大寺宝物に見られる「イラン文化」の実態を明らかにすることを目的とし、「イラン文化」=西アジアのササン朝ペルシアの文化という従来の捉え方を見直し、5世紀後半から6世紀前半に中央アジアを支配したエフタルや、ソグドの影響も及んでいることを、具体的な事例を挙げて証明することを試みた。中央アジアや中国で発見された図像資料を検討することにより、東大寺正倉院に伝わる大刀の佩刀方法にはエフタルの影響が認められることや、伎楽面の酔胡王のモデルが北朝期の中国のソグド人聚落の首領であることを示した。
著者
古賀 俊策 福場 良之 福岡 義之 近藤 徳彦 西保 岳
出版者
神戸芸術工科大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2012-10-31

人類が直立二足歩行によって獲得した身体活動能力、とりわけ全身持久的運動能力は他の動物よりも優れた生理機能(循環調節や発汗など)によって支えられる。実際の持久的身体活動時には、活動強度や温度などの環境刺激が時間と共に変化する非定常状態が多くみられる。この状態では潜在的な統合生理機能(全身的協関)が顕著に抽出されるので、ヒトが進化過程で獲得した持久的運動能力の特性がより明らかになる。しかし、各々の生理機能(呼吸、循環、筋肉、体温など)が統合的に調節される仕組みについては不明な点が多い。今回は全身的協関がより顕在化する非定常状態に着目して、生理人類学的視点からヒトの持久的運動能力を総合的に検討した。
出版者
日経BP社
雑誌
日経エコロジー (ISSN:13449001)
巻号頁・発行日
no.45, pp.41-44, 2003-03

残業中の空調は、1時間で1500円の"罰金"——。日本アイ・ビー・エムの大和事業所では、平日の午後5時半以降や休日など正規の就業時間以外に空調を利用する場合、1時間で1500円を負担する仕組みを作っている。利用料との名目だが、実際にかかった電気代の割り振りとは別の、一種の課徴金制度だ。
著者
秋林 こずえ 宮城 晴美
出版者
同志社大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

米軍による性暴力の問題に取り組んできた基地・軍隊を許さない行動する女たちの会を沖縄フェミニズムの中核と位置付け、検討した。会は米軍が長期駐留する韓国や、米国本土、国連などで市民社会でのトランスナショナル・ネットワーク構築を目指す傾向が強くなってきている。そこでは新たな基地建設に抵抗する連帯とともに、基地の移設ではなく脱軍事化が追求されている。軍事占領下での米軍の性暴力については、沖縄県立公文書館で資料を見つけ、1945年以降の沖縄での米兵による性犯罪の年表を改訂した。国際的な平和構築政策に関しては、紛争下の性暴力が軍隊組織の問題という視点がさらに後退していることが明らかになった。
著者
木船 弘康
出版者
東京海洋大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2012-04-01

タグボートの低環境負荷化を目的として、ハイブリッドタグボートのシステムについて検討を行った。ハイブリッドシステムと従来方式とを比較して燃料消費傾向がどのように変化するかを推定する必要がある。そこで実機データに基づくデータベースを背景として、タグボートの燃料消費モデルを構築した。これにより様々なシステムのタグボートにおける燃料消費傾向をシミュレーションすることができるようになった。このシミュレーションを運用することで、ハイブリッドシステムの最適化を検討するための基礎資料を作成することができる。

1 0 0 0 公衆衛生

著者
松木秀明編
出版者
金原出版
巻号頁・発行日
2014