著者
UCHIDA Teiji MIKAMI Osamu
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
IEICE transactions on electronics (ISSN:09168524)
巻号頁・発行日
vol.80, no.1, pp.81-87, 1997-01-25
参考文献数
13
被引用文献数
34

Optical surface mount technology (O-SMT), which was proposed to provide a possible solution to growing serious problems in manufacturing process of optoelectronic products, is introduced. After discussing the basic idea of O-SMT, experimental results are also described to show its feasibility.
著者
大神 訓章 佐々木桂二 オオガ クニアキ ササキ ケイジ Oga Kuniaki Sasaki Keiji
出版者
山形大学
雑誌
山形大學紀要. 教育科學 (ISSN:05134668)
巻号頁・発行日
vol.13, no.4, pp.13-22(263-272), 2005-02-15
被引用文献数
1

バスケットボール競技は,1チーム5人ずつのプレイヤーからなる対峙する2チーム間の得点の多寡により勝敗は決するが,実際のゲームでは,常時5人対5人の対等な人数比でゲームが展開されているとは限らない。そこで,2003年に開催された第4回日本バスケットボール女子リーグにおけるJE 対JL のファイナル3ゲームを対象に,各クォーターごとの得点経過から2チーム間におけるオフェンス,ディフェンスそれぞれの人数比を算出し,この数値を基に,プレイ展開上における人数比の増減傾向とその標準偏差にどの程度差異がみられるのか分析を試みた。即ち,ゲーム中の攻防におけるプレイヤー数比の増減を分析することにより,テンポ或いはペースで表現されるプレイの時系列推移(「流れ」)を捉えた。分析方法は,ゲームをVTR で再現し,ゲームスコア,クォーターごとのスコア,攻撃回数(総攻撃回数,基本攻撃回数)を調べ,このデータを基に,ディフェンス人数,オフェンス人数,巡回回数,回帰係数(回帰直線),標準偏差を算出した。その結果,2チーム間の攻防における人数比を利用して,ゲームにおけるチームの流れや安定性を捉えることは,ゲームごとの戦力を詳しく分析する有意な手段であり,練習内容や,作戦の決定などに客観的な資料を提供した。 This study was analyzed for JE and JL, the women's basketball championship final games in Japan, how many difference were seen about the changing ratio of the player in offense and defense between two teams to face by mathematically progress score. The results may be summarized as follows ; 1. In the number ratio of the player in the every quarter, it was 13.1 the difference the highest numerical value and the lowest numerical value in X, 8.6 in Y in JE, it was 5.4 and 3.2 in JL. JE had substitution many times in games, so it was showed substitution had effect on the changing ratio of the player. 2. It was showed that the tempo (Nagare) changed relative ratio on opponent ability, it seemed to show the offense was down tempo, the defense was up tempo in both teams. 3. It is understood that the grasping of tempo was an effectual measure for analysis of power of team, and this seemed to show an objective information in coaching and setting practice.
著者
大野 暁彦 李 可欣 章 俊華 三谷 徹
出版者
公益社団法人 日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.76, no.5, pp.497-500, 2013 (Released:2014-05-08)
参考文献数
16

The aim of this research is revealing the spatial relationship between garden pavilions and design of the waterside in eight gardens of Suzhou registered as a World Heritage Sites. By analyzing the spatial patterns in the elevation of the waterside and pavilions, it tries to understand the pond design that is a united spatial vocabulary with the architectural character of pavilions. This spatial relationship is analyzed by constructing graphic of spatial patterns consisting of the elements surveyed in each garden through the field survey. Through the analyses of surveyed data, followings are observed; the pavilion primarily used for viewing the garden and for a rest is arranged with the waterside of natural-shaped rocks, and most of its foundation are combined with waterside by using natural-shaped rocks, and on the other hand, the pavilions for ceremonies and meetings have the waterside with artificial cut stones. This study concludes not only the importance of considering pavilions as a united set with the landscape design of the shore, but also morphological relationship of pavilions with the design of the waterside. Thus, its shape of the foundation is combined with waterside and has strong influence on whole shape and landscape characteristics of the pond.
著者
佐藤 慎一 和田 恭則 山口 俊男 勝見 晟 小林 正人
出版者
公益社団法人 日本獣医師会
雑誌
日本獣医師会雑誌 (ISSN:04466454)
巻号頁・発行日
vol.45, no.1, pp.23-27, 1992-01-20 (Released:2011-06-17)
参考文献数
8

鉛汚染の高い10日齢の黒毛和種39頭にエデト酸二ナトリウムカルシウム (Ca, Na2-EDTA) を1日当たり32~37mg/kg体重の割合で静脈内注射した. Ca, Na2-EDTAは5日間投与し, 2日間休薬後再び5日連用した. Ca, Na2-EDTA投与10週後まで子牛の血液中鉛濃度ならびに血液性状を経時的に測定し, 次の結果が得られた.1) 血液中鉛濃度はCa, Na2-EDTA投与1~4週後で高い値を示したが, 7週後では低下しはじめ10週後で有意に低い値を示した (p<0.05). 牛舎別の血液中鉛濃度の推移は1号棟 (1981年製), 2号棟 (1982年製) のもとでは鉛濃度の低下が早く, 3号棟 (1983年製) では遅かった.2) 牛舎別のδ-アミノレブリン酸脱水素酵素活性の推移は1号棟のものがCa, Na2-EDTA投与1週後から増加したが, 2, 3号棟のものでは変化がみられなかった.3) プロトポルフィリン濃度赤血球数, ヘマトクリット値, 血色素量はCa, Na2-EDTA投与1週後から高い値を示した.4) 鉛中毒の発生が2, 3号棟の子牛7頭にみられた.これら発症子牛と非発症子牛の血液中鉛濃度には有意差がみられなかった.以上の成績から, いずれの子牛も鉛中毒発生の可能性があり, それらにCa, Na2-EDTAを投与したところ, 血液中鉛濃度の低下が認められた
著者
野波 寬 土屋 博樹 桜井 国俊
出版者
日本グループ・ダイナミックス学会
雑誌
実験社会心理学研究 (ISSN:03877973)
巻号頁・発行日
pp.1211, (Released:2014-03-28)
参考文献数
36
被引用文献数
2 4

正当性とは,公共政策に対する自他の決定権について,人々が何らかの理由・価値をもとに評価する承認可能性と定義される。本研究では沖縄県における在日米軍基地政策を取り上げ,これに深く関わる当事者と関与の浅い非当事者との間で,NIMBY 問題における政策の決定権をめぐる多様なアクターの正当性とその規定因を検討した。正当性の規定因としては信頼性と法規性に焦点を当てた。当事者は精密な情報処理への動機づけが高いため,信頼性から正当性評価への影響は,評価対象のアクターごとに変化すると考えられる。これに対して非当事者は,各アクターの正当性を周辺的手がかりにもとづいて判断するため,一律的に信頼性と法規性が規定因になると仮定された。これらの仮説は支持されたが,その一方で非当事者ではNIMBY 構造に関する情報の獲得により,自己利益の維持を目指して特定アクターの正当性を承認する戦略的思考の発生が指摘された。以上を踏まえ,公共政策をめぐるアクター間の合意形成を権利構造のフレームから検証する理論的視点について論じた。
著者
村山 昌平 近藤 裕昭 三枝 信子 森本 真司
出版者
独立行政法人産業技術総合研究所
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

岐阜県高山市の冷温帯落葉広葉樹林において、炭素循環素過程の収支を評価するために、林内外の大気中CO_2濃度及びその酸素安定同位体比(δ^<18>O)、及びδ^<18>Oの変動要因と考えられる土壌中CO_2、降水、土壌水、水蒸気、葉内水のδ^<18>Oの系統的な観測を行った。得られた結果より大気中CO_2の^<18>Oの変動の特徴を明らかにし、その変動要因を考察するとともに、光合成、呼吸に伴う^<18>Oの同位体分別の変動を推定し、^<18>Oの収支からフラックス観測で得られる正味CO_2交換量を光合成と呼吸に分離評価する可能性について検討を行った。大気中CO_2のδ^<18>は、CO_2濃度と比べて複雑な日内変動を示したが、日中乾燥時には、光合成時のCO_2の^<18>Oの同位体分別が増大することに起因すると考えられる顕著なδ^<18>の増加が観測された。日中森林上で得られたCO_2のδ^<18>Oデータの季節変動は、冬季に低い値、春季に高い値を示したが、成長季は年々異なる変動を示した。成長季の変動については、相対湿度と負、日射量と正の有意な相関が見られ、夏季に湿潤であった年には初夏にδ^<18>Oは急減し、少雨で比較的乾燥した年には、初夏に最高値を示したのち緩やかに減少した。北半球中緯度の他サイトとの比較により、後者のような季節変動は、北米・ヨーロッパの多くのサイトで見られたが、前者のような変動は、モンスーンアジア域の特徴であることが示唆された。フラックス観測から推定された光合成・呼吸量と同位体分別を組み合わせてCO_2の^<18>Oのフラックスを推定し、林内1ボックスの収支モデルを用いて、観測されたCO_2のδ^<18>Oの変動と比較したが、推定された^<18>Oのフラックスから観測値の変動パターンを再現できず、光合成・呼吸量を精度良く分離推定するためには、森林内外の各層における素過程を再現する多層キャノピーモデルを用いた解析を行う必要があることが示唆された。
著者
竹内 あい
出版者
早稲田大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2008

本研究は、複数の主体の意思決定がそれぞれの結果に相互に影響を与えるゲーム的状況において、他者のとる行動を推論する人としない人でどのように行動が異なるのか、実験を用いて検証することを目的としている。しかし、これまでの実験仮説は、過去の実験結果に基づくものであり、理論によって導かれたものではなかった。帰納的ゲーム理論、とくにKaneko and Kline(2009)の理論では、相手の状況について解らない場合(以下、NRS)は、他者の取る行動の推論の有無が行動に影響を与えず、一方で相手の状況について解る場合(以下、RS)は、これが行動に影響を与える。そこで、本年度は帰納的ゲーム理論に基づき実験仮説を立て、それを検証する実験を行った。具体的には、Kaneko & Kline(2009)の理論を囚人のジレンマに応用した実験を行った。理論に基づくと、NRSの場合、あるいはRSで相手のことを考えない場合には人々は協力をせず、RSで相手のことを自分と同じように考える場合は協力が生じると予測される。そこで、3種類の囚人のジレンマについて、それぞれRSとNRSの場合を比較する実験を行った。実験の結果、理論の予測通りNRSよりもRSの方がより協力が頻繁に観察された。これにより、他者の状況に関する情報がないため相手の取る行動を推論することが出来ない場合と、それが可能な場合との比較を行うことができた。また、より詳細な分析により、帰納的ゲーム理論の前提に関する分析を行うこともできた。これにより、今後の帰納的ゲーム理論の発展に寄与することが出来たと思われる。
著者
舩田 正彦
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理学雑誌 (ISSN:00155691)
巻号頁・発行日
vol.126, no.1, pp.10-16, 2005
被引用文献数
4 3 2

薬物依存症の治療法の確立および治療薬の開発のために,依存性薬物による精神依存形成機構の解明が必要である.このためには,精神依存動物モデルを確実に,かつ安定して獲得する方法論を確立することが必須となる.条件付け場所嗜好性試験(Conditioned place preference,CPP法)は,薬物の精神依存形成能を報酬効果から予測する方法として注目されている.CPP法はパブロフ型条件付けの原理に基づいており,動物に薬物を投与した時,その薬物が引き起こす感覚効果(中枢神経作用)と装置の環境刺激(視覚,触覚,嗅覚刺激など)を結びつける方法として開発された.CPP法は薬物の報酬効果を簡便な装置を利用することで,短期間で評価できることが最大の特徴である.また,短期間での評価が可能であることから,薬物の脳内微量注入による条件付けにより,精神依存形成における責任脳部位の同定が可能になった.一方,揮発性有機溶剤は"吸入"により乱用されることから,依存形成メカニズム解明のためには,薬物吸入により精神依存性を評価する装置の開発が必須であった.そこで,薬物吸入による揮発性有機溶剤用CPP装置の開発を試みた.その結果,トルエン吸入により報酬効果の発現が確認された.このCPP装置は簡便な操作で,一定量の揮発性有機化合物を動物に吸入させることができ,トルエン以外の揮発性有機化合物の報酬効果の評価にも応用できると考えられる.CPP法は装置を工夫することで薬物吸入による依存モデルの作製も可能であり,さまざまな薬物の精神依存形成能の一次的評価方法として非常に有用である.また,操作が簡便であり,評価に要する時間も短期間であることから,薬物の精神依存形成機構の解明に大きく貢献する評価法の一つである. 現在,わが国は第三次覚せい剤乱用期にあり,薬物乱用が大きな社会問題となっている.特に,覚せい剤,コカインおよび大麻などの違法性薬物の入手の可能性がこれまでになく高まり,薬物乱用の若年層への拡大が表面化している.また,こうした薬物の慢性的な使用により,精神疾患を発症することが知られている.医療施設における薬物関連精神疾患に関する調査から,その発病に至る薬物として覚せい剤が50%,有機溶剤は30%を占め主要な原因薬物になっているのが現状である(1,2).こうした薬物関連精神疾患,薬物依存症の治療法の確立およびその治療薬の開発のために,依存性薬物による精神依存形成機構の解明が必要である. さらに,法的規制を受けていない化学物質である通称"脱法ドラッグ"の乱用は若年層を中心に浸透しているのが現状である.こうした化学物質は,強力な精神依存形成能を有する危険性や未知の毒性などが発現する危険性を有する.事実,幾つかの化学物質は乱用され重大な社会問題となっている.したがって,化学物質の薬物依存性を,迅速に評価できる動物実験の必要性が高まっている. こうした背景から,薬物の依存形成能を迅速に評価し,さらに精神依存動物モデルを確実かつ安定して獲得する方法論を確立することが重要である.国内および海外の研究施設において,条件付け場所嗜好性試験(Conditioned place preference,CPP法)は,薬物の精神依存形成能を報酬効果から予測する方法として注目されている(3,4).海外では1980年代に,ラットを使用した研究からCPP法が確立されてきた(3,4).国内では1990年代に世界に先駆けて,鈴木らにより遺伝子改変マウスの利用を視野に入れたマウスを使用したCPP法が確立された(5).その後,マウスを利用したCPP法に関する研究報告が飛躍的に増えている.CPP法に関する詳細な実験技術に関しては,既に鈴木らのグループにより紹介されている(5,6).本総説では,こうした報告を踏まえCPP法の基礎として,実際の実験方法と実験を実施する際の留意点に関して総括した.また,CPP法は薬物の報酬効果を,短期間で評価できることが最大の特徴および有用性である.すなわち,動物の維持が短期間で済むため「薬物の脳内微量注入による条件付け」の実施が可能になった.そこで,こうした技術とCPP法を利用した薬物の報酬効果発現の解析を通じ,明確になりつつある薬物精神依存形成における責任脳部位に関する代表的な知見をまとめてみた.さらに,CPP法の応用例として,当研究部で確立に成功した揮発性有機溶剤であるトルエン吸入による報酬効果評価の実例を紹介する.<br>