著者
関川 浩司 渡辺 岩雄 川口 吉洋 遠藤 辰一郎
出版者
一般社団法人日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.17, no.12, pp.2226-2229, 1984-12-01
被引用文献数
4

胆嚢病変に起因した自発性外胆嚢瘻の報告は比較的まれで,本邦では自験例を含め22例を数えるにすぎない.このうち本瘻孔の基盤となった病変は胆石症17例であり4例が胆嚢癌例であった.今回われわれは胆石症および胆嚢癌症例で腹壁に自潰することにより外胆嚢瘻の形成をみたきわめてまれな一例を経験したので報告するとともに臨床的特徴像について本邦報告例を集計し報告する.
著者
寺林 拓己 古井 陽之助 速水 治夫
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告グループウェアとネットワークサービス(GN) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2005, no.30, pp.93-98, 2005-03-18

パーソナルコンピュータ(PC)上で動作するアプリケーションは,ライセンスをPCに固定することが多い.インストールしたPC以外で利用が不可能になってしまうため正規ユーザにも利用に制限ができ不便が生じる.本論文ではライセンスをPCに固定せずにアプリケーションの運用を行う方式を提案する.「ライセンスを保有する」という情報をICチップに格納し,アプリケーションを実行する際に,定期的にデバイス内の情報を参照し,確認ができた場合のみアプリケーションを続行する.プロトタイプ及び実環境上における実験により,アプリケーションのコピーは可能であるが利用は不可能であることを確認した.また本方式の運用時におけるオーバーヘッド時間も許容範囲内であることを確認した.A PC application software is often used under a license fixed to a specific PC. This causes inconvenience that even the regular user cannot run the application on another PC. We propose a method for using the application under a portable license. In this method, an IC chip memorizes license information. While an application is executing, it regularly confirms the information stored in the IC chip to continue the execution. We conducted experiments with a prototype system and on a real environment. The experiments show that this method does not allow any copy of the application to execute without the license information stored in the IC chip, and that the overhead imposed by this method is acceptable.
著者
浅岡 章一
出版者
東京医科大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2008

本研究では,覚醒時間延長中におけるエラー後の認知的処理機能に与える夜間の仮眠の影響について検討した.エラー後の認知的処理と関連する事象関連電位(ERN/NeおよびPe)の振幅を,深夜1:00~2:00まで仮眠をとった群と休憩のみをとった群において比較した.深夜に実施した認知課題における反応の正確性は,仮眠をとった群で高くなっていた.しかし, ERN/NeとPeの振幅に対しては仮眠の効果は認められなかった.
著者
遠藤 信一
出版者
日本特殊教育学会
雑誌
特殊教育学研究 (ISSN:03873374)
巻号頁・発行日
vol.29, no.4, pp.21-25, 1992-03-30

本研究は、重症心身障害児施設に入所している一人の重度・重複障害幼児との具体的な取り組みを通して、子どもの意思の表出を促す際に、関わり手側に求められる視点を明らかにすることを目的とした。子どもに対して一方的な関わりにならないようにあらゆる場面で子どもの意向を問いかける工夫を続けていくと、指導開始当初は一人遊びをしていることが多かった対象児が、ものに働きかける動きがより明確になり、さらに人に近付いて要求を伝えようとするなどの動きがみられるようになった。重度・重複障害児の意思の表出を促すためには、あらゆる場面でコミュニケーションを図っていくことが大切であり、その際子どもにみられた何らかの動きをある意思の現れと"仮に"受け止めていくことや子どもが意思を発現しやすくするために活動の開始や終了を明確にすることなどが大切であるといえる。
著者
小田 哲 中山 心太 上西 康太 木下 真吾
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IN, 情報ネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.409, pp.35-40, 2012-01-19
被引用文献数
1

Hadoopの登場により、安価なハードウェアを用いて大規模なデータに対する高度な分析手段が普及しつつあり、その分析の精度および速度がビジネスの成否を分けるようになってきた。すなわち、大規模かつ高度な分析をリアルタイム化することが重要となる。そこで我々は大規模かつ高度なリアルタイム分析のための分散機械学習フレームワークJubatusをPFI社と共同開発した。Jubatusのゴールは、(a)オンライン機械学習アルゴリズムなどの分析処理をスケールアウトするように分散処理できること、(b)これらの分散処理をアルゴリズム間で共通化すること、(c)これらの分析処理を容易に試行錯誤しながら利用できるようにすること、の3点である。我々は(a)に関してJubatusに高度な分析をスケールアウトさせるための仕組みとして一貫性要件を緩和したmixというデータの同期機構を組み込み、そのスケールアウト性を確認した。本稿ではmixの特徴について解説し、一貫性要件の緩和の程度について検証する。
著者
三浦 猛 岡本 直幸 今泉 明 山本 浩史 村松 孝彦 山門 實 宮城 洋平
出版者
Japan Society of Ningen Dock
雑誌
人間ドック = Ningen dock : official journal of the Japanese Society of Human Dry Dock (ISSN:18801021)
巻号頁・発行日
vol.26, no.1, pp.51-55, 2011-06-30
被引用文献数
3

<b>目的:</b>血漿中アミノ酸濃度は,生理学的な代謝状態を反映することが知られており,肝臓機能障害時や種々のがんで血漿中アミノ酸濃度が変化することが示唆されている.前立腺がんの早期発見,治療につながる新しい診断マーカーの開発を目的とし,前立腺がん患者と対照者との血漿中アミノ酸濃度の比較に基づき,アミノ酸を変数とした多変量解析により作成した判別式「アミノインデックス」による前立腺がん判別の可能性を検討した.<br><b>方法:</b>前立腺がん患者と対照として人間ドック受診者の血漿中アミノ酸濃度を測定した.患者群と対照群とのアミノ酸濃度を比較し,個々のアミノ酸濃度変化を,変数選択を伴う多重ロジスティック回帰により,前立腺がん患者を判別する判別式「アミノインデックス」を導出,前立腺がんの診断能の評価を行った.判別能の評価基準としては,ROC曲線下面積(ROC_AUC)を採用した.<br><b>結果:</b>対照群と比較し,前立腺がん患者は,Alanine, Histidine,Asparagine, Prolineの増加,Triptophanの減少が見られた.導出された前立腺がんを判別する「アミノインデックス」は,ROC_AUC=0.74の判別能を有し,早期がんも検出できた.またPSAとは有意な相関は見られなかった.<br><b>結論:</b>前立腺がんを判別する「アミノインデックス」は,前立腺がんの新しい診断マーカーとなる可能性が示された.また,PSAと独立した指標であることから,PSAとの併用による有用性が示唆された.
出版者
国立公文書館
雑誌
北の丸 : 国立公文書館報 (ISSN:02865750)
巻号頁・発行日
no.46, pp.210-213,図巻頭1p, 2014-01
著者
佐渡島 紗織
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 = The journal of Information Science and Technology Association (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.64, no.1, pp.22-28, 2014

本稿の目的は,アカデミック・ライティング教育において情報リテラシーに関する問題はどのような点にあるかを検討し,今後,求められる指導の方向を示すことである。国語科教科書や小論文演習教材などをみると,日本の小・中・高・大学と受験塾では,情報を自分の文章にどのように取り込むかの,十分な指導,一貫した指導がなされていないことがわかる。引用・参考文献明記の学習を通して,《情報を再定義させる》学習をさせることが必要である。それによって,多様な立場・意見を検討した上で自身の立場を確立し,明確な意見を発信できる学生を育成したい。
著者
井田 浩之
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.64, no.1, pp.8-14, 2014-01-01

本稿では,学習者の知識創造を可能にする情報リテラシーの条件として,(1)学習者の情報リテラシー能力を向上させるための「問い」を共有するプラットフォームの必要性,(2)情報リテラシーのスキル的側面を考えたときに,「脱文脈」化されたスキルに意味があるのか,換言すれば,学習者にとっての情報リテラシー能力とは知識創造に結びついていること,(3)学習者の情報探索行動のメカニズムが解明されていない中,情報行動に制約をかける取り組みへの疑問を呈する。今後情報リテラシー教育を図書館側が牽引するには,カリキュラム,教育内容,その評価方法を含め,学習者の視点で一からデザインすることが求められていることを指摘する。