著者
原口 和也 佐々木 慶文
出版者
小樽商科大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2013-04-01

ラテン方陣完成型パズルの基本問題である「部分ラテン方陣拡大問題」に対し、効率の良い局所探索法を開発した。マクマホン立方体パズルに関連して、未解決問題1つを含む3つの問題を解いた。本研究で取扱ってきたパズルを遊ぶことのできるサイト「LatinPuzzler」およびiOSアプリ「ふとうしきパズル」を開発し、公開した。
著者
石浦 嘉之
出版者
社団法人日本泌尿器科学会
雑誌
日本泌尿器科學會雜誌 (ISSN:00215287)
巻号頁・発行日
vol.87, no.11, pp.1221-1230, 1996-11-20
参考文献数
34
被引用文献数
6 16

(目的)脳血管障害後の膀胱機能障害に関する実験的研究はこれまでに報告がなく,その病態は不明な点が多い,そこで,脳梗塞モデルを作成し検討した。(方法,結果)S-D種雄性ラットの左側内頸動脈より中大脳動脈起始部へ4-0ナイロン糸を留置して左側中大脳動脈領域の脳梗塞を作成し,覚醒,拘束下にて膀胱内圧測定を行った。塞栓より14,21,28日後の脳梗塞群の膀胱容量は非梗塞群の半分以下であった。膀胱容量は梗塞巣の面積と負の相関を示した。脳梗塞群ではoxybutynin, nifedipineの投与にて膀胱容量の有意な増大を認めたが,非梗塞群では有意な増大はみられなかった。atropineの投与により,両群ともに膀胱容量の増大,残尿量の増大,最大膀胱収縮圧の減少がみられたが両群間の有意差はなかった。利尿筋切片を作成し,in vitrcでatropineとα,β-methylene ATP前処置後の経壁電気刺激による収縮反応を測定した。その結果,脳梗塞群と偽手術群との間では神経収縮におけるムスカリン作動性成分とプリン作動性成分の構成比に相違はみられなかった。(結論)カノレシウム拮抗剤の投与により,脳梗塞ラットに有意の膀胱容量の増大が認められたのは,末梢の神経筋系に変化が生じたためでなく,中枢での薬剤感受性が変化したためと考えられた。また,これまでoxybutyninは末梢作用が主と考えられていたが,脳梗塞では中枢作用も存在すると考えられた。このモデルは,ヒト脳血管障害による排尿障害の病態や治療法の解明に有用であると考えられた。
著者
長谷 純宏
出版者
独立行政法人日本原子力研究開発機構
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2011

植物の突然変異育種の効率化を図るため、変異の方向性制御に着目した。シロイヌナズナのアントシアニン生合成関連遺伝子の発現量は蔗糖溶液を与えることによって上昇した。イオンビーム照射による色素欠損変異体の獲得頻度は、蔗糖を与えなかった幼苗に比べて蔗糖を与えた幼苗で高かったことから、高発現する遺伝子が変異を起こしやすい可能性が示唆された。
著者
鷲見 裕史
出版者
独立行政法人産業技術総合研究所
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2011

本研究では、BaO-ZnO-P_2O_5 ガラスにおいて、添加元素や合成温度がリン酸構造やプロトン伝導性に及ぼす影響について詳しく調べた。Ba を Zn で置換するとリン酸分岐構造から直鎖構造に変化し、プロトン移動度が向上した。また、合成温度の低下に伴ってプロトン濃度が上昇した。800℃で合成した 30 mol%ZnO-70 mol%P_2O_5 ガラス電解質を用いて燃料電池を試作したところ、 250℃で 1×10^<-3>S/cm の導電率および 0.4 mW/cm^2の出力が得られた。ガラス構造は、プロトン伝導性に強く影響を及ぼすことが明らかになった。
著者
青田 泰明
出版者
日本教育社会学会
雑誌
日本教育社会学会大会発表要旨集録
巻号頁・発行日
no.59, pp.279-280, 2007-09-22

不登校の克服過程において、「家族」は必ずしも一枚岩であるわけではない。そこでは、親子関係、夫婦関係に揺らぎが生じ、そうした諸関係が不登校をめぐる解決すべき課題として新たに立ち現れてくる。不登校に直面した「家族」が、どのように不登校を理解し、どのように家族関係を再構築し、いかにして不登校を克服したのかを把握することは、不登校をめぐる家族の葛藤を理解するというだけでなく、「家族」を対象とした不登校支援の観点からも、重要な意義を待つものと思われる。よって本稿では、不登校を経験した家族成員(子ども・母親・父親)それぞれの不登校理解や、成員間の関係性について分析を試みていく。具体的には、不登校が親子関係や夫婦関係に及ぼす影響、また各家族成員のライフヒストリーにおける不登校の位置付け、などについて考察していく。その際、分析対象となるのは、2004年7月から不登校経験児とその親に対して継続的に実施している、不登校経験と生育環境に関する聞き取り調査に基づく「語り」である。「語り」からは、子ども・母親・父親の志向や期待により、不登校に対する直接的ケア負担が母親一人に集中する一方で、父親に対しては間接的ケアラーとしての役割が求められていたことが見て取れた。また、そのような役割分担の結果、不登校経験に対する解釈について家族内には差異が生じていた。不登校を肯定的に再解釈する子どもと母親に対し、父親は否定的解釈から逃れることができずにいた。揺らぎが生じた「家族」の安定化を図るために、「学校に行かない」ことを肯定的に捉え直す家族戦略に、家族内で唯一乗り遅れ、葛藤を抱く父親の姿がそこにはあった。
著者
藤阪 登志男 畠山 昇 大谷 新一 山道 洋次 軸丸 幸彦
出版者
公益社団法人日本放射線技術学会
雑誌
日本放射線技術學會雜誌 (ISSN:03694305)
巻号頁・発行日
vol.47, no.8, 1991-08-01

中型自動現像機で、搬送技術及び、高画質化技術の開発を達成できた。それにより、65秒処理、235枚/時(四切)の処理能力、大型自動現像機と同等の高画質の実現が可能となり、中型自動現像機SRX-251を製品化した。(Fig.4)
著者
久保寺三郎 著
出版者
一元社
巻号頁・発行日
1930
著者
早川 正道 増田 毅 比嘉 功 小山 雄三 秦野 直 小田 正美 大澤 炯
出版者
社団法人日本泌尿器科学会
雑誌
日本泌尿器科學會雜誌 (ISSN:00215287)
巻号頁・発行日
vol.80, no.1, pp.28-34, 1989-01-20
被引用文献数
1

我々は3例の進行性腎癌患者に対して,2つの異なったtypeのLAK細胞の分割動注とrIL-2の全身投与を併用した養子免疫療法を行ったので,その効果について報告する.リンパ球分離を週1回行い,ついでPercollを用いた密度勾配遠心法でリンパ球を2つのサブタイプに分け,おのおのをrIL-2と共に培養してLAK細胞を誘導した.転移巣の栄養血管を介してLAK細胞を週2回動注した.3例中1例において,上臀動脈を介してLAK細胞を3ヵ月間動注することにより腸骨転移巣が明らかに消失した.また腰動脈へのLAK細胞動注により,腸腰筋と傍大動脈リンパ節転移の消失および腰椎転移巣の縮小が得られた1例を経験した.他の1例では,脳転移に対して内頚動脈よりLAK細胞を動注したが,脳浮腫が増悪し中止となった.LAK細胞の動注療法は,転移性腎癌の治療に有用であり,今後とも期待される方法と考えられた.
出版者
日経BP社
雑誌
日経automotive technology (ISSN:18819362)
巻号頁・発行日
no.17, pp.117-120, 2010-03

日産自動車は2009年8月2日、2010年度の後半に日米欧で発売を予定する新型電気自動車(EV)「リーフ」を、横浜グローバル本社のオープニングセレモニーで発表した。2009年11月5日には、発売へ向けて先行予約希望者の登録を開始している。 すでに2009年夏、富士重工業と三菱自動車工業が相次いで既存の軽自動車を基にしたEVの法人向け販売を始めている。
著者
竹内 崇
出版者
東京医科歯科大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2004

本研究は、現在おもに使用されているドーパミンーセロトニン受容体遮断薬の非定型抗精神病薬によっても十分に改善しない、陰性症状・認知機能低下などに対し、NMDA受容体グリシン結合部位アゴニストとして作用するD-サイクロセリンの臨床応用の可能性を検討することを目的としている。D-サイクロセリンはすでに本邦では抗結核薬として承認されており身体的安全性のデータの蓄積はあるが、脳内の薬物動態の解析についてはほとんど解析されていない。本年度は、陰性症状を主体とする統合失調症患者に対して、6週間のクロスオーバーによるD-サイクロセリンおよびplaceboを経口投与する二重盲検法の臨床試験を開始した。各種臨床評価尺度をもちいて、平成16、17年度に評価者間のばらつきを検討した評価尺度を使って症状改善度を評価すると同時に、最終評価後に統合失調症の難治性症状に対する有用性と有効血中濃度を検討するため、D-サイクロセリン血中濃度測定用の採血を行った。また、投与開始前に拡散テンソル画像を含むMRI検査を施行し、統合失調症患者の脳の形態およびMRIシグナルの特徴について、D-サイクロセリンの臨床効果を予測する指標としての可能性を調べている。現在のところ臨床試験を開始した統合失調症患者の症例数が少数であるため、陰性症状・認知機能低下に対するD-サイクロセリンの有用性に関して結論には至っていない。今後は症例数を重ねて解析を継続していく予定である。一方、動物実験において、内側前頭葉皮質における、内在性NMDA受容体コアゴニストのD-セリンの細胞外液中濃度に対するD-サイクロセリンの影響を調べた。さらに、この相互作用の分子機序を知るため、大脳皮質初代培養系細胞の準備を進めた。
著者
鈴木 江津子
出版者
上智大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2011

記憶の生理学的基礎と考えられている海馬長期増強は、生体内ではあまり見られない高頻度な電気刺激をシナプ部に与えることにより誘導されることが多く、内在性の誘導メカニズムは明確ではない。本研究では、内在性の長期増強誘導メカニズムとしてのアセチルコリン受容体およびカリウムイオンチャネルの可能性を検討することを目的とした。ラット海馬スライス標本を用い、内在性のアセチルコリン放出による海馬長期増強調節作用メカニズムについて検討した。海馬CA1への海馬内入力線維であるシャファー側枝に対し、高頻度刺激を与える30秒前に中隔からのアセチルコリン入力線維のあるCA1上昇層に対し電気刺激を行うことにより、高頻度刺激によるCA1長期増強の程度が有意に増加することが確認された。この長期増強の増大は、ムスカリン性アセチルコリン受容体(mAChR)阻害薬投与により阻害された。一方で、Kv7/M型カリウムイオンチャネル阻害薬を、mAChR阻害薬と同時投与することにより、上昇層刺激による高頻度刺激誘導性長期増強の増大が認められた。また、Kv7/M型カリウムイオンチャネル阻害下では、上昇層への先行刺激なしに、高頻度刺激のみでも長期増強の程度が増大した。カリウムイオンチャネルの不活性化は細胞膜の脱分極を引き起こすことから、膜電位依存性カルシウムイオンチャネル活性化により細胞内にカルシウムイオンが流入し、長期増強増大が生じている可能性を検討するため、T/R型カルシウムイオンチャネル阻害薬を投与したところ、上昇層刺激による高頻度刺激誘導性長期増強増大が阻害された。このことから、内在性アセチルコリン放出による長期増強増大には、mAChR活性化およびKv7/M型カリウムイオンチャネル不活性化とそれに伴う膜電位依存性カルシウムイオンチャネル活性化が関与していることが示された。
著者
中里 トシ子
出版者
一般社団法人日本調理科学会
雑誌
調理科学 (ISSN:09105360)
巻号頁・発行日
vol.10, no.3, pp.134-143, 1977-09-20

ガス超高速レンジを用いて天板の温度変化と温度分布を測定し,スポンジケーキ,およびパウンドケーキを焙焼した。本実験で得た事項を要約すると次の通りである。1)中段の天板の中心部の温度変化は,所定の温度に達すると作動ランプが消え,自動的に点滅しはじめ2分以後に安定する。所定の温度に達するまでの時間は160℃で4分30秒前後かかり,温度が20℃高まると作動ランプが消えるのに約1分ほど長くなる。2)天板の温度分布は上段では右後方が最も高く,左前方が最も低い。中段では後方が高く前方が低い。下段では左後方が最も高く,右前方が最も低い。しかしその温度差も2分後には±2℃〜4℃となる。3)上・中・下段の天板の中心部の温度分布は,天板1枚ずつ入れた場合には有意差がなく,上・中・下段に3枚の天板を同時に入れた場合は,中段が最も低く,上段,下段の順に高くなっている。しかしその温度差も3分後には±1℃〜2℃となる。4)スポンジケーキの焼き色は,上・中・下段で別々に1枚ずつ焙焼した場合には,ほとんど均一でよい結果が得られた。しかし上・中・下段で同時に3枚のケーキを焙焼した場合は,中段は焼きむらがなくよく焼け,上段は焼き色が濃く,焼きむらがあり,下段は焼き色が薄く,焼きむらがみられた。5)パウンドケーキを1本焼く場合は,170℃36分焙焼した結果がよく,2本または4本同時に焼く場合には,180℃35分焙焼したケーキによい結果が得られた。6)ガス消費量はスポンジケーキ,パウンドケーキ,いずれの場合も同時に多くのケーキを焙焼したほうが,1個当たりのガス消費量が従来のガスオーブンより少ない。したがって超高速レンジは,同時に多くの調理をする大量炊事(集団給食)や学校調理に用いることが時間的にも,ガス消費量の面からも経済的である。終りに本研究に関し,終始ご懇切にご指導いただきました山崎清子教授に深く感謝申し上げます。また,本実験にいろいろ御協力下さいました皆川知子助手,ならびにご便宜をいただきました東京瓦斯株式会杜に厚くお礼申し上げます。