著者
金子 大介 三井 実
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.36, no.54, pp.53-56, 2012-12-04
参考文献数
18

近年,音楽データの管理・再生をPCで行う人が増え,PCを再生機器として使用するPCオーディオが隆盛である.D/A変換をPC内部で行うとアナログ音声信号に影響を及ぼし音質劣化に繋がるため,外部DACが登場した.ディジタル信号しか扱わないPCでは理論上信号は変化しないはずだが,その再生音質はPCの構成によって変化すると言われている.その原因は,D/A変換を行う際のサンプリングClock jitterであると考えられる.jitterとは信号波形の時間軸方向の揺らぎであり,jitterが乗ると理論的には変化しないはずのアナログ出力信号が変化してしまう.本研究では,PCの動作環境とjitter量,更に音質との関係性を明らかにする.
著者
鄭 顕志 中川 博之 川俣 洋次郎 吉岡 信和 深澤 良彰 本位田 真一
出版者
日本ソフトウェア科学会
雑誌
コンピュータ ソフトウェア (ISSN:02896540)
巻号頁・発行日
vol.25, no.4, pp.4_121-4_132, 2008-10-28 (Released:2008-11-30)
被引用文献数
1

ユビキタスコンピューティングにおけるアプリケーションは,実世界の状態を把握し,ユーザに対してより積極的なサポートを行わなければならない.このようなアプリケーションを効率良く開発するためには,従来とは異なる新たなアプリケーション開発手法が必要となり,数多くの研究が行われている.本論文では,ユビキタスコンピューティングにおける,アプリケーション開発手法に関する研究動向を調査し,傾向と問題点を整理する.
著者
古川園 智樹 井庭 崇
雑誌
研究報告数理モデル化と問題解決(MPS)
巻号頁・発行日
vol.2013-MPS-92, no.21, pp.1-5, 2013-02-20

本論文の目的は,戦後日本の防衛政策を立案してきた防衛庁内の政策ネットワークを明らかにすることである.そのために,本論文では,1954 年から 2005 年までの防衛庁内の人事異動データを分析する.課をネットワークのノード,人事異動をネットワークのエッジとして捉えれば,人事異動は課同士のネットワークとして分析することができる.我々はこのネットワークを 「課ネットワーク」 と呼ぶ.この課ネットワークを分析した結果,このネットワークがスモールワールドネットワークであることも明らかになった.
出版者
日経BP社
雑誌
日経コンストラクション (ISSN:09153470)
巻号頁・発行日
no.405, pp.14-15, 2006-08-11

活発な梅雨前線による大雨で7月中旬から下旬にかけて,鹿児島県や長野県など,各地で大きな被害が相次いだ。8月2日時点で,大雨による死者や行方不明者は32人,全壊した住宅は136棟,床上浸水は3233棟を数えた。 気象庁は7月15日から24日までの大雨を「平成18年7月豪雨」と命名した。
著者
峯田 史郎
出版者
早稲田大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2011

本研究では、大メコン圏(GMS)において、国家スケール主導の開発プログラムによって社会変化を強いられてきた生活者に注目し、彼ら自身が生活領域を確保する実態を検証することを目的とした。境界地域に暮らす生活者は、関係する各種行為体から、政治的、経済的、文化的影響を受けながらも、境界領域の権力構造を巧みに利用し、生存戦略を模索する過程を明らかにすることができた。
著者
喜田 大三 川地 武
出版者
公益社団法人地盤工学会
雑誌
土質工学会論文報告集 (ISSN:03851621)
巻号頁・発行日
vol.19, no.3, 1979-09-15

従来, 泥水の調合・管理は主として泥水掘削時の逸泥を含む崩壊防止に重点がおかれていたが, 地中壁体の構造体への利用度が高まると共に, 良質な地中壁体の築造という見地から泥水管理を見直す必要性が生じてきた。特にスライム処理の問題は構造体の性能に重大な影響を与えるものであるので, その点を考慮して室内実験を行い, 各種泥水中のスライム粒子の沈降や堆積の挙動を調査し, 以下の知見を得た。スライム粒子の泥水中における沈降速度はストークスの沈降式に従い, 堆積後に自重圧密を受けて平衡状態に至るが, 自重圧密に要する時間は堆積厚や粘度の増大につれて長くなる。堆積後一夜経過したスライムの間隙比はファンネル粘度の低い泥水中では0.9前後であるのに対し, 粘度が高くなると1.0を越え流動化しやすくなって重錘が容易に沈下する。スライムの沈降促進, 堆積スライムの自重圧密促進や密度増加などを考慮すると, 泥水の粘度は低いことが好ましく, 特にベントナイト泥水の場合にはファンネル粘度の上限値を30秒前後とすることが望ましい。
著者
初田 賢司 原田 晃 大野 治
出版者
プロジェクトマネジメント学会
雑誌
プロジェクトマネジメント学会誌 (ISSN:1345031X)
巻号頁・発行日
vol.4, no.4, pp.14-18, 2002-08-15

ソフトウェア開発プロジェクトの見積は,難しいと言われている.要求が曖昧な段階で見積を求められることに加えて,e-プロジェクト等の出現が見積の困難さに拍車をかけている.プロジェクトの成否は,見積の精度に大きく左右されるが,依然として見積者の暗黙知によるところが大きい.本稿では,見積の曖昧さを排除し,合理性,客観性,妥当性を高めるために,見積のアクティビティを分析し,マネジメントとエンジニアリングの観点から考察する.
著者
松井 雄志
巻号頁・発行日
2012

筑波大学博士 (工学) 学位論文・平成24年3月23日授与 (甲第6032号)
著者
中山 留美子 長濱 文与 中島 誠 中西 良文 南 学
出版者
京都大学高等教育研究開発推進センター
雑誌
京都大学高等教育研究 (ISSN:13414836)
巻号頁・発行日
vol.16, pp.37-48, 2010-12-01

In 2009, a First-Year-Experience (FYE) course of Mie University was introduced as an endeavor to transform students into active learners by having them acquire the university's educational goals. Mie University established this program to allow the students acquire generic skills broadly categorized into four abilities: to appreciate (kanjiru), to analyze (kangaeru), to communicate, and to integrate those skills in various practical situations (ikiru). The course consisted of 16 sessions. The first five sessions emphasized communication practices to enable the students to brush up their discussion skills. In the next seven workshops, the students were assigned a group project to complete. The last four sessions included presentation, evaluation of the projects, and reflection of their achievements. The student's responses were measured by a scholastic achievement evaluation, which was administered in September. To clarify the effect of the FYE course, we compared the evaluation of students enrolled in 2008 with 2009. ANOVA revealed significant differences in the evaluations. Their expectancy to acquire the four abilities was not as low as those who did not take this course. In addition, the majority of the students felt that their communication and practical skills had improved. Among all freshman in 2009, the evaluations for students who took the FYE course showed a similar trend. This course was evaluated as successful in transforming the students into active learners.
著者
小坂 克子
出版者
九州大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1992

我々は嗅覚の一次中枢嗅球におけるGABAニューロンについて、ニューロンの化学的性質及び形態的性質の両方に注目し、発生学的解析を進めてきた。現在までの結果は以下のことである。A.発生過程での表現形質の可塑的変化の可能性:我々の免疫細胞化学的研究によって、従来独立であるとされていた古典的神経伝達物質GABAとカテコールアミンが嗅球糸球体層で同一ニューロンに共存していることが判明し、しかも成体では共存関係を示さないニューロンも発生過程では一過性に共存関係を示し発生過程において古典的伝達物質GABAとカテコールアミンの共存関係が変化していく所見を得た.これは胎生後期に発生したGABA陽性カテコールアミンニューロンが、発生途上での表現形質の可塑的変化の可能性を示唆する所見であった。更に、ある時期に発生するニューロンを特異的に除去するX線照射実験により、上記の所見を支持する結果を得た。B.免疫細胞化学的研究によって嗅球の外網状層に存在するCa-結合蛋白parvalbumin(PV)含有ニューロンがGABAニューロンの一部であることを明かにし、Golgi鍍銀様に染色できるPV抗体で細胞体及び神経突起の形や広がりを解析した。その結果外網状層に存在するPV含有GABAニューロンは形態的に少なくとも5つ以上のサブグループに分けられた。更に、発生学的解析でそれらのPV含有ニューロンはラットでは生後10日頃、外網状層の内半層に観察され、その後急激に数が増えるが外網状層外半層には生後2週で初めて陽性細胞が出現し生後3週でほとんど成体と同様になる事を明かにした。我々はこの観察からa)外網状層の外半、内半の発生が著しく異なること、b)PVの発現が、推定されるニューロンとしての発生からかなり遅れていることを示唆する所見を得ることができた。
著者
神野 由紀
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究. 特集号 (ISSN:09196803)
巻号頁・発行日
vol.9, no.4, pp.13-20, 2002-03-31
参考文献数
51
被引用文献数
2
著者
神野 由紀
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究. 研究発表大会概要集 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
no.45, pp.60-61, 1998-10-30

In moden times of Japan, a child was discovered its existence and became an object of consumption. As well as any other children's articles, children's clothes were appeared with various backgrounds of those days. In this report, I revealed, from the end of Meiji to Taisho, what kind of market children's clothes established as merchandise, and deversities of the product range which I confirmed from my reserch of Doi Child Living Museum which owned children's clothes sold in in department stores and catalogues of department stores in those days.
著者
岸下 直弘 間下 以大 清川 清 竹村 治雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MVE, マルチメディア・仮想環境基礎 (ISSN:21859329)
巻号頁・発行日
vol.112, no.106, pp.85-90, 2012-06-19
参考文献数
12

近年,超広視野且つウェアラブルな光学透過型ヘッドマウントディスプレイ(See-Through Head-Mounted Display)の開発が進められている.これが実現すれば,ウェアラブル拡張現実感(AR)システムにおいて周辺視野の利用が可能になる.しかし,AR環境において広視野を活かした情報提示に関する研究はほとんどなされていない.そこで本研究では広視野シースルーHMDの利用を想定し,周辺視野を有効活用した情報提示手法を検討した後,その有効性を没入型投影ディスプレイCAVEを用いたバーチャルリアリティ(VR)空間により評価する.情報提示手法としては,注釈対象に向かう紐付きの注釈をHMDの視野周縁付近に表示するというシステムを実装した.実験の結果,視野角を問わず,注釈対象の位置に重ねて注釈を表示する手法に比べ,視野周縁に注釈を移動することにより注釈対象の発見率は向上した.また視野角を問わず,注釈に点滅による誘目動作を行わせても発見率は向上しなかった.
著者
工藤 彰 村井 源 徃住 彰文
出版者
情報知識学会
雑誌
情報知識学会誌 (ISSN:09171436)
巻号頁・発行日
vol.22, no.3, pp.187-202, 2012-10-10 (Released:2012-11-30)
参考文献数
21

本論文の目的は,物語の推移に伴った単語の布置と変化から,並行形式小説がどのような構造を持っているのかを明らかにすることである.対象としたデータは,村上春樹の小説『1Q84』とし,二人の主人公である青豆と天吾のそれぞれの章に対して,語彙頻度を測度とした因子分析と変化率分析を行った.その結果,因子分析からはお互いのBOOK2までの特徴がBOOK3で相手の側に現れ,未消化だった二人の再会の物語を完結させるためにBOOK3が書かれたことが明確になった.変化率分析からは,物語進行に従って対称的に登場する二人の人物が発見された.また文芸批評との比較も行い,本研究の分析手法が物語の理解に有効であることを確認した.
著者
宮﨑 隆志 日置 真世
出版者
北海道大学大学院教育学研究院附属子ども発達臨床研究センター = Research and Clinical Center for Child Development, Faculty of Education, Hokkaido University
雑誌
子ども発達臨床研究 (ISSN:18821707)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.11-20, 2010-03-25

社会的に排除された若者の自立支援にコミュニティ・エンパワメントの視点から接近する意義と課題を検討した。具体的な事例に即して、共時的移行の困難と自己の構造化の困難との関連を確認した上で、コミュニティ・エンパワメント型支援実践の構造を解明した。最後に、そのようなタイプの実践がもたらす自己の構造変化を、協働的な自己再構成の過程として抽出し、協働的活動システムの構築による支援実践や教育実践の可能性を導いた。