著者
中逵 弘能 金山 博臣 高橋 正幸 福森 知治
出版者
徳島大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

浸潤性膀胱がん細胞株、組織において、mRNAレベル、タンパクレベルでactinin-4の高発現が認められた。siRNA actinin-4を用いたノックダウンにより、浸潤能が抑制されたが、増殖能は抑制されなかったことより、actinin-4は浸潤能への関与が示唆された。Actinin-4が細胞膜ヘリクルートされず、細胞質に集積することが、腫瘍の浸潤、転移に関与していることが示唆される。
出版者
潮書房
雑誌
巻号頁・発行日
vol.52, no.7, pp.146-149, 1999-07
著者
森 章 樋口 良彦 武田 博清
出版者
応用森林学会
雑誌
森林応用研究 (ISSN:13429493)
巻号頁・発行日
vol.9, no.2, pp.13-17, 2000-09-25
被引用文献数
6

DGPS(ディファレンシャルGPS)の林内での測位精度を調べ,様々な林分間で比較した。DGPSにより測位した点は,SA(選択利用性)の影響のもとで,測位の平均点から1m円内にほとんどの点が含まれた。また,測位誤差は,樹幹に近づくほど大きくなった。測位誤差の林分による違いは,落葉済みの落葉広葉樹林内で,林外と誤差に有意な差はなかったが,常緑樹林内は,広葉樹林,針葉樹林ともに,林外より誤差が有意に大きくなった。これらの結果,林内でDGPSを使用する際には,できるだけ樹幹よりDGPS受信機を離して測位を行うこと,落葉広葉樹のある林分では落葉済みの冬季に測位を行うこと,常緑樹林内では上層の開空度の高い位置で測位を行うことで精度が高まると考えられた。さらに,実際の森林でのDGPSの使用方法として,林内の毎木調査の例を挙げると,できるだけ樹幹より離れており,かつ,上層の開けた位置にDGPS受信機を設置し,そこからレーザーレンジファインダーなどでオフセットして,測位を行うことで,精度が高まると考えられた。
著者
今井 正司
出版者
早稲田大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2008

本年度における研究テーマは、発達障害児における注意制御機能の促進が学習課題遂行に関する認知と感情に及ぼす影響について検討することであった。具体的には、認知神経課題を用いて注意制御機能を促進することで、学習への取組みに必要な「集中力」「達成動機」という認知的側面を向上させ、「イライラ感(怒り)」「無力感」などの感情的側面を自己制御できるようにすることであった。成人を対象にして行われた注意制御機能の促進に関する研究においては、「注意制御機能の促進は、メタ認知的な対処方略を活性化させ、感情制御能力を高める」という知見が得られている。本研究は、これらの研究知見を学習に対する困難さを抱えている児童に適用した神経教育学的アプローチという新たな視点に基づく試みであった。研究の結果、注意制御機能の促進は、集中力や達成動機に関する能力を向上させ、課題遂行に伴うネガティブな感情を制御する効果が示された。特に、課題遂行に伴う「イライラ感」や「衝動性」の制御において効果がみられ、学校生活場面においては、攻撃行動の低減(自己抑制)が顕著に示された。しかしながら、「全問正解しなければ意味がない」などの「過度な完全主義的認知」を有している児童の場合には、注意制御機能とは別の認知機能にも焦点を当てる必要性が課題として示された。神経教育学的アプローチに基づく本研究においては、学校適応の基盤となる認知・感情・行動に関する制御機能の獲得促進に関する具体案と根拠が示されたといえる。今後は、本研究で得られた知見を、特別支援教育において有益な実証的知見を蓄積している応用行動分析的アプローチに組み込むことで、さらなる効果を期待できることから、教育臨床的に意義が高い研究であると言える。
著者
阿部 洋丈
出版者
筑波大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2012-04-01

ネットワークを介してデータ転送を行う場合のスループット予測技術を応用したシステムの実現、および、予測技術そのものの拡張を目指した研究を実施した。具体的には、予測技術に基づいた広域の相互バックアップシステムやグリッドコンピューティングメタスケジューラのプロトタイピング、TCP 輻輳制御における恒常性の分析、および、マルチパスTCP転送への予測技術の応用などに取り組んだ。
著者
高木 一義 高木 直史
出版者
名古屋大学
雑誌
特定領域研究
巻号頁・発行日
2006

単一磁束量子デバイスによる実現に適した論理回路構成法を検討し、回路設計フローとそのために必要な設計支援に関する研究を行ない、以下の成果を得た。(1) 乗算および開平のための回路アルゴリズムの設計を行なった。(2) クロック同期式順序回路の合成のための一手法を提案した。(3) クロック信号の配信のための、クロックスケジューリングアルゴリズムを提案した。(4) レイアウトを考慮したクロック木構成法を開発した。(5) パイプライン動作の検証手法を開発した。
著者
黒堀 利夫 青島 紳一郎
出版者
金沢大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006

フェムト秒(fs)パルスの際立った二つの特徴を最大限に活用した「単一パルス干渉露光法」を用いて, 透明材料であるフッ化リチウム(LiF)結晶へのサブミクロン間隔のグレーティングの直接書き込みと同時に同じ材料中に形成されるレーザー利得を有するカラーセンターからのルミネッセンスとを併用した室温での二波長(緑, 赤色)可視域, パルス動作分布帰還型(DFB)カラーセンターレーザーを実現した.
著者
横枕 一成 三瓶 政一 原田 博司 森永 規彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. RCS, 無線通信システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.598, pp.25-30, 2005-01-20
参考文献数
11
被引用文献数
1

次世代移動通信システム(B3G : Beyond Third Generation)の候補として開発されているDPC-OF/TDMA(Dynamic Parameter Controlled-Orthogonal Frequency and Time Division Multiple Access)システムは, 伝送方式としてOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)方式を採用しており, システム帯域全体を64サブキャリアからなる複数のサブチャネルブロックに分割し, 端末の規模やサービスに応じて複数のサブチャネルブロックを使用することで, 様々な種類の端末を同時に収容可能なシステムである.この場合, 下り回線においては, 基地局が送信する共通ハイロット信号から各端末が自律的に必要な帯域分の伝搬路特性を推定する方式が必要となる.そこで本検討では, DPC-OF/TDMAシステムの下り回線において, 使用するサブチャネルブロック数によらない伝搬路推定方式を提案する.提案方式では, インバルス性が高く, 各サブキャリアの位相を変化させることでインバルスの立つタイミングを容易に変更可能なCI(Carrier Interferometry)をベースとしたバイロット信号を用い, インバルス応答を推定する.各端末では, 各サブキャリアのタイミング制御用の位相を補償する際, 使用するサブチャネル数に応じて異なる位相量で補償することで, 必要な帯域分の伝搬路特性を推定する.提案方式を計算機シミュレーションにより評価した結果, 各サブキャリアの伝搬路特性を高精度に推定でき, 使用するサブチャネル数によらず端末が自律的に必要帯域の伝搬路特性を推定できることを確認した.
著者
帝国興信所 編
出版者
帝国興信所
巻号頁・発行日
vol.大正10年(第10版), 1921
著者
Mika SHIRASU Kouki FUJIOKA Satoshi KAKISHIMA Shunji NAGAI Yasuko TOMIZAWA Hirokazu TSUKAYA Jin MURATA Yoshinobu MANOME Kazushige TOUHARA
出版者
(社)日本農芸化学会
雑誌
Bioscience, Biotechnology, and Biochemistry (ISSN:09168451)
巻号頁・発行日
vol.74, no.12, pp.2550-2554, 2010-12-23 (Released:2010-12-23)
参考文献数
16
被引用文献数
31

The titan arum, Amorphophallus titanum, is a flowering plant with the largest inflorescence in the world. The flower emits a unique rotting animal-like odor that attracts insects for pollination. To determine the chemical identity of this characteristic odor, we performed gas chromatography-mass spectrometry-olfactometry analysis of volatiles derived from the inflorescence. The main odorant causing the smell during the flower-opening phase was identified as dimethyl trisulfide, a compound with a sulfury odor that has been found to be emitted from some vegetables, microorganisms, and cancerous wounds.
著者
高原 淳一 久武 信太郎 栗原 一壽
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

プラズモニック導波路は金属を用いた光導波路であり、光の回折限界よりずっと微小な領域での光伝送など誘電体光導波路では不可能な機能を実現できる。金属薄膜は最も基本的なプラズモニック導波路である。本研究では金属薄膜を用いて超集束、分散制御によるスローライトや負屈折などの新しい光機能へとつながる現象を見出し、実際に受動機能デバイスを実現した。将来はナノ空間での非線形光学デバイスの効率向上に応用できる。
著者
伊谷 行 加藤 真
出版者
日本貝類学会
雑誌
Venus : journal of the Malacological Society of Japan (ISSN:13482955)
巻号頁・発行日
vol.61, no.3, pp.193-202, 2002-12-31
参考文献数
36
被引用文献数
1

南西諸島を含む西日本に分布するオオノガイ科二枚貝類のクシケマスオガイについて, アナジャコ下目甲殻類の巣穴への共生と殻形態の変異を調査した。底質中の正確な位置を確認できた数個体のクシケマスオガイは, アナジャコ, ヨコヤアナジャコ, ミナミアナジャコ, ニホンスナモグリの巣穴の近くから採集された。その個体は, いずれも水管のある殻後部を巣穴に向けていたこと, 堆積物中深くに分布していたことから, この貝はアナジャコ類の巣穴に水管を開口する懸濁物食者であることが示唆された。巣穴への開口は確認できなかったが, クシケマスオガイはバルスアナジャコ, ナルトアナジャコ, Upogebia pugnaxの巣穴が多く存在する堆積物中からも採集された。殻形態の計測により, クシケマスオガイは成長とともに, 殻高/殻長比および殻幅/殻長比が大きくなるように成長することが分かった。これはこの貝が共生生活によって長い水管を必要としないことによるものかもしれない。また, 奄美大島産の個体は本州, 沖縄本島, 石垣島の個体より, サイズが小さく, 殻幅が厚い傾向が見られた。
著者
半田 太郎
出版者
九州大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2010

近年,超音速マイクロ噴流を工学的に応用する試みが数多くなされている.各種機器に超音速マイクロ噴流を効率良く適用するためにはこの噴流の詳細な構造を理解する必要がある.とくにマイクロ噴流のブレークダウン長さは,ブレークダウンが起こると噴流が急激に乱れて広がり始めるので,応用上この長さを知ることは極めて重要である.本研究ではレーザー蛍光・りん光法を用いて超音速マイクロ噴流のブレークダウン長さを計測した.その結果,ブレークダウン長さはレイノルズ数の増加とともに減少し,亜音速マイクロ噴流と似た実験結果が得られた.しかしながら,亜音速マイクロ噴流ではブレークダウン長さはレイノルズ数の逆数に比例するが,超音速マイクロ噴流ではそのような結果とはならなかった.この結果から,超音速マイクロ噴流にはレイノルズ数以外にもブレークダウン長さを支配するパラメータが存在することが明らかになった.
著者
肖 鳳超 中田 洋平 村野 公俊 上 芳夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. C, エレクトロニクス (ISSN:13452827)
巻号頁・発行日
vol.89, no.11, pp.885-893, 2006-11-01
参考文献数
19
被引用文献数
16

回路基板において,グランド層に入ったスリットを十分な間隔をおいてまたぐ平行な2本のトレース線路が配置されているとき,この線路間には大きなレベルのクロストーク現象が発生する.この現象が磁界結合(誘導性結合)であることを実験的に明らかにし,これを根拠に等価回路モデルを提案し,実験結果と比較することによって検証している.更に,このモデルを用いてスリット間に挿入するステッチングキャパシタのクロストーク低減効果を評価している.
出版者
高橋書店
巻号頁・発行日
vol.〔1〕 梅野由兵衛迎駕籠聚楽町段, 1885
著者
外林 秀之 菊池 和朗
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会総合大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.1997, no.1, 1997-03-06

能動モード同期ファイバレーザのように分散および非線形が顕著となるレーザでは, 分散および光パワーを調整すれば従来のモードロック理論で求められるパルス幅より短いパルス生成が可能である。本報告では離調に対するファイバレーザの安定性がバルス幅短縮化によりどのように影響されるかを検討する。