著者
Kiminobu Tanizawa Kentaro Fukunaga Noriko Okumura Mitsuko Sugimura Eisaku Tanaka Takashi Hajiro Minoru Sakuramoto Masayoshi Minakuchi Seishu Hashimoto Takehiro Yasuda Yusuke Kaji Kohei Ikezoe Eizaburo Sato Toshifumi Nakajima Yoshio Taguchi
出版者
The Japanese Society of Internal Medicine
雑誌
Internal Medicine (ISSN:09182918)
巻号頁・発行日
vol.49, no.12, pp.1179-1183, 2010 (Released:2010-06-15)
参考文献数
26
被引用文献数
3 3

A standard treatment has not yet been established for elderly small-cell lung cancer patients, especially when they have end-stage renal disease. We report the first case of successful chemoradiotherapy in an elderly small-cell lung cancer patient undergoing continuous ambulatory peritoneal dialysis. A 77-year-old Japanese man on continuous ambulatory peritoneal dialysis was diagnosed as having limited disease small-cell lung cancer. He received four monthly cycles of chemotherapy consisting of carboplatin at 240 mg/m2 on day 1 and etoposide at 40 mg/m2 on days 1 and 3. He underwent additional hemodialysis on days 1 and 3, while continuous ambulatory peritoneal dialysis continued as usual on the other days. Following chemotherapy, he underwent hyperfractionated radiotherapy to a total dose of 45 Grey, resulting in complete remission of the disease. A pharmacokinetic study showed an area under the concentration-time curve of carboplatin of 3.41 to 4.88 mg·min/mL, increasing gradually over the first three cycles, while etoposide did not show this gradual increase. The increased area under the concentration-time curve of carboplatin may have reflected a worsened renal function during chemotherapy. Despite dose reductions and favorable areas under the concentration-ime curve of carboplatin, the patient suffered grade 3-4 hematological toxicities, necessitating transfusions and a further dose reduction. The patient died of recurrent small-cell lung cancer 19 months after diagnosis.
著者
夏目 美詠子
出版者
日本中東学会
雑誌
日本中東学会年報 (ISSN:09137858)
巻号頁・発行日
no.11, pp.71-130, 1996-03-31

本稿はトルコの現代政治史を,共和国成立以来の国民統合と社会発展の過程で"後進地域"として取り残されてきた東部トルコの視点から再構築しようという試みである。1991年の総選挙で,"クルド問題"の議論と解決を叫ぶ人民労働党(PLP)のクルド系議員22名が南東部トルコの圧倒的支持を得て当選したことと,やはり東部トルコで支持を集めた福祉党を中心とするイスラム・極右連合が躍進したことは,トルコ内外に大きな衝撃を与えた。それはオスマン帝国時代から,その多様な宗教・民族・言語構成と国家の統治体制に組み込まれることなく生き残った部族社会の故に,"異端な辺境"として中央政治から疎外されてきた東部トルコが初めて"合法的政治手段によって"中央に突きつけた強烈な政治要求であった。1950年の多党制導入以後の総選挙で,東部トルコでは中道右・左派の二大政党が弱く,少数政党や無所属候補者に票が分散し,かつ地元有力者による部族票のコントロールで唐突で組織的な支持政党の転換が行われるなど,その特異な投票行動が注目を集めた。しかし中央エリートや過去の研究者は,これを東部の後進性の発露に過ぎず,国全体の経済・社会発展とともにこうした後進性は克服され,均質な国民文化の中にその特異性は吸収されるという"進化論"的な国家史観で論断した。本稿は過去の東部選挙民の投票行動を分析することによりその政治的意味を改めて問い直し,トルコの民主国家としての発展を阻害してきたこの国家史観の致命的な欠陥を明らかにしようとするものである。

1 0 0 0 粘性現像法

著者
高木 卓四郎
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン (ISSN:03743470)
巻号頁・発行日
vol.19, no.4, pp.265-269, 1965-04-01

これは処理液に適度な粘度をもたせてフィルム乳剤面にぬり, 高温で短い時間のうちに現像処理をすますことができる新しい方式である.現像機の機構とあいまって, 処理液は乳剤にぬられるまで空気にはまったくふれず, また, 疲労した液は温湯で洗い流され, いつも新しい同じ品質の液が作用するので, 処理管理が非常に容易である.今回のオリンピック放送においては, 現像技術者なしに録画フィルムは全部この方式で処理された.テレビフィルムの現像処理の合理化, あるいは, たまにしか処理を行なわないような現像場, その他いろいろの方面で今後有望な方式である.
著者
松永 孝治 飯田 正博 西田 孝史 大久保 英彦
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.26, no.57, pp.9-12, 2002-09-06

「FIFA2002ワールドカップ」(日本,韓国共催)のスタジオパート,およびハイライト番組をバーチャルセットシステムを使って生放送した.3次元リアルタイムCGソフト「vizrt」(vizrt社製)とハイビジョン描画システム「AV-VS3000」(松下社製)を組み合わせたバーチャルシステムの構築は今回初めてである.ペデスタルカメラ用とクレーンカメラ用の2式のバーチャルシステムを1台の制御PCで制御する構成とし,カメラデータのフォーマット変換およびvizrtのシーンの外部制御のためのプログラムを開発した.
著者
尹 秀麗
出版者
一橋大学
雑誌
一橋社会科学 (ISSN:18814956)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.151-181, 2008-06

本論文では、大連市の行政区域をAブロックとBブロックに分けて、Aブロックの主要市部を中心に、生活ごみの処理現状を明らかにし、ごみ処理の有料化政策やごみの焼却処理を導入する是非を検討した。大連市では生活ごみの処理は埋立法を中心として行なわれており、ごみには生ごみや埋立ごみ(無機物質)は大半を占めているため、「高水分・低カロリー」という性格を持っている。ごみ分別が普及しないため、資源物の混入率が高く、地域ごとにごみ組成の相異が存在している。ごみ処理の有料化を、ハルビン市及び日本の日野市との比較を通して考察した。大連市ではごみ処理有料化の導入はごみの減量化を図るというよりは、ごみ処理にかかるコストの住民負担を意図したものである。大連市の現状では、ごみの焼却処理やごみ処理の有料化を安易に導入するよりも、ごみ分別の徹底、生ごみのリサイクル、リサイクル資源の回収などを優先して実施する必要性を指摘した。