著者
福間 義子 川井 幸子 上村 芳枝 清水 満喜子 寺岡 千恵子 岸田 典子
出版者
県立広島大学
雑誌
県立広島女子大学生活科学部紀要 (ISSN:13467816)
巻号頁・発行日
vol.10, pp.59-72, 2004-12-22

栄養士養成課程での給食管理実習の動向を検証すべく、平成元年から15年間の昼食給食献立(67献立)を施設の更新を機に、平成6年以前(前期28献立)と平成7年以降(後期39献立)に2区分し、食品素材及び調理などの面から比較検討した結果は、次のようであった。1.前・後期を比較すると、後期の方に増加したのは、女子大学生や学内喫食者を対象とする献立、給食目標では、食物繊維・カルシウム・鉄など複合した設定や行事食であった。また、1回当たりの平均食品使用数は後期の方が多かった。2.食品群別食品出現頻度を見ると、前・後期とも最も高い食品群は野菜類、低い食品群は種実類で、後期の方に高い食品群は、野菜類、調味料及び香辛料類、きのこ類、し好飲料類であり、後期には、食品の多様化・少量料理により出現頻度が増す傾向があった。また、食品群別使用量は、前期では、藻類、牛乳、その他の乳類が、後期では、緑黄色野菜、きのこ類が有意に多かった。3.前・後期ともに、主食料理は、混ぜご飯が最も多く、主菜料理は、肉料理の出現率が最も高く、次いで魚介料理、豆腐料理、卵料理の順であり、副菜料理は、緑黄色野菜やいも類の水媒体の調理操作が多かった。食品別に見ると、肉料理は素材が鶏肉から豚肉に移行しており、魚介料理では白身魚より青身魚が増え、汁物に貝を使う料理が多くなっていた。4.実施献立表から作成した食品群別荷重平均成分表について、前・後期で比較すると、食品群で豆・大豆製品、漬物、藻類、水産練り製品、肉類加工品、し好飲料類に若干の違いが見られるが、全体的にはほとんど違いはなかった。終わりに、本研究を行うに当たり資料提供をご快諾くださいました、元本学非常勤講師松村恵美子先生、山本英子先生、元本学教員橘高博美先生に深謝いたします。
著者
高橋 紀子 岡田 ミヨ子 長谷川 由紀子 佐藤 紀子 成田 琢磨 神谷 千鶴 浅沼 義博
出版者
秋田大学
雑誌
秋田大学医学部保健学科紀要 (ISSN:13478664)
巻号頁・発行日
vol.12, no.1, pp.58-67, 2004-03-31

糖尿病患者に対し,教育入院用クリニカルパスを作成し,7例に適用した.このパスの中での栄養士の果たす役割は,アウトカムを「食事療法の必要性が理解でき,ご飯などの秤量ができ,退院後も継続できる」とした.入院期間は平均24日であり,この間に全例において, 3回栄養指導を行うことができた.入院時に調査した患者の食事状況については,7例中6例が間食をしていた.また,食事傾向は7例中5例が基本量よりも多く食べていた.また,7例中2例では食事療法に対する家族の協力は得られず,問題を抱えていた.教育入院前後のBody Mass Index (BMI)は,入院時27.4±4.8,退院時26.7±4.6であった.また,収縮期血圧は,各140±26mmHg,117±18mmHgであった.BMI,収縮期血圧ともに入院により有意に改善した.血液検査成績として,空腹時血糖, HbAlcを測定した.空腹時血糖は,入院時182±40mg/dl,退院時132±52mg/dlであった.また,HbA1cは,各10.0±1.8%, 8.0±0.9%であった.空腹時血糖,HbA1cともに入院により有意に改善した.退院時に,食事療法の理解度を調査した.摂取エネルギー量や主食・主菜・副菜の組み合わせの理解は7例ともあった.また,食品交換表の理解は,「ある」が3例,「1部ある」が3例であり,「ない」は1例のみであった.糖尿病教育入院用クリニカルパスを用いて管理栄養士が食事療法に介入することは,計画的に栄養指導を行うことができる,栄養士がチーム医療のなかに積極的に入ることができる等の理由により有意義であると考える.
著者
山田 芳子 福永 峰子 梅原 頼子 印南 京子 田中 治夫
出版者
鈴鹿大学短期大学部
雑誌
鈴鹿短期大学紀要 (ISSN:09158421)
巻号頁・発行日
vol.12, pp.87-103, 1992-02

三重県農林水産部農政課では,三重県における四日市・松阪地区の県立高等学校家政科2年生(女子)164名を対象として,食生活改善重点啓発事業のひとつとして「ヤング食生活講座」を実施した。実施に伴い判明した問題点は次の通りである。1)自覚症状のある者の割合は「疲れやすい」がトップで62.5%,ついで「体がだるい」50.0%,「目覚めが悪い」48.4%であった。2)食事時間が「規則正しい」は22.2%であった。食事にかける時間は,夕食>朝食>昼食の順で短かった。3)朝食の欠食頻度は「ほとんど毎日」が28.8%と高値であった。4)間食はかなり高い摂取頻度であった。夜食・外食の摂取頻度は低い。5)食品や料理の組み合わせを「いつも考えている」は3.1%,「ときどき考えている」は32.3%であった。好きな料理の組み合わせについては主食をご飯,おかずは洋風といった和洋折衷が好まれた。6)食事時間と健康状態,朝食摂取頻度と健康状態および食欲と欠食状況との間には有意差(X^2,P<0.05)が認められた。7)栄養素等摂取量では鉄(60.9%),カルシウム(67.9%)が大幅に不足しており,次いでビタミンC(74.9%),ビタミンB_2(76.4%),ビタミンB_1(78.1%),ビタミンA(83.6%)であった。8)栄養比率はほほ理想的パターンを示した。9)食品群別摂取量では緑黄色野菜(32.7%),淡色野菜(41.3%),果物(32.1%),牛乳・乳製品(35.8%)であり,摂取不足が著しい。
著者
野上 素一
出版者
イタリア学会
雑誌
イタリア学会誌 (ISSN:03872947)
巻号頁・発行日
vol.9, pp.1-7, 1961

<p>Novellatori e novellatrici del Decameron quasi sempre usano le parole d'appello prima di cominciare a novellare. Queste parole d'appello sono "carissime donne" "valorose donne" "bellissime donne" ecc. e ne troviamo circa 83 specie in tutto Decameron, ma abbiamo escluso(dal punto della vista del valore di queste parole d'appelloche sono usate nella novella e fuori della novella)quelle che sono state adoperate nella Introduzione e nel proemio del IV giornata e nella Conclusione dell'autore. Anche abbiamo escluso quelle che sono state adoperate da alcuni novellatori o novellatrici dopo aver finito a raccontare le novelle. Dunque, troviamo un fatto singolare che alcuna parola d'appello sono preferite da qualche particolare novellatore o novellatrice. Tra 83 parole d'appello, l'unica che era adoperata da tutti e "carissime donne" un tipo molto comune nello stesso tempo senza particolare colore. Invece "valorose donne" e stata adoperata 4 volte, 2 volte da Pampinea, 2 volte da Neifile e una volta da Emilia ed alla fine 3 volte da Filostrato. Ma non possiamo valorizzare sullo stesso livello "valorose donne" adoperata da Filostrate con le altre valorose donne" adoperate da novellatrici, perche Filostrato e uomo e possiamo sospettere che nella parola d'appello usato da novellatore si mescola qualche senso di lusinga che non si trova nella parola d'appello pronunciata da novellatrice. Dunque troviamo Pampinea e Neifile(queste due dame certamente possiedono qualche carattere simile)che adoperano e preferiscono di piu questa parola "valorose donne", pero tenendo in considerazione che Pampinea adopera una volta l'altra parola d'appello simile cioe "valorose giovani", possiamo considerare che Pampinea abbia usato di piu questo tipo di parola d'appello fra dieci novellatori di Decameron. Ciascuno e libero di adoperare qualsiasi parola d'appello ma solamente Pampinea e Neifile e Emilia hanno adoperato questa parola d'appello(escludendo Filostrato)e Pampinea ne ha adoperato di piu. Che cosa significherebbe questo fatto? Possiamo forse indovinare il carattere di Pampinea da questa indice e questa preferenza? In fatti esaminando nel testo troviamo un comportamento straordinario della Pampinea. Essa era leader delle altre donne adunate nella chiesa di Santa Maria dei Fiori per andare a qualche villa fuori della citta, e quando loro sono arrivati alla villa, essa e eletta come la regina della prima giornata e quando essa racconta nella prima giornata in decimo posto dice seguenti parole-come che oggi poche o niuna donna rimasa ci sia la quale o ne' ntenda alcuno leggiadro o a quello, se pur lo' ntendesse, sappia rispondere : general vergogna e di noi e di tutte quelle che vivono-cosi Pampinea esalta la neccessita di aumentare la abilta femminile. Anche nella quarta giornata, quando tocca a essa a raccontare, il comportamento di Pampinea e un poco diverso di altri, perche mentre gli altri obbediscono all' ordine del re di quella giornata cioe Filostrato che diede un tema di coloro li cui amori ebbero infelice fine, essa sola a se sentendo il comandamento venuto piu per la sua affezione cognobbe l'animo delle compagne che quello del re per le sue parole, e per cio, piu disposta a dovere alquanto recreare loro che a dovere, fuori che del comandamento solo, il re contentare, a dire una novella, senza uscir del proposto, da ridere si dispose. Da tale atteggiamento, possiamo comprendere il carattere di Pampinea e un tipo non solamente autoritario ma anche di un carattere che aspira la urgente neccesita di alzare valore della donna. Ecco ho trovato finalmente un specie di parallelismo fra carattere di Pampinea e la sua preferita parola d'appello. Tra gli altri novellatrori e novellatrici, qualche volta simile parallelismo e</p><p>(View PDF for the rest of the abstract.)</p>
著者
菅野 俊介 新藤 忠徳
出版者
一般社団法人日本建築学会
雑誌
建築雑誌 (ISSN:00038555)
巻号頁・発行日
vol.100, no.1231, pp.66-67, 1985-03-20

昭和59年度鉄筋コンクリート構造部門パネルディスカッションは,標記題目について大会2日目(10月15日)9時30分より12時30分までの3時間,司会:末永保美(横浜国大),副司会:望月重(武蔵工大)のもとで行われ,約180名の会員が参加した。まず司会者より主旨説明があり,続いて園部泰寿(筑波大),野村設郎(理科大),広沢雅也(建研),望月重,今井弘(筑波大),狩野芳一(明大),荒川総一郎(住宅都市整備公団)から主題説明があった。そのあと活発な討論があり,最後に園部泰寿が主題説明と討論の要旨をまとめて閉会した。
著者
岡倉 古志郎
出版者
社会経済史学会
雑誌
社會經濟史學 (ISSN:00380113)
巻号頁・発行日
vol.14, no.5, pp.22-43, 1944-08-15
著者
大下 智友美
出版者
大阪歯科学会
雑誌
歯科医学
巻号頁・発行日
vol.56, no.5, pp.385-397, 1993
被引用文献数
3

&emsp;近年、若年の咬合異常者と顎関節症状を有するものとの関連について注目が集まっている。本研究は、小児における顆頭運動の基礎的なデータを得ることを目的として、下顎に対して終末蝶番運動、protrusion-retrusion、mediotrusion-medioretrusion、opening-closing という 4 つの基本運動を行わせ、顆路描記装置 Axi-Path II Recorder を用いて顆頭運動路の三次元的な記録を行った。そしてその運動路の距離ならびに角度計測を行い、平均値を求めると同時に計測結果について成人と比較分析し、以下の結論を得た。<br>1. Manipulation technique により reference position での顆頭の蝶番軸点を求めることは、小児においても可能であり、かつ有効であることが認められた。<br>2. Hellman の dental stage III A~III B の小児の顆頭運動について各計測項目における平均値のデータを求めることができた。<br>3. 小児の excursive な運動は成人よりも浅い角度で滑走していた。<br>4. Protrusion、mediotrusion 時の顆頭の運動距離について小児と成人を比較したところ有意差は認められなかった。Opening 時の運動距離は小児のほうが有意に小さかった。<br>5. Mediotrusion 時の顆頭の側方変位量について左右を比較すると、小児では Motility、Mobility ともに左右差がみられなかったが、成人では右側のほうが左側より大きな値を示した。小児と成人を比較すると、右側では Motility、Mobility ともに差が認められなかった。左側では Mobility には差が認められなかったが、Motility は成人のほうが小児より小さな値を示した。<br>&emsp;これらのデータは小児歯科臨床においてアンテリアガイダンスとポステリアガイダンスの調和のとれた顎運動を行うことのできる顎顔面系の成長を育成するうえで重要な参考資料になると考えられる。
著者
足立 満 森川 昭廣 石原 享介
出版者
一般社団法人 日本アレルギー学会
雑誌
アレルギー (ISSN:00214884)
巻号頁・発行日
vol.51, no.5, pp.411-420, 2002
参考文献数
10
被引用文献数
25

本邦における喘息患者の実態を調査するために,2000年9月から12月にかけて全国に無作為に電話によるインタビューを行った.協力世帯は38,132世帯,このうち喘息患者は1,326世帯で確認され,最終的に成人401名,小児402名の喘息患者を解析対象とした.この1ヵ月間の喘息の症状は成人,小児ともに日中で半数以上,夜間で4割で認められた.この1年間の通院は成人で4割,小児で6割が経験した.日常生活・社会活動上で何らかの制約を感じたのは成人で7割,小児で6割に及んだ.肺機能検査を受けたことが無い患者は成人で半数,小児で8割に上った.喘息の病態を「気道炎症」と回答した患者は成人で6%,小児の保護者で7%,吸入ステロイド薬使用頻度は成人で12%,小児で5%と低くかった.重症の患者では客観的重症度と白己評価の重症度に大きなギャップが認められ,自分を実際よりも軽症と判断している場合が多かった.本調査より,有効な治療法が存在するにもかかわらず,本邦の喘息管理はガイドラインの目標に遥かに及んでいないことが判明した.全ての臨床医への正しい知識の普及,さらに喘息に対する社会認識を高めるためより一層の社会への教育,啓蒙の重要性が示唆された.
著者
浦内 真司
出版者
解放社
雑誌
新世紀 (ISSN:13447904)
巻号頁・発行日
no.222, pp.141-149, 2006-05