著者
佐伯旭雅 著
出版者
法蔵館
巻号頁・発行日
vol.巻第1−3, 1887
著者
加藤 弓枝
出版者
豊田工業高等専門学校
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2007

本研究では、江戸時代において、身分的・空間的境界領域の人々による学問の営為がいかなるものであったのかについて注目し、とくに和歌を中心に考察した。その結果、とりわけ非蔵人の学芸活動の実態に関して明らかにすることできた。具体的には、彼らが「書籍講」という独特の「講」を営み、書物を共同購入していたことを明らかにすることができた。これらの成果によって、近世文壇史・文化史へ新たな視点を提示することができた。
著者
日笠 久美
出版者
The Japan Society for Oriental Medicine
雑誌
日本東洋医学雑誌 (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.45, no.2, pp.393-399, 1994-10-20 (Released:2010-03-12)
参考文献数
8

肝性脳症を示した肝硬変に対して, 大黄を中心とした漢方治療で, 症状の改善が見られた2症例を経験した。症例1は54歳, 女性。肝硬変, 及び慢性腎炎により腹水を発現して来院した。分消湯血鼓加減を投与して, 腹水は消失したが, その後に便秘と共に意識レベルが低下し, 高アンモニア血症を認めた。分消湯血鼓加減に大黄を徐々に10gまで投与したところ, 便秘が改善し, 意識レベルの正常化を認めた。症例2は68歳, 女性。肝硬変に高血圧を合併したが, 強いふらつき感とともに高アンモニア血症を認めた。七物降下湯15gとともに大黄末を5gまで徐々に増量するに比例してアンモニア値が低下した。上記2例とも大黄の増量で血中アンモニアは低下したが, アミノ酸組成には影響を与えなかった。大黄には潟下作用や腸内細菌への抗菌作用により, 間接的にアンモニアを低下させるとともに, 直接的にもアンモニア低下作用があると考えられる。また大黄の鎮静作用も脳症状の改善に作用していると考えられる。
著者
乾 隆帝 中尾 遼平 齋藤 稔 赤松 良久
出版者
福岡工業大学総合研究機構
雑誌
福岡工業大学総合研究機構研究所報 (ISSN:24345725)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.79-83, 2021-10-31

Recently, it has become clear that there are two clades in Liobagrus reinii, which can reasonably be judged as separate species. In this study, we attempted to clarify the differences in distribution and habitat of the two clades of Liobagrus reinii in the Gonokawa and the Ota River Systems by using environmental DNA analysis metabarcoding. In the Gonokawa River System, the number of the present sites and environmental DNA concentrations of clade 1 were higher than those of clade 2. In the Ota River System, the number of the present sites and environmental DNA concentrations of clade 2 were higher than those of clade 1. In both river systems, clade 1 tended to be found at lower elevations and clade 2 at higher elevations.
著者
永浜 武彦 武井 洋一 鮫島 千秋
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.577-582, 1960-07-20

I.緒言 最近感音性難聴に対するコンドロイチン硫酸の効果が注目され,その治療成績も発表され始めた。著者らの教室でもこの薬剤を使用しているが,現在までの治療成績を検討し,中間成績として発表することにした。
著者
West Brett J. Su Chen X. C. Jarakae Jensen
出版者
The Japanese Society of Toxicology
雑誌
The Journal of Toxicological Sciences (ISSN:03881350)
巻号頁・発行日
vol.34, no.5, pp.581-585, 2009-10-01 (Released:2009-10-01)
参考文献数
15
被引用文献数
24 31

Morinda citrifolia (noni) fruit juice has been approved as a safe food in many nations. A few cases of hepatitis in people who had been drinking noni juice have been reported, even though no causal link could be established between the liver injury and ingestion of the juice. To more fully evaluate the hepatotoxic potential of noni fruit juice, in vitro hepatotoxicity tests were conducted in human liver cells, HepG2 cell line. A subchronic oral toxicity test of noni fruit was also performed in Sprague-Dawley (SD) rats to provide benchmark data for understanding the safety of noni juice, without the potential confounding variables associated with many commercial noni juice products. Freeze-dried filtered noni fruit puree did not decrease HepG2 cell viability or induce neutral lipid accumulation and phospholipidosis. There were no histopathological changes or evidence of dose-responses in hematological and clinical chemistry measurements, including liver function tests. The no-observed-adverse-effect level (NOAEL) for freeze-dried noni fruit puree is greater than 6.86 g/kg body weight, equivalent to approximately 90 ml of noni fruit juice/kg. These findings corroborate previous conclusions that consumption of noni fruit juice is unlikely to induce adverse liver effects.
著者
谷口 潤
出版者
佛教大学大学院
雑誌
佛教大学大学院紀要. 文学研究科篇 (ISSN:18833985)
巻号頁・発行日
no.48, pp.111-126, 2020-03-01

『古事記』・『日本書紀』に見える草薙剣は、従来三種の神器のうちの一つとして、受け継ぐことで王権の正統性を保証する神璽の剣であるとされてきた。しかし神野志隆光によってそうした草薙剣の姿は『記』・『紀』には見られないことが明らにされ、『古語拾遺』がそうした言説を生み出したことが示された。本稿ではこれを受け、『古語拾遺』を編纂した斎部広成の側から『古語拾遺』の草薙剣を読み解き、『古語拾遺』の草薙剣をめぐる言説が、九世紀における天皇即位儀礼とどのように関わっていたのかを見ることで、草薙剣と神璽の剣の同一視が斎部氏の固有の祭祀実践によるものであったことを明らかにする。また、『古語拾遺』の神武天皇即位の場面に登場する殿祭の記述から、そうした斎部氏の実践が九世紀における即位儀礼の変化に対応するものであったことを示す。草薙剣『古語拾遺』斎部氏即位儀礼神璽
著者
谷口 潤
出版者
佛教大学大学院
雑誌
佛教大学大学院紀要. 文学研究科篇 (ISSN:18833985)
巻号頁・発行日
no.49, pp.27-43, 2021-03-31

『尾張国熱田太神宮縁起』(以下『縁起』とする)は熱田社における根本縁起だが、長らくその成立については論争もなされている。しかし近年、中世神話研究の影響を受け、本書を日本紀享受の歴史に位置付ける議論がなされている。本稿ではこうした議論から、『縁起』の奥書の部分を自らの由来を語る神話として読むことで、テキストから離れることなくその成立に迫っていく。『縁起』の注目すべき点として草薙剣を「神璽の剣」として扱わず、かつ祭神である草薙剣だけでなくヤマトタケルについても詳細に記載している点がある。こうした問題を検討するためにも、本稿は熱田社の大宮司家である尾張氏と藤原氏に注目し『縁起』を読み進める。それにより『縁起』が律令制、および地方神祇祭祀の変化の中で成立してきた事、そうした成立の契機が奥書によって神話化されていたという事を明らかにする。『尾張国熱田太神宮縁起』『古語拾遺』草薙剣尾張氏藤原氏
著者
下村 賢人 高島 健太郎 西本 一志
雑誌
研究報告グループウェアとネットワークサービス(GN) (ISSN:21888744)
巻号頁・発行日
vol.2020-GN-110, no.9, pp.1-7, 2020-03-09

既存の観念にとらわれない発想を行う目的で,飲酒の機会を活用しようとする事例が見られる.これまでにも飲酒に関する○○についての研究は行われているが,飲酒時に創出されるアイデアの活用に関してはほとんど検討されてこなかった.本研究では,飲酒者が創出したアイデアを非飲酒者が参照することによって,より良いアイデアを創出できるという仮説を立て,その検証を実施した.実験の結果,非飲酒者のアイデアを参照したときと比較して,飲酒者のアイデアを参照した場合,より多くのアイデアを創出し,実現可能性はやや低いものの独自性が有意に高いアイデアを創出できるようになることを確認した.
著者
寺下 和宏
出版者
日本NPO学会
雑誌
ノンプロフィット・レビュー (ISSN:13464116)
巻号頁・発行日
vol.21, no.1+2, pp.81-93, 2022 (Released:2022-04-01)
参考文献数
26

本稿は,ヘイトスピーチ解消法の事例分析から,市民社会組織のブーメラン戦略がいかなる政治的帰結をもたらすのかを明らかにした.これまでの研究では,国内での政治アクセスが難しい市民社会組織は,他国や国際機関を通じて,圧力をかけるブーメラン・パターンによって政治的帰結を生じさせていると論じてきた.他方で,ブーメラン・パターンによる国際的圧力は限定的なものであるという反論もあった.しかし,いずれの議論もモデルの妥当性には疑問符がつき,実証性に乏しい.そこで本稿では,合理的選択論に基づき仮説を構築した上で,日本におけるヘイトスピーチの政治過程を検討した.その結果,イシュー・セイリアンスと,選挙サイクルの組み合わせによって,与党がとりうる行動が変わり,その結果生じる帰結も異なったことで,差別規制には不完全な法律が制定されたことを明らかにした.これにより,市民社会組織のブーメラン戦略によってもたらされた国際的圧力は,国内アクターによって利用される可能性を示した.

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出版者
衆議院事務局
巻号頁・発行日
vol.大正13年12月編 乙, 1924
著者
今泉 明子 古山 登隆
出版者
公益社団法人 日本皮膚科学会
雑誌
日本皮膚科学会雑誌 (ISSN:0021499X)
巻号頁・発行日
vol.126, no.11, pp.2085-2093, 2016-10-20 (Released:2016-10-20)
参考文献数
17

最近,エイジングに対する治療は関心が高く,その中でも注目されている治療のひとつにシワ治療が挙げられる.シワ治療の中でも注入療法は,安全かつ短時間で効果を得られる満足度の高い治療といえる一方で,満足度を上げるためには適応が大切である.注入療法において適正な治療を行うためには,老化のメカニズム,薬剤の基礎的知識はもとより,実際の治療に関わる解剖学的構造,治療の特性などを理解する必要がある.ここでは,皮膚科医にとって必要な注入に関する知識と明日から診療に役立つ安全な手技を紹介する.
著者
白川 俊之
出版者
数理社会学会
雑誌
理論と方法 (ISSN:09131442)
巻号頁・発行日
vol.25, no.2, pp.249-265, 2010 (Released:2011-03-12)
参考文献数
41
被引用文献数
8

日本とアメリカにおいて,ひとり親家族で育つことが子どもの学力形成にあたえている影響を検討する.父不在と母不在とで,子どものリテラシーへの影響の程度と影響が生じる過程が異なりうることをふまえ,2つの仮説を提示する.ひとり親家族は貧困であったり経済的に不安定であったりするため,子どもの学力形成に不利が生じると,第1の仮説は主張する(経済的剥奪仮説).一方,第2の仮説は,ひとり親家族における子どもへの教育的関与の水準の低さが,学力低下の原因になっているという可能性に着目するものである(関係的剥奪仮説).これらの2つの仮説を手がかりに,父/母不在家族のそれぞれを両親のそろった家族と比較したとき,子どもの学力形成に関してどのような不利が見られるのかを分析する.PISA2000のテスト結果から学力の指標を取り出し家族構成との関係を調べたところ,日米に共通の結果として,以下の知見がえられた.(1)子どもの学力は家族の形態で有意に異なり,母不在家族の子どもの学力がとくに低い.(2)家族形態と資源保有との関連については,父不在家族において経済的資源の不足が見られる.母不在家族では経済的資源の不足に加えて,関係的資源の顕著な不足が特徴的である.(3)父不在家族の子どもの学力の低さの背後には,経済的な不利が要因として働いている.(4)母不在家族の子どもの低学力は,家族単位の資源不足の観点からは説明することができない.
著者
加藤 純一
出版者
筑波大学
巻号頁・発行日
1999

筑波大学博士 (体育科学) 学位論文・平成11年3月25日授与 (乙第1527号)