著者
竹沢 攻一
出版者
日本物理教育学会
雑誌
物理教育
巻号頁・発行日
vol.25, no.4, pp.202-205, 1977

将棋倒しは大変イメージがはっきりした現象であり,固体中の協力現象の視覚的モデルに利用できる可能性がある.ところが将棋倒しは加速度的に速さを増して倒れていくのか,一定の速さで倒れるのかという点についてさえ明確な測定はなされていない.そこで,この点にかぎって観測した結果を報告する.簡単のために一直線上に同じ大きさの駒が並んでいる系の1駒モデルについて述べる.現象論的パラメーターである衝突係数が1より大きいときは加速度的に,1より小さいときは終速度に達することが示される.また実際に駒が倒れる様子を連続写真撮影で観察した.その結果,消しゴムの駒の場合には初めの2〜3駒で終速度に達することがわかった.
著者
中山 誠
出版者
関西国際大学
雑誌
研究紀要 (ISSN:13455311)
巻号頁・発行日
no.13, pp.91-103, 2012-03

我が国では,犯罪の発生数が減少しているのに対して,再犯率は近年,著しく増加している。とりわけ,子どもに対する性犯罪の再犯を減らすために,本研究ではアメリカ合衆国で導入されたミーガンの法律の効果が調べられた。しかしながら,ミーガン法は犯人の人権を侵害する可能性が有り,日本の再犯防止には役立たないと考えられた。その結果,犯罪者の評価や再教育が最も重要だと結論された。
著者
常岡 充子 高野 陽太郎
出版者
日本社会心理学会
雑誌
社会心理学研究 (ISSN:09161503)
巻号頁・発行日
vol.27, no.2, pp.93-100, 2012

The purpose of this experiment was to examine a causal relation between perspective-taking and verbal aggression. A participant conducted verbal communication through a computer with another supposed participant (actually, a computer program). Half of the participants first performed a task that was designed to activate perspective-taking, whereas the other half first performed a different task that was designed not to activate perspective-taking. In verbal communication, it was found that those who had not activated perspective-taking increased the number of instances of verbal aggression as the alleged counterpart became more aggressive, whereas those who had activated perspective-taking did not. This finding suggests that activation of perspective-taking has the effect of suppressing an increase in verbal aggression toward a person who increases verbal aggression.
著者
吉村 直子 井上 智雄
雑誌
研究報告グループウェアとネットワークサービス(GN)
巻号頁・発行日
vol.2012, no.5, pp.1-8, 2012-03-14
被引用文献数
1

災害等の非常時にも信頼できる情報インフラとしてソーシャルメディアは注目を集めている.非常時の情報発信は公共機関の重要な役割だが,ソーシャルメディアのアカウントをどのように運用すべきかは明らかではない.本研究では,東日本大震災の発生前から発生後の 3 ヶ月間を対象として,Twitter における公共機関アカウントの運用状況を調べた.34 アカウントで,投稿数と内容,他アカウントからのフォロー数を関係を調べたところ,発信者である自治体独自の一次情報や個人ユーザへの返信の割合が大きい場合にフォロワー数の増加が著しいこと等が分かった.この分析の結果を踏まえて,災害時の Twitter における公共機関アカウントの運用ガイドラインをまとめた.Social medium has been known as a reliable information infrastructure in emergency. Providing information in emergency is an important role of the governmental institution, yet how the social medium account should be used is unknown. This research investigated the logs of 34 governmental accounts in Twitter for 3 months including the Great East Japan Earthquake. We found that original information and personal replies by the governmental accounts resulted in the increased number of the followers. The operating guideline for a governmental Twitter account was summarized according to the results.
著者
加藤 直志 加藤 弓枝 三宅 宏幸 KATO T. KATO Y. MIYAKE H.
出版者
名古屋大学教育学部附属中・高等学校
雑誌
名古屋大学教育学部附属中高等学校紀要 (ISSN:03874761)
巻号頁・発行日
vol.62, pp.154-165, 2018-03-01

昨年度に続き、日本近世文学会の「出前授業」の一環として、同学会から2名の研究者を講師に迎え、中学1年生を対象に、くずし字で書かれた江戸時代の「さるかに合戦」を読むという特別授業を協同で実施した。本稿は、その実践報告である。事前と事後のアンケート調査も実施し、くずし字の解読が、古典への関心・意欲を喚起するのに有効な方法になり得ることを明らかにした。第3部 教科研究・特別研究.本研究の一部は、JSPS科研費JP16H00094の助成を受けている。
著者
荒木 一視
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
日本地理学会発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.2014, 2014

&nbsp;戦前の日本の米が国内で自給されていたわけではない。少なからぬ量の米が植民地であった台湾や朝鮮半島から供給され,国内の需要を賄ってきた。その一方で,少なからぬ穀物(米,小麦,粟など)がこれらの地域に輸移入されていた。本発表では朝鮮半島の主要港湾のデータに基づき,これらの主要食用の輸移出入の動向を把握する。これを通じて,戦前期の日本(内地)の食料(米)需要を支えた植民地からの移入米を巡る動向と,1939~1940年にそのような仕組みが破綻したことの背景を明らかにしたい。 <br>&nbsp;第一次大戦と1918年の米騒動を期に,日本は東南アジアに対する米依存を減らし,それにかわって朝鮮半島と台湾に対する依存を高める。円ブロック内での安定的な米自給体系を確立しようとするもので,1920年代から30年代にかけて,朝鮮半島と台湾からの安定した米の供給が実現していた。しかし,1939年の朝鮮半島の干ばつを期にこの食料供給体系は破綻し,再び東南アジアへの依存を高め,戦争に突入していく。以下では朝鮮半島の干ばつまでの時期を取り上げ,朝鮮半島の主要港の食料貿易の状況を把握する。 この時期の貿易総額は1914(大正3)年の97.6百万円から1924(大正13)年には639百万円,1934(昭和9)年には985百万円,1939年(昭和14)年には2,395百万円と大きく拡大する。貿易額の最も多いのが釜山港で期間を通じて全体の15~20%を占める。これに次ぐのが仁川港で,新南浦や群山港,新義州港がそれに続く。また,清津,雄基,羅津の北鮮三港も一定の貿易額を持っている。 <br>&nbsp;釜山:最大の貿易港であるが,1939年の動向の貿易総額734百万円のうち外国貿易額は35百万円,内国貿易が697百万円となり,内地との貿易が中心である。釜山港の移出額260万円のうち米及び籾が46百万円,水産物が14百万円を占め,食料貿易の多くの部分を占める。なお,1926年では輸移出額計124万円のうち玄米と精米で50百万円と,時代をさかのぼると米の比率は大きくなる。1939年の釜山港の移入額では,菓子(4百万円)や生果(8百万円)が大きく,米及び籾と裸麦がそれぞれ3百万円程度となる。1926年(輸移入額104百万円)においても輸移入される食料のうち最大のものは米(主に台湾米)で,5百万円程度にのぼる。これに次ぐのが小麦粉の2百万円,菓子の百万円などである。 <br>仁川:釜山港同様に1939年の総額367百万円のうち外国貿易は67百万円と内地との貿易が主となる。1920年代から1930年代にかけて,米が移出の中心で,1925年の輸移出額64百万円のうち,玄米と精米で47百万円を占め,1933年では同様に43百万円中の28百万円,1939年では106百万円のうち32百万円を占める。なお仕向け先は東京,大阪,名古屋,神戸が中心である。輸移入食料では米及び籾,小麦粉が中心となる。 <br>鎮南浦:平壌の外港となる同港も総額213百万円(1939)のうち,外国貿易は29百万円にとどまる。同年の移出額89百万円のうち玄米と精米で15百万円を占め,主に吉浦(呉)や東京,大阪に仕向けられる。移入では内地からの菓子や小麦,台湾からの切干藷が認められる。 <br>新義州:総額135百万円のうち外国貿易が120百万円を占め,朝鮮半島では外国貿易に特化した港湾である。1926年の主要輸出品は久留米産の綿糸,新義州周辺でとれた木材,朝鮮半島各地からの魚類などで,1939年には金属等,薬剤等,木材が中心となる。いずれも対岸の安東や営口,撫順,大連などに仕向けられる。輸入品は粟が中心で,1926年の輸入総額52百万円中17百万円,1930年には35百万円中,15百万円,1939年には46百万円中12百万円を占める。移出は他と比べて大きくはないが,米及び籾を東京や大阪に仕向けている。 <br>清津:日本海経由で満州と連結する北鮮三港のひとつで,1939年の総額158百万円中35百万円が外国貿易である。1932年の主要移出品は大豆で,移出額7百万円中3百万円を占める。ほかに魚肥や魚油がある。移入品では工業製品のほか小麦粉,米及び籾,輸入品では大豆と粟が中心である。&nbsp;
著者
米田 幸弘
出版者
和光大学現代人間学部
雑誌
和光大学現代人間学部紀要 (ISSN:18827292)
巻号頁・発行日
no.8, pp.27-38, 2015-03

本稿では、「仕事による人間的な成長」という労働倫理に着目し、その形成要因を明らかにすることを試みた。このポジティブな労働倫理の形成にどのような階層要因や職業経験が関わっているのか、男性有職者にサンプルを絞り、SSP-W2013-2ndを用いた計量分析をおこなった。その結果、年齢が高く、世帯年収が高く、仕事の自律性が高く、職場承認を得ている層において、「仕事による成長」という労働倫理を形成する傾向が見られた。また、若年層において、「仕事による成長」という仕事観を持てるかが職場承認の度合いによって大きく左右されるという交互作用効果が見られた。本稿では、このような知見に関して、「職場共同体の崩壊」を背景にした、「働くことをつうじた承認」の稀少化と関連づけた議論をおこなった。
著者
堂囿 俊彦
出版者
東京都立大学哲学会
雑誌
哲学誌 (ISSN:02895056)
巻号頁・発行日
no.56, pp.1-24, 2014-03-25
被引用文献数
1