著者

中村 英代

出版者

日本社会学会

雑誌

社会学評論 (ISSN:00215414)

巻号頁・発行日

vol.58, no.4, pp.557-575, 2008-03-31 (Released:2010-04-01)

参考文献数

27

被引用文献数

1 1

---

近年,摂食障害の当事者は,インターネット上で自らの経験や考えを語りはじめた.そんななか,一部の当事者たちの間で,摂食障害はダイエットが原因であり規則正しく一定量の食事をとることで回復するという解釈が,回復への道のりのひとつとして注目されている.このような「食事」への注目は,摂食障害が「個人」「家族」「社会」のいずれかの地平で論じられがちな風潮のなか,一部の回復者たちの間で生じている新しい動向と考えられた.そこで,本稿では,こうした動向に着目することで,摂食障害者が置かれている状況や回復者の実践の一端を明らかにすることを試みた.本稿ではAさんとBさんの回復体験記を取り上げ,彼女たちが,摂食障害を他の解釈ではなく「食事」の問題として説明する論理はいかなるものなのか,このような解釈を提示することで何を達成しようとしているのかを検討し,以下の知見を得た.体験記では,原因の探求と解決方法は別だという視点から,「個人」「家族」「社会」といった解釈は具体的な解決方法を提示していないと指摘されていた.次に,食べれば治る「食事」の問題と説明する体験記は,過食や嘔吐を解決する手段を当事者自身に取り戻そうという試み,すなわち,「解決権の回復」が試みられている事例であることがわかった.「食事」への注目の背後に,摂食障害者を取り巻く言説環境に対する,回復者による批判的な眼差しをみてとることができた.

著者

北舘 佳史

出版者

中央大学人文科学研究所

雑誌

人文研紀要 (ISSN:02873877)

巻号頁・発行日

vol.98, pp.185-208, 2021-09-30

---

シトー会の中で例外的に重要な巡礼地となったポンティニーは同会の修道院と外部世界との関係に関して興味深い事例を提供する。本稿は聖エドマンドの列聖関連史料を分析の対象としてポンティニー修道院がどのように聖人崇敬と巡礼を正当化しようとしたのか,また,どのような巡礼地のあり方を目指したのかを明らかにすることを目的にしている。主に『殉教者聖トマスの約束に関する論考』と『列聖・移葬記』の二つの史料を用いる。前者は聖トマス・ベケットの約束あるいは予言の実現として修道院による聖遺物の所有を主張し,巡礼がもたらす富を正当化している。後者で詳述される聖人の墓の装飾をめぐる論争ではクレルヴォーのベルナールとマラキの墓とトマス・ベケットの墓がモデルとして争われ,巡礼地としてのあり方の対立で共同体は分断の危機に瀕した。この一見些細な事柄をめぐる論争はこの時期の修道院のアイデンティティの動揺と再編の過程を映し出している。

著者

能瀬 さやか 川原 貴

出版者

文光堂

雑誌

臨床スポーツ医学 (ISSN:02893339)

巻号頁・発行日

vol.32, no.6, pp.530-535, 2015-06

著者

青木 定雄

出版者

日経BP社

雑誌

日経ベンチャ- (ISSN:02896516)

巻号頁・発行日

no.248, pp.105-107, 2005-05

---

3月13日、日曜日の未明、タクシー会社「東京エムケイ」社長(当時)の青木政明氏(41)が、傷害容疑で神奈川県警に現行犯逮捕された。酒に酔って降りる駅を乗り過ごし、「どうして起こさなかった」と口論になった駅員を殴って、軽傷を負わせたという。 現役社長の傷害罪での現行犯逮捕。マスコミは一斉に事件を報じた。

著者

湯澤 真咲

出版者

早稲田大学社会科学学会

雑誌

早稲田社会科学総合研究. 別冊, 2017年度学生論文集 (ISSN:13457640)

巻号頁・発行日

pp.139-154, 2018-03-25

著者

立道 惠子

出版者

東京国立博物館

雑誌

Museum (ISSN:00274003)

巻号頁・発行日

no.642, pp.37-43, 2013-02

著者

田﨑 公司

出版者

大阪商業大学商経学会

雑誌

大阪商業大学論集 = THE REVIEW OF OSAKA UNIVERSITY OF COMMERCE (ISSN:02870959)

巻号頁・発行日

vol.15, no.3, pp.二七-四五, 2020-03-20

著者

滝沢 耕平

出版者

医学書院

巻号頁・発行日

pp.680, 2021-05-24

---

適応 筆者は,十二指腸の10mm以下の腺腫と考えられる病変にはD-CSP(duodenal cold snare polypectomy)1)を,10mmを超える腺腫や癌を疑う病変に対してはunderwater EMRを選択することが多い.局注を用いないため,生検瘢痕を有する場合も適応外とはしていない.

著者

吉田 将雄 角嶋 直美 籔内 洋平 滝沢 耕平 川田 登 島田 清太郎 木村 英憲 佐藤 辰宣 塩月 一生 髙田 和典 岸田 圭弘 今井 健一郎 伊藤 紗代 堀田 欣一 小野 裕之

出版者

医学書院

巻号頁・発行日

pp.622-629, 2020-05-24

---

●「考える内視鏡診断」のポイント・十二指腸は部位によって背景粘膜の構造が異なることを認識する.・隆起表面の大部分が周囲と同様の非腫瘍粘膜に被覆されており,粘膜下腫瘍(SMT)様隆起の形態を呈することを確認する.・通常観察では,SMT様隆起の辺縁の性状,病変のサイズ,色調,陥凹の有無,陥凹の境界,びらん・潰瘍形成の有無,単発・多発,病変の硬さ・可動性について観察する.・通常観察において粘膜表面に変化がみられた場合には,拡大内視鏡観察を行い,病変表面の腺管構造と血管構造を観察する.・超音波内視鏡検査(EUS)では,病変の存在する層,周囲の層構造との連続性,病変の境界,病変内部のエコーレベルや性状について評価する.

著者

三浦 義正 矢野 智則 坂口 美織 井野 裕治 角田 真人 Tsevelnorov Khurelbaatar 小林 泰俊 坂本 博次 林 芳和 砂田 圭二郎 大澤 博之 福嶋 敬宜 山本 博徳

出版者

医学書院

巻号頁・発行日

pp.1747-1755, 2018-12-25

---

要旨●小腸腫瘍の治療前評価における超音波内視鏡(EUS)の役割は,質的診断と腫瘍深度診断であり,内視鏡治療に直結するため重要である.しかし,小腸腫瘍は上皮性腫瘍,非上皮性腫瘍共に発見時に内視鏡治療になる可能性は低いため,臨床でのEUSの使用は限られる.一方,Helicobacter pylori陰性者が増加する中で,十二指腸腫瘍を発見・治療する機会が増えている.特に表在性非乳頭部十二指腸上皮性腫瘍(SNADET)の治療においては,腫瘍のサイズ,形態,リスク・ベネフィットを考慮して治療法を選択するが,EUSは手技の安全性を確保する上で重要である.本稿では,小腸腫瘍に対する診断・治療について,実臨床で比較的遭遇する疾患を中心に解説する.

著者

平山 史朗 宮本 忠司 渡邉 英夫

出版者

日本義肢装具学会

雑誌

日本義肢装具学会誌 (ISSN:09104720)

巻号頁・発行日

vol.26, no.4, pp.260-263, 2010-10-01 (Released:2013-07-15)

参考文献数

6

---

脊椎圧迫骨折の治療は保存療法が主体をなし,前屈運動を制御する目的で体幹を外固定する.今回,本骨折に用いられる 5 種類の体幹装具と可撓性プラスチックキャストで製作する即席体幹装具を 1 被験者に製作し,装着下での体幹の可動域より制動力を調査し,さらに装着の仕方による制動効果の変動についても検討した.6 種類の装具は体幹の可動域において,いずれも屈曲への制動効果が比較的に高かった.その中で軟性 LSO の屈曲への制御力が最も低く,本骨折への使用には慎重になる必要があると思われた.また,装具の不適切な装着は制動効果を低下させた.装具の制動力は装着の仕方により影響を受けるため,装着方法や ADL 指導が重要になると思われた.

著者

[弄籟子] [作]

出版者

米山堂

巻号頁・発行日

1931

著者

沢井 勝三 椎野 瑞穂 木村 明彦 五味 敏明 岸 清

出版者

社団法人 全日本鍼灸学会

雑誌

全日本鍼灸学会雑誌 (ISSN:02859955)

巻号頁・発行日

vol.43, no.4, pp.165-174, 1993-12-01 (Released:2011-05-30)

参考文献数

24

被引用文献数

1 1

---

刺鍼の深さを考察するにあたり, 局所における臓器および組織の位置関係を充分把握しておくことは大切である。そのために足の太陽膀胱経を基準とした人体横断解剖標本を作成して, 体表から何mmでどの臓器, 組織に鍼先が到達するかを検索した。前回までは大椎穴 (督脈) より胆兪穴 (足の太陽膀胱経) まで調査した結果を報告した。今回は, 脾兪穴 (足の太陽膀胱経) より気海兪穴 (足の太陽膀胱経) までの5横断面について検索したのでこれを報告する。脾兪穴を基準とした横断面では, 鍼を体表より刺入すると皮膚を5mmで貫き, 皮下組織を4mmで貫いて, 固有背筋群を30mmで貫き第12胸椎横突起に鍼先が達した。体表より第12胸椎横突起まで39mmを計測した。胃兪穴を基準とした横断面では, 鍼を体表より刺入すると皮膚を5mmで貫き, 皮下組織を3mmで貫いて, 固有背筋群を28mmで貫き第1腰椎横突起に鍼先が達した。体表より第1腰椎横突起まで36mmを計測した。三焦愈穴を基準とした横断面では,鍼を体表より刺入すると皮膚を5mmで貫き,皮下組織を5mmで貫いて, 固有背筋群を26mmで貫き第2腰椎横突起に鍼先が達した。体表より第2腰椎横突起まで36mmを計測した。腎兪穴を基準とした横断面では, 鍼を体表より刺入すると皮膚を4mmで貫き, 皮下組織を5mmで貫いて, 固有背筋群を32mmで貫き第3腰椎横突起に鍼先が達した。体表より第3腰椎横突起まで41mmを計測した。気海兪穴を基準とした横断面では, 鍼を体表より刺入すると皮膚を4mmで貫き, 皮下組織を5mmで貫いて, 固有背筋群を30mmで貫き第4腰椎横突起に鍼先が達した。体表より第4腰椎横突起まで39mmを計測した。以上の結果を鍼灸医学臨床における深さの立場から考察した。

著者

宮田 惟史

出版者

経済理論学会

雑誌

季刊経済理論 (ISSN:18825184)

巻号頁・発行日

vol.48, no.1, pp.60-71, 2011

---

The aim of this paper is to analyze the relation between the law of the tendential fall in the general rate of profit and crisis, based on K. Marx's manuscript of Capital Volume III Part three (MEGA II/4.2). As is generally known, there are many controversies about the law of the tendential fall in the general rate of profit considered by Capital Volume III Part three. Especially the arguments have been done within the relation between crisis and "an absolute overproduction of capital" and also "overproduction of commodities", which is depicted in the Part three Chapter 15. One main argument is pointed out by Uno [1974a] who understands crisis from the point of "an absolute overproduction of capital" occurred by a rise in wages. Another key point is discussed by Imura [1984] who explains crisis based on "overproduction of commodities" after rejecting the concept of "an absolute overproduction of capital" as "an extreme hypothesis". Finally Tomituka [1975] mentioned because "these two concepts simultaneously have the antinomic character" they should be understood in an integrated sphere. However, as far as I am concerned, the most significant problem that is common to their arguments, would be that these are dealt with within the area that the law of the tendential fall in the general rate of profit are not basically relating to the moments of crisis. These common views are shown by their thoughts that the law should be separated from the description of crisis in Chapter 15, as the subject of the Chapter 15 should not be understood "Development of the Law's Internal Contradictions", but "'Development of Inner Contradictions' of the capitalist production in the development of the productivity and the progress of the capital accumulation" or "Development of Inner Contradictions of the method of capitalist production" (Imura [1984] p.193, Uno [1974a] p.170, Tomituka [1994] p.79). In other words, even though the disputants admit the law, the generally accepted opinion within hitherto studies is that the law does not have an impact on crisis and the industrial cycle in the short term but only fanctions in the long term. So the arguments have been done over the account of the crisis in Chapter 15 on the premises that the law does not have a direct relation to crisis. As the original manuscript of Capital Volume III Part three was released, it is now clear that some statements and paragraphs were removed and moved around respectively by F. Engels and even he made up all of the titles and sections. In order to discuss the relation between the law of the tendential fall in the general rate of profit and crisis, we should carefully reconsider the concept of "an overproduction of capital" which is one of the significant focus points. In a separate account from "an absolute overproduction of capital" there is a statement about "real overproduction of capital (die wirkliche Ueberproduction von Capital)" in the original draft. Interestingly in this text Marx recognises "an absolute overproduction of capital" not as "an extreme hypothesis" as Imura [1984] mentioned, but as a real possible situation. Morover, there is an original statement about "a rise in wages" as the moment of crisis, relating to "an absolute overproduction of capital", too. In this paper, on the basis of the above arguments which should be reconsidered based on the original manuscript, it will demonstrate how Marx grasped the logical relation between the law of the tendential fall in the general rate of profit and crisis.

著者

高田 葉子 戸板女子短期大学服飾芸術科

雑誌

戸板女子短期大学研究年報 (ISSN:02892634)

巻号頁・発行日

no.56, pp.3-13, 2013-01-01

出版者

写

巻号頁・発行日

vol.[1],

著者

Venthan J. MAILOO

出版者

Japanese Association of Occupational Therapists

雑誌

Asian Journal of Occupational Therapy (ISSN:13473476)

巻号頁・発行日

vol.6, no.1, pp.1-13, 2007 (Released:2007-12-07)

参考文献数

63

被引用文献数

4 5

---

Ayurveda is an Eastern system of medicine that has been practised for over 5000 years. The relationship between occupations and health is a fundamental aspect of the ayurvedic health model. It could contribute a strong spiritual element to modern occupational therapy practice and may be more culturally appropriate for people with strong Hindu/Buddhist beliefs than modern occupational therapy models. The aim of this paper is therefore to introduce the ayurvedic model to occupational therapists that are unfamiliar with it. It describes assumptions underlying the ayurvedic model and related frames of reference that are relevant to occupational therapy. Yoga is the main occupational therapy intervention advocated by the model. The branches of yoga are described. Other traditional interventions are summarised but not described in detail. Sanskrit terminology has mostly been removed and concepts have been simplified for the ease of a general readership.

著者

大蔵省印刷局 [編]

出版者

日本マイクロ写真

巻号頁・発行日

vol.1911年07月21日, 1911-07-21

著者

東京帝国大学 編

出版者

東京帝国大学

巻号頁・発行日

vol.従大正11年 至大正12年, 1926

著者

田平 一行

出版者

公益社団法人日本理学療法士協会

雑誌

理学療法学 (ISSN:02893770)

巻号頁・発行日

vol.41, no.4, pp.193-198, 2014-06-20 (Released:2017-06-27)