著者
モーエン ジョン V.
出版者
北海道東海大学
雑誌
北海道東海大学紀要. 人文社会科学系 (ISSN:09162089)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.203-214, 1991

反シオニズムと反セミティズムという用語は殊にアメリカにおいては必ずしも正しく区別していない。厳密に言えば, シオニズムには宗教的, 文化的, 政治的側面という三つの側面があるが, いずれにしても, この二つの用語の区別は長年にわたって曖昧である。私見によれば, むしろ意識的に曖昧にされているとさえ言えるが, これは特に自己の利益のためにも出来るだけイスラエルを敵にまわしたくないと考える人びとの意図するところである。この賢明ともいえる曖昧さのために前述の二つの言葉が文字通り同義語のように扱われるのである。本稿では, 宗教的, 文化的側面からみたシオニズムと比べて政治的シオニズムはかなり後発的なものであることを思い起こせば, 当然, これらの言葉は区別できるという立場をとっている。ある意味では, それはホロコストの恐怖に対する反応であり, 充分正当化できる。また別の意味では, 何世紀にもわたって他の民族が占領してきた土地をめぐる, 歴史的不幸の産物でもあった。本稿は, ユダヤの国家がかかえる最大のジレンマを, その発生, 否, それ以前にもさかのぼって検討する。そのジレンマとは, 限られた地でいかにアラブの兄弟たちと調和を保って生きるかということであり, これほどやっかいな問題は他に類をみない。
出版者
日経BP社
雑誌
日経アーキテクチュア (ISSN:03850870)
巻号頁・発行日
no.951, pp.46-49, 2011-05-10

ラーメンと同じように建築にも「あっさり」と「こってり」がある。建築のポストモダン時代は、どちらかといえば「こってり」が優勢だった。なかでも「こってり」を極めたのが渡辺豊和が設計した建築群だろう。いわば、建築界の「天下一品ラーメン」(京都を発祥とするドロドロスープのラーメンチェーン店)。その代表作である秋田市立体育館に出掛けてきた。
著者
前納 玲 松本 正生
出版者
埼玉大学社会調査研究センター
雑誌
政策と調査 (ISSN:2186411X)
巻号頁・発行日
no.16, pp.61-72, 2019

(株)グリーン・シップは,「寄付型ショートメール調査」と名付けた独自方式の調査を2018 年4 月から毎月実施している。この調査は対象者のスマートフォンに架電し,調査への協力意思を確認した後,ショートメール(SMS)を送信する。架電対象をスマートフォンに限定しているのは,若年層にとって最も身近な通信デバイスだからである。また,現行の世論調査や情勢調査に代わる新方式を開発するための実験的な試みでもある。Since April 2018, Green Ship Co., Ltd., has performed a monthly survey using an original method referred to as “donation-type SMS survey”. To conduct the survey, the company calls potential respondents on their smartphones to confirm their participation and then sends the survey via SMS. The company only calls participants with smartphones in order to target the younger demographic. The survey is also an experiment in developing a new method to replace current opinion polls and attitude surveys.

4 0 0 0 OA 官報

著者
大蔵省印刷局 [編]
出版者
日本マイクロ写真
巻号頁・発行日
vol.1941年10月06日, 1941-10-06
著者
木浦 勝行 瀧川 奈義夫 市原 英基 中村 栄三 吉野 正 高田 穣
出版者
岡山大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2011

健常雄性 Slc: Wistar ラット 10 匹に鉄およびキレート剤を腹腔内へ反復投与し,5 匹で悪性腹膜中皮腫を認めたが,コントロール群,キレート剤投与群では認めなった。免疫染色(Calretinin, CEA 染色),電子顕微鏡による観察を行い,いずれも上皮型中皮腫であることを確認した。また,DNA 酸化損傷マーカーである 8-hydroxy-2-deoxyguanosine による免疫染色は陽性であり,従来の学説は確認された。ラジウムを含む微量元素を最終解析中である。
著者
黒板勝美 編
出版者
岩波書店
巻号頁・発行日
vol.上巻, 1933

4 0 0 0 OA 七年史

著者
北原雅長 著
出版者
啓成社
巻号頁・発行日
vol.下, 1904

4 0 0 0 OA お灸の歴史

著者
東郷 俊宏
出版者
社団法人 全日本鍼灸学会
雑誌
全日本鍼灸学会雑誌 (ISSN:02859955)
巻号頁・発行日
vol.53, no.4, pp.510-525, 2003-08-01 (Released:2011-03-18)
参考文献数
37

灸療法は湯液、鍼療法とともに日本、中国の伝統医学において中心的な治療法としての位置を占めてきた。交の原料であるヨモギは菖蒲とともに、古くから毒気を祓う力を持つ植物として採集され、古代中国で成立した『四民月令』や『荊楚歳時記』等では毎年五月五日にこれらを採集する習俗が年中行事の一環として記載されるほか、『詩経』、『楚辞』においても採集したヨモギを身にまとう習俗が歌い込まれている。1973年に中国長沙馬王堆漢墓より発掘された医学書 (畠書) には、支を治療手段として扱う文献が見られる。すなわち『五十二病方』で外科的処置が施された患部の薫蒸を目的として支を用いたことが記録されるほか、『霊枢』経脈篇の原型と考えられる『陰陽十一脈灸経』『足腎十一脈灸経』は各経脈の変動に由来する症候群と治療経脈との関係を指摘する。ツボ (孔穴) と疾病を対応させて灸治の方法を体系的に記述したのは『黄帝明堂経』が最初であり、同書の記述は『鍼灸甲乙経』をはじめ、多くの医学書に採録され、鍼灸治療の基本文献とされた。孫思遡と王煮はともに唐代を代表する医家だが、孫思遡が鍼灸両方を同等に扱ったのに対し、王煮は『外台秘要方』編纂に際して灸治のみを採録し、思遡と対照的な姿勢を取ったことがしばしば指摘される。しかし子細に検討すると、孫思遡の医書 (『千金要方』『千金翼方』) においても灸治の優越性を指摘する部分があり、また予防医学、養生手段としての灸治の意義を明確にしたほか、阿是穴を紹介するなど、灸療法の可能性を広げるうえで孫思遡の医書が果たした役割は大きい。『外台秘要方』も孫思遡の医書をベースに灸治を重視する立場を展開したものと考えられる。古代から中世までの日本医学を鍼灸に限定してみると、官職として鍼博士は置かれたものの、鍼は主に患部の切開や瀉血を目的とした外科器具として用いられ、実際の臨床は灸治が中心であったこと、また人神や日月の運行に基づく灸治の禁忌が忠実に守られ、吉日の選定にあたっては陰陽師が関わっていたことなどが『玉葉』、『明月記』などの日記資料から窺われる。十世紀末に丹波康頼によって編纂された『医心方』も、その構成は『外台秘要方』に類似し、灸治の記述に重点をおいている。近世に入ると、明代までに成立した医学書の大量の舶載を背景に経穴部位や治療経穴の文献学的研究、考証が進むと同時に、中世以降はじまった日本独自の灸治法 (和方灸、家伝灸) が集大成された。また養生法の一環としての灸療法が普及し、民間向けの灸治専門書の出版を見るようになる。15世紀末に始まる大航海時代以降、イエズス会士を筆頭に多くの西洋人が日本を訪れ、灸療法の知識を西洋にもたらした。17世紀初頭に長崎で印刷された『日葡辞書』には灸に関連する用語が多く採録されるほか、元禄期にはオランダ商館医として来日したケンペルによって本格的な紹介がなされた。ハンセン氏病 (らい病) の治療に灸が用いられていたことはやはりオランダ商館医であったテン・ライネの著作に記録されているが、明治期に東大医学部教授として日本に滞在したベルツの撮影した写真の中にも多くの灸痕を有するハンセン氏病患者の写真が残されている。
著者
平 敬
出版者
東京大学
雑誌
若手研究
巻号頁・発行日
2018-04-01

昨年度に引き続き実験装置の製作を引き続き行った。本計画の実験装置はSEA-TADPOLE部+光マスク部+最適化・位相復元計算部の3つに分かれており、SEA-TADPOLE部には干渉計部とSHG-FROG部がある。光マスク部の主要部品としてデジタルミラーデバイスを用いたアクティブマスクを購入した。これにより多数のマスクを製作する手間を省くことができた。SEA-TADPOLE部のうち干渉計部に必要な点光源として新たに偏波面保持ファイバーを2本束ねた系の構築を試みた。SHG-FROG部の組み立て・アライメントを行うための顕微観察系を構築した。SHG-FROG部は未だ完成しておらず、引き続き作業が必要である。SEA-TADPOLE部の完成が特に遅れている。最適化・位相復元計算部として、テスト波形を勾配降下法により復元できるシミュレーションを行った。これにより光マスクを取り入れた位相復元計算への道筋が見えた。各部位の未完成部分を仕上げて全体を統合する必要があり、実験装置完成にはあと数か月を要すると予想される。当初計画と異なり、既に改良された要素部品が導入されているため当初計画の2~3年目に行うはずだった改良はすでに終えていることになる。その代わりに全体の完成が遅れている。成果発表に関しては、実験装置が完成していないため行えていない。シミュレーション部分だけでも論文として発表できるかどうか検討中である。
著者
白鷹 増男
出版者
日本食生活学会
雑誌
日本食生活学会誌 (ISSN:13469770)
巻号頁・発行日
vol.21, no.1, pp.3-6, 2010-07-15 (Released:2010-07-29)
参考文献数
4

In recent years, it has become possible to solve complex problems in substantial science as probability models without undue simplification, thanks to the development of various methods in the field of statistics. Statistics software is now widely available that allows users to input data and obtain results automatically without intricate familiarity with the details of these methods or algorithm. It is still the responsibility of the researchers, however, to select appropriate probability models (analytic methods) to apply for the relevant problems and to discriminate between useful and unnecessary information. This paper is on the selection of statistic analytical methods based on the lecture delivered at the 39th conference.
著者
加来 和子
出版者
弘前大学
雑誌
弘前大学教育学部紀要 (ISSN:04391713)
巻号頁・発行日
vol.63, pp.33-49, 1990-03

本研究では,青森県内の全小・中・高校,計783校(回収率89%,分析対象校699校)を対象に質問紙郵送調査法を用いて禁煙教育の実施状況を調べ(1985年~1988年),今後の禁煙教育のあり方を検討することを目的とした。禁煙教育を「全校で継続的・計画的に行っている」学校は,小学校1校(0.2%),中学校11校(6.1%),高校12校(18.2%),何らかの形で授業を行っているのは小学校32%, 中学校57%, 高校74%であった。禁煙教育はまだ十分学校教育の中に位置づけられていない。その推進の問題点として,教師側,質料・補助教材,家庭,地域・一般社会の4つの問題が考えられるが,学校で鍵となる問題は喫煙する教師の問題である。
著者
第三高等学校 編
出版者
第三高等学校
巻号頁・発行日
vol.大正15年4月起大正16年3月止, 1926
出版者
京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科
雑誌
アジア・アフリカ地域研究 (ISSN:13462466)
巻号頁・発行日
vol.21, no.1, pp.124-154, 2021-09-30 (Released:2021-11-02)

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