著者
永幡 嘉之 越山 洋三 梅津 和夫 後藤 三千代
出版者
日本昆虫学会
雑誌
昆蟲. ニューシリーズ (ISSN:13438794)
巻号頁・発行日
vol.16, no.2, pp.104-112, 2013-04-05

電柱から回収されたカラスの巣から,ハナムグリ亜科の空の土繭2個と幼虫の死体1個体を発見した.この昆虫種および巣の持ち主の鳥種を同定するため,土繭の中に残っていた蛹殻,幼虫の死体,および巣材からDNA試料を抽出した.昆虫種については,ミトコンドリアDNAのCOI領域を分析対象とした.まずコウチュウ目用のユニバーサルプライマーセットを用いてPCRを行い,その後ダイレクトシーケンス法でPCR産物の塩基配列779bpを決定することで種同定した.鳥種については,ミトコンドリアDNAのチトクロームb領域を分析対象とした.ハシブトガラス,ハシボソガラス,ミヤマガラスの各種に特異的なプライマーと全種に共通なプライマーを用いてPCRを行ったのち,そのPCR産物のポリアクリルアミドゲル電気泳動を行い,増幅されたバンドの鎖長でカラスの種類を判定した.その結果,土繭と幼虫の死体の計3個体は全てアカマダラハナムグリであり,巣の主はハシボソガラスであることが判明した.また,これらのアカマダラハナムグリ3個体で2つのハプロタイプが識別されたことから,少なくとも2個体のメス成虫がこの巣に産卵したことがわかった.アカマダラハナムグリは,これまで猛禽類など動物食性鳥類の比較的大型の巣内で幼虫が腐植土や雛の食べ残しを餌として発育することが知られていたが,雑食性で比較的小さい巣を作るハシボソガラスの巣も繁殖資源として利用していることが,今回はじめて明らかとなった.
著者
石川 満佐育 濱口 佳和
出版者
日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.55, no.4, pp.526-537, 2007-12-30

本研究では,近年諸外国で研究が盛んに行われているforgivenessの概念に注目し,ゆるし傾向性として実証的に取り上げ,わが国の中学生・高校生を対象に,ゆるし傾向性と外在化問題・内在化問題との関連を検討することを目的とした。研究1では,中高生574名を対象に,ゆるし傾向性尺度の作成を行った。因子分析を行った結果,「他者へのゆるし傾向」,「自己への消極的ゆるし傾向」,「自己への積極的ゆるし傾向」の3因子からなるゆるし傾向性尺度が作成された。研究2では,中高生553名を対象に,ゆるし傾向性尺度の信頼性,妥当性の検討を行った。その結果,十分な値の信頼性,妥当性が確認された。研究3では,中高生556名を対象に,ゆるし傾向性と外在化問題(身体的攻撃・関係性攻撃),内在化問題(抑うつ・不安)との関連を検討した。相関,重回帰分析により検討を行った結果,ゆるし傾向性と外在化問題,内在化問題との間には,負の関連が示された。従って,中高生にとって,ゆるし傾向性は,外在化問題,内在化問題の軽減に有効である可能性が示された。
著者
岩壺 卓三 迫田 豊 岩田 荘司
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
年次大会
巻号頁・発行日
vol.2011, pp._J231013-1-_J231013-4, 2011

A link model which is composed with a fisherman's arm, a fishing rod, a line and, a Sweet fish are used in order to simulate a fishing system by using the Multi-body Dynamics. Pictures of the landing of the fish are taken by high speed camera in order to compare the orbit of the fish with the simulated one and the accuracy of the simulation is evaluated. Then simulation of two fishing rods which are good feeling and bad feeling of landing are performed to investigate the physical parameters of the fishing behavior in the fishing. As a result, difference of the parameters for the good and the bad fishing rods are clarified.

4 0 0 0 OA PDCA考

著者
渡邊 榮文
出版者
熊本県立大学
雑誌
アドミニストレーション (ISSN:1340752X)
巻号頁・発行日
vol.18, no.3, pp.391-405, 2012-03

4 0 0 0 OA 偉人の幼時

著者
秋元己太郎 著
出版者
内外出版協会
巻号頁・発行日
1912
著者
山田 雅行 伊藤 佳洋 長尾 毅 野津 厚 長坂 陽介 大岩根 尚
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集A1(構造・地震工学) (ISSN:21854653)
巻号頁・発行日
vol.72, no.4, pp.I_691-I_699, 2016 (Released:2016-05-20)
参考文献数
22
被引用文献数
1

比較的小さな盆地構造(カルデラ)を有する薩摩硫黄島において,臨時地震観測によってサイト増幅特性の算定を行い,一方で,常時微動観測(単点H/Vおよびアレイ観測)を行い,地盤モデルの推定を行った.硫黄島港および薩摩硫黄島飛行場において算定したサイト増幅特性と,常時微動に基づく地盤モデルに対して一次元重複反射を用いて算定した伝達関数の比較を行った.港湾および飛行場の伝達関数は,0.2~0.3Hz付近にピークは見られるものの,それほど明瞭なピークは見られず,サイト増幅特性には盆地構造による3次元的な効果や,地震波の入射方向の効果が含まれているものと考えられる.また,港湾と飛行場のサイト増幅特性の0.2~0.3Hz付近の共通の特徴から,両地点は深い構造を共有していると推察され,実際のカルデラ構造が従来の解釈より複雑である可能性が示唆された.
著者
福田 篤徳 池長 裕史 伊丹 英生 片山 秀策 小山 慎司 深川 正夫 前田 敦子 前田 崇雄
出版者
特定非営利活動法人バードリサーチ
雑誌
Bird Research (ISSN:18801587)
巻号頁・発行日
vol.12, pp.S7-S11, 2016 (Released:2016-05-27)
参考文献数
11

2012年5月20日の石川県輪島市舳倉島にて,カンムリカッコウと思われる声を録音した.この声の声紋を確実な記録と思われるカンムリカッコウやチャイロジュウイチのものと比較することによって,この声がカンムリカッコウのさえずりであると判断した.これは,日本での初めての録音及び記録と思われる.
著者
堀田正敦 編
出版者
巻号頁・発行日
vol.[209],
著者
菅野 美佐子
出版者
日本文化人類学会
雑誌
日本文化人類学会研究大会発表要旨集 日本文化人類学会第50回研究大会 (ISSN:21897964)
巻号頁・発行日
pp.A05, 2016 (Released:2016-04-22)

本報告では、女性調査者が現地社会と自らの帰属する社会の双方のジェンダー規範やジェンダー構造に絡め取られながら実践するフィールドワークを「ジェンダー的価値の交差点」ととらえ、そのなかで調査者はいかなるポジショナリティの変化を経験したり、困難的状況に直面し、それにどう向き合い、あるいは今後どう向き合っていけばよいのかを、子連れフィールドワークの経験から考察することを目指す。
著者
木本 好信
出版者
甲子園短期大学
雑誌
甲子園短期大学紀要 (ISSN:0912506X)
巻号頁・発行日
vol.31, pp.31-43, 2013-03-25