著者
中野 由章 中山 泰一 Yoshiaki Nakano Yasuichi Nakayama
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会第79回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
pp.4-441-4-442, 2017-03-16

情報処理学会第79回全国大会, 2017年3月16日‐3月18日, 名古屋大学東山キャンパス コンピュータと人間社会, 一般セッション, 情報処理教育, 5E-01 (講演日3月17日)
著者
勝見 晟

肉用牛の肥育において,畜産の発展,多頭飼育とともに,肥育牛の消化器疾患が近時多発の傾向にあり,その経済的損失は多大である。そのうち死廃事故となった肥育牛の胃腸疾患における後胃障害の占める比率は高いものの,後胃,特に第四胃潰瘍については,不明な点も多く,今後に残された問題が種々あるのが現状である。 そこで本研究においては,肥育牛の第四胃潰瘍について野外実態調査を実施し,第四胃潰瘍の一因として粗飼料の給与不足が考えられたことから,粗飼料給与制限による肥育牛の第四胃潰瘍発生試験を実施した。 試験材料および方法1. 第四胃潰瘍の野外実態調査 野外実態調査は,山形県村山地域一円で飼育されている肥育牛(ホルスタイン種♂,黒毛和種♂,♀)を対象とし,第四胃潰瘍の発生状況,給与飼料状況を調査し,第四胃潰瘍牛の一般臨床,血液学的,血清生化学的および第一胃液検査を実施し,さらに病理解剖学的および病理組織学的検索を行なった。血液学的および血清生化学的検査として,血液はヘマトクリット値(Ht),白血球数(WBC),好酸球数(Eos),血清は総蛋白質量(TP),A/G,Na,K,Mg濃度を測定した。第一胃液はpH,低級脂肪酸(VFA)を測定し,さらに糞便の潜血反応を行なった。 検査方法は,Ht,WBC,Eosで,それぞれ毛細管法,トーマ式法,多田井式法を,TPで日立屈折蛋白計を,A/Gでセルロース・アセテート膜電気泳動法,Na,Kで炎光光度法,Mgで原子吸光光度法を用いた。またVFAはガスクロマトグラフィ,糞便の潜血反応はシノテスト4号を用い,組織標本はHE染色をし鏡検を行なった。2. 粗飼料給与制限による第四胃潰瘍発生試験 粗飼料給与制限による第四胃潰瘍発生試験では,黒毛和種♀14頭を用い,粗飼料給与状況により3群に分け,I群4頭,II群4頭,III群6頭とした。試験期間は,生後8ヵ月齢の試験開始時から,生後2,3ヵ月齢の解剖時まで,482日間である。 給与飼料は,各群に基礎飼料として,肉牛配合,プレスムギ,稲ワラを,さらにII,III群はヘイキューブ゙を給与し,給与飼料中粗飼料の占める割合は,TDN換算で,I群10.0%以下,II群10.1~30.0%,III群30.1~40.0%とし,給与量は日本飼養標準肉用牛の要求量に従った。 検査項目は,定期的に供試牛の体高,胸囲,体重,増体重,一般臨床所見,全血でHt,WBC,Eosを,血清でTP,A/G,Na,K,Mg濃度を,第一胃液でpH,VFAを測定した。さらに解剖時に第四胃液VFA枝肉量,各臓器重量を測定し,病理解剖学的および病理組織学的検索を行なった。なお,各検査の方法は,第四胃潰瘍牛の野外実態調査における検査方法と同様である。 試験成績1. 第四胃潰瘍の野外実態調査 肥育牛の第四胃潰瘍について,山形県村山地域の発生状況,給与飼料状況などを調査した結果,死廃事故とした肥育牛の胃腸疾患における第四胃潰瘍の占める比率は,74.0%(37/50頭)と高く,秋に若干多い傾向(14/37頭37・8%)がみられた。また,体重601kg以上(32/37頭,86.5%),経営規模61頭以上(32/37頭,86.5%)で多発の傾向にあった。 給与飼料に関し,第四胃潰瘍の未発生もしくは少数発生の肥育農家と多発農家の給与飼料状態を検討した結果,いずれの農家も給与飼料の種類に大差は認められなかったが,多発農家は未発生もしくは少数発生農家に比べ,肥育前期における給与飼料中粗飼料の占める割合が著しく低い傾向(TDN換算で,未~少発農家20.0%以上,多発農家10.0%以下である)が認められ,第四胃潰瘍の発生において,給与飼料中粗飼料の占める割合が大きな役割を演じることが一応推察された。 病理解剖で第四胃潰瘍の確認された37頭のうち,生前に検査のできた18頭について,その成績を検討した結果,主要臨床所見として,胃腸蠕動の減退~廃絶,腹囲の膨大,少量の黒褐色便等が著明に観察され,第一胃液VFA所見として,第一胃液VFA割合では,対照牛に比べ,酪酸が多く(P<0.01),酢酸,イソ吉草酸の少ない(P<0.01)傾向が認められた。なお,血液検査成績では対照牛との間に著変を見い出せなかった。 病理学的所見として,第四胃に粘膜・筋層および漿膜に達する組織欠損が認められ,同時に第一胃パラケラトージス,小腸の充出血,膵臓の脂肪化,肝臓の小壊死,膿瘍が観察された。2. 粗飼料給与制限による第四胃潰瘍発生試験 第四胃潰瘍発生試験の結果,体高,胸囲,体重などの発育状況では,粗飼料多給群ほどバランスの良い発育が観察された。また,主要臨床所見として,I群3頭,II群2頭,III群1頭は,試験開始後2ヵ月より,軽度の鼓脹症,軟便の継続などが観察され,血液所見では,Ht,WBC,Eos,Eos/WBC,TP,A/Gで,各試験群問に一部有意差を認め,特にHtは,粗飼料少量給与群ほど高い傾向が認められた。 また,第一胃液では,粗飼料少量給与群のpHに低い傾向が観察され,第一胃液VFA濃度も,酢酸,プロピオン酸,酪酸,イソ吉草酸で各試験群間に有意差が認められた。 さらに,各試験群の第四胃液VFAに関し,濃度ではイソ酪酸,酪酸に,割合では酢酸,イソ酪酸,酪酸に一部有意差がみられた。 枝肉量,各臓器重量では,膵臓,第三胃,大腸,下垂体で各試験群間に有意差がみられ,特に膵臓では,粗飼料多給群ほど重い傾向が観察された。 病理学的所見として,I群4頭,II群1頭に第四胃の糜爛~潰瘍が観察された。さらに粗飼料少量給与群に第一胃をはじめ各種臓器に多かれ少なかれなんらかの病変が観察された。 結論 以上の研究成績から,粗飼料給与不足,濃厚飼料多端という飼養形態は,肥育牛に対し,種々な面でかなりの影響をおよぼしていることが認められ,肥育牛の第四胃潰瘍の発生は,粗飼料給与制限,濃厚飼料の多給が原因の一つであることが実験を通じて明らかになった。
著者
篠田 正人
雑誌
ゲームプログラミングワークショップ2008論文集
巻号頁・発行日
vol.2008, no.11, pp.181-188, 2008-10-31

絵合わせ(神経衰弱)ゲームにおいて,取るカードの枚数の期待値を最大にするにはパスを用いた戦略が有効であることがZwick-Paterson(1993)で報告されている.本論文では,ゲームに勝つ確率を最大とするためにも同様にパス戦略が有効であることを示し,特別な場合について勝つ確率を具体的に求めた.
著者
鹿野 利春
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.62, no.2, pp.84-87, 2021-01-15

Society 5.0に向かう社会では,創造力と想像力を育み,課題解決を通じて価値創造をすることが求められている.そのための資質・能力を学校教育で育てることが必要である.高校では,全員が情報デザイン,プログラミング,データの活用などを含む「情報Ⅰ」を履修することになり,発展的な選択科目として「情報Ⅱ」も準備されている.これらを先生方が教えるために文部科学省や学会および民間企業から教員研修用教材が出されている.教科書ができてくる2021年の前半までには,科目の内容を把握し,1年間の授業イメージをもって教科書が選択できるように研修を進めていただきたい.
著者
松村 昌廣
出版者
桃山学院大学総合研究所
雑誌
桃山学院大学経済経営論集 = ST.ANDREW'S UNIVERSITY ECONOMIC AND BUSINESS REVIEW (ISSN:02869721)
巻号頁・発行日
vol.60, no.3, pp.13-32, 2019-01-17

On December 28, 2015, the Japanese and the South Korean governmentsreached the final and irreversible agreement on “comfort women” issuesafter a protracted diplomatic deadlock. This had impeded not only the twocountries’ bilateral security cooperation but also closer U.S.-Japan-SouthKorea trilateral security cooperation. To remove the impediment, theBarak Obama administration forcefully intervened in the Japan-SouthKorea deadlock.This study will first discuss the circumstances of severe politicization ofthe “comfort women” issues in Japan and South Korea and PresidentObama’s moves as related to the issues. Second, the study will analyzeunderling U.S. strategic interests and Obama’s political stakes behind hismoves. Third, given that the Obama administration did not produce anypolicy document on the issues, the analytical focus will be placed on twopolicy papers of major independent think-tanks that seemed to have shapedhis policy on the issues. Last, based on the total analysis, the study willconjecture near-future Japan-South Korea relations and the prospect forbilateral security cooperation.
著者
笠谷 和比古
出版者
国際日本文化研究センター
雑誌
日本研究 : 国際日本文化研究センター紀要 (ISSN:09150900)
巻号頁・発行日
vol.16, pp.33-48, 1997-09-30

徳川家康の姓氏問題は複雑である。家康はその血統的系譜を清和源氏の流れを汲む新田一族の一人得川四郎義季の末裔たることに求め、自らの姓氏を清和源氏と定めたとされるが、これは天下の覇権を掌握した家康が、慶長八(一六〇三)年の征夷大将軍任官を控えて系譜の正当化をはかる目的で、そのような始祖伝承を無理に付会していったものであるとこれまで見なされてきた。しかし家康宛の朝廷官位叙任に関する口宣を分析した米田雄介氏の近年の研究成果は、このような通説的歴史像に疑義を生じさせるものとなっている。本稿はこれらの研究史を踏まえ、かつ家康関係文書の再検討を通して、家康の姓氏の変遷を追究する。それは単に、家康の源氏改姓の時期のいかんを求める事実問題としてだけではなく、姓氏の変遷に表現されたこの時期の国政上の意義にかかわる問題でもある。本稿では、この家康の源氏改姓問題を通して、豊臣秀吉の関白政権時代の国制はその下に事実上の徳川将軍制を内包するような権力の二重構造的性格を有するものであったことを論じる。
著者
田島 悠来 タジマ ユキ Yuki TAJIMA
雑誌
Gender and Sexuality : Journal of the Center for Gender Studies, ICU
巻号頁・発行日
no.8, pp.53-81, 2013-03-31

Using men's studies,this paper will examine the images and reception of"Johnny's"in "myojo" magazine(Shuueisha).At the same time,it willdeepen the understnading of its conception through interviews with theeditor.Magazines from November 2002-October 2012,including thefront cover,reader's page and colored photographs,will be analyzed.Theresearcn focuses on finding a connection between Johnny's and thereaders,and how the relationships between Johnny's stars are depicted.Especially regarding the latter point,this essay argues that there is a connecion to the theories of Eve Sedgewick on"homosocial,homophobia,and misogyny"(1985-2001). The above leads to the conclusion that,in Myojo,Johnny's arerepresented as tne readers'love interests,so the magazine functions asthe site of a pseudo-romance between the readers and the entertainers.In addition,it seems clear that this is the editor's purpose.In themagazine,while excluding women and emphasizing the bond betweenJohnny's members,homosociality is highlighted,and further,assosiatedwith homosexuality in both discourse and symbolism.Conversely,Johnny's express their manliness through their rivalries and their highlevel of athletic ability,which constitutes an opposing image to that ofhomosexuality.In conclusion,although the magazine depictshomosocial relationships between Johnny"s members without homophobia,there is no connection to Sedgewick's theories because these relationshipsare created by a female perspective,are about aheterosexual love imagined by the editors,and occur in the limited spaceof"readers will outgrow the material sooner or later."