出版者
日経BP社
雑誌
日経コンストラクション (ISSN:09153470)
巻号頁・発行日
no.453, pp.13-14, 2008-08-08

7月24日午前零時26分ごろ、岩手県沿岸北部を震源とするマグニチュード6.8(暫定値)の地震が発生し、同県洋野町で震度6強、青森県八戸市など4市町村で震度6弱の揺れを観測した。震源の深さは108kmと深く、プレート内部の岩盤が破壊して地震が起きた。同じく震度6強を観測した6月14日の岩手・宮城内陸地震は、震源の深さが8kmと浅い直下型地震だった。両地震に関連はないとみられる。
著者
下家 由起子
出版者
山野美容芸術短期大学
雑誌
山野研究紀要 (ISSN:09196323)
巻号頁・発行日
vol.15, pp.65-74, 2007-03-20

江戸時代以来の伝統を、競技そのものにとどまらず風俗、習慣にまで色濃く留めている大相撲は、日本文化の面でも大いに魅力的な存在である。しかし時代も大きく変わり、若返りを繰り返してきた力士の生活環境、行動まで昔のままとは当然考えられない。彼らとて一般庶民と同じように現代人であるからである。力士たちが頭にのせているマゲに合わせて、着物で公式の場に登場しているのはよく知られているが、その日常生活における着衣は、和服一辺倒とは言い切れないものがある。本稿はそんな現代力士の「衣」に注目して、下着から着物まで調査と分析を試みる。そして相撲界における衣生活の歴史と礼法の基本を検証することで、最近乱れがちと識者より指摘を受けている彼らの「着装」に警鐘を鳴らすと同時に、将来も和服とともに生きていくであろう大相撲力士による正しい伝統の継承に大きな期待を託し、その今後に注目していこうとするものである。
著者
下家 由起子
出版者
山野美容芸術短期大学
雑誌
山野研究紀要 (ISSN:09196323)
巻号頁・発行日
vol.14, pp.31-37, 2006-03-25

外国人力士の急増で、国技大相撲の危機が叫ばれている昨今だが、彼らはみな大相撲の世界に敢然と取組み、努力してきた男たちである。彼らはいい意味でハングリーで根性が座っている。立派な体に驚くほど、日本古来のマゲが似合ってきている。その意味では彼らによって日本の伝統が国際的に新たに認められ始めたといっても過言ではないだろう。ここに、現代に生きるマゲのひとつとして、力士の世界に見られる、マゲの魅力を再確認するために、マゲが日本から失われた時代と、この美風を残すためにがんばってきた先人の歴史と、力士マゲの今を考察する。
著者
井原 毅 沼田 宗純 目黒 公郎
出版者
Institute of Industrial Science The University of Tokyo
雑誌
生産研究 (ISSN:0037105X)
巻号頁・発行日
vol.62, no.4, pp.367-370, 2010

近年,大きな地震により列車の脱線,高架橋の損壊,軌道変状,盛土の崩壊などの被害が報告されている.幸い鉄道利用者に被害は出ていないが,ダイヤが混み合う時間帯に大地震が発生した場合,鉄道利用者に甚大な被害が出る可能性がある.本研究では,通勤ラッシュ時に走行する列車に衝撃が加わった状況を想定し,楕円形個別要素法による群衆行動解析モデルを用いて満員電車内の乗客の挙動を追跡し,人体に作用する力を考察した.解析の結果,車両が傾くことで乗客に大きな被害が出る可能性があることが示された.また,つり革を増設することで車両の傾きが20度の場合には乗客に作用する力を軽減できることがわかった.[本要旨はPDFには含まれない]
著者
小菅 義夫 系 正義
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. B, 通信 (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.86, no.11, pp.2397-2406, 2003-11-01
被引用文献数
18

追尾フィルタは,目標位置を観測値として,位置,速度,加速度など限りなく真値に近いものを推定する.その代表例は,3次元空間の追尾を1個の追尾フィルタで実現するカルマンフィルタを使用したものである.また,α-βフィルタは等速直線運動モデル,α-β-γフィルタは等加速度運動モデルを使用した1次元空間用の追尾フィルタである.なお,カルマンフィルタもα-β(-γ)フィルタも線形フィルタの一種である.ここで,α-β(-γ)フィルタでは,初期値算出から十分時間が経過した場合の位置の定常追従誤差の値が既知である.しかし,3次元空間用の追尾フィルタでは定常追従誤差の算出式が報告されていない.本論文では,3次元空間において,目標位置ベクトル及び目標位置ベクトルのn階までの時間微分値からなる目標運動諸元を推定する線形フィルタで構成される追尾フィルタの定常追従誤差の算出式を導出した.なお,目標は位置ベクトルのn+1階の時間微分値が一定で運動すると仮定した.この結果,位置の定常追従誤差は,サンプリング間隔と追尾フィルタの目標位置ベクトルのn階の時間微分値に対するゲイン行列の逆行列の積に比例することがわかった.
著者
山下 悦子
出版者
国際日本文化研究センター
雑誌
日本研究 : 国際日本文化研究センター紀要
巻号頁・発行日
vol.2, pp.107-124, 1990-03-10

この論文では、日本の知識人の間で大反響をもたらした、結婚制度にとらわれない男女の自由な性愛関係を理想とするコロンタイの恋愛観を基軸に、一九二〇年代後半から三〇年代前半にかけての知の変容(転向の問題)を探る。
著者
岩間雄太 伊藤孝行
雑誌
第76回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2014, no.1, pp.43-44, 2014-03-11

企業サービスの多様化によりサポートセンターへのユーザからの問い合わせが増加しており,現在はユーザからの問い合わせ人手で対応している.しかし,ユーザ対応には多くの時間がかかり,迅速かつ正確に対応することは困難である.そのため,サポートセンターが人手で行う作業の自動化が求められている.本論文では,ユーザの問い合わせに対して適切な回答を提案するシステムを実装した.実装にあたり,問い合わせの回答となるドキュメントを検索,スコアリングをしユーザに提示する.スコアリングではランキングアルゴリズムと共にクリック重みを利用する学習を使用した.最後に本手法の効果を評価し有用性を確認する.
著者
武田平治 編
出版者
菱花堂
巻号頁・発行日
1885
著者
趙 義成
出版者
同志社大学
雑誌
社会科学 (ISSN:04196759)
巻号頁・発行日
vol.102, pp.113-125, 2014-05

本稿の目的は,朝鮮民主主義人民共和国(以下「共和国」)の朝鮮語学において,旧ソ連言語学のいかなる影響があったのかについて,とりわけ政治・思想的な側面と文法論的な側面に関して考察することである。第2次世界大戦以前のソ連言語学界ではN.Ja.マールの理論すなわちマール主義が「マルクス主義言語学」として,絶対的な地位にあった。共和国の言語学界がソ連の言語学を受容することは衛星国としての公的な方針であり,金寿卿が紹介した論文はほとんどがマール主義に関連づけられたものであった。しかし,共和国の朝鮮語研究それ自体はいたって常識的な言語学に基づいた研究活動であり,マール主義は共和国に根ざすことがなかったと推測される。1949年刊行の『朝鮮語文法』(以下『49年文法』)は,音声学と音韻論を区分せずに音論として扱う点,造語論を形態論の中で扱う点,統辞論で単語結合を扱う点などは,当時のソ連言語学と軌を一にしている。『49年文法』は,従来の文法論で同義の用語だった「助詞」と「ト([ト])」を別個のものとして扱っていた。朝鮮語の格を表示する要素を「助詞」という単語と見ずに「ト」という形態形成の形態素と見たのは,ロシア語文法における名詞の格の捉え方を参考にしたものと考えられる。一方,「助詞」は,ロシア語文法における「小詞」の概念と関連づけ得る。また,『49年文法』では,旧ソ連言語学における単語結合が「語詞結合」という用語で扱われているが,この時点では文法理論をまだ十分に吸収することが困難だったと考えられる。スターリンによるマール批判(1950年)とマール主義を否定したソ連言語学は,朝鮮戦争休戦までには共和国にもたらされていたと見られる。1958年,共和国言語学界の主導的立場にあった金枓奉批判する論文が掲載され,6字母などの金枓奉の業績はことごとく否定され,金寿卿も公式に批判を受けた。金枓奉の失脚が政治的な動機によるものであった一方で,金寿卿は「追従者」と受動的な立場に位置付けられていることから,金寿卿に対する批判はあらかじめ「逃げ道」の用意されていたもののようにも思われる。金寿卿が執筆に関わった1960年刊行の『朝鮮語文法1』(以下『60年文法』第1巻)と,1963年刊行の『朝鮮語文法2』(以下『60年文法』第2巻)には,1952年と1954年に刊行されたアカデミー版『ロシア語文法』(以下『ソ連60年文法』)が大きな影響を与えたと推測される。セクションを区切る書式,「序論」と称して形態論の諸問題を広く検討する手法,音論において国際音声記号を用いず固有文字で発音を表記する手法などは,『ソ連60年文法』の手法をそのまま踏襲している。『49年文法』から『60年文法』第1巻への大きな変更点は,すべての「助詞」を認めなくなった点である。文法形態素として語根に膠着する要素をことごとく「ト」とするこのような見解は,その後の共和国のあらゆる文法論に原則的に引き継がれていく。『60年文法』第1巻では,ソ連言語学と同様の単語結合の概念を認めているが,3年後に刊行された『60年文法』第2巻では,「諸単語の文法的連結」というより広い概念を設定し,その下位範疇として「結合」,「接続」の2つを設定した。ソ連言語学の「単語結合」だけでは処理しきれない問題があったためであると見られる。1960年代までの共和国の言語学界が学問的に健全に活動を行ってくることができたのは,金寿卿をはじめとする研究者の真摯な学問的姿勢に拠るところが大きいといえよう。
著者
秋田 喜代美
出版者
東京大学教育学部
雑誌
東京大学教育学部紀要 (ISSN:04957849)
巻号頁・発行日
no.32, pp.p221-232, 1992
被引用文献数
2

Recently many researchers began to research on teachers' cognition in the classroom. This paper reviews these studies under three topics as follows : (1) studies on decision-making processes, (2) studies on nature of knowledge for teaching, (3) studies on formation of the knowledge. First, as for research on decision-making processes, an elaborated model was developed and the differences between experts and novices about perceptions of events in classrooms and about inferences and decisions have been demonstrated. The more researches are needed about the inferences on students' learning of specific substances. Second, as for the nature of knowledge, context specificity and personal propensity of the knowledge are demonstrated from the studies about content of knowledge, representation of knowledge, and beliefs. Third, on the formation of knowledge, researches into reflection on teaching and mentoring processes have been focused and progressed. Finally, careful selections for research methods and necessity of original studies in Japan are pointed.