著者
畠山 里沙 杉田 克生 大上 順一 杉田 克生 スギタ カツオ Sugita Katsuo 大上 順一 オオウエ ジュンイチ Oue Junichi 下山 一郎 シモヤマ イチロウ Shimoyama Ichiro
出版者
千葉大学教育学部
雑誌
千葉大学教育学部研究紀要 (ISSN:13482084)
巻号頁・発行日
vol.55, pp.287-289, 2007-02

認知神経学の観点から,外国語として日本語を学習するイタリア人が,ひらがな・ローマ字を見てから発語するまでの読字反応時間を解析した。外国語の学習効果を客観的に評価していくためにこの検査は有用であると考えられる。We performed a test of "Hiragana" and "Romaji" reading-reaction time to Italian university students who learn Japanese. This test is simple and regarded as a useful method to evaluate their acquisition of foreign language objectively.
著者
淡野 明彦
出版者
The Association of Japanese Geographers
雑誌
地理学評論 (ISSN:00167444)
巻号頁・発行日
vol.47, no.8, pp.498-510, 1974-08-01 (Released:2008-12-24)
参考文献数
9
被引用文献数
3 3

今日,私鉄資本は単なる鉄道業としてにとどまらず,観光・娯楽・流通・不動産といった第三次産業のあらゆる分野にまで手を拡げ,「私鉄コンツェルン」とよばれるまでに肥大化した.私鉄資本がマーケットを拡大する場合には,工業資本が新しい工場の新設という形をとるのと同様に,鉄道やバス路線の新設といった形をとって新たな地域に進出し,その進出意図にかなったように地域を変容させていく. 本稿では西武鉄道が西武秩父線を建設して秩父地方に進出していった事例をとりあげ,この路線の建設を通しての私鉄資本の進出が秩父地方をどのように変容させていったかを明らかにすることを目的とした.西武鉄道が西武秩父線建設においてめざしたのは,秩父地方の観光開発と天然資源開発であったため,この両面から秩父地方の変容をおさえていった.緒果として,西武秩父線は私鉄資本とセメント資本の中央から地'方へのパイプの役割を果し,「観光の秩父」「セメントの秩父」の性格がさらに強化されていく実態が把握された.

3 0 0 0 OA 犀星発句集

著者
室生犀星 著
出版者
野田書房
巻号頁・発行日
1935
著者
菊池 誠
出版者
早川書房
雑誌
SFマガジン
巻号頁・発行日
vol.42, no.12, pp.102-104, 2001-12
著者
渡辺 美雄
出版者
日本文学協会
雑誌
日本文学 (ISSN:03869903)
巻号頁・発行日
vol.46, no.8, pp.37-47, 1997-08-10

金子みすずの「みんなちがって、みんないい」という詩句は僕の教室では無力のように思える。自分と異なる個性、生き方を認めるにはどのような力が必要なのか。中島らもの『お父さんのバックドロップ』の後半を子どもたち一人ひとりが創作し、原作と重ねて読むときにこの問題の答が見えてくるのではないか。そこには一人ひとりが自分の目で見、考えるという姿勢=批評の目の萌芽が見られるのではないかと期待を込めてとりくんでみました。
著者
金森 悟 坂本 宣明 白田 千佳子 海野 賀央 江口 泰正 山下 奈々 北島 文子 厚美 直孝 小林 宏明 高家 望 福田 洋
出版者
日本健康教育学会
雑誌
日本健康教育学会誌 (ISSN:13402560)
巻号頁・発行日
vol.29, no.1, pp.79-86, 2021-02-28 (Released:2021-03-10)
参考文献数
6

目的:筆者らは,多職種産業保健スタッフの研究会にて「コロナは世界・健康教育・ヘルスプロモーションをどう変えたのか?」というテーマで夏季セミナーを開催した.本報告ではセミナーの開催概要を紹介するとともに,参加者によるセミナーの評価について報告する.方法:2020年9月13日に多職種産業保健スタッフの研究会のコーディネーター12名がセミナーを開催した.参加形態はZoomを用いたオンライン形式とした.全体の構成は第I部に基調講演,第II部は産業保健の現場からの話題提供,第III部は「オンラインの対面型コミュニケーションツールで可能になったことや新たな使い方」についてのグループワークとした.セミナーの評価を行うため,参加者を対象にGoogle formを用いた質問票調査を実施した.結果:参加者は71名,調査への回答者は52名(73.2%)であった.回答者のうち女性が69.2%,年代では40代が34.6%,職業では看護職が53.8%であった.各部について参考になったという者は80.8~96.2%であった.学んだことを今後に活用していこうと思う者は94.2%,全体について満足であった者は96.2%であった.結論:本セミナーでは,新型コロナウイルス流行下での健康教育やヘルスプロモーションの意義や事例,可能性が議論された.参加者のほとんどがセミナーに満足し,本セミナーの開催は意義があった.
出版者
改造社
巻号頁・発行日
vol.第17篇 (長谷川伸・山本禾太郎集), 1929
著者
神嶌 敏弘
出版者
一般社団法人 日本物理学会
雑誌
日本物理学会誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.74, no.1, pp.5-13, 2019-01-05 (Released:2019-07-10)
参考文献数
19
被引用文献数
1

数年前から,人工知能や機械学習について目立った成果が取り上げられるようになった.日本では,バブル崩壊後あたりから撤退する企業が相次ぎこの分野は長く冬の時代であったのに対し,海外では堅実な研究が続けられていた.その研究が実り,コンピュータ囲碁は人間のトッププロに勝つようになったり,機械翻訳や音声認識がその精度を大幅に向上させるといった成果に繋がった.一方で,マスコミの情報では,機械学習があたかも魔法の杖であるかのような過剰な印象を与えているとも思う.以下では,現状の機械学習はどのようなもので,何が今までと違い,何が変わっていないのかを論じる.
著者
久保 正敏 Masatoshi Kubo
出版者
二宮書店
雑誌
地理月報
巻号頁・発行日
vol.412, pp.1-3, 1993-10-20
著者
河村 裕樹
出版者
日本保健医療社会学会
雑誌
保健医療社会学論集 (ISSN:13430203)
巻号頁・発行日
vol.30, no.1, pp.43-53, 2019

<p>本稿では、精神科診療場面において、治療の方針と治療の実施の決定権を有する医師と、そうした権利を持たない患者双方が、非対称性をどのように達成しているのかを、会話分析の観点から考察する。身体を対象とする医療においては、患者を説得するために検査結果といった生物医学的事実を用いることができるが、精神科の場合は、それだけでは患者を説得する資源として十分ではない場合が多い。そこで医師は説得の技法を駆使して、患者の同意を得なければならない。本稿では、段階的な説得を試みる際の医師の発話デザインや、患者が医師との非対称性を利用して自らの要望を伝える際に、正当ではない位置で訴えを開始するといった方法を明らかにした。これらは非対称性から生じる権力によって患者の要望を医師が聞き入れなかったり、漫然と同じ処方を続けるといった単純な医療批判を超える論点である。</p>
著者
野田 大志
出版者
日本語学会
雑誌
日本語の研究 (ISSN:13495119)
巻号頁・発行日
vol.7, no.2, pp.1-16, 2011-04-01

本稿は,現代日本語の[他動詞連用形+具体名詞]型の複合名詞を,構文理論(construction grammar)における構文であると位置づけ,その構文的意味形成について包括的,体系的に分析した。まず,考察対象とする複合名詞の多様な構成要素間の関係性を構文的な多義性と位置づけ,個々の複合名詞の意味の検討を踏まえてボトムアップ的に抽出した7つの構文的意味を認定した。次に意味形成における2つのレベルの比喩の関与について検討した。1つ目として,個々の複合名詞の意味形成への比喩の関与について明らかにした。2つ目として,構文的意味拡張(構文的多義ネットワークの形成)の動機づけとしての比喩の関与について明らかにした。