著者
三井 美穂
出版者
拓殖大学言語文化研究所
雑誌
拓殖大学語学研究 = Takushoku language studies (ISSN:13488384)
巻号頁・発行日
no.142, pp.279-295, 2020-03

アメリカ社会を理解するためのテクストとして映画を使用する場合,どのようなトピックをどのような切り口で扱うのが効果的だろうか。本稿では映画『フォレスト・ガンプ一期一会』をテクストとし,アメリカがどのように描かれているかを考察する。1994 年に製作されたこの映画は,1950 年代から1990年代はじめにかけてのアメリカ社会を背景として,一南部人の半生を描いたものである。20 世紀後半の社会の動きを知るだけでなく,1994 年当時の社会にスポットを当て,この映画が製作された土壌について考察することもできる。主人公が南部人であることから,取り上げるトピックは南部の地域性,人種問題,反体制運動の3 点とし,そのトピックを互いに関連させながら映画を解釈していく。それにより,映画に描かれているアメリカの保守的文化を浮かび上がらせ,それを取り巻く,或いは対立する動きを読み取っていく。アメリカ社会の一側面を提示することが本稿の狙いである。
著者
折茂 英生
出版者
日本医科大学医学会
雑誌
日本医科大学医学会雑誌 (ISSN:13498975)
巻号頁・発行日
vol.7, no.2, pp.92-96, 2011 (Released:2011-05-06)
参考文献数
8

The delivery of genes into cells is a basic procedure in molecular biology. The induction of genes into prokaryotic cells is referred to as transformation, which is a basic method in gene cloning, whereas that into eukaryotic cells is called transfection. Several transfection methods have been reported: physical, chemical, and biological. In this technical note, a transfection method using cationic lipids is described for studies of gene function and the expression of mutant proteins.
著者
川瀬 裕子
出版者
札幌学院大学
雑誌
札幌学院大学人文学会紀要 (ISSN:09163166)
巻号頁・発行日
vol.83, pp.203-222, 2008-03

レイモンド・カーヴァーの作品,『ささやかだけど,役にたつこと』,『大聖堂』,『保存されたもの』の3作品には,共通の設定がある。いずれの作品においても,設定は都市周縁に発展し続ける郊外住宅街であること,登場人物たちは,30代前半の若い夫婦であることである。カーヴァーの作品を特徴づけるこの設定に何か作者の意図があるとすれば,この設定を文学空間とし,20世紀末のアメリカ社会の変貌とそこに関わる人物たちの人生の諸相を描出したことにあろう。郊外住宅街の開発は,アメリカの中産階級の庶民が,自分たちの家を所有するという願望の実現を可能にした。彼らが手中におさめたささやかな夢はその後どのように変化していったのだろうか。アメリカ文化の変容が行き着いた場として,郊外住宅街は新たにアメリカ的特質を生み出したニュー・フロンティアであるといわれて久しい。そこで何が起こっているのか,そこでの住民たちの人生の行方はどのような方向に向かおうとしているのか,カーヴァーは若い家族たちの日常を追いながら彼らの問題の本質に迫ろうとした。この小論においては,限られた空間で向き合う人物たちの周囲の行き場のない重苦しい空気や危げな関係を分析し,彼らに潜在する問題を考察することを意図した。大都市の喧噪や犯罪を避け,理想的な住宅街に見える環境は,やがて,孤独や退屈,不安や空虚の空気が満ちた住空間となっていった。精神的に不毛な日常生活に埋没する人物たちを描くカーヴァーの視点がそうした人物たちの危うい精神構造を見据えていることに留意し考察する。
著者
水口 一徳
出版者
一般社団法人 国立医療学会
雑誌
医療 (ISSN:00211699)
巻号頁・発行日
vol.7, no.6, pp.364-365, 1953-06-10 (Released:2011-10-19)

3 0 0 0 OA 朝鮮史

著者
朝鮮史編修会 編
出版者
朝鮮総督府
巻号頁・発行日
vol.第一編第一巻,
著者
和泉 眞喜子
出版者
一般社団法人 日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.39, no.3, pp.240-243, 2006-06-20 (Released:2013-04-26)
参考文献数
9
被引用文献数
1

3 0 0 0 OA 防ぐ

著者
宮崎 能久
出版者
公益社団法人 高分子学会
雑誌
高分子 (ISSN:04541138)
巻号頁・発行日
vol.31, no.4, pp.300-301, 1982-04-01 (Released:2011-10-11)
参考文献数
5
著者
遠藤 謙一郎
出版者
日本笑い学会
雑誌
笑い学研究 (ISSN:21894132)
巻号頁・発行日
vol.22, pp.93-102, 2015-08-01 (Released:2017-07-21)

日本の文化・生活における「間(ま)」の重要性については、いろんな分野で研究されている。話芸においても、無言・沈黙の時間の「間」が述べられている。今回、落語の「間」を考えるときに、特に意図的に短縮された時間もしくは一切省略された「間合い」が多用されていることに着目し、これを「端折りの間合い」とよび検討を加えた。その「端折りの間合い」を具体例にて3つの類型に分けて提示し、イ.ながれ、ロ.かぶせ、ハ.いきなり、と分類してその演技上の効果について解説を試みた。

3 0 0 0 OA 祭礼の笑い

著者
浦 和男
出版者
日本笑い学会
雑誌
笑い学研究 (ISSN:21894132)
巻号頁・発行日
vol.22, pp.5-18, 2015-08-01 (Released:2017-07-21)

日本には落語、漫才などさまざまな笑いの文化があるが、一番身近なものは伝統的な祭礼で見る事ができる笑いである。伝統的な祭礼は厳格に執り行われていると思いがちだが、実は笑いにあふれている。笑う祭礼、笑うことを意図する祭礼、笑いを意図しないにもかかわらず、笑ってしまう祭礼など、日本の民俗社会の祭礼は、本来どこかに笑う場面が必ずあったと言われている。本稿では、本学会『笑いの民俗行事』プロジェクトが提案した祭礼の笑いのカテゴリーを検証し、祭礼における笑いの役割を考察する。祭礼では、ただおかしいから笑うというのではなく、その笑いには意味があり、それは日本人の笑い観にも影響を与えてきたと考えることができる。祭礼、行事についての民俗学的研究、文学的研究、あるいは、アジア諸国の祭礼、行事との比較文学、比較文化的、文化人類学的考察に関する先行論文は多数あるが、祭礼の笑いについて論じた先行研究はほとんどない。
著者
白田 英樹 富久 章子 笠原 猛
出版者
徳島県立農林水産総合技術センター畜産研究所
雑誌
徳島県立農林水産総合技術センター畜産研究所研究報告 (ISSN:1347099X)
巻号頁・発行日
no.3, pp.85-90, 2003-12

ブロイラーのコマーシャル鶏を用いて魚粉(動物性蛋白質)を用いない飼料がブロイラーの生産性に与える影響について検討を行った。平成14年10月15日から12月10日までの56日間、雌雄別飼で試験を実施した。8週齢までの育成率は、試験区:98.0%-100%、対照区:98.0%-100%であった。8週齢時の体重は、試験区雄:3554g、雌:3130g、対照区雄:3566g、雌:3093gで両区で差は見られなかったが、6-8週齢の1日1羽当たり飼料摂取量では試験区が有意に多かった。肉色では、むね肉及び腹腔内脂肪色でa値b値で試験区の色が薄く、差が見られた。浸透圧及び血液ガスでは一部で差は見られたが、飼料の違いによる傾向は確認できなかった。
著者
豊島 久乃 斎藤 英俊
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.74, no.642, pp.1905-1910, 2009-08-30 (Released:2010-01-18)
参考文献数
5
被引用文献数
3

Case study was carried out in a water limited village to evaluate its traditional village cultural landscape from a water environmental point of view. Study result indicated that; 1) Traditional water management structures were carefully developed to make the best use of its given geographical/hydrological feature. 2) These facilities were considered as common assets, thus usage/maintenance rules were strictly followed by the village people. 3) Location of buildings and rice fields in Meiji period had strong relationship with the location of water management structures.As a conclusion, water management structures which utilized its given natural environment have created sustainable water management system together with its usage rules shared among the village people. This traditional water management system regulated land use such as location of buildings and rice fields which are major elements of a village landscape, thus can be concluded as an important factor to create its unique village cultural landscape.
著者
新井 親夫 若林 泰憲 水野 章 小松 一郎 佐納 良樹
出版者
公益社団法人 化学工学会
雑誌
化学工学論文集 (ISSN:0386216X)
巻号頁・発行日
vol.9, no.3, pp.241-244, 1983-05-10 (Released:2010-03-15)
参考文献数
5
被引用文献数
2

無機塩の飽和水溶液と平衡な気相の相対湿度が常温で50%以下になるような塩を使用し, 湿度を10~50℃の範囲で測定した. 低湿度が得られる場合には溶液と共存する塩の固相が結晶水をもち, かつ結晶水に転移の起こることが多い. 測定温度範囲に転移点のある塩について転移温度近傍における相対湿度の変化を示した. また, 塩が不純物を含む場合であっても純粋な塩を使用して得られる湿度との差は少なく, 調整のみが目的であれば粗製塩が使用できることを示した.
著者
水野 俊平
出版者
北海商科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

「外邦図(朝鮮)」は朝鮮で最初に刊行された5万分1地形図である。この地形図の地名には漢字の地名にカタカナで振り仮名が付されている。この振り仮名を通して、当時の朝鮮地名の実相を明らかにすることができる。調査の結果、地形図から44、181個の地名を抽出することができた。この地名の読み方を分析した結果、音読・訓読・音訓混合の3種類が混在していることが判明し、約65%が音読であった。また、同じ地点に幾つかの地名が併存する「多重性」を備えていることが明らかになった。「外邦図(朝鮮)」の地名を分析した結果、文献資料では把握できなかった古語の分布や方言語彙の分布、音韻変化の様相を解明することができた。