著者
高橋 英之 伴 碧 佐武 宏香 遠藤 信綱 守田 知代 浅田 稔 下條 信輔
雑誌
エンタテインメントコンピューティングシンポジウム2015論文集
巻号頁・発行日
vol.2015, pp.395-399, 2015-09-18

正弦波に応じてリズムを変動させる太鼓をたたくぬいぐるみロボットを開発,正弦波のパラメータがどのようにその ロボットとの被験者のリズムインタラクション(交互太鼓たたき課題)における主観的感覚に影響を与えるのかにつ いて調べてきた.その結果,リズムを決める正弦波周期が長くなればなるほど,ロボットが被験者に追従していると いう社会的感覚が生じ,その結果,ぬいぐるみロボットに対する親しみなどの主観的印象が向上することが示された.
著者
宮原 裕 Hiroshi Miyahara
出版者
安田女子大学
雑誌
安田女子大学紀要 = Journal of Yasuda Women's University (ISSN:02896494)
巻号頁・発行日
no.47, pp.289-300, 2019-02-28

がん治療における薬物療法では従来の殺細胞性の抗がん剤には限界があり、分子標的治療薬が登場した。近年、免疫チェックポイント阻害薬が悪性黒色腫をはじめとして多くのがん腫で再発、進行がんを対象に第Ⅲ相試験が行われ一定の効果が得られることから免疫療法として使用されるようになった。しかし、従来の抗がん剤ではみられなかった内分泌障害や消化管障害などの免疫関連有害事象が起こることが明らかとなった。それらに対しては、発症に早期に気づき対処することが求められる。悪性黒色腫に対しニボルマブやイピリムマブを投与し有害事象を来した自験例を示し考察を加えた。起こりうる免疫関連有害事象は多くの臓器に多岐にわたるので、治療科の医師のみでなく、腫瘍内科医、内分泌・代謝内科、消化器内科等の医師および、施設内の看護師、薬剤師を含めた診療連携体制が極めて重要であることを強調した。
著者
木鎌 耕一郎
雑誌
八戸大学紀要
巻号頁・発行日
no.44, pp.59-74, 2012-12
著者
前田 康成 後藤文太朗 升井 洋志 桝井 文人 鈴木 正清
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.53, no.6, pp.1608-1616, 2012-06-15

従来からマルコフ決定過程(MDP)を用いたロールプレイングゲーム(RPG)のモデル化が行われている.従来研究ではRPGが部分的にモデル化されている.本研究では,MDPを用いてより一般的なRPGのモデル化を行う.最初にMDPの真のパラメータ既知の場合に相当するRPGについて,報酬の期待値を最大にするアルゴリズムを提案する.次にMDPの真のパラメータ未知の場合に相当するRPGについて,ベイズ基準のもとで報酬を最大にするアルゴリズムを提案する.次にMDPの真のパラメータ未知の場合に相当するRPGについて,学習データを用いて報酬を近似的に最大にするアルゴリズムを提案する.
著者
安井 眞奈美
雑誌
研究報告人文科学とコンピュータ(CH)
巻号頁・発行日
vol.2014-CH-103, no.11, pp.1-4, 2014-07-26

本発表では,国際日本文化研究センターの 「怪異・妖怪伝承データベース」 (http://www.nichibun.ac.jp/YoukaiDB/) に所収されている怪異に関する膨大なデータの中から身体に関するものを集め,各身体部位に分けて分析を試みる.それを踏まえ,妖怪・怪異に狙われやすい身体部位を紹介し,そこにどのような身体観が表現されているのかを明らかにしたい.また,天理大学の学生たちの創作によるオリジナルの妖怪から,現代の若者たちの身体観を探る試みについても紹介したい.
著者
鈴木 雄登 笹野 遼平 高村 大也 奥村 学
雑誌
研究報告自然言語処理(NL)
巻号頁・発行日
vol.2012-NL-209, no.8, pp.1-7, 2012-11-15

昨今, Web サービスの発達により気軽に Web 上にテキストを投稿することが可能になった.それに伴い, 「パフェる」 や 「リムる」 のような新しいカタカナ動詞も多く使用されるようになった.しかしこうしたカタカナ動詞には一見しただけでは意味が推測できないものが多く存在する.そこで本研究では,カタカナ動詞の入力に対して語源と言い換えの 2 つを出力として提示すればその意味の理解の助けになるとの考えから,格要素の統計的分布を用いてカタカナ動詞の語源と言い換えを獲得する手法を提案する.
著者
三武裕玄 長谷川 晶一 小池 康晴 佐藤 誠
雑誌
情報処理学会研究報告エンタテインメントコンピューティング(EC)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.24(2006-EC-003), pp.9-16, 2006-03-13

人間とバーチャルヒューマンとのインタラクションにおいて、相手の視線はリアリティの向上のために重要な要素である。本研究では、物理シミュレーションベースのバーチャルヒューマンを対象とし、人間らしい自然な眼の動きを与えるため、人間の視覚系を模擬したモデルを構築した。具体的には、物理シミュレータの持つ物体の位置情報をもとに、人間の視覚的注意を模擬した手法によって注視点を決定し、眼球運動の制御モデルによって眼球を動作させた。
著者
西川 純司
出版者
神戸松蔭女子学院大学学術研究委員会
雑誌
神戸松蔭女子学院大学研究紀要 = Journal of Kobe Shoin Women's University : JOKS (ISSN:2435290X)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.1-9, 2020-03-05

かつてミシェル・フーコーが「生命=史」(bio-histoire)と呼んだ、人類と医学的介入の関係の歴史を記述することは、現在においても重要な課題として残されている。本稿は、戦前日本のサナトリウム(結核療養所)で主に結核患者を対象に行われていた日光療法という医療実践の一端を明らかにするものである。とりわけ、正木不如丘(1887-1962)が行っていた医療実践を事例とすることで、近代日本の結核をめぐる「生命=史」の端緒を開く試みとしたい。 明治以降の近代化を社会的背景に、結核は人びとの生を脅かす伝染病として大正・昭和初期の社会で蔓延していた。そうしたなか、日光(紫外線)に結核菌を殺菌する作用があるということが発見されると、1920 年代半ばまでには日本においても日光の紫外線を利用するサナトリウムが見られるようになった。しかし、実地での治療は容易ではなかったことから、富士見高原療養所の正木は日光療法を行うための最適な条件―日光浴場の配置や構造、設備など―に細やかな注意を払う必要があった。また、日光療法の科学的根拠を発見することができなかったがゆえに、正木は苦悩しながら日光による治療を実践していた。