著者
赤間 仁志
雑誌
夏のプログラミング・シンポジウム2018 「プログラミングとオートマトン」
巻号頁・発行日
vol.2018, pp.1-4, 2019-01-11

身近なものを使って計算ができることを発見するのは,常に新鮮な驚きと喜びをもた らすものである.本論文では,株式会社タカラトミーが販売する鉄道模型であるプラレール を用いることで論理回路を構成できることを示し,基本的な論理ゲートや半加算器などの実 例を交えて,プラレールを用いた論理回路の性質を紹介する. 先行研究にて,プラレールと LEGO ブロックを組み合わせて論理計算を行う手法がすでに 発表されている.しかし,LEGO ブロックの部品は豊富な種類があり,LEGO ブロックの みで論理計算を行う装置もすでに構成されている.本発表では,純粋にプラレールの部品だ けでも論理回路を構成できることを示す.
著者
小笠原 秀實
出版者
禅学研究会
雑誌
禅学研究
巻号頁・発行日
vol.31, pp.1-35, 1939-07-15
著者
荒川 豊 田頭 茂明 福田 晃
雑誌
研究報告システムLSI設計技術(SLDM)
巻号頁・発行日
vol.2010-SLDM-144, no.50, pp.1-7, 2010-03-19

本研究では,コンテキストアウェアIME実現へ向けて,コンテキストと入力文字列との相関関係を明らかにするために,Twitter (ツイッター) のつぶやきを収集し分析を行った.ツイッターを分析対象とした理由は,位置情報が付加された文字列が大量に得られることと幅広いユーザ層の文字列が得られることからである.2009 年 12 月 15 日から 2010 年 2 月 1 日の位置情報付きの 13590 件のツイートに対して,位置情報から得られるランドマーク情報と,時間情報から得られるテレビ番組情報とのマッチングを行ない,取得したツイートのうち,4.83% が発言した位置を元に得られるランドマーク情報を含み,8.16% が発言した時間を元に得られるテレビ番組情報を含んでいることを明らかにした.また,一致した文字列は,2~3 文字であることや Web 検索結果の上位 10 件に約 45% が含まれていることを明らかにした.
著者
赤池 英夫 赤澤 紀子 角田 博保 中山 泰一
巻号頁・発行日
vol.2023, pp.14-21, 2023-08-11

教科書の発行に関する臨時措置法に基づき,各都道府県教育委員会は文部科学省に教科書需要数について報告する義務がある.そこで,文部科学省およびいくつかの都道府県への公文書公開手続きにより,2022 年度および2023 年度の教科書需要数のデータを入手した.これらのデータにおける情報科および関連する教科の教科書需要数から,「情報Ⅰ」および「情報Ⅱ」の実施状況や情報科と他教科との関連などを,都道府県との関わりのもとに検討し考察する.
著者
古谷 ミチヨ
出版者
ヒューマンケア研究学会
雑誌
ヒューマンケア研究会学会誌 = Japanese Society of Human Caring Research (ISSN:21872813)
巻号頁・発行日
vol.6, no.1, pp.47-54, 2014-09-30

本研究の目的は、我が国における「性同一性障害当事者の性同一性」の概念分析を行って当事者への包括的支援の重要性に言及し、実践と研究における本概念の活用性を検討することである。便宜的に抽出された看護学、医学、心理学、社会学領域の文献・資料25 件を対象に、Walker & Avant の分析手法を用いて質的に分析した。その結果、本概念の定義は見当たらず、本分析によって二つの属性、三つの先行要件、三つの帰結が導き出された。分析結果から本概念を、「性別違和感が緩和された肯定的・客観的な自己意識と、自認する性で紡ぐ他者との相互関係において経験される性の共有感とが統合された感覚」と定義した。本研究によって性同一性障害当事者への包括的支援の重要性が示され、本概念は当事者の性同一性形成に向けた実践と研究への活用が可能であると考えられた。今後は当事者アイデンティティにまつわる研究を進行させ、本概念の充実と洗練を図る必要がある。
著者
森山 徹 Toru Moriyama
出版者
基督教研究会
雑誌
基督教研究 = Kirisutokyo Kenkyu (Studies in Christianity) (ISSN:03873080)
巻号頁・発行日
vol.71, no.2, pp.75-94, 2009-12-03

「アウシュヴィッツ以後」、ユダヤ教とキリスト教の関係を考えた神学者や研究者たちは、キリスト論とキリスト教的反ユダヤ主義の共犯関係を批判してきた。しかし、これらの批判は、キリスト教的反ユダヤ主義の根源的な克服を要求するあまり、しばしばキリスト論までも毀損してきた。本稿の目的は、モルトマンのキリスト論とキリスト教的反ユダヤ主義の関係を明らかにすることにある。モルトマンは、イスラエルの歴史に基づくメシア理解と、十字架につけられたイエスの理解から、「途上のキリスト論」を主張する。このキリスト論によって、彼は、キリスト教的反ユダヤ主義を相対化するだけでなく、キリスト論をも保持することを可能にした。アウシュヴィッツとキリスト教の関係を問題にしている神学者ロイ・エッカートは、モルトマンのキリスト論を「先延ばしされた勝利主義」として批判した。しかし、モルトマンは、途上のキリスト論が、キリスト教的反ユダヤ主義と勝利主義を克服し、キリスト論を保持するのだと主張した。
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.64, no.9, 2023-08-15

情報処理64巻9号を1つのファイルにまとめました.
著者
橋田 光代 片寄 晴弘 保科 洋
雑誌
情報処理学会研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI)
巻号頁・発行日
vol.2003, no.111(2003-HI-106), pp.103-109, 2003-11-07

与えられた楽譜からフレーズ頂点を推定(or 付与)する手法のひとつに保科理論がある.頂点選択や演奏表現のための条件がよく整理されており,理解しやすい.ただし,保科理論では,グループ境界に関しては人間の直感的な思考を前提にしており,直接,計算機処理に用いることはできなかった.本稿では,保科理論をもとに,スラーの始点と終点に関する制約を利用し,頂点推定の根拠からのvotingによって各グループの頂点を推定するモデルを提案する.ベートーベンのピアノソナタ「悲愴」第2楽章では,概ね正しい頂点を導き,他曲における推定でも約80%を超える正答率を得た.
著者
米本 倉基 Kuramoto Yonemoto
出版者
同志社大学政策学会
雑誌
同志社政策科学研究 = Doshisha University policy & management review (ISSN:18808336)
巻号頁・発行日
vol.13, no.2, pp.109-125, 2012-03-15

本研究の目的は、医療分野において注目されている女性医師の増加に関して、その現状を国内外の統計データ、および先行論文をレビューすることで明らかにし、女性医師の就業支援が、今後のわが国の医療政策の重要な視点の一つとなることを論じることである。レビューの統計データは、主に厚生労働省、およびOECDヘルスデータを、論文は国内をCiNiiに、海外はPub Med Centralを中心として収集した。その結果、わが国において、女性医師の占める割合は、諸外国に比べていまだ低いことが確認されたが、その割合は近年急激に増加しており、その対応策の遅れが、わが国の医療現場の疲弊にいっそう拍車をかけることになる懸念が示された。現状における政策の問題点をあげれば、女性医師は、眼科や皮膚科などの特定の専門診療科へ集中する傾向や、結婚や出産後における離職と復職へのハードル、特にパート勤務や診療所開業医への転出する割合は男性医師よりも高く、病院経営に大きく影響している。にもかかわらず、その対策としての女性医師のキャリア支援や柔軟な勤務スタイルの整備など、勤務医のワーク・ライフ・バランス支援策が遅れ、これによって、わが国全体の勤務医不足に影響を与えている現状が明らかとなった。一方、すでに女性医師の割合が、わが国よりはるかに高く、その対策も進んでいる諸外国においても、前述した女性医師の特徴的な傾向を認めることができるが、その政策には見習うべき点が多く、今後の「研究上の視点」とした。
著者
井上 聡
出版者
環太平洋大学
雑誌
環太平洋大学研究紀要 = Bulletin of International Pacific University (ISSN:1882479X)
巻号頁・発行日
vol.9, pp.105-113, 2015-03-30

The variation of verbs which are followed by gerund varies widely, and as many as 74 kinds are presented in previous studies. In order to promote learners’ understanding about the usage, the term ‘megafeps’ (Egawa, 1991) is often used, including mind, miss, enjoy, give up, admit, avoid, finish, escape, practice, put off, postpone, stop and suggest. Based on three types of corpus, (native speaker, learner, and textbook), the following findings have identified: The verbs used most frequently are stop, avoid, consider, enjoy and risk, but learners underuse consider and risk. It is important to review English teachers’ explicit knowledge about the usage of megafeps.
著者
野尻 抱介
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.64, no.9, pp.448-449, 2023-08-15
著者
冨岡 美栄子
雑誌
崇城大学芸術学部研究紀要
巻号頁・発行日
no.7, pp.159-165, 2014

言葉を視覚的に捉えさせる文字は、生活と文化の中で重要な部分であり、時代ごとに一つ一つの進展と様々な需要があって現代に成り立っている。時代ごとに変化が見られていく文字は、その時代の象徴ともいえる。雑誌もまた、人々の需要から生まれ文化発展を助長してきた。政論から児童向け、文学、娯楽と多岐にわたり時代の“今”を映して積極的に表現し発信してきたメディアの一つである。雑誌に見られる文字が時代とともにどう変化してきたか、いかに時代の声に応えてきたのか。これまでに発進されてきたものを文化的・社会的背景と照らし合わせることで、文字のデザインの変遷や当時における役割、時代を反映する力について明らかにできると考える。文字の変遷や時代ごとの役割・反映力を明らかにするためにはある一定期間における雑誌と文字についての調査・分析による検証が必要となる。本研究では、現在でも発行が続いている雑誌『キネマ旬報』の大正期に焦点をおき、『キネマ旬報』にみられる特徴的な文字である図案文字の形の変遷と時代性との関連性を見出すことを目的とした。
著者
川﨑 瑞穂
出版者
国立音楽大学
雑誌
研究紀要 = Kunitachi College of Music journal (ISSN:02885492)
巻号頁・発行日
vol.57, pp.31-41, 2023-03-31

クロード・レヴィ=ストロースのテーバイ神話群の分析に想を得た音楽分析を、本来的な意味とは異なるという指摘はあるものの「範列分析 paradigmatic analysis」と呼ぶことがある。本稿では、民俗芸能のうち、東日本を中心に各地に伝わる「三匹獅子舞」の歌を例に、範列分析の応用可能性を検討する。筆者は本誌第52集に掲載した拙稿にて、狭山丘陵南麓に伝わる二つの三匹獅子舞「横中馬獅子舞」「箱根ヶ崎獅子舞」について研究した。しかし、拙稿ではその歌について考察することができなかった。本稿ではまず、範列分析を大略紹介したのち、箱根ヶ崎獅子舞の歌の構造を提示する。その後、三匹獅子舞の「歌」の意味論を展開した石川博行の論文「おばあさんの涙」を経由しつつ、歌詞の意味論の可能性、とりわけ「相同性」に着目した分析の方向性について若干の検討を試みる。