著者
上野 顕子 長谷川 元洋 新谷 洋介
出版者
日本消費者教育学会
雑誌
消費者教育 (ISSN:13451855)
巻号頁・発行日
vol.34, pp.185-194, 2014 (Released:2021-05-01)
参考文献数
14
被引用文献数
1

As cell phone and Internet users increase among junior and senior high schoolers, there has been a corresponding increase in problems with online shopping. Home economics education takes a main role of consumer education for those young people at school. Therefore, a text analysis was conducted of junior and senior high school home economics textbooks for online shopping. As a result, the online shopping content written in the textbooks is not offering enough skills and guidance to use online shopping safely. As necessary learning content is increasing, an agenda can be to gradually classify the content by school stages.
著者
平野 羊嗣
出版者
日本生物学的精神医学会
雑誌
日本生物学的精神医学会誌 (ISSN:21866619)
巻号頁・発行日
vol.26, no.4, pp.199-203, 2015 (Released:2017-02-16)
参考文献数
29

最近の,脳波や脳磁図,光遺伝学といった電気生理学的研究の進歩や,死後脳研究の知見により,皮質の周期的神経活動(neural oscillation)の異常が,精神疾患の病態生理に深くかかわっていることがわかってきた。神経活動の中でも主にγ帯域の周期的皮質活動(γ band oscillation)が,認知や知覚,または意識に関連していることが知られているが,認知機能や知覚処理の障害,自我意識障害を有する統合失調症患者では,特にこのγ band oscillation が障害されていることが明らかになってきた。γ band oscillation の障害は,神経回路内のリズムメーカーとしての機能を担う GABA 作動性の抑制性介在ニューロンの機能低下と,興奮性ニューロンの障害(NMDA 受容体の機能低下)ならびに,この両者のバランス(E/I バランス)が破綻することにより生じるとされている。さらに,これらの現象は種を問わず認められ,統合失調症のモデル動物でも同様の結果が得られるため,統合失調症の新たな病態モデル,治療ターゲットとして注目されている。

2 0 0 0 OA 我五十年

著者
村上浪六 著
出版者
加島虎吉
巻号頁・発行日
1914
著者
井口 暁
出版者
社会学研究会
雑誌
ソシオロジ (ISSN:05841380)
巻号頁・発行日
vol.59, no.2, pp.21-38, 2014-10-31 (Released:2019-05-24)
参考文献数
18

A purpose of this paper is to reconstruct an idea of “attribution conflict” in risk sociology implicated by Niklas Luhmann and to clarify its significance in the “Post-Fukushima” era in Japan. First, this paper distinguishes two different aspects of Luhmann’s distinction of danger and risk and clarifies two core perspectives derived from them. On the one hand, “attribution analysis” focuses on under which social conditions attribution of danger becomes valid or is transformed to attribution of risk and vice versa. On the other hand, “analysis of risk evaluation conflict” focuses on how social conflicts over risk evaluation between decision-maker and those affected occur and proceed. Subsequently, it will be pointed out that the idea of attribution conflict as third perspective in Luhmann’s risk sociology remains unclear even in his articles within risk sociology and thus has not been focused in previous studies.Second, this paper attempts to reconstruct the idea by focusing his articles not only in risk sociology but also outside of it. In “Social Systems” (1984), Luhmann discussed more clearly on a situation of attribution conflict derived from attribution error between actor and observer based on social psychological attribution theory. And his general discussion can be transformed into context of risk sociology. As a result of transformation, it will be clarified that attribution conflict over risk and danger can arise from the fact that decision-maker tend to perceive (attribute) its own risk as natural or artificial danger and to impose his responsibility on natural events or others, while those affected sometimes tend to perceive apparently natural danger as its own danger, that is, risk derived from others as decision-maker. Finally, this paper concludes that further development of the theory of attribution conflict becomes more important in the “Post-Fukushima” era. It’s because several actors in Japanese society differently perceive the causes of and responsibilities for Fukushima nuclear disaster (for example, Tsunami, earthquake, human error of electric power company or mistake of Japanese nuclear power policy, etc.), and thus the attribution conflict seems to be caused in Japan in reality.
著者
巽 博臣 升田 好樹 今泉 均 吉田 真一郎 坂脇 英志 後藤 京子 原田 敬介 信岡 隆幸 平田 公一
出版者
日本静脈経腸栄養学会
雑誌
静脈経腸栄養 (ISSN:13444980)
巻号頁・発行日
vol.28, no.6, pp.1245-1250, 2013 (Released:2013-12-25)
参考文献数
17
被引用文献数
2

【目的】重症患者における早期経腸栄養開始後は便秘・下痢が問題となる。排便量から緩下剤の継続・休止や必要な処置・検査などを決定する排便コントロール基準 (以下、本基準) の効果について検討した。【対象および方法】ICUで経腸栄養を7日以上継続した53症例 (導入前群24例、導入後群29例) を対象とした。「一日排便量≥300g」を下痢、「48時間以上排便がない状態」を便秘と定義し、経腸栄養開始後1週間の排便状況を両群間でレトロスペクティブに比較検討した。【結果】一日排便量の1週間における推移は導入前後で交互作用がみられた。7日間における下痢の頻度は導入前群2.5±0.3日、導入後群2.0±0.3日と有意差はなかったが、便秘の頻度は1.5±0.3日から0.7±0.2日に、便秘または下痢の頻度は4.0±0.3日から2.6±0.3日に有意に減少した。【結語】排便量に従って薬剤投与や浣腸処置の追加を判断できる本基準の導入により、排便量および下痢・便秘の頻度が減少した。本基準の導入により適切な排便コントロールが可能となり、経腸栄養管理を有効かつ安全に実施できると考えられた。
著者
中西 弘樹
出版者
植生学会
雑誌
植生学会誌 (ISSN:13422448)
巻号頁・発行日
vol.18, no.2, pp.99-106, 2001-12-25 (Released:2017-01-06)
参考文献数
35
被引用文献数
1

1.アカザ科マツナ属(Suaeda)のヒロハマツナについて,分布の現状および群落の生態,特に植生単位を決定すると共に,ヒロハマツナと比較するために,日本のマツナ属すべてが産する九州西部においてそれらの詳しい分有を明らかにした.   2.ヒロハマツナの分布は,東海,近畿,中国,九州の11県から記録されているが,岡山県,福岡県,熊本県,鹿児島県ではすでに絶滅したか現状不明であり,愛知県では生育地が1ケ所,兵庫県,広島県,大分県では減少が著しく,絶滅が危惧される状況であった.現存する分布は南北に狭く,東西に広がっており,分布の東限は愛知県渥美町,西限は長崎県五島の若松町であった.   3.九州西部において,マツナは北東部のみで,対馬上島に最も生育地が多く,ハママツナはマツナ属の中で最も産地が多く,九州西部全体に分布していた.シチメンソウは有明海沿岸の佐賀県、長崎県に限られ,分布域に入る対馬には発見されなかったが,ヒロハマツナは対馬の浅生湾沿岸部,上五島,長崎県本土中北部の佐世保市,有明海湾奥部に分布していた.   4.ヒロハマツナは対馬と上五島のそれぞれ1ケ所においてハママツナと同じ塩湿地に,有明海湾奥部においてはしばしばシチメンソウと同じ塩湿地に生育していたが,混生することは少なく,すみ分けしていた.しかし,ハママツナとシチメンソウは同じ地点に分布していることはなかった.   5.ヒロハマツナの優占する群落を新群集としてヒロハマツナ群集Suaedetum malacospermaeを命名した.
著者
谷 晋二
出版者
一般社団法人 日本認知・行動療法学会
雑誌
行動療法研究 (ISSN:09106529)
巻号頁・発行日
vol.42, no.2, pp.147-158, 2016-05-31 (Released:2019-04-27)
参考文献数
12
被引用文献数
3

本研究はACTに基づく心理教育を先延ばし行動を持つ大学生に対して実施した症例報告である。成果の検討のために、先延ばししている課題の遂行状況の自己記録、GPS、AAQ-II、FFMQが用いられた。ACTの心理教育は、先延ばし行動の機能の分析と体験の回避についての学習、体験の回避を促進している言語的な関係からの脱フュージョン、体験の回避に変わる代替行動としてのマインドフルネス・エクササイズの実施、価値の明確化と価値に基づく行動の実施という四つのステップで提供された。学習会修了後、先延ばししていた課題が継続して遂行され、GPSの得点(pre: 55, post: 39, −6 points)、AAQ-II(pre: 29, post: 24, −5 points)、FFMQの得点の変化(pre: 127, post: 156, +27 points)が見られた。これらの結果について関係フレーム理論から分析を行い、先延ばし行動を持つ大学生へのACTの適用が有効であることが考えられた。初年次教育やキャリア教育への適用の可能性について議論を行った。
著者
松浦 智和
出版者
名寄市立大学保健福祉学部社会福祉学科
雑誌
名寄市立大学社会福祉学科研究紀要 (ISSN:21869669)
巻号頁・発行日
no.10, pp.11-27, 2020-03

【要約】世界的にメンタルヘルスの促進の重要性が議論される時勢であるが、本稿ではわが国のメンタルヘルスの主要課題の1つである自殺とその周辺課題について、先行研究や政府公刊の白書等、意識調査の結果を中心に考察を試みるとともに、自殺対策についての提言を述べた。わが国では1998年に自殺者が急増して以降自殺者が3万人を超える状態が続いた。2010年以降は9年連続の減少となっており、2018年は20,840人で前年に比べ481人(2.3%)減少したものの以前深刻な状況にある。特に、自殺総合対策大綱では、重点施策のひとつとして、「子ども・若者の自殺対策の更なる推進」が掲げられているが、先行研究を概観すれば、若年層は自殺念慮が最も高い世代であり、社会に絶望を感じながら、自己有用感が低いまま、これまでの人生で遭遇したいじめなどのつらい経験を抱えながら、レッテル貼りを警戒して専門職に相談することをあえてせず、家族や友人などの身近な"知った仲"によるサポートでギリギリ暮らしている実情が示唆された。
著者
横山 泰子
出版者
国立歴史民俗博物館
雑誌
国立歴史民俗博物館研究報告 = Bulletin of the National Museum of Japanese History (ISSN:02867400)
巻号頁・発行日
vol.174, pp.43-55, 2012-03-30

江戸時代に日本で作られた手品の解説本の中には、手品のみならずまじないの情報が掲載されている。こうした記事は手品史の観点からはあまり注目されないが、奇術と呪術が渾然一体となっていた当時の人々の感覚を知るうえで面白い研究対象といえる。本論では、中国の『神仙戯術』の翻訳からはじまる近世日本の手品本を概観し、その中に記されたまじないを取り上げた。初期の『神仙戯術』や『続神仙戯術』は、手品をはじめ、呪術や生活術などを集めている。もともと中国でも、種や仕掛けを用いて不思議な現象を見せる娯楽としての手品と、まじない等の情報が混在していた。日本の手品観は、中国の手品観の影響を受けていると思われる。また、中国の呪術と似たものが日本の本にも見られるので、文献を通じて中国のまじないが日本人の日常生活の中に浸透していったと考えられる。ただし、まじないの方法には日中で異動がある。外国の呪術は、日本の生活環境にあうよう、改変されて伝えられたのだろう。本来まじないは口頭で秘密裏に伝えられるものだったと考えられるが、江戸時代においては生活上の実用的な知識として本に記されて流布した。奇しくも、まじない本や手品本、占い本等のいわゆる「秘術」を公開する文献は、十七世紀後期に刊行されはじめる。この時期を日本における秘術公開時代の幕開けと考えてみたい。手品本のまじないは、先行の呪術系の書物に類似するものが見られる。専門書の中のまじないの情報が、手品本の中に流入していったものと思う。手品本に記されたまじないには、呪歌を伴うものや、書記行為を伴うものがある。近世日本では、十七世紀から民衆の識字率が向上したが、そうした社会的背景が、手品本の存在や字を書くまじないのあり方と関係している。行為者の能力や資質にあわせて、様々なまじないができるようになっているところに、江戸時代のまじない文化の大衆性を感じる。
著者
平康 博章 因野 要一 西村 和彦
出版者
低温生物工学会
雑誌
低温生物工学会誌 (ISSN:13407902)
巻号頁・発行日
vol.60, no.2, pp.73-77, 2014-10-15 (Released:2017-06-15)

Pulse combustion drying was used for dry preservation of lactic acid bacteria. An antioxidant i.e., 0.01% ascorbic acid or 1.0% glutathione was added to skimmed milk (5%) and trehalose (5%) to protect against desiccation of bacterial cells. The survival rate of dried lactic acid bacteria was > 90% on addition of the antioxidants, while addition of only skimmed milk and trehalose resulted in a 27% survival rate. Neither oxidized ascorbic acid nor glycine demonstrated this effect. Therefore, addition of an antioxidant to prevent peroxidation of the lipid membrane of microorganisms is effective in maintaining the viability of lactic acid bacteria subjected to pulse combustion drying. This the first study to achieve a sufficiently high survival rate of lactic acid bacteria in order to develop a microbiological agent using pulse combustion dryer.
著者
高橋 由紀子
出版者
帝京大学法学会
雑誌
帝京法学 (ISSN:02881659)
巻号頁・発行日
vol.26, no.2, pp.81-119, 2010-03