著者
喜多 歳子 池野 多美子 岸 玲子
出版者
北海道公衆衛生学会
雑誌
北海道公衆衛生学雑誌 (ISSN:09142630)
巻号頁・発行日
vol.27, pp.33-43, 2013

日本では、子どもの相対的貧困率が上昇しているが、就学前の子どもの発達に及ぼす影響は報告されていない。そこで、諸外国で行われた親の社会経済状態(socioeconomic status; SES)と子どもの発達に関する研究に基づき、今後の課題を探った。PubMedを利用し、主に先進国の原著論文の分析を行った。その結果、①SES指標に親の教育歴、所得、職業が多く用いられていた。②発達は、「発達の遅れ」と「問題行動」に大別して報告されていた。③SESと発達の指標は多様であったが、就学前であっても、SESが子どもの「発達の格差」や「問題行動」に影響していた。④その関連に、親の抑うつ、育児ストレス、不適切な養育態度、物的困窮、少ない育児資源などが複雑に関係していた。欧米の研究は、「関連の強さ」から、「効果的な介入」を求める方向に向かっている。本邦の研究課題は、①日本社会にふさわしいSES指標の発見。②親のSESと子どもの発達に関する調査、及び効果的な介入方法の検討である。
著者
田中 俊徳
出版者
日本環境学会
雑誌
人間と環境 (ISSN:0286438X)
巻号頁・発行日
vol.35, no.1, pp.3-13, 2009

1972年のユネスコ本会議において採択された世界遺産条約は,2008年10月現在,185の条約加盟国と878ヵ所の世界遺産地域を有し,その規模と知名度,人気から成功している条約と目されることも多い。しかし,1993年に発表されたイコモスの調査報告において,世界遺産は文化遺産に大きく偏り,地域別に見ても,ヨーロッパ・北米に著しく偏っていることが指摘された。また,遺産の内容も,とりわけキリスト教に関する宗教遺跡や世界的に有名な「エリート」遺産に偏っているとされた。このような世界遺産の偏りを是正するために,1994年の世界遺産委員会において「グローバル・ストラテジー(Global Strategy for a Balanced, Representative, and Credible World Heritage List)」の採用が決定した。これは,「バランスがとれ,代表的かつ信頼できる世界遺産リスト」を達成するために,地域間の世界遺産数のバランスや文化遺産と自然遺産のバランスを考慮し,世界遺産概念の多様化を狙ったものである。以降,世界遺産委員会と世界遺産条約事務局であるユネスコ本部世界遺産センターでは,このグローバル・ストラテジーを基本方針として,条約運営を実施することになった。グローバル・ストラテジーの採用から15年,この基本方針の運用はどのようになされたのか,文献調査と筆者の実務経験から検証した。結果として世界遺産概念の多様化は達成されたが,地域間における格差は拡大傾向であることが分かった。また,文化遺産と自然遺産の格差も拡大傾向であった。その理由として,世界遺産新規推薦件数の増加による審査の厳格化が挙げられる。審査の厳格化は,世界遺産登録に関してノウハウや研究蓄積があり,そのための予算も多いヨーロッパなどの先進国に有利な傾向となり,途上国には一層困難なものとなりつつある。このような矛盾を抱えつつも,世界遺産委員会や世界遺産センターではグローバル・ストラテジーに則した政策運営の努力がなされている。
著者
堀内 ゆかり Yukari Horiuchi
出版者
学習院大学外国語教育研究センター
雑誌
言語 文化 社会 = Language, cultute and society (ISSN:13479105)
巻号頁・発行日
no.19, pp.120-147, 2021-03

「フランス語ができるようになったら何をしたいですか?」、と毎年初回の授業アンケートで学生にきいている。「旅行に行ったときに使ってみたい」「フランス語圏の人と話してみたい」という答えとともに、数は多くないがかならず「絵本を読んでみたい」という声がある。これをきっかけに、教材として使えそうなフランスの絵本を探してきた。『星の王子さま』を挙げる学生も時々いるが、この本のフランス語は意外とむずかしい。紆余曲折1 を経て『ぞうのババール』にたどり着いた。本稿では『ぞうのババール』の原書および日本での翻訳について、この本を教材として使う実践について述べていきたい。
著者
中山 耕至
出版者
京都大学
巻号頁・発行日
2000-05-23

新制・課程博士
著者
桐村 豪文
出版者
弘前大学教育学部
雑誌
弘前大学教育学部紀要 (ISSN:04391713)
巻号頁・発行日
vol.127, pp.177-187, 2022-03-29

90年代以降、とりわけ21世紀を迎えてから EBP を推進する勢いが世界的に増している。EBP の推進をめぐっては、とりわけ教育の世界では賛成と反対の立場の隔たりは著しく、その中間点を求める議論が求められる。そこで本稿では、「連続体の真ん中」に位置するというポスト実証主義という立場に着目した。まず第1節では、ポスト実証主義の立場に立った議論が米国における公的な議論に登場するに至った経緯について述べた。そして第2節では、権勢をふるっていた実証主義がポスト実証主義にとって代わるに至った背景を踏まえた上で、新たな立場であるポスト実証主義の思想的特徴について論じた。
著者
門池 真菜
出版者
関西大学英米文学英語学会
雑誌
英米文學英語學論集 (ISSN:21872589)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.65-100, 2014-03-20

<2013年度 優秀卒業論文>〔Disinguished graduate these〕
著者
藤原 利一郎
出版者
京都大学東南アジア研究センター
雑誌
東南アジア研究 (ISSN:05638682)
巻号頁・発行日
vol.1, no.2, pp.46-54, 1963

この論文は国立情報学研究所の学術雑誌公開支援事業により電子化されました。
著者
望月 恒子 諫早 勇一 中村 唯史 岩本 和久 宮川 絹代 井澗 裕 イコンニコヴァ E.A. 越野 剛 塚田 力
出版者
北海道大学大学院文学研究科
巻号頁・発行日
2010-03-31

平成21-24年度科学研究費補助金 基盤研究(B)(課題番号:21320061)研究成果報告書
著者
白河 次郎
出版者
第五高等中學龍南會
雑誌
龍南會雜誌
巻号頁・発行日
vol.1, pp.7-15, 1891-11-26