15 0 0 0 OA 国家を滅亡へ

著者
ボレツキー 著
出版者
暁星社
巻号頁・発行日
1922
著者
鹿又 伸夫
出版者
The Japan Sociological Society
雑誌
社会学評論 (ISSN:00215414)
巻号頁・発行日
vol.47, no.2, pp.156-170, 1996-09-30 (Released:2010-05-07)
参考文献数
20

予言の自己成就は, 行為者の誤った状況規定がもたらす現象と考えられてきた。しかし, 弱い合理性 (主観的合理性) によって説明可能だとする指摘もある。そこで, 弱い合理性を含む4変数をもちいてブール代数分析による思考実験をおこない, 行為レベルにおける因果メカニズムを演繹的に検討した。その結果, 予言の自己成就現象は, 誤った状況規定をもちいずに, 弱い合理性と情報の受容によって説明可能であった。またマートンの説明を修正することで予言の自己成就を, 行為者の利害を脅かす内容の予測情報に接触するという特定条件下での社会的ジレンマとして一貫して描けた。
著者
沢田 輝 磯﨑 行雄 坂田 周平
出版者
一般社団法人 日本地質学会
雑誌
地質学雑誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.126, no.10, pp.551-561, 2020-10-15 (Released:2021-01-15)
参考文献数
49
被引用文献数
5

東京都日の出町坂本地域の蛇紋岩メランジュ露頭に伴って産する高圧型変斑れい岩および花崗岩類中のジルコンのU-Pb年代を測定した.高圧型変斑れい岩原岩の火成年代は約490Ma(カンブリア紀フロンギアン世~オルドビス紀前期)で,四国や九州の黒瀬川帯に産する類似岩石から報告された年代とよく一致する.花崗岩類の火成年代は約440Maで,約2,400-500Maの年代を持つジルコンも含まれている.本研究の年代測定から,当地域の岩石類は黒瀬川帯の構成要素であり,同帯の東方延長が東京都西部に存在することが再確認された.同地域からの古生代前期高圧型変斑れい岩および花崗岩類の産出は,当時,現在の九州から関東にかけての800km以上におよぶ弧-海溝系が発達していたことを示唆する.
著者
弘中 満太郎 八瀬 順也 遠藤 信幸
出版者
浜松医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

昆虫が正の走光性によって人工光源に集まることは,身近な生物現象である.昆虫走光性に関しては,コンパス理論,マッハバンド理論,オープンスペース理論という3つの主要な仮説が提案されているが,いずれも多様な走光性反応を十分に説明できてはいない.本研究では,顕著な走光性反応を示す幾つかの分類群の昆虫の飛翔軌跡と到達地点を解析し,それらの昆虫が光源と背景との境界部に向かうことを示した.本研究の結果は,既存の3つの仮説とは異なり,昆虫がその正の走光性において明暗や波長,そして偏光による視覚的エッジへ誘引されていることを示唆している.
著者
Takehiro Suzuki Hiroaki Yamaguchi Motoi Kikusato Tetsuro Matsuhashi Akihiro Matsuo Takeya Sato Yuki Oba Shun Watanabe Daichi Minaki Daisuke Saigusa Hiroko Shimbo Nobuyoshi Mori Eikan Mishima Hisato Shima Yasutoshi Akiyama Yoichi Takeuchi Akinori Yuri Koichi Kikuchi Takafumi Toyohara Chitose Suzuki Masahiro Kohzuki Jun-ichi Anzai Nariyasu Mano Shigeo Kure Teruyuki Yanagisawa Yoshihisa Tomioka Masaaki Toyomizu Sadayoshi Ito Hitoshi Osaka Ken-ichiro Hayashi Takaaki Abe
出版者
東北ジャーナル刊行会
雑誌
The Tohoku Journal of Experimental Medicine (ISSN:00408727)
巻号頁・発行日
vol.236, no.3, pp.225-232, 2015 (Released:2015-06-26)
参考文献数
27
被引用文献数
2 34

Mitochondria are key organelles implicated in a variety of processes related to energy and free radical generation, the regulation of apoptosis, and various signaling pathways. Mitochondrial dysfunction increases cellular oxidative stress and depletes ATP in a variety of inherited mitochondrial diseases and also in many other metabolic and neurodegenerative diseases. Mitochondrial diseases are characterized by the dysfunction of the mitochondrial respiratory chain, caused by mutations in the genes encoded by either nuclear DNA or mitochondrial DNA. We have hypothesized that chemicals that increase the cellular ATP levels may ameliorate the mitochondrial dysfunction seen in mitochondrial diseases. To search for the potential drugs for mitochondrial diseases, we screened an in-house chemical library of indole-3-acetic-acid analogs by measuring the cellular ATP levels in Hep3B human hepatocellular carcinoma cells. We have thus identified mitochonic acid 5 (MA-5), 4-(2,4-difluorophenyl)-2-(1H-indol-3-yl)-4-oxobutanoic acid, as a potential drug for enhancing ATP production. MA-5 is a newly synthesized derivative of the plant hormone, indole-3-acetic acid. Importantly, MA-5 improved the survival of fibroblasts established from patients with mitochondrial diseases under the stress-induced condition, including Leigh syndrome, MELAS (myopathy encephalopathy lactic acidosis and stroke-like episodes), Leber’s hereditary optic neuropathy, and Kearns-Sayre syndrome. The improved survival was associated with the increased cellular ATP levels. Moreover, MA-5 increased the survival of mitochondrial disease fibroblasts even under the inhibition of the oxidative phosphorylation or the electron transport chain. These data suggest that MA-5 could be a therapeutic drug for mitochondrial diseases that exerts its effect in a manner different from anti-oxidant therapy.
著者
安積 紗羅々 岡 奈理子 亘 悠哉
出版者
日本哺乳類学会
雑誌
哺乳類科学 (ISSN:0385437X)
巻号頁・発行日
vol.59, no.1, pp.85-91, 2019 (Released:2019-08-23)
参考文献数
15

東京都の御蔵島では近年,ノネコFelis silvestris catusがオオミズナギドリCalonectris leucomelasの個体群に大きな捕食圧を与えていることが問題になっている.御蔵島には外来のクマネズミRattus rattusとドブネズミR. norvegicusが侵入・定着している.ノネコの代替餌であり中間捕食者ともなりうるこれらの外来ネズミ類の分布や生態を把握することは,ノネコ問題を考える上で重要であると考えられるが,そうした知見は今までにほとんどなかった.本研究では,オオミズナギドリが繁殖のために滞在している9月と,滞在していない12月の2回にわたって,8ヶ所の調査ライン上でカゴ罠を用いたネズミ類の捕獲調査を行い,その生息状況を調べた.9月には,ドブネズミは主に低標高の地点で出現し,クマネズミは低標高から高標高の地点にかけて広く出現した.一方,12月には,ドブネズミは高標高の地点にも出現したが,クマネズミは全体的に100トラップナイト当たりの捕獲数(CPUE)が減少した.2種のネズミは分布やCPUEが標高や季節によって変化し,その変化のしかたは2種のあいだで異なっていた.この結果は,御蔵島においてドブネズミとクマネズミが異なる生態的特性をもつことを示唆する.
著者
戸倉 清一 西 則雄 金子 元三
出版者
北海道大学
雑誌
一般研究(A)
巻号頁・発行日
1985

種々のキチン誘導体を合成し医用材料として使用するための基本的性質及び抗凝血性等の人為的コントロールについて研究した。種々の部分脱アセチル化キチンの中で70%脱アセチル化キチン(DACー70)が比較的長期間免疫アジュバント活性を示すのに対し陰イオン性の(80%置換)カルボシメチルキチン(CMーキチン)が短期間の免疫アジュバント活性を示したこの脱アセチル化キチンのアジュバント活性はカルボキシメチル化や、O,Nースルホン化等の化学修飾により消失させることが出来たことより生理活性の人為的コントロールの可能性が示唆された。CMーキチンのアジュバント活性も脱アセチル化やスルホン化で消失できた。DACとCMーキチンの免疫賦活能について研究の結果、脱アセチル化キチンはマクロファージ活性化後Tー細胞系を、CMーキチンはBー細胞系を活性化させる二つの経路が明らかになった。さらに、カルボキシメチルキチンは高い生体内消化性を示すのでハプテン特異性抗体産生について研究した。CMーキチンに医薬を結合させたフロイント完全アジュバントで乳化して皮下注射するとハプテン特異的抗体の産生が確認されバイオセンサー等への応用が考えられている。一方、フロイント完全アジュバント無しでは医薬徐放性担体として働き1回の標準的皮下注射で約120時間にわたり医薬の血中濃度を一定範囲内に維持できることを見出した。また、CMーキチン60を部分脱アセチル化(約10%)した後N,Oースルホン化し特にグルコサミン残基のCー3位もスルホン化するとヘパリン様活性も示すことを見出した。このヘパリノイド活性は天然へパリノイド活性の約1/3でネズミ静脈中への注射でも毒性を示さないことからキチンヘパリノイドとしての将来が期待できる。さらに、CMーキチンのカルシウム特異吸着能と3価の鉄イオンによるゲル化能についても医薬徐放性の面から研究を行っている。