著者
横山 博 井上 大輔 熊丸 敦郎 若林 久嗣
出版者
The Japanese Society of Fish Pathology
雑誌
魚病研究 (ISSN:0388788X)
巻号頁・発行日
vol.32, no.4, pp.211-217, 1997-12-15
被引用文献数
2 13

コイ稚魚の鰓ミクソボルス症において宿主に対する害作用が異なる大小2型シストの発生状況, 組織観察, 胞子の形態学的, 血清学的比較を行った。大シストの発生率は7月が最高で約25%であったのに対し, 小シストは8月がピークでほぼ100%に達した。両者は魚への侵入時期や鰓での発育部位において顕著な差異がみられたものの, 胞子の形態学的, 計測学的比較, および間接蛍光抗体法を用いた血清学的比較により, Myxobolus koi Kudo, 1920と同一種であることが示された。
著者
中野 健次 海野 一則 下平 利和 松山 科子 寺野 隆雄
出版者
一般社団法人 経営情報学会
雑誌
経営情報学会 全国研究発表大会要旨集
巻号頁・発行日
vol.2004, pp.5-5, 2004

本稿では、筑波大学のビジネス・シミュレータBMDL/BMDSを利用した、両者を統合するための実践研究の結果を報告する。具体的には、わが国のビール業界で生じた経営意思決定問題を題材に、新たにゲームを開発し、その実践・評価について議論する。本論文の目的は以下のとおりである.(1) ケースメソッドで使用される多数のケースに対応可能なシナリオのモデル化を提案する.(2) 我々が利用中のビジネスゲーム開発ツールを用い,ケースメソッドに使用可能なビジネスゲームの開発の経緯とその評価について報告する. 本論文の貢献は,ケースメソッドとビジネスゲームの融合による高い学習効果をもつ新たな「経験学習」のための方法論を提案することである.
著者
小林 あづみ
出版者
名古屋文理大学短期大学部
雑誌
名古屋文理短期大学紀要 (ISSN:09146474)
巻号頁・発行日
vol.26, pp.63-74, 2001-03-31

亭子院歌合とは,延喜一三年(九一三)三月一三日に宇多法皇によって催された,史上初の内容の整った晴儀歌合として注目される。主催者宇多法皇は,一旦源姓を賜った後に即位した異例の天皇であり,その後菅原道真等を重用し「寛平の治」と呼ばれる親政を行った人物である。譲位の後には仁和寺で出家し,初の法皇となるが,仏道修行とともに,朱雀院・亭子院・六条院・宇多院といった諸院にも住し,多くの風流行事を催した。本歌合はそのうちの一つであり,宇多退位後のもっとも大がかりな風流行事として知られている。本歌合については萩谷朴氏の「平安朝歌合大成 増補新訂 一」(平成七同朋舎出版)に詳細な本文研究がある他,峯岸義秋氏の「歌合の研究」(三省堂 昭和二九)をはじめとする歌合全体の研究のなかで,その行事次第・役柄,あるいは後世の歌合にない和気藹々とした雰囲気についてコメントされていることが多い。もちろん本歌合はそれだけではなく,歌合日記の存在・多様な参加者・服飾や装飾品・「古今集」以下多くの和歌集に入集したレヴェルの高い和歌表現など様々な角度からの考察が可能である。
著者
横山 博 檀上 智則 小川 和夫 有馬 多恵子 若林 久嗣
出版者
The Japanese Society of Fish Pathology
雑誌
魚病研究 (ISSN:0388788X)
巻号頁・発行日
vol.31, no.1, pp.19-23, 1996-03-15
被引用文献数
5 20

コイの筋肉繊維間にシスト形成する粘液胞子虫 Myxobolus artus について, 0才稚魚池における寄生状況と病魚からの胞子排出を定期的に調べた. 寄生率は9月に10%に達し, 以後約10ヶ月間続く胞子排出の過程で慢性的斃死がみられた. 瀕死魚は幼若赤血球の増加を特徴とする貧血症を呈した. 鰓薄板毛細血管内が貪食細胞により輸送された胞子で充満し, 毛細管の拡張や崩壊および鰓薄板上皮の剥離がみられ, 鰓からの出血が示唆された.
著者
宮内 義彦 野村 裕知
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1108, pp.72-75, 2001-09-17

答 日本は今、アングロサクソンに負けているわけですね。今日現在のリアルタイムで世界の状況を見ると、日本は2周遅れのランナーです。2周前の選手が全速力で世界記録を求めて走っている時に、こっちは国民体育大会で優勝だというようなことを言って、それで満足している。この危機感のなさが問題ですね。 負けている理由は2つあります。1つは構造問題です。
著者
大方 美香
出版者
大阪総合保育大学
雑誌
大阪総合保育大学紀要 (ISSN:18816916)
巻号頁・発行日
no.4, pp.129-144, 2010-03-20
出版者
日経BP社
雑誌
日経Windowsプロ (ISSN:13468308)
巻号頁・発行日
no.98, pp.56-63, 2005-05

Windows x64 Editionは,エディションによって対応するCPUの数や主記憶容量は異なるものの,相当する32ビット版Windowsよりも特に主記憶に関して,より大きな容量を利用できる。最近,デスクトップPCでは,ビデオや画像,音声の編集といった大容量のメモリーを必要とするアプリケーションが一般ユーザーに普及しているが,x64 Editionによってさらに処理性能に余裕が出る。
著者
TANSUVAN Prasit
出版者
一般社団法人日本品質管理学会
雑誌
品質 (ISSN:03868230)
巻号頁・発行日
vol.26, no.2, pp.36-38, 1996-04-15

タイ経済の成長率は,89年から93年まで年率9.7%というように急激な成長を遂げ,ASEANでは最も大きい経済国である.海外からの投資の中で日本が最も重要であり,今や日常生活の至る所にタイで生産された日本製品があふれている.日本企業が進出してくろと当然のことながら,日本的マネジメントの技術,あるいはTQCが様々な形で持ち込まれる.たとえば,日本電装のタイの子会社は10年以上も前からQCCを導入し,数年前からは方針管理を導入し成功している.しかしながら,これらは親会社の資源やノウハウが導入できる日本または日本とのジョイントベンチャー企業での話であり,現地のタイ企業ではそのような機会は与えられていない.一般論として言えば,現在タイにはTQCは普及していない.それはタイの環境や人を変えるための専門家がほとんどいないことにその理由がある.TQCのコースはあるが,それに出席し感心するだけであり,仕事に戻るとすっかり忘れてしまう.たとえTQCを導入したいと思ってもどのようにスタートさせればよいのかわからない.さらにスタートのさせ方を知っていても次にどのように道を進めばよいのかわからないといった具合である.このような進め方の専門コンサルタントが不足で,現在タイ国中で1人から2人といった現状である.タイの仕事のやり方は,プロダクト・アウトで問題が起きてもまず自分のミスではないという態度,常にノープロブレム,PDCAのDだけ等々で例えられるように,まずこれを変えなければ,いくらTQCの高尚なツールを持ち込んでも意味をなさない.現在いくつかのTQCのプロモーションを図るプロジェクトが実施あるいは計画されているが必ずしも十分ではないと考えられる.今後タイのTQCのプロモーションのためには,具体的でしかもインパクトのある計画を打ち出すことが急務であると思われる.
著者
北原 真冬
出版者
日本音声学会
雑誌
音声研究 (ISSN:13428675)
巻号頁・発行日
vol.12, no.1, pp.63-69, 2008-04-30
著者
村田 鈴子
出版者
群馬県立女子大学
雑誌
群馬県立女子大学紀要 (ISSN:02859432)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.97-114, 1983-03-31

The purpose of this paper is to research the significance of women's universities and colleges in Japan, especially after World War II. There are 87 four-year women's universities and colleges-2 national, 8 public and 77 private-in Japan now. In the process of understanding, the writer inquired into their existence from the point of view of law and mentioned today's situation of women's universities and colleges. Then the writer pursued the problem of coeducationalism, and finally, thought about the aim of higher education for women in the future of Japan. Recently, there is a tendency to change women's higher institutions to coeducation little by little in Japan. We must inquire into the special educational purpose of women's universities and colleges which have positive significance. We must also consider about opening them for adults as institutions for a life-long education more and more. It will increase value of the existence of women's universities and colleges.
著者
河合 康
出版者
上越教育大学
雑誌
上越教育大学研究紀要 (ISSN:09158162)
巻号頁・発行日
vol.18, no.1, pp.119-129, 1998

本稿では,イギリスにおける特別な教育的ニーズをめぐるオンブズマン提訴事例を取り上げ,その特徴と,親の権利保障の実情を把握することを目的とした。今回,この事例を取り上げたのは,1事例の中で複数の不服申し立てがなされ,各々について,オンブズマンの裁決の基準となる「過誤行政」と「不公平」に関して,異なる判断が示されており,特別な教育的二一ズをめぐる親の権利が実質的にどのような意味を持ち合わせているのを検討するのに適していると考えたからである。本事例における主要な論争点は,子どもの特別な教育的ニーズの評価の段階において,当局が,①子どもの状態について適切な情報を獲得せず,②親に情報を提供するのを怠り,③判定書を作成するかどうかの決定に長時間を要したという点,及び,判定書の作成の前後において,④正規の当局の職月でない者が報告書を作成し,⑤その作成者と報告書について議論するように手配せず,⑥作業療法士の報告を受けず,⑦分子どもに対して別の教育の場を検討しなかった,という点であった。結果は,評価の段階における①~③については,「過誤行政」の結果として「不公平」を親が被った点を認め,当局に賠償の支払を命じた。しかしながら,判定書の作成の段階においては,④,⑤, ⑦については「過誤行政」は認められず,また,⑥については,「過誤行政」は認められたが,それによって「不公平」が生じたとは判断されなかった。今回の事例より,特別な教育的ニーズをめぐるオンブズマン提訴事例においては,手続き上の不備や時間的な遅延の場合に,親の不服申し立てが認められ可能性が強いが,教育の場の決定に直接関わる段階になると,当局の裁量が支持される傾向にあることが示唆された。その一方で,オンブズマンは,教育法令には規定されていない不服申し立て事項を補完する機能を有していることも明らかにされた。The purpose of this study was to analyze the case of the ombudsman concerning special educational needs. In this case parents lodged some complaints which were as follows; 1 ) During the assessment the Council failed to obtain adequate information about their daugher's condition. 2 ) It failed to keep them fully information. 3 ) It took too long time in deciding whether a formal statement should be issued. 4 ) It accepted a report from an officer who was not employed. 5 ) It failed to arrange for them to discuss the report. 6 ) It failed to obtain an occupational therapist's report. 7 ) It failed to consider alternative placements for their daugher. For the complaints of 1), 2), and 3), maladministration leading to injustice was accepted and the ombudsman recommended that the injustice should be remedied. For the complaint of 6) maladministarion was found but injustice wasn't accepted. For the rest of complaints maladministraion wasn't found. From this case study it was suggested that ombudsman would complement the appeal systems which were based on the educational law.
著者
日本水フォーラム
出版者
水利科学研究所
雑誌
水利科学 (ISSN:00394858)
巻号頁・発行日
no.308, pp.1-17, 2009-08

第5回世界水フォーラムは、2009年3月16日から22日の日程でトルコ・イスタンブールのボスポラス海峡の入り江である金角湾を挟む「ストゥルジェ」と「フェスハネ」両会場において開催された。世界水フォーラムは、フランス・マルセイユに本部がある世界水会議とホスト国が主催し、3年に1度、国連の定める「世界水の日」である3月22日を含む約1週間の日程で開催される世界最大の水に関する国際会議である。第1回世界水フォーラムは1997年にモロッコ・マラケシュ、第2回世界水フォーラムは2000年にオランダ・ハーグ、第3回世界水フォーラムは2003年に京都・滋賀・大阪の琵琶湖・淀川流域、そして第4回世界水フォーラムは2006年にメキシコシティで開催された。第5回世界水フォーラムの全体テーマは、アジアとヨーロッパの架け橋に位置するイスタンブールで開催されることに掛け、「水問題解決のための架け橋」とされ、様々な水問題の解決を阻む問題(ギャップ)と、その解決策(架け橋)は何かという観点からの議論が行われた。
出版者
日経BP社
雑誌
日経パソコン (ISSN:02879506)
巻号頁・発行日
no.705, pp.32-39, 2014-09-08

タブレット満足度ランキング強いiPadがトップスリーを制覇Part2タブレットでもスマートフォンと同様にアップル製品が1〜3位を制覇した。薄型化した9.7型の「iPad Air」に小型の「同mini」、その他の「iPad」が続いた。iPad対抗として登場した「Nexus 7」の新モデルは4位…
著者
井上 久志
出版者
北海道大学
雑誌
經濟學研究 (ISSN:04516265)
巻号頁・発行日
vol.53, no.4, pp.1-28, 2004-03-09

本稿では先ず論者夫々に多様な「グローバリゼーション」の定義とその含意を既存研究に基づいて整理した。また、その歴史的な起源について、長期に及ぶ貿易額の対GDP 比などを見ても、趨勢的に上昇傾向にあるものの近年顕著に上方屈折しているわけでもなく、量的な拡大だけで今日の「グローバリゼーション」は過去に前例がないとは断じ得ない。ところで、「GlobalizationIndex」というものが発表されている。本稿では、同指標に基づいて、その進展度合いを、各国の政治、経済などの諸側面から分析を試みた。また競争力指標として知られている、IMDやWEFの各国ランキングとの相関も分析された。先述したように今日の「グローバリゼーション」の基本的な特質は国際経済活動の単なる拡大にあるわけではないので、専ら質的な面での今日的特殊性が探索される。本稿は、その起源を1971年のドル危機に求め、変動相場制移行後も米国の経常収支が恒常的に赤字を記録し、結果として世界中の資本を吸引し続けなければならなくなった点に求めている。その国際金融システムはガバナンス能力という点で、不断に膨張し続ける金融フロー及びストックの量との相対比で衰微しつつあると指摘する。