著者
市川 美智子 岩田 吉生
出版者
愛知教育大学障害児教育講座
雑誌
障害者教育・福祉学研究 (ISSN:18833101)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.1-10, 2004-03

側音化楫音障害を呈する男児に対して,構音指導,発音指導,動機付け,機能訓練及び耳の訓練を関連させた指導計画のもと,側音化傾向にある/ʃi/, /tʃi/, /dʒi /音を取り出して指導を行った。第1期では,動機付け,口唇・唇の運動訓練,耳の訓練,母音口形指導,/ʃi/音の発音指導を行った。第2期では,口唇・舌の運動訓練,発音指導を中心に行った。発音指導は,単音の指導から始め,複数音節,単語,文章へと徐々に進めていった。また,音の定着を図るため,単音表出の回数や速さを変化させた。第3期では,音の定着の強化を図った。構音検査では,第1期には50単語中14単語・15音節であった誤りが,第3期末において50単語中5単語・6音節にまで減少し,側音化構音は徐々に改善していった。側音化構音障害は,治療が非常に困難とされているが,本児の改善していった経過を分析する中で,今後の指導指針,指導の在り方を検討した。
著者
荻野 蔵平
出版者
熊本大学
雑誌
文学部論叢 (ISSN:03887073)
巻号頁・発行日
vol.103, pp.85-99, 2012-03-10

Beim hier vorgelegten Beitrag handelt es sich um einen Überblick über die Entwicklung des deutschen Wortschatzes. Unter stärkerem Bezung auf die Wortschatzstruktur des gegenwärtigen Deutsch behandelt er erstens die Arten des Bedeutungswandels, zweitens den Mechanismus des semantischen Wandels und schließlich den des lexikalischen Wandels. Als Zusammenfassung wird im letzten Kapital ein Modell über den Wortschatzwandel vorgestellt, das aus Innovation, Evolution und Variation besteht. Diese Abhandlung soll übrigens auch als Teil einer vom Verfasser geplanten Studie "Einführung in die Prinzipien der historischen Linguistik des Deutschen" dienen.
著者
平賀 章三 市川 米太
出版者
日本地質学会
雑誌
地質学論集
巻号頁・発行日
vol.29, pp.207-216, 1988-02

The pumice-tuff for the blind test is dated by the quartz inclusion method. The samples were collected in Omachi clty, Nagano Prefecture,and their ages are assumed to be O.3 to O.4 Ma geologically.The assessed TL age is O.29±0.03 Ma(11%error). If the dry condition had been continued over the geological time,the expected age is O.26±0.02 Ma (7%),otherwise for wet condition O.32±0.02 Ma(7%)is expected. In this TL dating,taking account of the propagation of error,the associated error is assessed,based on the experimental error due to the reproducibility of the TL intenslty. The method of error assessment is described in detail on each stage of TL dating. Thus it was revealed that the quartz inclusion method is useful with the sufficient precision for the age of the order of l05 year,though depending on the TL characteristic of the sample.
著者
蓮井 敏 濱地 賢太郎
出版者
京都産業大学
雑誌
京都産業大学論集. 社会科学系列 (ISSN:02879719)
巻号頁・発行日
vol.21, pp.195-202, 2004-03

経済学教育において数学の利用が増加しているいっぽう,経済学部学生の数学の学力にはむしろ低下が見られ,早期に基礎学力の回復と向上のための数学教育が必要である。 そこで,経済学学習に支障をきたす恐れのある数学の学力が十分でない新入生を対象とする入門授業を開講した。入学直後の新入生全員を対象に,数学についてのプレイスメント・テストをおこない,とくに成績下位の学生には受講を強く勧めた。中学高校の教科内容を中心に,努めて経済学からの例題を教材として活用した。また演習と質疑に重点をおくために,大規模人数の講座を避けて複数の講座を開講した。 この授業の効果を3ケ月後に調べると,同一問題についての正解率は着実に向上している。とりわけ成績が下位であった学生において顕著に効果が現れたことからも,早期に学力回復・向上を目的とする数学の講座に効果があると言える。
著者
京都大学広報委員会
出版者
京都大学広報委員会
雑誌
京大広報
巻号頁・発行日
vol.9711g1, pp.334-345, 1997-11

創立百周年記念特集
著者
濱口 由美
出版者
福井大学教育学部附属教育実践総合センター研究紀要編集委員会
雑誌
福井大学教育実践研究 (ISSN:13427261)
巻号頁・発行日
no.45, pp.11-22, 2021-03-26

「高田博厚のえらべる鑑賞シート」は,多様な市民の教育参画を促す生涯学習教材として,福井市美術館と福井大学の共同研究によって開発されたものである。幅広い学習層を常設展「高田博厚の世界」へ誘うために,MI理論に基づくエントリーポイントの考え方を参考にして,4つの異なる学習のとびら(学習の入り口)を設けられるようにした。本研究では,複数の学習のとびらをもつ「高田博厚のえらべる鑑賞シート」を用いることで,どのような教育的可能性をもつ生涯学習の場が提案できるのか,教材の内容や実践事例の検討を通して考察する。
著者
菊池 哲平
出版者
熊本大学教育学部附属教育実践総合センター
雑誌
熊本大学教育実践研究
巻号頁・発行日
vol.28, pp.57-63, 2011-02-28

本研究では教育学部教員養成課程に所属する学生に対して発達障害についてのイメージ調査を実施し、教員養成カリキュラムにおいて発達障害をどのように理解させる必要があるかについて検討することを目的としている。その中で、本研究は発達障害児との接触経験や既学習済みの知識が、発達障害のイメージにどのように影響を及ぼしているのかについても検討を行う。
著者
谷口 耕輔
出版者
三重大学
巻号頁・発行日
2020-03-25

本文/三重大学大学院地域イノベーション学研究科 博士後期課程
著者
高山 龍太郎
出版者
富山大学経済学部
雑誌
富山大学紀要.富大経済論集 (ISSN:02863642)
巻号頁・発行日
vol.45, no.2, pp.431-477, 1999-11

本稿では, 前稿に引き続き,トマスとズナニエツキ著『ヨーロッパとアメリカにおけるポーランド農民』の第一次集団組織論序論を詳細に検討していく。前稿では,その前半部分,「農民家族」「結婚」「ポーランド社会における階級システム」「社会環境」「経済生活」について紹介してきた。本稿では,後半部分にあたる「宗教的・呪術的態度」「理論的・審美的関心」を紹介し,最後に,『ポーランド農民』の第一次集団組織論序論の特質をまとめたい。
著者
高山 龍太郎
出版者
富山大学経済学部
雑誌
富山大学紀要.富大経済論集 (ISSN:02863642)
巻号頁・発行日
vol.46, no.1, pp.1-50, 2000-07

前稿,前々稿において,トマスとズナニエツキ著fヨーロッパとアメリカにおけるポーランド農民』の第一次集団論序論を詳しく見てきた。そこでは,家族を単位とする等質的・固定的な社会から,個人を単位とする異質的・流動的な社会へという変動過程が,様々な角度から検討されていた。家族に代表される伝統的な第一次集団は,相補的な援助に基づく「連帯」によって特徴づけられる。その成員は,見返りを求めずに互いに犠牲を払って助け合い,完全に集団の中に埋没していた。しかし,こうした伝統的な第一次集団は,移民による社会圏の拡大や産業経済などの景簿によって,次第に解体していく。その結果集団の統制に従わない自己本位的な個人が析出されていった。本稿では,以上のような第一次集団論序論の基本的枠組に従い,ポーランドの農民家族と,アメリカに渡った家族員との間で交わされた手紙の分析を見ていく。前々稿において『ポーランド農民』には「抽象度の高い形式主義的な方法論のレベル」「農民の近代化を扱ったより実質的な理論のレベル」「資料のレベル」という三つのレベルが想定できることを指摘しだ。本稿は,その「資料レベル」を扱うものである。そこには急激な社会変動期における農民たちの生活が,生き生きと表れている。
著者
本間 哲志
出版者
School of economics, university of toyama
雑誌
Working Paper, No.343, 2022.03, School of economics, university of toyama
巻号頁・発行日
vol.343, pp.1-371, 2022-03

この論文では,Homma (2009, 2012, 2018)によって構築された一般化使用者収入モデルに基づきながら,我が国地方銀行における平穏仮説の実証的含意を明らかにする.分析の結果,効率性仮説は受容されないが,平穏仮説は受容される.加えて,ハーフィンダール指数の増加によるコスト・フロンティア上の拡張された一般化ラーナー指数(以下,EGLI)の増加と平穏仮説の成立は同値なため,独占禁止政策は正当化される.さらに,平均的な貸出残高は大きくなく,平穏仮説のみが成立するため,異時点間規則的連鎖(サイクル的連鎖)が存在する.しかしながら,コスト・フロンティア上の単一期間EGLIのサイクル的連鎖は収束に向かい,初期時点の非常に大きな値に固定化される.このため,単一期間動学的費用効率性及び単一期間最適金融財のサイクル的連鎖と同様,我が国地方銀行にとって望ましくないと判断される.
著者
倉田 稔
出版者
小樽商科大学
雑誌
商学討究 (ISSN:04748638)
巻号頁・発行日
vol.57, no.4, pp.17-51, 2007-03-30
著者
中野 俊
出版者
首都大学東京小笠原研究委員会
雑誌
小笠原研究 (ISSN:03868176)
巻号頁・発行日
no.33, pp.31-48, 2008-03

南硫黄島は第四紀後半に形成された火山島であるが、噴火記録や噴気活動はない。追跡できる火砕物層準を基準とし、成層火山体である南硫黄島火山を下位から古期火山噴出物-1、古期火山噴出物-2、南部中期火山噴出物、北部中期火山噴出物および新期火山噴出物に区分した。いずれも陸上噴出した溶岩および火砕岩からなり、広域的に認められる有意な浸食間隙は存在しない。海食崖を貫く岩脈は254本を数えた。その大部分は放射状岩脈である。岩質は溶岩・岩脈ともにすべて玄武岩である。斑晶として斜長石、単斜輝石、かんらん石を含む。最大径1cmに達する大型の斑晶が多く、特徴的に単斜輝石を40-50%程度含む玄武岩も見つかった。