著者
中島 弘毅 大窄 貴史 張 勇 根本 賢一 山崎 信幸
出版者
学校法人松商学園松本大学
雑誌
松本大学研究紀要 = The Journal of Matsumoto University (ISSN:13480618)
巻号頁・発行日
no.10, pp.185-195, 2012-01-31

長野県A市にある6保育園に在籍する4歳から6歳の園児311名を対象に園庭が芝と土という園庭環境の違いが園児の身体活動量と運動能力にどのような影響を及ぼすかを明らかにすることを目的とした。調査の結果、芝生の園庭を有する園の園児は、男女共に土の園庭を有する園の園児に比して明らかに平日の身体活動量(歩数およびエネルギー消費量)が多く、また、男児においては立ち幅跳びおよび25m走、後方ハイハイ走における運動能力が高かった。
著者
橋本 和幸 吉岡 秀晃 長谷川 龍成 上岡 尚代 田辺 達磨
出版者
了德寺大学
雑誌
了德寺大学研究紀要 = The Bullentin of Ryotokuji University (ISSN:18819796)
巻号頁・発行日
no.14, pp.33-44, 2020

本研究は,先行研究で開発した保育園で行う運動遊びを,保育園を変えて追試を行ったものである.対象となる保育園は,先行研究と比べて,施設が手狭で,運動担当の保育士が不在という条件であった.運動遊びを保育園で継続して実施してもらい,3か月後に再度運動能力調査6種目を行って効果測定を行った.この結果,評点が有意に上昇した種目,有意に下降した種目,変化がなかった種目が2種目ずつに三分された.運動遊びが筋出力の調整とバランスに影響する2種目は成績が向上したと考える.一方,大きく強くジャンプしたり,全速力で走るなどの動きをしたりすることが影響する2種目は,園の施設の手狭さにより,成績が低下したと考える.
著者
武知 京三
出版者
近畿大学商経学会
雑誌
商経学叢 = Shokei-gakuso: Journal of Business Studies (ISSN:04502825)
巻号頁・発行日
vol.57, no.3, pp.59-126, 2011-03-01

[概要]富山売薬とならんで, 江戸中期に成立した大和の売薬ビジネスは, 第二次世界大戦中の企業整備によって10社に統合されていた。小稿では, 戦後蔦の統合会社からの分離独立問題を視野に入れながら, 企業史レベルでの業態の変化に言及するが, とくにWHOの勧告を契機とするGMP実施への行政・業界・企業の対応に重点を置く。具体的には, 企業者史的視点から, 配置薬メーカーにおける合併・協業化, そして脱配置化と多角化の事例を取り上げる。GMPは社会的・国際的な動向で, 薬の有効性, 安全性および品質確保の観点からみて当然の措置である。GMPの高度化はより進んでおり, 配置薬業界の構造変化, 二極化を押し進めた面がある。[Abstract] The nostrum business in Yamato (Nara Prefecture), which had been established in the middle of Era as well as that in Toyama Prefecture, was integrated into ten companies due to the enterprise readjustment during World War II. This manuscript refers to the transition of the nostrum business style from the viewpoint of entrepreneurial history with the consideration of matters such as separation or independence from the integrated companies after the War, but also focuses more on the measure taken by the authority, the pharmaceutical industry and corporations in order to deal with the implementation of GMP which was triggered by the recommendation from World Health Organization (WHO). As concrete examples, topics were taken up from the viewpoint of entrepreneurial history including merger and work collaboration among drug makers for delivered and arranged drugs for household and cases of the post-delivered and arranged drugs for household style and of diversification. GMP is the social and global trend and its legislation is right action judging from drug efficacy, drug safety and securement of drug quality. Furthermore, GMP has been advanced and this trend tended to force the nostrum industry to promote change of its business style and bipolarization.
著者
佐藤 正幸
出版者
国際日本文化研究センター
雑誌
日本研究 : 国際日本文化研究センター紀要 (ISSN:09150900)
巻号頁・発行日
vol.18, pp.177-204, 1998-09-30

人が「年」を認識することは、順序数をただ並べるだけの単純な行為ではなく、極めて政治的・歴史的な知的行為であり、何よりも文化的な行為である。
著者
佐古 和恵 米沢 祥子 古川 潤
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.47, no.4, pp.410-416, 2006-04-15

セキュリティのために本人確認がいたるところで行われているが,これは誰がどこで何をしていたかという情報が管理されてしまうことになり,プライバシの問題を引き起こしかねない.そこで,本稿では,セキュリティとプライバシの両立を考慮した匿名認証技術について,グループ署名と呼ばれる暗号プロトコルを中心に紹介する.
著者
三浦 宏文
出版者
実践女子大学
雑誌
実践女子大学短期大学部紀要 = The Bulletin of Jissen Women's Junior College (ISSN:21896364)
巻号頁・発行日
vol.37, pp.63-78, 2016-03-20

本稿では、日本の刑事ドラマである『踊る大捜査線』シリーズの初期の作品に注目して、この作品の社会的・哲学的背景を考察した。『踊る大捜査線』では、90 年代後半のバブル経済崩壊後において「誰かのために」「誰かとともに」生きるという哲学を主人公青島俊作刑事の行動指針として描いていた。これは、自己実現や成果主義とは異なり、仏教哲学者椎尾辨匡の「共生(ともいき)」思想に繋がる新しい生きる指針であった。