著者
宮本 謙三 竹林 秀晃 宅間 豊 井上 佳和 宮本 祥子 岡部 孝生 坂上 昇 森岡 周 舟橋 明男
出版者
土佐リハビリテーションカレッジ
雑誌
土佐リハビリテーションジャーナル (ISSN:13479261)
巻号頁・発行日
no.1, pp.27-32, 2002-12-20

本研究の目的は一側の筋力トレーニングが対側に及ぼす筋力増強効果, すなわち筋力の両側性転移を検証することである。対象は健康な男子学生22名とし, 方法は被験者を等張性収縮によるトレーニンググループと等尺性収縮によるトレーニンググループに分け, 一側の膝伸展筋に対し,4週間(延べ16日間)の筋力トレーニングを行った。そして, トレーニング前後の対側同名筋(膝伸展筋)と対側拮抗筋(膝屈曲筋)の等尺性筋力の変化を筋力測定装置を用いて測定した。結果は, 対側拮抗筋筋に筋力増強効果を認め, 対側同名筋には認められなかった(p>0.05)。また, 等張性トレーニングと等尺性トレーニングの間に差は認められなかった。これらの変化は, 最大出力を発揮するための相反運動あるいは姿勢固定作用と思われ, 筋力トレーニングにおける両側性転移効果を確認することは出来なかった。
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1521, pp.28-31, 2009-12-21

第1章で取り上げた日本勢が10年以上かけて、自前で市場を切り開いてきたのに対し、欧州勢は低所得者向け市場に異なるアプローチで足場を築きつつある。インフラの未整備を乗り越える武器は、社会貢献という理念と社会起業家や支援組織との連携だ。 仏ダノンがアジアの最貧国と呼ばれるバングラデシュでヨーグルト事業を始めたのは2006年。
著者
石村 真一
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.43, no.5, pp.37-46, 1997-01-31

木材資源の枯渇化が心配される今日において, 木材を極めて有効に使用した桶・樽の造形文化が再考されることは, 木と人の共生という先進文明社会が直面している問題の解決につながる糸口になると思われる。本論はその第1報として, 我が国における桶の成立時期と初期形態について考察した。その結果次のような内容が明らかになった。従来桶と推定されていた容器の多くは, 縦方向に補強を施した曲物であった可能性が高い。我が国における桶の初見資料は『北野天神縁起弘安本』と推定される。桶は中国から伝来し, 少なくとも鎌倉中期以前に製作技術が成立している。そして畿内においては鎌倉後期に特権階級の間で普及した。桶の初期形態は, 白木で加飾性の少ないタイプであったことが確認された。
著者
長尾 光悦 川村 秀憲 山本 雅人 大内 東
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本知能情報ファジィ学会 ファジィ システム シンポジウム 講演論文集
巻号頁・発行日
vol.22, pp.201-201, 2006

現在,観光は注目度の高い分野であり,各地方自治体では様々な観光振興が実施されている.これまで,効果的な観光振興のための基礎データとして観光動態情報の調査が実施されてきた.従来の動態情報は,旅行者の流入量やホテル稼働率といった統計情報が主あった.しかし,近年は個人旅行が主流となっており,従来の統計情報だけでは効果的な観光振興を実施することは困難である.したがって,各旅行者の詳細な観光行動を調査分析可能な方法が必要とされている.本稿では,GPSを利用することによって個人旅行者の位置情報を獲得し,この位置情報から観光行動に関する情報を抽出・分析する手法を提案する.効果的な観光振興を実現するためには,滞在した施設名等の旅行者の詳細な行動情報が必要になる.本研究では,このような詳細な情報を市販の地図情報を利用するのではなく,インターネットを利用することによって獲得する方法についても検討する.
著者
渋谷 裕子
出版者
慶應義塾大学日吉紀要刊行委員会
雑誌
慶應義塾大学日吉紀要. 中国研究 (ISSN:18825591)
巻号頁・発行日
no.7, pp.225(30)-254(1), 2014

中国語教育論文1 はじめに2 電子掲示板(BBS)にみられる中国人の日本に対するイメージ3 マイクロブログに見られる中国人の抗日ドラマに対する見方4 中国において日本語学習者の置かれている状況5 むすびにかえて
著者
BENGI K.
雑誌
IEEE J. Sel. Areas Commun.
巻号頁・発行日
vol.20, no.1, pp.216-227, 2002
被引用文献数
1 37
著者
高橋 衞
出版者
福山大学
雑誌
福山大学経済学論集 (ISSN:02884542)
巻号頁・発行日
vol.27, no.1, pp.1-25, 2002-10-31
著者
稲葉 是邦
出版者
京都西山短期大学
雑誌
西山学報 (ISSN:03893650)
巻号頁・発行日
vol.25, pp.80-81, 1976-03-20
著者
酒井 多加志
出版者
北海道教育大学釧路校
雑誌
釧路論集 (ISSN:02878216)
巻号頁・発行日
no.36, pp.49-56, 2004

江戸時代の北海道の港湾は西廻り航路により、大坂・江戸と結ばれていた。当時、港は船が安全に停泊できる静穏な海水面が得られる場所が選ばれることが多かった。北海道では"松前"と"江差"と"箱館"が蝦夷三湊として賑わった。このうち"松前"は天然の良港ではなかったが、東西蝦夷地の産物の集散場所として適していたこと、海上交易は藩経営と直接結びついていたこと等により、江戸時代を通じて港湾としての機能を果たしていた。日米和親条約締結後、箱館港は外国船の入港ばかりでなく、北海道開拓のゲートウェイとしてもますます発展し、箱館港を中心とする沿岸航路の輸送ネットワークが形成された。明治10年代に入ると、明治政府は殖産興業と富国強兵政策のもと、港湾整備に取りかかったが、北海道では函館港の整備が行われた。明治中頃からは北海道内陸部の開拓の進行とともに小樽港が、そして明治末からは石炭の積出港および工業港としての室蘭港が発展した。戦後、地方港湾の整備が進むとともに、地域開発と結びついた苫小牧港が建設された。苫小牧港は日本最初の本格的な掘込み港湾でもある。現在は北海道一の貨物取扱量を誇るとともに中長距離カーフェリーの航路数および輸送量は全国一となっている。1970年以降はコンテナリゼーションが進行したが、北海道はコンテナ貨物への対応が遅れている。しかし、北海道は東アジアと北アメリカを結ぶ主要国際コンテナルート上に位置しており、また今後の経済発展が期待されている北東アジア(ロシア極東・中国東北部)と地理的に近接している。従って、北海道の港湾はこれら位置的な優位性から北東アジア全体のゲートウェイとしての発展が期待されている。
著者
立澤 直子 田島 紘己 佐川 俊世 田中 篤 古井 滋 滝川 一 坂本 哲也
出版者
Japanese Association for Acute Medicine
雑誌
日本救急医学会雑誌 (ISSN:0915924X)
巻号頁・発行日
vol.25, no.3, pp.113-118, 2014
被引用文献数
1

小腸アニサキス症は強い腹痛および炎症所見を呈し,診断が困難で急性腹症として開腹される例が多く報告されている。今回我々は,①発症前数日以内の鮮魚の生食,②腹部CT上腸閉塞など特徴的所見,によりER受診当日に小腸アニサキスと診断し,保存的加療にて改善した6例を経験した。[症例1]54歳の男性。生秋刀魚を摂食した3日後,上腹部痛が出現した。[症例2]63歳の男性。生鯖を摂食した2日後に臍周囲痛・嘔吐が出現した。[症例3]57歳の男性。ほぼ毎日刺身を摂食していたが,受診前夜よりの腹部全体の間欠痛が出現した。[症例4]36歳の男性。生鰹を摂食した翌日に心窩部痛・嘔吐が出現した。[症例5]63歳の女性。生サンマを摂食した翌日,下腹部痛・嘔気が出現した。[症例6]55歳の男性。しめ鯖を摂食した2日後,心窩部から臍周囲にかけての腹痛出現が出現した。全例において来院時の腹部造影CT上,造影効果を伴う限局性・全周性の小腸壁の肥厚と内腔の狭小化,および口側の小腸の拡張と液面形成,腹水貯留を認めた。小腸アニサキスと診断し,保存的加療にて改善した。後日来院時と発症4-5週とのペア血清で特異的抗アニサキス抗体価の上昇を確認した。発症前数日以内に鮮魚を生食後,強い腹痛を主訴に来院し,特徴的な腹部造影CT所見を呈した患者は,小腸アニサキス症を常に念頭に置き,早期診断,治療をする必要があると考えられた。
著者
鎌田 悠太郎 矢田 紀子 眞鍋 佳嗣 内川 惠二
出版者
一般社団法人日本色彩学会
雑誌
日本色彩学会誌 (ISSN:03899357)
巻号頁・発行日
vol.37, no.5, pp.467-478, 2013-09-01

本研究の目的は,人間の視覚特性であるカテゴリカル色知覚と色恒常性を考慮した色認識モデルを獲得し,これを用いて画像中の物体色の色認識を行うことである.画像中の色認識はコンピュータビジョンに非常に重要であるが,従来のカテゴリカル色知覚と色恒常性を備えたカテゴリカル色知覚モデルは画像に対する認識精度が低かった.その原因として,従来モデルにおけるカテゴリ毎の学習量の偏りとカテゴリ境界付近の色に対する認識精度の低さがあげられる.そこで本論文では,カテゴリカルカラーネーミング実験の結果から作成する教師データのカテゴリ毎の学習量の偏りの均一化と,カテゴリ境界付近の色の認識にふさわしいデータ構造への変更を行い,新たなモデルを獲得する.そして,提案モデルに対してカテゴリ毎の認識精度の検証と,カテゴリ境界付近の色の認識精度の検証を行い,その色認識精度が従来のモデルより高いことを示す.また,提案モデルを画像に適用し,画像に対する色認識精度が高いことを示す.
著者
常岡 由美子 藤野 佳代子 月成 愛華 山本 勝己 大坪 由佳 岡松 加恵 森永 健三 長島 義之 松永 興昌 城戸 寛史 高橋 裕 佐藤 博信 松浦 正朗
出版者
福岡歯科大学学会
雑誌
福岡歯科大学学会雑誌 (ISSN:03850064)
巻号頁・発行日
vol.32, no.2, pp.51-59, 2006-06-30

Treatment with mandibular bone-anchored implant bridges can solve long-term problems of prosthetic rehabilitations in totally or partially edentulous patients. However, a bone-anchored bridge creates a narrow and deep space between the base of the super-structure and alveolar ridge, and therefore, a patient's personal hygiene with a bone-anchored bridge is more difficult to perform than with an implant-supported overdenture. The aim of this study is to evaluate the oral hygiene status of patients with mandibular bone-anchored bridges, and to analyze their problems. From September 2000 to April 2004 in our hospital, 10 cases (5 males and 5 females; average age 48.9 years) with totally and partially edentulous mandibles were treated using implant-supported bone-anchored bridges with immediate or conventional loading. Oral hygiene instructions were given immediately after delivery of the superstructure, and follow-up examinations were provided for a period ranging from 9 months to 4 years and 5 months. The oral hygiene status of each patient was classified into one of 4 levels ("excellent", "good", "marginal" and "poor") at the follow-up observations. As a result, 1 patient (44 year-old female) was evaluated as "excellent", 2 (average age; 58.5 years) were "good", 5 (average age; 44.4 years) were "marginal" and 2 (average age; 53.0 years) were "poor". The ages of the patients with bone-anchored bridges were relatively young (26-70 years), and therefore, no observable tendency was recognized among different generations in the ability to perform oral hygiene. As a result, the patient's skill involved in cleaning and understanding the importance of oral hygiene was considered important for maintaining a healthy oral condition. We conclude that continuous professional oral hygiene care by dental hygienists is needed for patients with bone-anchored implant bridges.