著者
村井 隆之 Takayuki Murai
出版者
四條畷学園短期大学
雑誌
四條畷学園短期大学紀要 = Annual reports of Shijonawate Gakuen Junior College (ISSN:18811043)
巻号頁・発行日
vol.40, pp.1-18, 2007

千島列島と北方四島がソ連軍に不法に占領され、日本人島民一万七千余人の身に危険が迫った。根室町長安藤石典は連合国軍最高司令官に「陳情書」を出しソ連軍に代わってアメリカ軍の島への進駐を要請するが、陳情は功を奏さなかった。だが、彼が「陳情書」で展開した理論は、後に「四島一括返還論」という形を整え、鳩山内閣が妥協的に選択した二島返還論と交差しながら返還運動をリードしていく。ソ連邦崩壊後、社会主義経済から市場経済への移行につまずいた一時期、ロシア人の日本を見る目が少し変わり、四島返還が実現するかに思える瞬間があったが、日本はこの絶好の好機を逸した。プーチン大統領も最初の頃は四島返還論に一定程度理解を示したが、現在はこの問題にすっかり冷淡になっている。原油急騰で経済に余裕が出たことが彼をそうさせている。拙稿では戦後60年間の領土問題をめぐる動きを多角的に分析し、併せて将来を展望する。
出版者
日経BP社
雑誌
日経メカニカル (ISSN:03863638)
巻号頁・発行日
no.550, pp.96-99, 2000-07

き裂が生じたレールはJIS規格の普通レール「50kgNレール(50N)」。50kgの名は,1m当たりの質量(計算質量)が50.4kgであることに由来する。材質は,炭素0.63〜0.75質量%,ケイ素0.15〜0.30質量%,マンガン0.70〜1.10質量%を主に含む高炭素鋼。新日本製鉄が93年4月に製造し,堺筋線に敷設された。
著者
小川 功
出版者
日本保険学会
雑誌
保険学雑誌 (ISSN:03872939)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.602, pp.602_51-602_67, 2008-09-30 (Released:2010-10-15)
参考文献数
9

第一生命など現代相互保険会社が目指す株式会社化・上場の先には当然に敵対的買収のリスクが潜む。平成12年に自称「投資ファンド主宰者」がホワイト・ナイトを装って資本参加した直後に,社金を詐取し破綻させた大正生命事件は記憶に新しい。株式会社が主流であった戦前期生保業界では二・三流以下の“虚業家”的資本家による濫用的買収・乗取りが横行,契約者持分収奪の弊害も少なくなかった。本稿では相互組織の中央生命で,基金を大量に肩代りし乗込んできた買収者を役員に受入れるも,「万事に抜目なき」社長が「それとなく警戒し,社の印などは絶対に渡さず,有名無実の専務取締役として置」き,本人の醜聞暴露を機に徹底的に排除したというリスク管理の成功例を紹介する。同様に高官との人脈等を誇示して新進実業家を気取る“虚業家”を「助言のプロと思い,パートナーとして信頼」し切って一任した大正生命の脇の甘さと好対照をなす。
著者
堀江 航 田中 信行
出版者
一般社団法人 日本体育学会
雑誌
日本体育学会大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.69, pp.293_3, 2018

<p> 本研究は、米国の障がいのあるスポーツ選手を対象にしたアンケート調査により、その健康感や幸福感などの傾向を得ることを目的にした。対象とした選手は、全米車椅子バスケットボール選手権大会(今年3月で70回)に参加した成人男子48チーム(競技レベル順にDivision Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ(各16チーム))に所属する者であった。アンケートの配布数は412件であり、回答数は177件(回収率43.0%)であった。調査内容は、年齢、障害名、持ち点などに加え、車椅子バスケットボールの競技歴、その他のスポーツの競技歴、受障原因や受障年齢を基本情報とし、Well-Being Scale(WeBS)を用いた主観的な健康感とThe Satisfaction with Life Scale(SWLS)を用いた幸福感などであった。WeBSとSWLSは、それぞれ6件法と7件法であった。さらにチームに障がいのない者を加えることの賛否と共に自由筆記によりその意見を求めた。各項目の集計と分析結果の詳細については当日発表する。</p>
著者
川道 美枝子 川道 武男 山本 憲一 八尋 由佳 間 恭子 金田 正人 加藤 卓也
出版者
養賢堂
雑誌
畜産の研究 (ISSN:00093874)
巻号頁・発行日
vol.67, no.6, pp.633-641, 2013-06

アライグマ(Procyon lotor)は北米原産の食肉目アライグマ科に属する中型の哺乳類である。日本での最初の野生化は,1962年岐阜県犬山市の施設で飼育されていた個体からと言われる(環境省,2011)。1970年代末に放映された連続テレビアニメ「あらいぐまラスカル」が人気を呼んだのも一因と考えられるが,ペットとして多数が北米から輸入されるようになった。その後,各地でのアライグマの拡大で,農作物の被害もあり,1994年に狩猟獣に指定され,有害駆除が容易となった。しかしながら,アライグマの拡大は進み,1998年には日本哺乳類学会が対策を求める決議を採択した(哺乳類保護管理専門委員会,1999)。アライグマが原産地で狂犬病を媒介することから,2000年に狂犬病予防法による動物検疫対象に指定されて輸入規制されるまでに(神山,2008),日本に多数が輸入されたが,輸入の実数は不明である。アライグマなどの侵略的外来生物の輸入や日本国内での増加を抑制するために2004年,「特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律(以降外来生物法とする)」が成立し,2005年に施行され,アライグマは輸入,販売,飼養,運搬が規制される特定外来生物に指定された。しかし,法律施行までにすでに日本各地にアライグマは広がっていた。狩猟統計によると(環境省HP),2004年には22道府県で3,287頭のアライグマ捕獲が記録されている。2010年には狩猟,有害駆除,外来生物法に基づく捕獲で24,091頭が捕獲された(狩猟統計)。2010年に全47都道府県に分布することが確認された(国立環境研究所侵入種データベース,2010)。アライグマのもたらす被害としては,自然生態系への被害,農作物や養魚への被害,民家や社寺などへの侵入による汚損・破壊の被害,病気の伝搬の可能性が挙げられる。日本各地に分布するアライグマは主にペット由来とみなされる。アライグマは成獣になると飼育困難になり,野外に放されたり,器用な手先を使って檻から逃走して,各地で野生化したと考えられる。外来生物法が施行されるまでは,捕獲されたアライグマを奥山放獣するようにという行政指導も行われた。また,有害駆除が農作物被害のみに対応している場合も多く,家屋侵入被害は駆除対象とされなかったため,市民による違法捕獲後に山などに放されるケースも多かったようである。そうした事情がアライグマの急速な拡大に拍車をかけたと考えられる。
著者
影山 拓也 吉田 周平 曽根 宏隆 田中 学 渡辺 隆行
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
熱工学コンファレンス講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2016, 2016

<p>The purpose of this study is to synthesize lithium transition-metal oxide nanoparticles by induction thermal plasmas. Six different systems of Li-Mn, Li-Cr, Li-Fe, Li-Co, Li-Ti, and Li-Ni were compared to understand the formation mechanism. The obtained results indicated that lithium metal oxide nanoparticles were successfully synthesized in Li-Mn, Li-Cr, Li-Fe, Li-Co, and Li-Ti systems, while those nanoparticles were rarely synthesized in Li-Ni system. This difference was discussed on the basis of thermodynamic consideration. The yield of prepared lithium metal oxides depends on the ratio of Gibbs free energy change of lithium transition-metal oxides to that of metal oxides.</p>
著者
藤井謙介 著
出版者
興文社
巻号頁・発行日
1928
著者
待井 一男 佐藤 信 竹沢 将俊 刈米 重夫 大和田 憲司 室井 秀一 小野 和男 束原 康文 木島 幹博 宮崎 吉弘 粟野 直行 樋口 利行
出版者
一般社団法人 日本不整脈心電学会
雑誌
心電図 (ISSN:02851660)
巻号頁・発行日
vol.2, no.3, pp.306-316, 1982

学校検診の心電図検査で異常を指摘され, 当科を受診した46名中44名に心電図異常が認められた。内訳は洞性徐脈及び洞性不整脈10例, 冠状静脈洞調律2例, 心室性期外収縮5例, 心室調律2列, 1度房室ブロック8列, 2度房室ブロック4例, 右脚ブロック12例, WPW症候群5例, 左室肥大1例, 右室肥大1例, 心筋傷害1例, 右胸心1例であった。精査の結果明らかな基礎疾患がみつかったのは, 右室肥大が見られた先天性肺動脈弁狭窄症1例と心筋障害が疑われた心尖部肥大型心筋症の計2例で, その他には不完全右脚ブロックを指摘された漏斗胸1例, 家族性WPW症候群の1例, 他の奇型合併を伴わない右胸心1例がみつかった。残りの39例では, 明らかな基礎疾患の存在は認められなかった。<BR>44名中右脚ブロック10例, 心肥大2例, 右胸心1例を除く31例の心電図異常例にマスターダブル負荷試験を行ったところ, 負荷陽性は心尖部肥大型心筋症1例だけであった。マスターダブル負荷直後, 心室性期外収縮4例, 2度房室ブロック1例, WPW症候群4例を除く23例では, 不整脈が消失したりQRS波型の正常化が見られた。<BR>マスターブル負荷試験は, 不整脈を有する学童のスクリーニングテストとして簡便かつ有用な方法である。

2 0 0 0 OA 合歓の花

著者
田山花袋 著
出版者
春陽堂
巻号頁・発行日
1916

2 0 0 0 OA 一兵卒の銃殺

著者
田山花袋 著
出版者
春陽堂
巻号頁・発行日
1917
著者
大沢 映二
出版者
The Society of Synthetic Organic Chemistry, Japan
雑誌
有機合成化学協会誌 (ISSN:00379980)
巻号頁・発行日
vol.45, no.11, pp.1033-1043, 1987-11-01 (Released:2009-11-13)
参考文献数
94
被引用文献数
1 1

日本化学会の将来構想委員会が最近公表した報告の中に「化学におけるコンピュータの役割」と題する一章があり,その中で次のように言っている:『(コンピュータ)の役割は今後益々増え(続け),化学の将来に最も重要な分野の一つはコンピュータによる理論的な計算や論理,考察であろう』。コンピュータに向く理論計算法は大きく分けて量子化学計算と分子力学計算である。前者については本特集では別に取り上げられている。後者は一口で言えば分子模型のコンピュータ化であって,特に有機立体化学や有機合成化学への応用に適している。分子力学法の使い方や応用例については本特集では別に解説されるので,ここでは応用に入る前の導入部として,基本的な考え方や今後の動向に重きを置いて纏めてみた。
著者
朝日新聞社 [編]
出版者
朝日新聞社
巻号頁・発行日
vol.13(3), no.622, 1971-01
巻号頁・発行日
vol.〔上巻〕, 1627

古活字版『寛永行幸記』の第1種本。寛永3年(1626)9月に行われた後水尾天皇の二条城への行幸の行列を描く絵巻。絵、字とも活字による印刷で、類例がなく、我が国印刷文化史上重要な資料である。『寛永行幸記』は、第1種本、第2種イ本、同ロ本、別種本の4種に大別されるが、展示本は最古の刊行とみられる第1種本で、他種とは構成が大きく異なる。書名は墨書題簽による。ただし、上巻のみの端本。特許庁寄贈。当館所蔵本としては、別掲の『御上洛絵草紙』が全巻揃いである。