著者
松浦 茂樹
出版者
水利科学研究所
巻号頁・発行日
no.342, pp.27-56, 2015 (Released:2015-07-06)
著者
天野 翔太 酒井 治己
出版者
水産大学校
巻号頁・発行日
vol.63, no.1, pp.17-32, 2014 (Released:2018-07-18)
著者
谷口 真吾 橋詰 隼人 山本 福壽
出版者
日本林學會
巻号頁・発行日
vol.85, no.4, pp.340-345, 2003 (Released:2011-03-05)

鳥取大学蒜山演習林のトチノキ林において、果実の成熟過程における落果時期と内部形態の解剖学的な観察をもとに、発育途中における未熟果実の落下原因を調べた。未熟果実は6月中旬から7月下旬までの間に全体の80-90%が落下した。未熟落果の形態として、「虫害」タイプ、「胚珠の発育不全」タイプ、「種子内組織の崩壊」タイプ、「胚の発育不全」タイプの四つが挙げられた。虫害による未熟落果は6月と7月下旬以降に多く発生した。6月の虫害は果肉摂食型幼虫によるもの、7月下旬以降の虫害は子葉摂食型幼虫によるものであった。「胚珠の発育不全」タイプの落果は主に6月にみられ、受粉・受精の失敗によって胚珠が種子に成長しなかったことが原因と考えられた。「種子内組織崩壊」タイプの落果は7月上旬以降にみられ、種子内の組織が死滅して内部が空洞化していた。「胚の発育不全」タイプの落果は7月下旬以降にみられ、胚の発育が途中で止まったものであった。トチノキの未熟落果の大部分を占める「胚珠の発育不全」と「種子内組織の崩壊」は、落下果実の内部形態から判断して、「胚珠の発育不全」タイプは受粉・受精の失敗が主要因であり、「種子内組織の崩壊」タイプは資源制限による発育中断が主要因である可能性が高いと考えられた。
著者
小松 典彦 茂木 昌行 小原 昌和
出版者
長野県水産試験場
巻号頁・発行日
no.17, pp.1-6, 2017 (Released:2017-06-26)

1 茶に含まれるカテキン類に着目し、市販茶系飲料によるシナノユキマスの受精卵の粘着性除去方法を開発した。2 煎茶葉、紅茶葉の浸出液および市販のペットボトル入り茶系飲料3種(ヘルシア緑茶、カテキン緑茶および黒烏龍茶)を用いて、卵の粘着性除去効果を調べた結果、カテキン緑茶が最も有用であった。3 カテキン緑茶の粘着性除去における用法・用量を検討した結果、カテキン緑茶原液を使用し、浸漬時間を5分、処理卵数を1万粒/350mL、8回まで反復使用する方法が最も実用的であった。4 業務規模の大量処理を行ったところ、3の用法・用量が業務規模においても妥当であることと受精卵に対する安全性に問題がないことが確認できた。5 カテキン緑茶を用いた場合の一採卵期あたりの費用は約1.6万円であった。
著者
荒川 博 伊奈 健宏 松浦 英之 大場 聖司 種石 始弘 中根 健
出版者
静岡県農業試験場
巻号頁・発行日
no.46, pp.35-43, 2001 (Released:2011-03-05)

ワサビのいくつかの品種・系統を供試し、主な辛味成分であるアリルイソチオシアネートとその生成因子との関係、部位別分布を調査し、簡便で精度の高い辛味成分の評価法について検討した。 1. ワサビ根茎部のアリルイソチオシアネート含量は、品種・系統間差がある傾向がみられた。また、肥大性の良い品種・系統でアリルイソチオシアネート含量が低い傾向であった。 2 ワサビ根茎部におけるアリルイソチオシアネートの生成には、前駆物質であるシニグリン含量が大きく影響し、根茎内のビタミンC含量、ミロシナーゼ活性の影響はみられなかった。同時期に収穫したワサビの辛味成分の評価法としてシニグリン含量を指標にできることが示唆された。 3 根茎部内のアリルイソチオシアネート、シニグリンは外層部に多く、中心部で低かった。また、ミロシナーゼ活性は、維管束部で最も高く、髄ではほとんど認められなかった。 4 根茎部の中位部・中心部におけるシニグリン含量から根茎全体のシニグリン含量を精度良く評価できることを明らかにした。
著者
福岡 壽夫
出版者
農林省北陸農業試験場
巻号頁・発行日
no.24, pp.127-215, 1982 (Released:2011-03-05)
著者
野口 茜 武田 俊之 渡辺 剛 保井 久子
出版者
信州大学農学部
巻号頁・発行日
vol.44, no.1-2, pp.1-8, 2008 (Released:2010-05-07)

毎年冬季に流行するインフルエンザ感染症は、主にA型インフルエンザウイルス(Flu)により発症する。A型Fluは、複数の亜型に分類されることやゲノム変異が頻繁に起こることから、その予防にワクチン接種は完全とは言えず、また抗Flu薬も問題が多い。一方、紅茶や緑茶等の茶フラボノイドは、高いFlu感染阻害作用を有することが注目されている。そこで、我々はアントシアニンなどのフラボノイドを多量に含む果実であるカシスに注目し、その抗Flu作用を検討した。その結果、カシスエキスはFluに対して高い赤血球凝集阻害作用を示し、Flu感染モデルマウスを用いた試験において、発症率を減少させ、生存率を高めた。これらのことから、カシスエキスはA型Fluの予防に有効であると考えられた。また、活性成分の探索のため、カシスエキスを合成吸着樹脂にて分画し、赤血球凝集阻害作用を調べた。その結果、アントシアニン以外の物質が含まれる画分に、強い吸着阻害作用を有する化合物の存在が示唆された。
著者
喜田 宏
巻号頁・発行日
vol.51, pp.7-12, 2015 (Released:2016-04-04)

H5およびH7高病原性鳥インフルエンザウイルスが世界各地で家禽と野鳥に感染し,甚大な被害を及ぼしている。少数の国において,鳥インフルエンザの制圧対策が適切に執られていないためである。「感染家禽の早期摘発・淘汰により,被害を家禽に封じ込め,人の健康と食の安全を守る」ことが鳥インフルエンザ対策の要である。H5N1およびH7N9ウイルスがパンデミックインフルエンザを起こすものと想定されている。私は,その可能性は低いと見ている。もしパンデミックインフルエンザが発生,流行したとしても,慌てることはない。新たなHA亜型のウイルスは,人集団に免疫がないので,伝播性は高いが,個々の人に対する病原性は低いからである。パンデミック第二波以後,すなわち,季節性インフルエンザを起こすウイルスの方が人の体内でよく増殖するので,病原性が高い。したがって,季節性インフルエンザ対策の改善・確立こそがパンデミックインフルエンザ対策の要である。
著者
高屋 茂雄
出版者
農林省茶業試験場
巻号頁・発行日
no.18, pp.1-120, 1982 (Released:2011-03-05)
著者
濱地 文雄 恒遠 正彦 森田 彰
出版者
[福岡県農業総合試験場]
巻号頁・発行日
no.5, pp.15-20, 1985 (Released:2011-03-05)
著者
くぬ刀 幸博 寺井 康夫
出版者
[出版者不明]
巻号頁・発行日
no.9, pp.35-41, 1996 (Released:2011-03-05)
著者
佐藤 賢一 佐藤 岩夫 成田 伊都美 中村 幸二
出版者
埼玉県農林総合研究センター
巻号頁・発行日
no.6, pp.5-16, 2007 (Released:2011-05-26)

水稲や、エダマメ、ホウレンソウ、ネギ、キャベツ、レタス、ピーマン、ニンジン、ダイコン、サトイモ、サツマイモ等野菜は、その可食部中にダイオキシン類を吸収移行し、蓄積することは少ない。農作物のダイオキシン類濃度は、吸収より付着による影響が大きく、根等の様に表面が土壌に直接触れている部位で高い。農作物からのダイオキシン類摂取を少なくするためには、作物に付着しているダイオキシン類を少なくすることが有効で、葉菜類の外葉除去、果菜類、根菜類、イモ類の皮むきで、効果的に低減する。
著者
石井 光廣 加藤 正人
出版者
千葉県水産研究センター
巻号頁・発行日
no.4, pp.7-15, 2005 (Released:2011-03-05)

1)東京湾に発生する貧酸素水塊の分布(底層の溶存酸素量分布)と底びき網によるスズキの漁獲位置について水塊分布とスズキ漁獲位置との対応関係について検討した。2)春季-秋季に発生する貧酸素水塊の規模にともないスズキは東京湾の富津岬以南に移動すると考えた。3)夏季湾内に残っていたスズキは、貧酸素水塊を避けるように分布し、とくに貧酸素水塊と貧酸素水塊外の境界付近で多く分布することがある。
著者
佐野 稔
出版者
北海道立水産試験場
巻号頁・発行日
no.70, pp.95-98, 2006 (Released:2011-03-05)

北海道北部日本海の稚内市抜海沿岸におけるミズダコの繁殖期を明らかにするために、2003年6月-2004年6月まで毎月1回、たこ函で漁獲されたミズダコを収集した。雌の卵巣指数、輸卵管球指数は、11-12月と3月に上昇した。これら個体は、輸卵管球に精子を有していたので、産卵前の成熟した雌と考えられた。雄の精莢嚢指数は10-12月に上昇し、精巣指数は10月に上昇した後11-12月に減少した。11-12月の全ての個体で精莢を有していたため、成熟して活発な交接行動を行っていた雄と考えられた。本研究で明らかになった繁殖期は、既報の礼文島周辺海域における繁殖期に含まれた。
著者
田中 裕人 外崎 菜穂子 望月 洋孝 間々田 理彦 原 珠里
出版者
東京農業大学農業経済学会→食料・農業・農村経済学会 (121号-)
巻号頁・発行日
no.118, pp.73-83, 2014 (Released:2014-07-07)

本研究は,新潟県佐渡市の訪問者を対象として,AHPを適用して,トキの野生復帰に関する効果の評価を行った。トキの野生復帰によって期待できる効果として,「トキを中心とした生態系の保全」,「トキを活用した環境教育」,「観光客の増加」,「米などの農産物の販売増加」の4項目を提示した。AHPによる分析の結果,「トキを中心とした生態系の保全」の評価が最も高い反面,「観光客の増加」,「米などの農産物の販売増加」の評価が低く,その差も大きかった。また,本研究では,佐渡に関する有効な情報発信手段についての検討を行った。現時点において,訪問客は佐渡に関する情報発信において,おおむね満足している傾向が見られた。これらのことから,今後は,トキの野生復帰と環境保全型農業が結びついているということを含めて,トキの野生復帰に関する背景や現状も含めた適切な情報発信が重要になると考えられる。
著者
比留間 潔
巻号頁・発行日
vol.62, no.3, pp.161-169, 2018 (Released:2018-10-18)
著者
二村 一男
出版者
京都大学農学部附属演習林
巻号頁・発行日
no.17, pp.1-13, 1987 (Released:2011-03-05)
著者
大日方 洋 唐沢 秀行 村松 信之
出版者
長野県食品工業試験場
巻号頁・発行日
no.28, pp.61-64, 2000 (Released:2011-03-05)

寒天の熱水可溶性という特徴を活かした可食性フィルムの開発を目標として、ここでは特に可食性フィルムの基礎的特性である強度及び熱特性について検討を行い、以下の結果を得た。 1.寒天及びゼラチンを主成分とする可食性フィルムは、引張強度は大きいが伸びが小さく、硬くて脆い性質を示した。 2.グリセリンやソルビトールのような多価アルコールの添加は可食性フィルムに柔軟性を与えるのに有効であった。 3.寒天とゼラチンの混合フィルムは、水分がある状態では65℃以上に融点をもつため、通常のインパルスシーラーでシールでき、かつ熱水可溶性であることが確認された。
著者
白井 昭博 佐久間 貴子 青木 美保
出版者
防菌防黴研究会
巻号頁・発行日
vol.31, no.4, pp.173-181, 2003 (Released:2011-03-05)

銀担持アクリル繊維とポリエステル繊維の混抄紙(iZi)の抗菌特性とその殺菌機構を明らかにした。iZiは、Legionella pneumophilaを含む細菌に対して強い殺菌力を有していた。iZiの殺菌力は、食塩、ペプトン共存下で低下することを認めた。iZiの殺菌化学種は・OHであることを証明し、さらに菌体内でリビングラジカルとして継続的な殺菌効果を示すと考えられた。また、iZiから菌体へ銀が移行することを示した。iZiの殺菌力は、銀含量に強く依存した。