著者
平野 高志
出版者
九州理学療法士・作業療法士合同学会
雑誌
九州理学療法士・作業療法士合同学会誌 第29回九州理学療法士・作業療法士合同学会 (ISSN:09152032)
巻号頁・発行日
pp.64, 2007 (Released:2008-02-01)

【はじめに】 平成18年に医療・介護保険の改定が実施され、リハビリテーション(以下リハ)では算定日数の制限が、入院療養では医療区分などが大きな問題となった。医療120床、介護293床全て療養病床の当院では、病院全体が大きく変わる事を余儀なくされた。そこで改定前後における当院の動向について調査し、私見を含めここに報告する。【対象・方法】 平成18年1月から12月の1年間における、病床稼働率、待機者数、入退院数、入退院者動向、医療区分、平均介護度、日常生活自立度、リハ延単位数について調査し、保険制度改定前後の動向と患者像を比較、検討した。【結果】 病床稼働率は、3月99.7%が12月には97.4%に低下し、待機者は3月に61名であったのが、6月には待機者なしとなる。入・退院数は順に1月は15名・11名、5月は22名・20名、10月27名・35名と最も多く、12月は18名・20名と低下傾向である。入院経路としては、病院からの紹介が多数を占め、自宅、近隣施設からの入院が続く。退院経路としては、転院、自宅、死亡退院が多数を占めている。4月以降介護系施設への退院も少数ではあるが増加している。医療区分の推移は、重症化が進んでおり、区分2以上の割合は、7月時点で71.3%、9月で80%を超え、12月には87.0%まで増加している。平均介護度は、全体で1月では4.18だったのが、6月に3.88、11月には3.67へと変化している。日常生活自立度は、病院全体でC2、B2、B1の順で多く、年間を通して変化はない。介護病棟ではB2、B1の増加C2の減少、医療病棟ではB2、B1の減少C2の増加となっている。リハ月別延単位数は、医療は3月に最も多く12月には47%減少し、介護では31%増加している。全体は、療法士の増減により多少変化はあるが大きな変化はない。【考察】 この改定で、リハにおける日数制限と医療区分が設けられ、療養病床のみである当院は、その対応に追われる1年となった。慢性期入院医療に関わる見直しで、区分の低い患者の療養が厳しくなり、介護保険の申請を勧め介護度を取得すると同時に、医療区分を確認した。医療と介護の適応判断を全患者で行い、必要時には退院指導も行った。在宅復帰・生活重視への移行で退院指導重視と種々の施設開設で、待機者なしとなったと考える。7月に向け、院内で医療と介護間で患者の移動があり、患者像が逆転したことが日常生活自立度、介護度から伺える。リハにおいてもリセット後180日で、医療の適応患者が減少し、療法士の配置を介護で増員し、リハ継続を進める事となった。医療と介護の機能分担と連携の明確化を痛感した。本年の例外的な医療保険の改定と2年後の介護の改定、また介護療養病床の廃止と情勢は変化する。医療と介護の連携に当院の方針を見出す必要がある。
著者
山崎 和彦 脇阪 善則
出版者
Japanese Society for the Science of Design
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
pp.6, 2012 (Released:2012-06-11)

本研究は総合的なユーザ体験を考慮したアプローチであるユーザエクスペリエンスデザインを支援するための手法を提案することを目的とする。
著者
久保 勇輔 高木 大輔 森上 亜城洋
出版者
東海北陸理学療法学術大会
雑誌
東海北陸理学療法学術大会誌 第28回東海北陸理学療法学術大会
巻号頁・発行日
pp.84, 2012 (Released:2013-01-10)

【目的】 転倒セルフエフィカシーとは、転倒しないで日常生活をどのくらい行えるかという見込み感であり、セルフエフィカシー(自己効力感)や自信は身体機能と強く結びついている。自己効力感と身体活動量には関係性があると報告されているが、一方で身体活動をどのように維持するかという問題点も浮上している(竹中ら、2002:加藤ら、2006)。谷本ら(2010)によると、加齢に伴う身体組成の変化は、高齢者の生活機能障害に深く関わり、加齢に伴う筋肉量の減少と基本的ADLの障害は関連し、高齢期の健康づくりにおいては下肢筋肉量に着目した支援の必要性が報告されている。そこで筋肉量の増減が、高齢者の生活機能への変化を通して、自己効力感に影響を及ぼす可能性が推測されるため、本研究では加齢、筋肉量、自己効力感との関係性を検討した。なお本報告は、対象者に紙面、口頭にて説明し同意を受け、公立森町病院倫理委員会の承認を得た。【方法】 対象は、地域在住女性高齢者24名とし、年齢は71±9歳、身長は148.9±5.6㎝、体重48.4±7.4㎏であった。全身筋肉量は、BIA法(生体インピーダンス法)でデュアル周波数体組成計(TANITA:DC-320)を用いて測定した。Brown et al(1998)は、BIA法で推定した筋横断面積とCT法で測定した筋横断面積に有意な相関があることを報告している。転倒セルフエフィカシーに対しては、竹中ら(2002)が開発した転倒セルフエフィカシー尺度(FES:falls efficacy scale)を用いた。加齢、筋肉量、転倒セルフエフィカシー尺度の各々の関係において、Pearsonの積率相関係数で検討し、有意水準は、危険率5%未満にした。【結果】 加齢と全身筋肉量の間に、有意な負の相関を認め(r=-0.57, p<0.05)、加齢に伴い全身筋肉量が減少していた。また、筋肉量とFESには有意な正の相関を認め(r=0.44, p<0.05)、筋肉量が多い対象者は、動作に対して自信を持っていることが示された。【考察】 全身筋肉量が自己効力感に影響を及ぼす可能性が示唆された。高齢者では加齢に伴い筋肉量が減少し、身体活動量が減少することで自己効力感が低下することが推測される。自己効力感は多くの研究において運動参加への定着についての重要因子とされている。そこで本研究より高齢者においては、まず筋肉量を増やすことが生活機能障害、ADL障害を改善し、結果身体活動を通して自己効力感を向上できるのではないかと考える。一方で今回は、全身筋肉量について検討したが、加齢ではサルコペニアにより速筋線維は萎縮し(河野ら、2011)、遅筋線維は影響を受けない(Fujiwara et al, 2010)。高齢者では特に筋線維間の分布に差異を認めるため、今後は筋線維組成からの検討もしていきたい。また身体活動量に影響を及ぼす要因として、認知機能の低下や環境因子もあるため合わせて検討する必要がある。【まとめ】 今回、全身筋肉量と自己効力感に関係性があり、高齢者では筋肉量を増やすことが生活機能の改善を通して、自己効力感を変化させる可能性が示唆された。
著者
中井 貴大 木村 圭佑 岩田 研二 山崎 年弘 坂本 己津恵 松本 隆史 櫻井 宏明 金田 嘉清
出版者
東海北陸理学療法学術大会
雑誌
東海北陸理学療法学術大会誌 第28回東海北陸理学療法学術大会
巻号頁・発行日
pp.79, 2012 (Released:2013-01-10)

【はじめに】 脊髄損傷、脳卒中片麻痺、パーキンソン病(以下:PD)患者に対するトレッドミル歩行訓練(以下:TT)効果についての報告は数多くあり、高いエビデンスを認めている。そこで、今回Th11破裂骨折にて下肢に不全麻痺を呈したPD患者に対して、自宅内での歩行再獲得にTTが有効であった症例について報告する。【症例紹介】 症例は70歳代女性で、腰背部痛の増悪により歩行困難となりTh11破裂骨折の診断を受けた。急性期病院にて硬性コルセットを作成し保存療法となり、発症42日後に当院回復期リハビリテーション病棟に入院し、自宅復帰に向けたリハビリテーションの介入を開始した(患者1日あたりの単位数7単位)。病前は夫と二人暮らしで、既往歴にPDがあったがADLは自立レベル、IADLも一部自立していた。なお、本研究は当院の倫理委員会が定める倫理規定に従い実施した。【初期評価】 Hoehn-Yahr重症度分類はStage3レベルであり、動作時に姿勢反射障害を認めた。また、入院時は座位保持で腰背部痛が増悪(NRS8/10)し、座位時間は約30分程度であった。さらに右下肢には軽度から中等度の表在感覚低下を認め、入院時下肢筋力は右下肢がMMT2~3レベル、左下肢が3~4レベルであった。病棟での移動手段は車椅子で、介助者による駆動の介助が必要であった。歩行は疼痛が強かったため行っていない。入院時機能的自立度評価法(以下、FIM)は64点であった。【経過・アプローチ】 腰背部痛の軽減、座位時間の延長に伴い、入院約2週間後平行棒内歩行訓練を開始した。当初は平行棒を両手で把持した状態でも膝折れが生じるため監視レベルに留まり、入院約1ヶ月で住宅評価を行ったところ短距離を独歩で移動しなければいけない区間が存在したため、歩行能力向上を目的にTTを開始した。TT開始初期は設定速度0.5㎞/hとし、前方両手支持での環境設定とした。歩行能力向上に伴い難易度調整を行った。TT開始から約1ヶ月で速度2.0㎞/h、支持物なしにて約3分間連続歩行が可能となった。TTの効果判定として、10m歩行を測定し、速度、歩行率、介助数の側面から訓練効果について検証した。TT開始当初は10m最大歩行速度0.59㎞/h、歩行率0.88step/sec、介助数3回であったが、約1ヶ月のTT訓練介入で速度2.02㎞/h、歩行率1.68step/sec、介助数0回と歩行速度、歩行率、介助数において改善を認めた。TT開始約2週間で病棟内シルバーカー歩行自立となり、退院時には約50mを介助なしで独歩にて移動可能となったが、自宅環境との違いより、病棟内歩行はシルバーカーに留まった。なお、退院時FIMは99点と向上した。【考察】 TT開始当初の歩容は、PD特有の体幹前傾位で小刻み歩行であった。さらに破裂骨折の影響のため下肢筋出力低下を認め、支持性が低く歩行速度も低下していた。また左右動揺が大きく、バランスを崩した際は姿勢制御が困難であった。TTの導入により、能力に合わせた高速度での歩行を繰り返し行うことと股関節伸展を意識した立脚後期を作ることでCentral Pattern Generatorが賦活し、歩行時の筋活動パターンが学習され、歩行能力向上につながったのではないかと推察された。また、動作特異性から一定量の歩行訓練を行うことで、実動作への転移が高く、短期間での訓練効果が得られたのではないかと考えられた。
著者
加藤 勇気 小山 総市朗 平子 誠也 本谷 郁雄 田辺 茂雄 櫻井 宏明 金田 嘉清
出版者
東海北陸理学療法学術大会
雑誌
東海北陸理学療法学術大会誌 第28回東海北陸理学療法学術大会
巻号頁・発行日
pp.86, 2012 (Released:2013-01-10)

【はじめに】 動的バランス能力低下を引き起こす要因として、足底感覚の低下が報告されている。その機序の一つとしては、機械的受容器の非活性化が示唆されている。臨床では、機械的受容器の賦活にタオルギャザーや青竹踏みが用いられている。しかし、刺激量が定量化できない事、随意運動が不十分な患者では施行できない事が問題となっている。近年、経皮的電気刺激(transcutaneous electrical stimulation以下TES)を用いた機械的受容器の賦活が報告され始めている。本手法は、刺激量が定量化でき、随意運動が不十分な患者でも施行できる利点がある。過去報告では、下腿筋群に対する運動閾値上のTESによって、足底感覚と動的バランス能力の改善を認めている。しかし、感覚鈍麻を認める患者においては、可能な限り弱い強度での電気刺激が望ましい。本研究では、足底に対する運動閾値下のTESによって動的バランス能力が向上するか検討した。【方法】 対象は健常成人17名(男15名、女3名、平均年齢24.6±3.2歳)とし、10名をTES群、7名をコントロール群に分類した。TES装置はKR-70(OG技研)を用いた。電極には長方形電極(8㎝×5㎝)を使用し、足底、両側の中足骨部に陰極、踵部に陽極を貼付した。TESは周波数100Hz、パルス幅200us、運動閾値の90%の強度で10分間連続して行った。コントロール群は10分間安静を保持させた。動的バランス能力の評価にはFunctional Reach Test(FRT)を用いた。FRTの開始姿勢は、足部を揃え上肢を肩関節90°屈曲、肘関節伸展回内位、手関節中間位とした。対象者には指先の高さを変えない事、踵を拳上しない事を指示し、最大前方リーチを行わせた。測定は2回行い、その平均値を算出した。統計学的解析は、各群の介入前後の比較に対応のあるt検定を用いた。本研究の実施手順および内容はヘルシンキ宣言に則り当院倫理委員会の承諾を得た。対象者には、評価手順、意義、危険性、利益や不利益、プライバシー管理、目的を説明し書面で同意を得た。【結果】 TES群は介入前FRT 34.6±3.2㎝、介入後36.9±3.2㎝と有意な向上を認めた。一方で、コントロール群は介入前34.3±1.9㎝、介入後34.6±2.0㎝と有意差は認められなかった。【考察】 足底に対する運動閾値下のTESは、動的バランス能力を向上させた。過去の報告で用いられた下腿筋群に対する運動閾値上のTESの作用機序としては、筋ポンプ作用によって末梢循環が改善され、機械的受容器が賦活されたと示唆されている。したがって、本研究における運動閾値下のTESの作用機序は異なるものであると考えらえる。運動閾値下のTESは、刺激部位の機械的受容器や上位中枢神経系の賦活が報告されている。機械的受容器の感受性改善は、足底内での細かな重心位置把握を可能とし、上位中枢神経系の賦活は、脊髄反射回路の抑制によって協調的な動作を可能にすると考える。今後、足底に対する運動閾値下のTESと重心動揺、上位神経系との関係を明らかにすることで、動的バランス能力向上の機序がより明確になると考える。【まとめ】 本研究によって足底に対する運動閾値下のTESが動的バランス能力を向上させることが示唆された。
著者
高崎 憲博 村上 忠洋 山中 主範 小林 道生(OT)
出版者
東海北陸理学療法学術大会
雑誌
東海北陸理学療法学術大会誌 第28回東海北陸理学療法学術大会
巻号頁・発行日
pp.83, 2012 (Released:2013-01-10)

【目的】 リハビリテーションの目標は対象者の生活機能の向上であるが、生活期(維持期)における重度障害者に対しては、介助者の負担を軽減することもその目標の一つと考える。我々はこの身体的な負担の程度を介助者の主観により段階づけする基準を作成し、これを身体的介助負担度の検査として臨床で用いている。本研究の目的は、移乗動作の介助においてこの主観的な身体的介助負担度と、その際の介助者の腰部脊柱起立筋の筋活動量との関係を検討することである。【方法】 1名の作業療法士(以下、介助者)に、老人保健施設に入所中で、機能的自立度評価表のベッド・椅子・車椅子移乗の項目が5点以下の者(以下、被介助者)17名(男性2名、女性15名)のベッドと車椅子間の移乗動作の介助を行わせた。その際の介助者の身体的介助負担度(以下、介助負担度)と腰部の筋活動量を測定した。介助負担度の判定は、「0:身体的な負担を全く感じない」「1:すこしの身体的な負担を感じる」「2:中等度の身体的な負担を感じる」「3:かなり身体的な負担を感じる」「4:非常に身体的な負担を感じる」の5段階とし、移乗介助をした後に介助者が行った。筋活動量の測定は、表面筋電計(Noraxon社製)を使用し、左右のL3レベルの腰部脊柱起立筋(以下、脊柱起立筋)から活動電位を導出した。ベッドと車椅子の座面に設置した圧感知センサーの信号を用いて、被介助者の殿部がベッドから離れ車椅子の座面に着くまで、および殿部が車椅子の座面から離れベッドに着くまでの区間を確認し、この区間における単位時間あたりの積分値を算出した。統計処理は、介助負担度と脊柱起立筋の筋活動量の関係をスピアマンの順位相関係数を用い、有意水準は5%未満とした。【結果】 介助負担度が1であった3名の介助時における脊柱起立筋の積分値の中央値は132.5μV(最小96.1μV~最大158.1μV)であった。介助負担度の2であった7名の積分値の中央値は211.1μV(144.1μV~249.2μV)で、3であった7名の積分値の中央値は222.9μV(189μV~283.7μV)であった。介助負担度と脊柱起立筋との間には正の相関関係(r=0.56, p=0.019)を認めた。【考察】 今回使用した介助負担度は、ADL評価が全介助であってもその負担度を詳細に段階づけられるのが特徴で、重度障害者のリハビリテーションの効果を判定する検査法として有用と考えている。しかしながら、主観的な検査法でありその妥当性に疑問があり、今回、介助負担度と脊柱起立筋の筋活動量との関係を検討した。その結果、移乗介助での脊柱起立筋の筋活動が高くなるにつれ、主観的な介助負担度も高くなっていた。したがって、身体的介助負担度の検査を用いることで、移乗介助時の負担の程度を適正に捉えることができると考える。【まとめ】 今回、移乗介助において介助者の介助負担度と脊柱起立筋の筋活動を検討し、それらの関係を認めた。身体的負担度の検査を用いることで、介助者の身体的な負担の程度を適正に捉えることが可能で、リハビリテーションの効果判定の指標になると考える。
著者
高橋 延昌
出版者
Japanese Society for the Science of Design
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
pp.20, 2012 (Released:2012-06-11)

スータブル・ギア・デザインとは、デザインの地域活性化に関わり方を便宜的に語るために、筆者が提案したい概念である。筆者は以前から地域に関わるデザイン教育研究に携わってきたが、デザインと地域との関わり方を新しい概念でとらえながら実践的に検証し続けてきた。今回はキャラクターをコアとしてとらえ、震災復興および風評被害対策に立ち向かう福島県の事例を通して、その概念を考察してみる。結果、とくに地方では単独のギアではうまくまわらず、複数のギアが関わり合いながら全体としてまわると考えられる。
著者
森野 晶人
出版者
Japanese Society for the Science of Design
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
pp.27, 2012 (Released:2012-06-11)

崇城大学芸術学部デザイン学科のカリキュラムに含まれる写真の授業をベースとした展開として、地域活性化を目指した3例のプロジェクト学習について報告する。「熊本の仕事人70人街中ギャラリー」:熊本市商工課、有限会社ウルトラハウス(出版社)および崇城大学芸術学部の連携により企画・運営され、学生がインタビュー、写真撮影、デザイン、印刷を含むタペストリーの製作および設置に携わった。「市民会館工事フェンスデザイン」:熊本市民会館の改修建築工事にあたり、同会館周囲が約170mの工事用フェンスで包囲された。一般には触れてはいけない工事フェンスをメディアとして昇華し、市民同志のコミュニケーションの場づくりを提案した。「まちxひと城下町ガイド制作参画」:熊本朝日放送が熊本市の中心市街地を中心とした500店舗の情報やストリート紹介、対談、カメラルポなどの情報にわたって紹介する書籍を企画・発行するにあたり、本書のための写真撮影を行った。
著者
古川 純
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
YAKUGAKU ZASSHI (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.134, no.2, pp.143-148, 2014 (Released:2014-02-01)
参考文献数
10
被引用文献数
2

Research into environmental dynamics of radioactive nuclides released by the Fukushima nuclear accident, especially radiocesium 137Cs (half-life, 30.1 years), is highly focused especially on diffusion processes of radiocesium into ecosystems, which is high-priority knowledge. Because of relatively sparse knowledge about the reallocation of radiocesium contained in organic matter in terrestrial ecosystems, the effects of diffused rediocesium into ecosystem cannot be accurately estimated. In this article, the terrestrial environmental dynamics of radiocesium mainly in the processes of plant uptake and the possibility of release from plants will be discussed. Plants uptake minerals from soil and these minerals are likewise ingested by animals that feed on plants, including humans. Therefore one of the main gateways of radiocesium into ecosystem is via plants. From the viewpoint of human dietary consumption, rice contamination with radiocesium has been energetically investigated and useful data are accumulating. Processes of radiocesium uptake mechanisms by plants are being researched using legumes, e.g. soybean. Speculation on the possibility of radiocesium release into forest atmosphere via plant activity will be introduced.
著者
飯塚 勝久
出版者
日本哲学会
雑誌
哲学 (ISSN:03873358)
巻号頁・発行日
vol.1965, no.15, pp.198-206, 1965-03-31 (Released:2010-05-07)
参考文献数
30

The “Body” has been mainly discussed as a problem of its relation to soul. In Descartes' dualism it was entirely identified with the physical thing and was opposed to soul. For this reason the problem of connection of those two entities was succeeded by the hypothesis of psychophysical parallelism. Bergson, however, pointed out that the hypothesis was derived from the principles of the mechanical view of nature. He severely criticized Cartesianism from his own standpoint and introduced the idea of “pure perception” into his treatise concerning the connection of mind with matter, but could not necessarily shake himself free from the cognitive viewpoint. It is existentialism that dealt with body in the pre-reflective dimension of being. In fact, it argued body not as an object of epistemology, but as our existence itself. And thus, the conclusion of this paper is this : existentialism has made an epoch in the history of the problem of body.
著者
石倉 啓行 山崎 信寿
出版者
一般社団法人 日本人間工学会
雑誌
人間工学 (ISSN:05494974)
巻号頁・発行日
vol.49, no.2, pp.54-61, 2013-04-15 (Released:2013-06-19)
参考文献数
10

オフィスのフリーアドレス制による事務机の共有化が,ノートPCの普及と共に進みつつある.しかし,ノートPCでは,ディスプレイの見やすさとキーの打ちやすさを両立させることが困難であった.このため,形状可変実験椅子を用い,女性5パーセンタイルから男性95パーセンタイルについてノートPC作業を行いやすい椅子条件を求めた.その結果,ノートPCのキーボード面を10°起こし,背もたれ腰部を68°として胸郭支持部は79°にし,座面を水平から10°後傾させれば良いことがわかった.また,低身長者には座面中央部の幅260 mmの範囲の座面長を354 mmとし,左右の座面長は378 mmとして高身長者の大腿側面を支持する最大35°の傾斜をつけた.座面高は350~410 mmで,目の高さを下げるため,従来オフィスチェアよりも低くする必要があることもわかった.試作椅子による40分のノートPC作業では,従来椅子と同等の作業効率で頭頸部の前傾は平均9°小さく,肩の挙上もなくなり,三角筋,僧帽筋,脊柱起立筋の負担が減少し,下肢のむくみも低下した.
著者
石垣 健二
出版者
一般社団法人 日本体育学会
雑誌
体育学研究 (ISSN:04846710)
巻号頁・発行日
pp.13090, (Released:2014-07-30)
参考文献数
32
被引用文献数
1 4

This paper focuses on “bodily experience” and “bodily dialogue” in physical education with the aim of clarifying the domain of bodily experience and bodily dialogue, and discusses the significance of physical education as “education in intercorporeality” by showing that bodily experience and bodily dialogue foster a vital sense of “we” in modern Japanese children.   First, the author examines bodily experiences in the context of physical education. Bodily experiences are central to other experiences (experiences of the self, experiences from the others and experiences of the things) in physical education, and elicit “bodily feelings”, which can be regarded as Gestalts that we perceive from the subject's viewpoint. The Gestalts consist of feelings of the self body, feelings from others' bodies, and the feelings of things for both the self and the others. The bodily feelings as Gestalts form the core of bodily experiences, and this underlies our experiences in physical education.   Secondly, the author considers the essence of bodily dialogues, through which we perceive the others by bodily feelings. Therefore the domain of bodily dialogues involves both bodily experiences and experiences from the others. The domain of bodily dialogues extends to that of “mental dialogues”, but the two are distinct because the latter is involves mental, not bodily, feelings. Also the latter promotes the restoration of corporeality by acquiring mental feelings, whereas the former promotes the formation of the latter by acquiring bodily feelings.   Finally, it can be said that the self and the others share bodily rather than mental (emotional) experiences in physical education. In other words, instead of having mental dialogues through mental feelings, we experience bodily dialogues thorough bodily feelings. In our everyday lives, we nurture “intersubjectivity” through mental dialogues, but we also nurture “intercorporeality” through bodily dialogues when practicing physical education. This makes it possible for us to recognize ‘we’ as bodily feelings. Therefore, physical education is essential for the development of modern Japanese children, who allocate too much time to intellectual training and need to education in intercorporeality.
著者
横山 彰
出版者
公共選択学会
雑誌
公共選択の研究 (ISSN:02869624)
巻号頁・発行日
vol.1989, no.14, pp.99-103, 1989-12-15 (Released:2010-10-14)
著者
佐藤 慈 清水 穂高 児守 啓史 青木 直和 小林 裕幸
出版者
社団法人 日本写真学会
雑誌
日本写真学会誌 (ISSN:03695662)
巻号頁・発行日
vol.70, no.Suppliment, pp.66-67, 2007-05-24 (Released:2011-02-17)

With color photos we feel aged from lower color temperature, lower chroma, and faded color. But black-and-white and sepia-toned photos make us feel more aged than any color photos. Here kansei effect of sepia-toned photo is discussed compared with black-and-white photo.