出版者
発明推進協会
巻号頁・発行日
vol.28, no.12, 1931-12
著者
森 善宣
出版者
九州地区国立大学間の連携に係る企画委員会リポジトリ部会
雑誌
九州地区国立大学教育系・文系研究論文集 = The Joint Journal of the National Universities in Kyushu. Education and Humanities (ISSN:18828728)
巻号頁・発行日
vol.1, no.2, pp.No.2, 2014-03

1959年に開始された在日朝鮮人帰還事業は、日朝両政府が「人道」の名の下に推進したが、朝鮮半島をめぐるデタントと南北の軍事的対峙から、そこには各政府それぞれ独自の狙いが潜んでいた。本論は、中ロ・東欧諸国に加えて日本外務省の公開資料をもとに、この各政府の狙いを究明する。一方の日本政府は、植民地統治後に国内に残留した在日朝鮮人に対する歴史的な差別構造ゆえに、彼らを経済的に財政負担要因としてだけでなく政治的な危険要因と見なし、彼らを一掃しようとした。他方で後者は、朝鮮停戦後の「平和共存」政策の時代的な要請の中、支援国家である中ソとの関係悪化に対して自国の保全対策を講ずるため、帰還事業を突破口として日本との国交正常化を目指していた。在日朝鮮人を相互に送迎するところに国益が一致した両政府は、その悲劇的な結果を充分に予測しないまま事業を敢行したのである。
著者
西野 春雄
出版者
法政大学
雑誌
能楽研究 (ISSN:03899616)
巻号頁・発行日
vol.25, pp.163-178, 2001-03-20

二十世紀も終わり近く、二十一世紀の夜明けを目前にした平成十一年(一九九九)の能楽界は、比較的平穏な一年だった。大家・中堅、そして若い人達の活動も活発で、より広い観客層の拡大にむけての動きも見られた。ともすれば閉鎖的になりがちな能界の現状に危機感を抱いた若手能楽師たちが「能を次代に残すには、より広く親しまれるための努力が必要」と積極的に活動しはじめたことは喜ばしい。数年前に小鼓方の大倉源次郎氏が結成したグループ〈ツクスマ〉が先駆的な活動を展開してきたが、続いて東京のシテ方・囃子方5人の〈神遊〉(一九九五年結成)、中京・関西で活動するシテ方・囃子方・狂言方5人の〈能楽「鏡座」〉(一九九六年結成)、金春流若手4人の〈金春流 座・SQUARE〉(一九九八年結成)が旗揚げし、先輩たちも応援している。先人たちが何百年と演じ続けてきた作品に挑戦する舞台活動もあれば、能や狂言が現代に生きている証しとして新作能や復曲能、あるいは新作狂言に挑む舞台もある。新作ではここ数年宗教者に取材した作品が目立つが、今年もこの傾向が見られた。現代人は、能や狂言がもっている心の癒しを求めているのだろうか。一方、今や年中行事と化した趣の海外公演に目をやれば、欧米のほかに、宝生流中国公演や銕仙会メンバーによる韓国公演、同じく山本東次郎ほかによる韓国での「三番三」上演など、アジアでの公演も目立った年であった。アジアの時代が到来したか。国立能楽堂特別公演では昭和60年以来、実に十四年ぶりに黒川能が上演された。前回は三日間にわたる公演だったのに、今回は一日を三部に分けての強行日程で、疲労の度も限界ではと懸念されたが、みごとに演じ終え、五流の能とはまた別のおおらかな舞台に触れることができたのは嬉しかった。能界過去帳を繙けば、粟谷新太郎・岡次郎右衛門・川瀬一馬氏ほか、能界・学界で多年にわたり斯界の発展に尽くされた長老たちを見送らねばならなかった。詳しくは物故者の欄をご覧いただきたい。以下、文字どおりの管見で、しかも関東地方に傾きがちで恐縮ではあるが、平成十一年の能楽界の事象や出来事を、記録を中心に概観し、二十一世紀も間近い能界を展望する。
著者
高橋 智
出版者
日本特殊教育学会
雑誌
特殊教育学研究 (ISSN:03873374)
巻号頁・発行日
vol.35, no.1, pp.33-43, 1997-06-30

「精神薄弱」概念の理論史研究の一環として、戦前を代表する呉秀三・三宅鑛一・杉田直樹らの精神病学書を素材に、19世紀末から昭和戦前期までの精神病学における「精神薄弱」概念の形成過程とその特質を検討した。その結果、(1)クレペリン精神病学体系はわが国の「精神薄弱」の成立に影響を与え、「白痴・痴愚・魯鈍」の三分類法の確立や「精神薄弱」の疾病から障害への転換の重要な契機になった。(2)「精神薄弱」の精神病学的診断や定義における知能測定法の適用の問題として、三宅鑛一の提起により、クレペリン精神病学体系による医学的診断を基礎に知能測定法はその補助手段として活用され、1930年代末にはクレペリン精神病学体系と知能測定法の併用方法が採用された。(3)「精神薄弱」児の生活年齢・経験のもつ発達的意味に光を当てた杉田直樹の知能と社会生活適応性の二次元による「精神薄弱」の概念規定は、戦前の到達点であり、戦後の「精神薄弱」概念にも影響を与えた。
著者
福田 知顕 伊藤 剛 村主 明彦 花輪 壽彦
雑誌
漢方の臨床 (ISSN:0451307X)
巻号頁・発行日
vol.56, no.4, pp.699-706, 2009-04-25
参考文献数
17
被引用文献数
1

2 0 0 0 OA 官報

著者
大蔵省印刷局 [編]
出版者
日本マイクロ写真
巻号頁・発行日
vol.1909年01月22日, 1909-01-22
著者
津田 恭充
出版者
日本パーソナリティ心理学会
雑誌
パーソナリティ研究 (ISSN:13488406)
巻号頁・発行日
vol.19, no.3, pp.245-254, 2011-04-20 (Released:2011-06-23)
参考文献数
21
被引用文献数
3 2

妄想の認知療法では,妄想の内容を変えることよりも,感情や行動を変えるほうが重要だという指摘がある。この考えに基づいて,本研究では,被害妄想に伴う感情を測定する尺度(EPDS)を開発した。大学生401名(男性209名,女性192名)がEPDSに回答し,そのうちの130名(男性60名,女性70名)が自己関係づけ尺度と妄想観念チェックリストにも回答した。構造方程式モデリング(SEM)を用いた検証的因子分析の結果,モデルはデータによく適合しており,因子的妥当性が確認された。EPDSと他の尺度との間には有意な相関が認められ,併存的妥当性が示唆された。また,尺度項目について高い判別力や高い内的整合性が得られた。これらの結果は,EPDSが十分な信頼性と妥当性を有することを示唆している。

2 0 0 0 OA 官報

著者
大蔵省印刷局 [編]
出版者
日本マイクロ写真
巻号頁・発行日
vol.1897年05月25日, 1897-05-25
著者
岩下 剛
出版者
社団法人 におい・かおり環境協会
雑誌
におい・かおり環境学会誌 (ISSN:13482904)
巻号頁・発行日
vol.42, no.6, pp.413-419, 2011-11-25 (Released:2016-04-01)
参考文献数
6
被引用文献数
1

自動車の走行状態および停車状態で車室内のオゾン,粉塵,超微粒子の濃度を,全外気導入モード,再循環換気モードの 2つの条件で測定した.登坂中のトラックの後方を走行中,車室内粉塵濃度は大きく上昇した.全外気運転中のオゾン濃度I/O比は再循環運転中のI/O比よりも高かった.乗員4名の状態で,車室内CO2濃度を計測したところ,全外気運転では CO2濃度は 600〜800ppmであった.その後,再循環運転を開始すると,CO2濃度は15分で3800ppmに達した.室内空気質の悪化が運転パフォーマンスへ及ぼす影響を検討する必要がある.
著者
長尾 真理
出版者
三田哲學會
雑誌
哲学 (ISSN:05632099)
巻号頁・発行日
vol.113, pp.131-164, 2005-03

1. はじめに2. 「対象関係論」の成立3. 「対象関係論」の特質4. ウィニコットと乳幼児の世界5. 自我の発達と母親の役割 (1) 絶対的依存段階 (2) 相対的依存段階 1) 鏡としての母親の役割 2) 移行対象の理論 (3) 人格統合の段階 1) 対象を使用する能力 2) 「一人でいられる能力」 3) 「思いやり」を持つ能力 (4) 自我の発達と母親の役割6. おわりに投稿論文
著者
小泉 幸道 永島 俊夫 山田 正敏 柳田 藤治
出版者
Japanese Society for Food Science and Technology
雑誌
日本食品工業学会誌 (ISSN:00290394)
巻号頁・発行日
vol.33, no.5, pp.316-322, 1986

市販調理済カレー25点の化学的成分分析に主成分分析を適用した.また,14点のカレーについて香味の官能試験を行ない,カレーの特徴を解析した.<BR>(1) 化学的成分分析においては,各成分の平均含量は,水分72.81%,タンパク質4.38%,脂肪8.84%,灰分1.90%,繊維1.64%,全糖9.63%,直糖0.75%,ショ糖1.88%,デンプン6.30%,過酸化物価2.77,チオバルビツール酸価0.61であった。各成分共,含量のバラツキが多かった.<BR>(2) 化学的成分分析の主成分分析では,第1主成分は炭水化物と水分の成分として,第2主成分は油脂の品質表示と甘味を表わす成分であった.<BR>(3) 香味の官能試験において,香りについては香辛料や肉の香りが強くない方が良く,色については明るい方が良く,褐色の強いものが悪かった.味については旨味があり,甘味と辛味のバランスがとれているものが良かった.評点法による香味の官能試験より,5つの特徴あるグループに大別された.
著者
生貝 直人
出版者
デジタルアーカイブ学会
雑誌
デジタルアーカイブ学会誌 (ISSN:24329762)
巻号頁・発行日
vol.2, no.1, pp.61-61, 2018-01-31 (Released:2018-04-27)

以下の通り訂正します。 p. 34 誤 [注4] 文化審議会著作権分科会法制・基本問題小委員会「中間まとめ」(平成29年2月)53頁以降の他 正 [注4] 文化審議会著作権分科会法制・基本問題小委員会「中間まとめ」(平成29年2月)119頁以降の他 p. 34 誤 [注4]...(大学図書館研究106号11-18頁、2006年) 正 [注4]...(大学図書館研究104号11-18頁、2006年)

2 0 0 0 OA 学会規約

出版者
デジタルアーカイブ学会
雑誌
デジタルアーカイブ学会誌 (ISSN:24329762)
巻号頁・発行日
vol.2, no.1, pp.57-58, 2018-01-31 (Released:2018-04-27)