著者
上原 沙織 石黒 宏美 初谷 周子 大橋 恵美 尾山 真理 土屋 康雄 中村 和利 Uehara Saori Ishiguro Hiromi Hatsugai Shuko Ohashi Emi Oyama Mari Tsuchiya Yasuo Nakamura Kazutoshi
出版者
新潟医学会
雑誌
新潟医学会雑誌 (ISSN:00290440)
巻号頁・発行日
vol.123, no.6, pp.311-317, 2009-06

紫外線は, 様々な皮膚症状や眼症状, 免疫機能低下などの健康影響を引き起こすことが示されている. これらの健康影響を防止するためには, 紫外線環境を正しく把握する必要がある. そこで, 2008年10月22日, ハワイ, ワイキキビーチにおいて, 日照地点と目陰地点の紫外線強度の日内変動, 及び各種商品による紫外線カット率を調べた. 日照地点の直射方向, 水平方向, 日陰地点の垂直方向, 水平方向, 地面方向からの紫外線は12時に最高値を示し, 日照地点の垂直方向, 地面方向は15時に最高値を示した. すべての方向で山型のグラフを示すことが明らかとなった. 各種商品の紫外線カット率は, 縁Tシャツ, 日傘, 日焼け止めクリーム, 雨傘はほぼ90%を示したが, 白Tシャツは68%程度であることが示された. 日照地点では9時から15時の間はUV indexが3以上を示したことから, 日焼け止めクリーム, 濃い色のTシャツ, 日傘, 雨傘などの有効な紫外線対策が必要であると考えられた. 今後, 紫外線の影響を防止する観点から, 日焼け止めクリームの紫外線カット率の経時変化などについて焦点を当てて調査する必要があると考える.

2 0 0 0 OA 記憶と場所

著者
浜 日出夫
出版者
日本社会学会
雑誌
社会学評論 (ISSN:00215414)
巻号頁・発行日
vol.60, no.4, pp.465-480, 2010-03-31 (Released:2012-03-01)
参考文献数
31
被引用文献数
1

近代社会は,均質で空虚な空間のなかに位置する社会がやはり均質で空虚な時間のなかを前進していくものとして自らの姿を想像してきた.そして,近代社会の自己認識として成立した社会学もまた社会の像をそのようなものとして描きつづけてきた.本稿では,「水平に流れ去る時間」という近代的な時間の把握に対して,「垂直に積み重なる時間」というもう1つの時間のとらえかたを,E. フッサール・A. シュッツ・M. アルヴァックスらを手がかりとして考察する.フッサール・シュッツ・アルヴァックスによれば,過去は流れ去ってしまうのではなく,現在のうちに積み重なり保持されている.フッサールは,過去を現在のうちに保持する過去把持と想起という作用を見いだした.またシュッツは,この作用が他者経験においても働いていることを明らかにし,社会的世界においても過去が積み重なっていくことを示した.アルヴァックスによれば,過去は空間のうちに痕跡として刻まれ,この痕跡を通して集合的に保持される.この考察を通して,時間が場所と結びつき,また記憶が空間と結びつく,近代的な時間と空間の理解とは異なる,〈記憶と場所〉という時間と空間のありかたが見いだされる.
著者
稲葉 昭英
出版者
日本社会学会
雑誌
社会学評論 (ISSN:00215414)
巻号頁・発行日
vol.53, no.2, pp.214-229, 2002-09-30
被引用文献数
4

社会的属性とディストレス (抑うつ) の関連, および婚姻上の地位とディストレスとの関連を全国確率標本データから検討した.分析の結果, 若年層, 女性, 無配偶者, 低所得者にディストレスが高い傾向が示され, さらに配偶者の有無は男性のディストレスと大きく関連していた.婚姻上の地位をさらに細分化した分析では, 男性は無配偶者一般に高いディストレスが示されるのに対して, 女性の未婚者のディストレスは総じて低かった.また, 離別経験者を対象にした分析の結果, 男性の再婚者のディストレスが低いのに対して, 女性の再婚者はきわめて高いディストレスを経験していた.全般的には結婚は男性に大きな心理的メリットをもたらしていたが, 女性においてこの傾向は小さかった.この差異は女性によるケアの提供という社会的な性別役割分業によって生じているものと解釈された.
著者
田口 真奈 後藤 崇志 毛利 隆夫 飯吉 透
出版者
京都大学高等教育研究開発推進センター
雑誌
京都大学高等教育研究 (ISSN:13414836)
巻号頁・発行日
vol.23, pp.109-118, 2017-12-01

京都大学は2014年よりKyotoUxとして、MOOCの提供を行っている。KyotoUxの研究チームでは、MOOCで得られた行動ログに加えて、質問紙調査を設計・実施して得られた回答を分析し、MOOCの質の向上に役立てるために講義を制作するチームやコース提供者に向けたフィードバックを行っている。本論文では、質問項目の設計プロセスやフィードバックのためのデータの可視化など、KyotoUxのデータ分析の実践について報告するとともに、今後、大学においてMOOCなどを通した教育実践を推進していくうえでの課題について論じた。
著者
Elnaz NAKHAEI Ko TAKEHARA Hikari SATO Khadijah ZAI Akihiro KISHIMURA Takeshi MORI Yoshiki KATAYAMA
出版者
The Japan Society for Analytical Chemistry
雑誌
Analytical Sciences (ISSN:09106340)
巻号頁・発行日
vol.34, no.4, pp.501-504, 2018-04-10 (Released:2018-04-10)
参考文献数
23
被引用文献数
2 5

Therapeutic peptides and diagnostic agents with their molecular size below the renal clearance threshold suffer from short blood circulation time. Here, we report a novel design of peptide-based ligand with a strong binding affinity to human serum albumin (HSA), which can be used as a tag to extend the blood circulation of small-size molecules. We designed ligands with dual alkyl groups connected with a negatively charged spacer. The ligands showed both higher binding affinity to HSA and a higher retention in mice blood than that of a single alkylated peptide.

2 0 0 0 OA 官報

著者
大蔵省印刷局 [編]
出版者
日本マイクロ写真
巻号頁・発行日
vol.1917年03月07日, 1917-03-07
著者
木山 博資
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理学雑誌 (ISSN:00155691)
巻号頁・発行日
vol.142, no.5, pp.210-214, 2013

持続的なストレスは恒常性の維持機構を破綻させ,精神的あるいは器質的な障害を引き起こす.慢性的なストレスなどによって引き起こされると考えられている慢性疲労症候群や線維筋痛症などの機能性身体症候群に属する疾患の病態生理を明らかにするために,私たちは比較的類似した症状を呈するモデル動物の確立をめざしている.いくつかの慢性ストレスモデルのなかで,ラットの低水位ストレス負荷モデルは比較的安定した慢性的複合ストレスモデルであり,睡眠障害や疼痛異常など,機能性身体症候群の代表的な症状を示す.このモデルを用いて,脳や末梢臓器の組織的な変化を検討したところ,視床下部での分子発現の変化が起点となって,下垂体の一部に細胞レベルで器質的な変化が起こることが明らかになった.中間葉ではメラノトロフの過剰活動と細胞死,前葉ではソマトトロフの分泌抑制と萎縮が見られた.これらの変化は全て視床下部での分子発現の変化が引金となっていた.また,視床下部以外にも海馬での神経新生も影響を受けていた.この他,胸腺などの免疫系の臓器も影響を受けており,恒常性の維持機構である神経,免疫,内分泌系の臓器に細胞や分子レベルでの多様な変化が生じていた.これらの知見の解析は,今まで器質的な変化が明確に検出されていない機能性身体症候群の診断マーカーの確立や,疾患の分子メカニズムの解明に繋がると期待される.
著者
有田 眞
出版者
一般社団法人 日本不整脈心電学会
雑誌
心電図 (ISSN:02851660)
巻号頁・発行日
vol.36, no.1, pp.18-23, 2016 (Released:2016-03-25)
参考文献数
7
著者
高橋 理喜男
出版者
社団法人 日本造園学会
雑誌
造園雑誌 (ISSN:03877248)
巻号頁・発行日
vol.38, no.4, pp.2-8, 1974-03-20 (Released:2011-07-19)
参考文献数
28
被引用文献数
5

The development of municipal parks in Japan commenced in 1873, when the Decree of DajOkan (the Central Government) for establishing parks as recreational place was published. It can be easily imaged that the new government was terribly rushed with a great many difficulties both in domestic and diplomatic fields and could not afford to be deeply concerned in such a “trivial” matter as recreaton for people. Consequently, it is natural to recognize some alien influences, direct or indirect, upon the preparation of the said Decree.The Decree called forth echoes all over the country and numerous parks were born in a mere ten years. Most of them, however, were based on traditional recreation places having scenic deauty and on grounds of shrines and temples or changed from castle sites. And there were some cases that could not obtain wide favor among people owing to being far from the urban area.
出版者
富山県下新川郡
巻号頁・発行日
1926