著者
村田 正文
出版者
日本古生物学会
雑誌
日本古生物学會報告・紀事 新編 (ISSN:00310204)
巻号頁・発行日
no.82, pp.93-"116-1", 1971-06-30
被引用文献数
1

南部北上山地に発達するペルム系坂本沢層の最上部元岩沢砂岩部層の岩相・化石層序学的検討の結果, 白鳥沢石灰岩部層上部と同時異相の関係にあることを指摘した。また世田米地区の元岩沢砂岩部層より産出した軟体動物化石群より1属1種の頭足類, 3属3種の腹足類, 1新属を含む4属5種の斧足類を記載した。これらは, すべて上位の叶倉層および天神ノ木層の動物群と共通または近縁種で, 両者の間に著しい時間間げきは存在しない。したがって, 叶倉層の基底礫岩の分布を考慮しても"先叶倉統不整合"は地域的なものと推論する。
著者
石田 昭夫
出版者
日本動物分類学会
雑誌
動物分類学会誌 (ISSN:02870223)
巻号頁・発行日
no.50, pp.p6-12, 1994-02
被引用文献数
2

本州と九州から得られた新種Macrocyclops monticolaと.北海道から得られた新種Diacyclops dispinosusを記載した.これら2種はそれぞれの分布域の山地水体に普通に分布している.M.monticolaは第5脚2節外縁の棘の消失が殆どの個体群で変異として出現する.D.dispinosusは第5脚2節外縁に例外なく棘を具えている.
著者
吉川 栄
出版者
一般社団法人 色材協会
雑誌
色材協会誌 (ISSN:0010180X)
巻号頁・発行日
vol.46, no.9, pp.525-535, 1973-09-20 (Released:2012-11-20)
参考文献数
17
被引用文献数
1
著者
西川 善文 佐藤 吉哉
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1410, pp.70-73, 2007-10-01

10月1日、郵政事業の民営化が始まる。日本郵政公社は持ち株会社の日本郵政と、その傘下で手紙や小包を扱う郵便事業会社、貯金事業を手がけるゆうちょ銀行、保険業務を担うかんぽ生命保険、郵便局を運営する郵便局会社という4事業会社に分社化される。新たな船出だが、視界は良好とは言いがたい。法令順守で現場は疲弊 笛吹けど踊らず——。
著者
Maurice M. Iwu
出版者
CRC Press
巻号頁・発行日
2014
著者
中村 周作
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
日本地理学会発表要旨集 2017年度日本地理学会春季学術大会
巻号頁・発行日
pp.100039, 2017 (Released:2017-05-03)

発表者は,宮崎・熊本・大分を事例として,地域的に好まれる酒の分布圏(飲酒嗜好圏)の析出を試みてきた。今回対象とする佐賀県域を含む北部九州は,従来清酒文化圏として,わが国の大半の地域と共通する飲酒嗜好地域であったところに数次の焼酎ブームで焼酎嗜好が広がり今日に至る。したがって,本研究によって,地域独自の状況把握と同時に,日本におけるおおよその飲酒嗜好とその変容を見通すことができる。本稿の目的は,①地域ごとの飲酒嗜好とその変容を把握すること,②佐賀県域の地域的飲酒嗜好圏の析出を試みる。その上で③わが国の清酒文化圏の飲酒嗜好とその変容について展望する。研究方法として,『福岡国税局統計書』中のデータ分析と,より詳細なデータ,および関係者の声を聞くために,県内全域で57件の小売酒販店に対する聴き取りアンケート調査を実施した。佐賀県は,九州北西部,福岡県と長崎県に挟まれる位置にある。県の面積2440.7km2は,全47都道府県中41位,人口83.3万人も41位,世帯数29.4万も43位の小規模県である。なお,当県内には,税務署管轄区が5(鳥栖地区,佐賀地区,唐津地区,伊万里地区,武雄地区)あり,以下この地域区分により,論を進める。 佐賀県域における飲酒嗜好は,東接する福岡県から波及するブームの影響を強く受けてきた。清酒は,消費の減少が著しい。ただし,これはいわゆる普通酒(大量生産酒)の減少が著しいためであり,特定名称酒は近年好調,佐賀酒ブームが起こっている。単式蒸留しょうちゅうは,消費量が増加し,いわゆる焼酎ブーム末期の2007年にピークとなったが,その後漸減傾向にあり,特定銘柄が生き残っている。連続式蒸留しょうちゅう消費は,漸減を続けてきた。1980~年のチューハイブームと2004年以降の焼酎ブーム時に消費が微増して現在に至る。地区別に飲酒嗜好の特徴をみると,鳥栖地区は,単式蒸留しょうちゅう(特にイモとムギ)の流入と,連続式蒸留しょうちゅうの強さもあって,清酒消費が幾分減じている。佐賀地区は,伝統的に清酒嗜好の強い地区であるが,中で多久は,旧炭鉱地として焼酎消費嗜好が根強い。唐津地区も,清酒嗜好が強いが,ムギ焼酎の消費割合が5地区中で最も高い。伊万里地区は,清酒・イモ消費嗜好が拮抗するが,連続式蒸留しょうちゅうの消費割合も鳥栖地区と並んで高い。武雄地区も,清酒消費の強い地区である。特に強いのが鹿島・嬉野,白石であり,県内有数の清酒産地が,そのまま消費中心となっている。一方で,地域別にみていくと,温泉観光地である武雄市はイモ焼酎の割合が高いし,大町町や江北町でムギ焼酎,江北町や太良町で連続式蒸留しょうちゅう嗜好が強いのは,それが県の縁辺部に残っている例である佐賀県域における飲酒嗜好圏を分類すると,Ⅰ「清酒嗜好卓越型」:伝統の系譜を引き,清酒の生産-消費が直結する地域である。Ⅱ「単式蒸留イモしょうちゅう・清酒嗜好拮抗型」:鳥栖市は,九州の東西南北の飲酒文化が交差する地域であり,伝統的な清酒嗜好に加えていち早く南九州のイモ焼酎のシェアが拡大した。多久市は,かつての炭鉱地で根強い焼酎嗜好がみられる。Ⅲ「清酒・単式蒸留イモしょうちゅう・単式蒸留ムギしょうちゅう・連続式蒸留しょうちゅう嗜好拮抗型」:この型は,県の縁辺部に位置する三養基・神埼地区は,福岡方面から入ってきた焼酎ブームの最も大きな影響を受けた地域であり,同時に連続式蒸留しょうちゅう嗜好も根強い。太良町は,伝統的な清酒嗜好に加えて,福岡方面からの観光客の流入が大きく,観光客の嗜好もあってイモ,ムギ嗜好がみとめられる他,伝統的に連続式蒸留しょうちゅうの強い地域である。

2 0 0 0 OA 弘法大師全集

著者
壷井国三 編
出版者
壷井老舗
巻号頁・発行日
1900

2 0 0 0 OA 本朝度制略考

著者
荷田在満
出版者
狩谷望之写
巻号頁・発行日
1827
著者
金子 充 平野 寛弥 堅田 香緒里
出版者
立正大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

本研究では、イギリスにおける批判的社会政策論、すなわちマイノリティ等のヴァルネラブルな人々の差異・アイデンティティに配慮した社会政策を構想する研究潮流を支える視点および鍵概念(「普遍主義」「互酬性」「シティズンシップ」)の整理と再検討をおこなった。近年のわが国および先進諸国の社会政策(公的扶助制度や失業者・生活困窮者支援策)では就労自立を重視した政策展開がなされているが、これらは能力に応じて就労または活動への従事を求める給付としての性格が強く、限定的な意味での普遍性や、個人単位において権利と義務を対応させる互酬性に依拠した政策展開をしていることが考察された。
著者
坂口 周輔
出版者
東京大学大学院総合文化研究科言語情報科学専攻
雑誌
言語情報科学 (ISSN:13478931)
巻号頁・発行日
no.11, pp.205-221, 2013

Comment le poète, Stéphane Mallarmé, crée-t-il une fiction ? De quelle façon adapte-t-il une chose de la réalité à sa propre poétique ? La réponse est à chercher dans trois textes d'« Offices » des Divagations dans lesquels l'Office catholique apparaît comme une des sources de sa Poésie. Lisant ces textes, on s'aperçoit d'un contraste entre musique et office. Bien qu'ils aient tous les deux le mystère, la première manque d'une fonction esthétique : l'usage de la langue. Or cette dernière est, pour Mallarmé, une base de la fiction car elle nous éveille à la faculté du signe. La communion, office catholique, réside d'ailleurs dans cette faculté, comme le font remarquer les logiciens de Port-Royal. Mallarmé s'appuie donc sur cette tradition du signe du sacré et l'adapte à sa fête poétique pour que l'assistance y pratique la lecture des signes au travers des lettres. Il s'agit donc ici de mettre en lumière la manière dont cette assistance saisit la présence de l'Idée à travers les signes, un axe majeur de la poétique mallarméenne.
著者
川上 央 三戸 勇気
雑誌
情報処理学会研究報告音楽情報科学(MUS)
巻号頁・発行日
vol.2004, no.111(2004-MUS-057), pp.143-148, 2004-11-07

Rauscher(1993)のモーツァルト効果とはモーツァルトのピアノソナタの第一楽章を聴いた場合,空間課題の得点が上がったというものであるが,この研究ではモーツァルトとサリエリの作品での効果の違いを,3分間の計算課題を行った前後の心拍,血圧,血流量,発汗,脳波を指標に検討した.その結果,モーツァルトとサリエリの作品において,顕著な生理反応の違いは見られなかったが,脳波パワスペクトルのβ1帯域において,楽曲による有意差が見られた.このことより,モーツァルト効果は脳波の一部の周波数に影響を及ぼすのではないかと考えた.
著者
泉 利明
出版者
千葉大学国際教養学部
雑誌
千葉大学国際教養学研究 = Journal of Liberal Arts and Sciences, Chiba University (ISSN:24326291)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.57-70, 2017-03

[要旨] 本論は、『人間喜劇』に登場する多くの聖職者について、バルザックの宗教思想および社会観と、小説内で聖職者が果たす役割の観点から、考察したものである。十九世紀前半のフランス社会において、フランス革命とそれに続く一連の出来事で、キリスト教をめぐる状況が大きく揺れ動いた。そこで結果として生じたのは、聖職者の多様性である。バルザックは、自己の宗教思想を主張するのではなく、多様な聖職者像を作品ごとに描き分ける。本論では、教会内の上下関係、聖職者と信者の結びつき、カトリック教会が提示する道徳の意味、信者の信仰のあり方などの問題を取り上げ、複数の小説における共通点を検討し、聖職者像や聖職者と信者の関係の多様性が、物語の多様性を生みだしていることを示した。