著者
堀切川 一男 山口 健
出版者
公益社団法人 日本表面科学会
雑誌
表面科学 (ISSN:03885321)
巻号頁・発行日
vol.26, no.12, pp.762-765, 2005-12-10 (Released:2007-08-09)
参考文献数
6
被引用文献数
1

It was found that the key points of time reduction of bobsleigh were to reduce friction resistance between the runner and ice, and to improve the start technique, from the results of bobsleigh's dynamic analysis. Then, the authors designed and manufactured a new bobsleigh runner based on elastic-plastic contact analysis, which realized minimum contact area between the runner and ice within the shape that prevents ploughing term in friction force. The developed bobsleigh runner based on the analysis was named as “Nagano Special”. Additionally, the authors suggested a new start technique called “Keri-Nori”, which was quite different from the conventional start technique of the Japanese bobsleigh team, and verified its benefit. By using the newly developed bobsleigh runner “Nagano Special” and the new start technique “Keri-Nori”, the Japanese bobsleigh team took the 4th place among the world 44 teams in the international official tryout held on February 1998 just before Nagano Olympic Games.
著者
高山 智子 八巻 知香子
出版者
日本保健医療社会学会
雑誌
保健医療社会学論集 (ISSN:13430203)
巻号頁・発行日
vol.27, no.1, pp.39-50, 2016-07-31 (Released:2018-01-31)
参考文献数
20
被引用文献数
1

患者自らが健康や医療に関する情報を探し活用する力は、今後ますます重要となり、近年増加するインターネットやソーシャルメディアなどの新しいメディアを介した情報による第二次の情報格差も懸念される。本研究では、健康関連の情報を得るときに、人々がさまざまな情報媒体をどのように活用しているのか、情報入手経路の特徴、人々の背景要因による情報入手経路の活用の仕方を検討し、特にインターネットを介した情報提供方法の今後のあり方の示唆を得ることを目的として検討を行った。その結果、調査協力者の3/4以上が、自分もしくは家族や周囲でがんの経験を持ち、健康あるいはがん関連の情報入手経路は、性別、年齢、教育背景、職業により異なる特徴を示した。今後はこれらの異なる背景要因を手がかりとした情報格差を是正する具体的な介入方法や実際に活用できるアプローチを検討し、情報を探し、活用できる力につながるようにしていくことが必要である。
著者
早川 和宏
出版者
高岡法科大学
雑誌
高岡法科大学紀要 (ISSN:09159347)
巻号頁・発行日
vol.21, pp.95-117, 2010-03
著者
内田 大介 森 猛 佐々木 雄一
出版者
社団法人 日本鋼構造協会
雑誌
鋼構造論文集 (ISSN:18809928)
巻号頁・発行日
vol.23, no.89, pp.89_51-89_58, 2016-03-25 (Released:2017-03-22)
参考文献数
6

Various studies have been performed on improving fatigue strength of out-of-plane gusset welded joints because their fatigue strength is very low in the case of as-welded condition. Grinding the weld toes of the joints with burr grinder is the most common method for fatigue strength enhancement. In this study, for the purpose of sugesting appropriate grinding depth for out-of-plane gusset joints, fatigue tests and FEM analyses have been performed.
著者
小野 芳彦
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.31, no.3, pp.404-414, 1990-03-15
被引用文献数
2

2ストロークコード入力であるTコードの使い勝手を良くし また実務に就くまでの練習期間を短くするために 二つの補助入力方式を開発した.一つは字単位の合成を行うもので Tコードで入力した2文字の字形を組み合わせてその字形をもつ漢字を入力フロントエンドが探索することによってコード化されていない文字でも入力できるようにしたものである.JIS X 0208の全漢字について字形を二つの部品に分ける試みを行い 2文字から直接 あるいはその部品から間接に合成を行って目的の漢字を検索するアルゴリズムを実現した.これは 従来の字形入力がもつコードの重なりを極端に低くしている.もう一つはコード化入力方式に熟語のカナ漢字変換機能を融合したもので 被変換表記にTコードで入力できる漢字を交ぜるようにした方式である.これによってカナ漢字変換の欠点である同音語の選択の濃度を低くでき 変換結果を目視しないで打鍵を続ける可能性を高くした.通常の設計では辞書の大きさが数倍にふくれるのを コードの習得グレード別の辞書を作るという方式で押さえている.
著者
吉川 貴浩 井出 幸介 窪田 康男 中村 好宏 武部 寛 草桶 秀夫
出版者
日本昆虫学会
雑誌
昆蟲.ニューシリーズ (ISSN:13438794)
巻号頁・発行日
vol.4, no.4, pp.117-127, 2001
参考文献数
18
被引用文献数
1

ゲンジボタルのミトコンドリアND5遺伝子をコードする塩基配列を用い, 地域個体間の遺伝的類縁関係を調べた.108地域から得られた307個体について909bpの塩基配列を調べたところ, 131のハプロタイプが検出された.次に, 塩基配列に基づき, 分子系統樹を作成したところ, これらのハプロタイプは大きく4つのグループに分けられることが明らかとなった.これらのグループのうち, グループIとIIの分布はフォッサマグナ地帯を境界として東日本地域と四国を含む西日本地域に分かれた.本州における両者の分布は, ほぼフォッサマグナを境に, 発光間隔が約2秒間隔の西日本タイプと約4秒間隔の東日本タイプに分かれることと一致した.九州では, 中央構造線を境に, 南側のグループIIIと北側のグループIVに分かれた.
著者
Valentina Dagiene Gabriele Stupuriene
出版者
一般社団法人 情報処理学会
雑誌
Journal of Information Processing (ISSN:18826652)
巻号頁・発行日
vol.24, no.4, pp.732-739, 2016 (Released:2016-07-15)
参考文献数
28
被引用文献数
17

Informatics or Computer Science is important subject in nowadays school education. Informatics can be presented as a discipline for understanding technology in a deeper way - the understanding behind computer programs. Bringing Informatics to schools means preparing young people to be creators of information technology - not only to be users of technological devices. To achieve that, we need to introduce Informatics concepts to primary, basic (K-9) and secondary education (K-12). From the other side, we need to help people to solve problems by using technology and developing computational thinking in various areas. The paper presents a short overview of Informatics education at schools of Lithuania with focus on future modern Informatics and Information Technology curriculum for K-12 education. The importance of informal education of Informatics concepts and computational thinking through contests is discussed as well. Few examples of short tasks for understanding Informatics concepts and developing computational thinking skills are presented.
著者
斉 穎賢
出版者
専修大学人間科学学会
雑誌
専修人間科学論集. 社会学篇 (ISSN:21863156)
巻号頁・発行日
no.1, pp.107-117, 2011-03

本稿は、これまでの先行研究で明らかになった、モンゴル社会における伝統的家族・父系親族の特徴が、①父系原理によって構成された血縁関係からなる氏族的集団、②家父長的小家族が単位、③族外婚、④複数の相続があり、女子の相続も小部分あるが、主に男子相続であり、特に「末子相続」であることを整理し、「小家族」と「末子相続」に焦点を当てて、これまで先行研究が見落としてきた点、つまり、①なぜ小家族が単位なのか、②なぜモンゴル社会は末子相続なのかを再検討し、明らかにするのが目的である。研究方法として、文献・資料を検討の上で、比較的伝統的であったモンゴル社会に生まれ育った経験を生かしながら、現在の生活の中での家族・親族関係を踏まえて、内側から、モンゴル社会における家族・父系親族の現象をとらえるだけでなく、その現象の持つ主な特徴の「意味」を探った。その結果、①モンゴル小家族は、遊牧的経済だけが要因ではなく、モンゴル人が、子どもを結婚させて、「独立」させることを、親の基本的な「義務の達成」とし、それを子供の「1人前の成人」であるという概念と、「親族間の軋轢」を避けるという観念と緊密に関連している。②モンゴル相続の発生は親の死後ではなく、子の「結婚・独立」時に発生しており、「平等である」という親の「判断基準」に基づき、諸子に財産を分割しているのが実態であり、しかも、「末子相続」慣行であっても、他の民族の「長子相続」のような「1人の子どもが死者の財産を排他的に継承する一子相続のパターン」ではない。③モンゴルの「末子相続」慣行は、明らかにモンゴルの「小家族が単位」と関連しており、上の兄弟たちが、次々と独立していった結果は、末子が親の扶養をすることになる。しかし、親の扶養が問題にならなかったから、法制度的な規定がなかったことになる。④農耕化したモンゴル社会における事例から、「末子相続」の慣行は、遊牧或は農耕のような経済的形態が主因でなく、「イエ」や「家族」をどう見るかという「観念」によるいという内藤莞爾説が実証されたことになる。
著者
吉村功著
出版者
桜山社
巻号頁・発行日
2017
著者
高坂 佳宏 村山 弘之 中山 文彦 河内 順
出版者
日本臨床外科学会
雑誌
日本臨床外科学会雑誌 (ISSN:13452843)
巻号頁・発行日
vol.71, no.3, pp.777-780, 2010 (Released:2010-09-25)
参考文献数
14
被引用文献数
1 3

症例は69歳,女性.頭痛,発熱を主訴に当院受診.項部硬直を認める以外異常な神経所見はなかったが,髄液検査にて高度の細胞数上昇を認め,髄膜炎の診断にて内科に入院し,抗菌薬治療を行った.入院時の髄液培養は陰性だったが,血液培養にてStreptococcus bovisが検出されたため,軽快退院後,消化管腫瘍精査を行ったところ,S状結腸に2型の癌を認めたため外科へ再入院し,S状結腸切除術,D3郭清を施行.病理結果は中分化腺癌,ss,ly1,v1,n1,Stage IIIaであった.本邦では,Streptococcus bovisと大腸癌との関連性の認識がまだまだ低いと考えられるため,文献的知見を加えて報告する.
著者
Murase Mayumi Tajima Yuko Okamoto Minoru Matsuishi Takashi Yamada Tadasu K. Asakawa M
出版者
酪農学園大学
雑誌
Research of One Health (ROH)
巻号頁・発行日
vol.2014, pp.13-17, 2014-03

Postmortem examination was performed on a female western gray whale (Eschrichtius robustus) stranded at Tomakomai-shi, Hokkaido, Japan in August, 2007, and amphipod whale lice (Cyamus scammoni) and cirripedian epizoites (Cryptolepas rachianecti) were obtained. The histopathological investigation of the epizoites was given. 2007年8月、北海道苫小牧市の海岸でストランド(座礁)したコククジラ(Eschrichtius robustus) 雌1個体の外部寄生虫クジラジラミ類(Cyamus scammoni)と着生生物フジツボ類(Cryptolepas rachianecti)について、日本では千葉に続き二例目の記録をした。また、C. rachianectiの着生部位における組織病理学的検索も実施した。