著者
大森 望
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.60, no.12, pp.1166-1167, 2019-11-15
著者
津上 智実 Motomi TSUGAMI
雑誌
女性学評論 = Women's Studies Forum
巻号頁・発行日
vol.31, pp.65-86, 2017-03-20

本論では、戦後初の芥川賞受賞作家として知られる由起しげ子(1900~1969)について、神戸女学院音楽部在学時(1918~1921)とその前後の音楽教育歴の輪郭を、本学所蔵資料によって描き出すことを目的とする。「由起しげ子」は本名を「伊原(旧姓、新飼)志げ」と言う。新飼志げは17歳の1918年4月に神戸女学院音楽部に入学し、20歳の1921年1月に中退している。ここでは、1)音楽部在学時の音楽教育、2)山田耕筰(1886~1965)との師弟関係、3)山田耕筰との交流を示す資料について、その概略を描き出す。1)神戸女学院大学図書館所蔵の「音楽レッスン帳」(1907~1923)によれば、新飼志げは1918年春学期と秋学期、1919年冬学期の3学期間にピアノとオルガンと歌のレッスンを並行して受けており、その教材は主に初学者用のものであったと判明した。幼少期にピアノを習う機会を与えられなかったため、必ずしも手が回る弾き手ではなかったようである。2)山田耕筰との師弟関係については、特にその始まりがいつであったかという点で先行研究には大きなばらつきが見られるが、関連史料を精査した結果、1917年2月25日の大阪ホテルでの出会いが最初で、その際に新飼は山田に弟子入りを許されたというのが一番事実に近いという結論に達した。「由起しげ子文庫」には新飼の作曲作品は含まれておらず、対位法の勉強の跡を示す簡単な譜例とメモが残されているだけである。3)由起の長期入院と結婚・渡欧によって作曲の勉強は放棄されたが、それでも山田との交流は生涯にわたって続いたことが、「由起しげ子文庫」所蔵の山田耕筰の署名と献辞入りの出版譜や書簡、また後年の両者の執筆物から明らかとなった。
著者
黒田 宏治 阿蘇 裕矢 クロダ コウジ アソ ユウヤ Kohji KURODA Yuya ASO
雑誌
静岡文化芸術大学研究紀要 = Shizuoka University of Art and Culture bulletin
巻号頁・発行日
vol.13, pp.149-152, 2013-03-31

浜松の民芸運動は、浜松の新たな文化やデザインのアイデンティティとなる可能性がある。本稿では、浜松の民芸運動について、郷土史家へのインタビューと地元資料に基づく概略年表整理を行った。浜松の民芸運動の現代的評価に向けて、引き続き研究調査を行っていきたい。
著者
原田 信之 Nobuyuki HARADA 新見公立短期大学
雑誌
新見公立短期大学紀要 = The bulletin of Niimi College (ISSN:13453599)
巻号頁・発行日
vol.25, pp.275-293, 2004-12-25

琉球の歴代王統のうち、第一尚氏王統の始祖に関する伝説は伊平屋島から佐敷に渡ってきたという鮫川(佐銘川)大主の話に始まる。伝承によれば、屋蔵大主の息子の鮫川大主は、伊平屋島を出て場天の浜(佐敷町) に渡ったという。やがて鮫川は大城接司の娘の聟になり、男子苗代大親(尚思紹)と女子(場天ノロ) が生まれ、この苗代大親の子が成人して尚巴志となり、三山を統一して第一尚氏王統をたてたとされる。このため、佐敷町には、第一尚氏一族にまつわる史跡も多く、第一尚氏王統にまつわる諸伝承が濃密に伝えられている。本稿は、新たに採集した口承資料などの検討を通して、佐敷町の人々の間で語り継がれてきた第一尚氏関連史跡群とその伝承の全体像をまとめ、残存資料の少ない琉球王朝始祖伝説の一側面を考察した。
著者
大津 尚志 Takashi Otsu
雑誌
武庫川女子大学紀要. 人文・社会科学編 (ISSN:09163115)
巻号頁・発行日
vol.64, pp.11-19, 2017-03-31

During the period of Vichy (1940-1944), the educational system was reformed according to the slogan,“Travail, Famille, Patrie”, and“ Révolution nationale”. In elementary schools“ instruction morale et civique” of the third republic was replaced“ Eduation morale, civique et patriotique”. Originally, the government decided that it could include“ religious education” in public elementary schools, but the Minister of public education, Carcopino, made a new law and forbade religious education in the schools. Many new textbooks were pubished in this period. The contents were similar to those of the first period of the third republic,although Phillipe Pétain attacked the spirit of third republic.
著者
福島 清彦
出版者
多摩大学経営情報学部
雑誌
経営・情報研究 多摩大学研究紀要 = Tama University Journal of Management and Information Sciences (ISSN:13429507)
巻号頁・発行日
vol.18, pp.79-100, 2014-02-01

Recently, non-GDP economic indicators such as the Inclusive Wealth Indicators by the UN and How's Life index by the OECD have been newly developed by international organizations and they gathered much attention in the US and EU. Flurry of those new indicators was triggered by the Stiglitz report commissioned by the former president Sarkozy of France. The report made a breakthrough in economic thoughts. Analyzed through the lenses of those recent indicators, the merits and demerits of Abenomics will be critically taken into consideration. Abe's "bold monetary policy" implemented by Governor Kuroda of the BOJ has been a huge success. It may be concluded that while the "resilient fiscal policy" is producing mixed results, the "growth strategy that will induce private sector investment" is likely to fail since the concept of growth strategy is unfit for Japan in the 21st century.
著者
松村 一男
出版者
和光大学表現学部
雑誌
表現学部紀要 = The bulletin of the Faculty of Representational Studies (ISSN:13463470)
巻号頁・発行日
vol.16, pp.107-126, 2016-03-11

Myths about unknown islands always fascinated island people. The most famous example is the Odyssey. The Odyssey was introduced to Japan in the middle of the sixteenth century by the Jesuits and gave birth to a story named the Nobleman Yuriwaka. Probably influenced by this story, another voyage story, the Voyage of Yoshitsune to the Island of Yezo, was created. The hero of the story is Minamoto no Yoshitsune. His tragic, untimely death made Yoshitsune one of the most popular legendary figures in Japanese history. Many stories have been created about him and this story is one of them. In this paper, the story will be explained and then a comparison with other voyage stories will be given.
著者
和田正美 Masami WADA
雑誌
研究紀要
巻号頁・発行日
vol.13, pp.239-251, 2012-03-31

本稿は,大学での講義「西洋教育史」に使用する教科書を作ることを想定して作成したものである。教育思想を正しく深く理解するには,歴史,文化を十分理解していなければならない。大学は学問の場であるかぎり,幅広い領域の知識を統合化する教育が必要であることは言うまでもない。しかし現在,大学の講義内容に相応しい教科書は皆無といってよい。専門書は豊富にあるが,大学の講義を想定しては書かれていないのである。 ソクラテスの時代の倫理・教育思想は,決して突然に生まれ出たものではない。その背景となり,推進力となったものとして,自然哲学者たちの思想,ギリシア悲劇,自然中心主義から人間中心主義への転換をはかったソフィストたちの思想などを挙げることができる。 よって,本稿は,ギリシア神話,伝説などを扱うギリシア悲劇,自然哲学者たち,ソフィストたち,そして,ソクラテス,プラトン,アリストテレスの三大哲学者の倫理思想を考察することにより,古代ギリシアの倫理思想を概観する。
著者
江木啓訓 尾澤重知 森裕生
雑誌
ワークショップ2013 (GN Workshop 2013) 論文集
巻号頁・発行日
vol.2013, pp.1-2, 2013-11-21

本発表では,ワークショップなどの場の効率的な運営と情報システムとの連携を目的として,配布される菓子のデザインと活用法について議論する.
著者
横手 逸男 ヨコテ イツオ Itsuo Yokote
雑誌
浦和論叢
巻号頁・発行日
no.50, pp.149-164, 2014-02

天皇陛下や皇族方は、さまざまなご公務を通じて、国民との絆を深められている。 一方、現行「皇室典範」では、皇族女子は、「天皇及び皇族以外の者と婚姻したときは、皇族の身分を離れ」なければならず、現在の皇室の構成に鑑みると、女性皇族が婚姻を機に皇籍を離脱した場合、皇室のさまざまなご活動の維持が困難になる。このような状況に対処すべく、ヒアリングが実施されたが、有識者の意見は大きく対立した。平成24年10月5日に野田内閣が発表した「皇室制度に関する有識者ヒアリングを踏まえた論点整理」では、皇族数の減少に歯止めをかけ、皇室のご活動の維持を確保するためには、「女性皇族が一般男性と婚姻後も皇族の身分を保持しうることとする制度改正について検討を進めるべきである」と結論づけたが、ヒアリングを行なうに際し示された「皇位継承問題には触れない」という前提条件にもかかわらず、「皇位継承問題」に関する大きな論争を招いた。しかし、皇室の直面している問題は深刻であり、これらの問題に関する政府の積極的なとり組みが必要である。