著者
樺 克裕
出版者
八戸学院大学
雑誌
八戸学院大学紀要 (ISSN:21878102)
巻号頁・発行日
no.53, pp.1-10, 2016-12-24

本稿では、回帰分析を行い、審議会の委員構成が財政指標に与える影響について検証した。財政制度等審議会について、名簿の登載回数の平均値が増加し委員の経験度が上昇すると、公債依存度を引き下げることを確認した。女性委員比率が高まると財務省予算の全体に占める割合を増やす傾向にあることが分かった。産業構造審議会について、女性委員比率が高まると予算を抑制することが分かった。研究者比率、経済団体・業界団体比率は被説明変数によって、係数が正、負と分かれる結果となった。研究者比率、経済団体・業界団体比率の係数は、女性委員比率の係数よりも値が大きく、特に研究者比率は予算に与える影響が大きいことが分かった。
著者
折原 由梨
出版者
跡見学園女子大学
雑誌
跡見学園女子大学マネジメント学部紀要 = JOURNAL OF ATOMI UNIVERSITY FACULTY OF MANAGEMENT (ISSN:13481118)
巻号頁・発行日
no.8, pp.19-46, 2009-09

本論文では、「おたくの消費行動の先進性を実証し、今後の消費動向を見通して行くこと」を目的とする。「おたく」の定義は、「主に学問として体系化されていない特定の分野・物事に熱中し、そのことにこだわりを持つ人」である。また「単に消費するだけではなく、表現や創作を行う人」とする。また「先進性」とは、消費するだけではなく創造的に情報発信することを意味する。
著者
矢入(江口) 郁子 猪木 誠二
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.48, no.2, pp.770-779, 2007-02-15

視覚・聴覚・下肢駆動機能の低下した高齢者・障害者の場合,現在の社会環境下では移動に不可欠な認知・駆動・情報入手の3 つの要素行動に問題が生じ,移動に制約や困難がともなう.移動は目的地への到達,気ままな散策など,自立的かつ快適に生活するための手段としてきわめて基本的,かつ必要不可欠な行動であるだけに,移動に制約や困難がある生活は辛い.その対応策として,歩行空間のバリアフリー化のための法制度や設備が国や自治体によって積極的に整備されているが,歩行空間すべてをバリアフリー化することは今後も困難であり,その代替手段として,IT 技術を応用した移動支援への要望が高まっている.このような社会的背景をもとに筆者らは,高齢者・障害者の自立的移動を支援するユビキタスシステム,Robotic Communication Terminals(以降RCT と略記)の研究を1999 年より実施してきた.本稿は,RCT 研究における産業界への技術移転のための具体的戦略と,研究成果の商品化について報告する.
著者
森川 譯雄 モリカワ ノブオ Nobuo Morikawa
雑誌
修道商学
巻号頁・発行日
vol.50, no.2, pp.307-325, 2010-02-28
著者
間辺 美樹 間辺 美恵子 間辺 広樹
雑誌
情報教育シンポジウム2016論文集
巻号頁・発行日
vol.2016, pp.23-30, 2016-08-15

コンピュータやスマートフォンなどの電子機器の普及による漢字離れが顕著であり,改めて漢字を学習することの重要度が増している.ところが,反復学習に代表される一般的な漢字学習法や漢字学習アプリは,「暗記すること」に主眼が置かれていて,「意味の理解」に基づいた漢字学習法についてはこれまで十分に議論されてこなかった.本研究では「暗記に頼った漢字学習法は効果が低く,すぐに限界が訪れる.しかし,ある文字を理解しようとした際に,その字を含む熟語を多数知ることで,字の本来の意味を理解し,結果的に記憶に頼ることなく効率よく学ぶことができる.」という漢検1 級取得者の理解モデルに基づき,「複数の熟語から1 字を学ぶ」というクイズ形式の学習ソフト「熟語マニア」を試作した.選択肢として提示された複数の熟語の中から,正しく漢字が使われているかどうかを判断するものである.高等学校において「熟語マニア」を用いた実験授業を行った結果,生徒の多くが意味を理解することの大切さを再認識するようになった.
著者
柏崎 礼生
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.60, no.12, pp.1168-1172, 2019-11-15

2019年8月25日にAWSは,8月23日に東京リージョンの1つのAZで冷却システムのトラブルによるオーバーヒートにより一部のAmazonEC2を提供するサーバが停止したと発表した.後日,この障害時にマネージドサービスであるAmazonRDS,ALBの一部にも影響が発生していたことが追加発表された.本稿ではクラウドの利用が十分に普及した現在において,システムを安定運用させることの困難さ,取り組むべき課題,およびその意義と意味について,過去の異分野の事例に触れながら議論を行う.
著者
西脇 智子
出版者
実践女子大学短期大学部
雑誌
実践女子大学短期大学部紀要 = The Bulletin of Jissen Women's Junior College (ISSN:24344583)
巻号頁・発行日
vol.40, pp.69-83, 2019-03-09

社会福祉法人日本点字図書館の前身となる日本盲人図書館を創設したのは本間一夫である。疎開先の北海道増毛にある本間の生家に置いてきた蔵書の一部が帰館した。そのうち点字出版書を対象に本年9 月までに収集した諸事象を補充し発行所の別に再考した結果、当時の点字図書の一部でもある27 件の点字出版所が製版発行した点字図書であることが判明した。これらは点字出版事業史を裏付ける貴重な資料であることが推察された。